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光射す方へ ~日本×コロンビア徹底分析~

0623表紙2
<光射す方へ ~2018W杯 日本×コロンビア~

どうも半年ぶり、ご無沙汰です。
思えば前回のW杯から一体、何回更新したんだ?っていう本ブログではありますが、気が付いたら4年経ってました(笑)
時の流れは早いものです。

さて、ブラジルの地での惨敗から4年、まさかロシアW杯を西野監督で戦っているとは誰が予想したでしょうか?
本当に色々ありました。ありましたが・・・ここでは一旦置いておきましょう。
ここに到る経緯はもう散々メディアなりSNSなりで議論尽くされてきましたから。

本ブログはあくまで「ピッチ上のプレー、戦術にフォーカス」するのが基本路線なので。
何より・・・その手の話題は荒れるしね(爆)


では半年ぶりのマッチレビューは歴史的な勝利を飾ったコロンビア戦の勝因解分析です。
何故日本は勝てたのか?10人になった事で両チームに何が起きたのか?前半と後半の違いは何か?
そこら辺も含めて解析していきましょう。




<的中した選手選考&コロンビアの隙>
img_0c7c0f92f8cbea2c4a9d9b876efacb44222678.jpg

まずは両チームのスタメンから↓

コロンビアスタメン0622

両チーム共にシステムは4-2-3-1

コロンビアはハメスロドリゲスがコンディション不良でまさかのベンチスタート。
一方の日本は本大会まで僅か3試合という強化試合を目一杯に使って西野監督は最適解を見出したと思えるスタメン選考です。
システムは当初、長谷部をCBに落とした3バックを試してみるも結局はやり慣れた4-2-3-1がベストという賢明な判断。
更に直前のパラグアイ戦で光明を見出した香川&乾のユニット、司令塔・柴崎のタテパス、南米のFW相手に対人で完勝してみせた昌子をCBに抜擢。

結果的に見ても前線、中盤、最終ラインでそれぞれ抜擢した選手が躍動し勝利に貢献してくれました。


では、この試合の行方を左右した”あの場面”から試合の検証を始めていきましょう。

前半-
試合開始と共に前からプレスをかける日本に対して、コロンビアにはどこか緩さが垣間見えました。
それは4年前の惨敗のイメージが色濃く残る我々の感覚が、彼らにしたら日本=大勝の感覚で残っていたと考えれば無理も無い事でしょう。

しかし、サッカーにおいてその油断は致命傷を招きます。

オシム『コロンビアが最初にピッチに姿を現したとき、私は彼らの傲りを感じた。南米選手にありがちな、そうした驕慢を私はよく知っている。そして彼らはピッチでその代償を支払うことになった。』



ではPKに到るシーンを少し遡って流れを見ていきましょう。

【前半3分のPKシーンを検証】
1点目0622-1-2
前半3分、コロンビアの左SBが浅い位置から早めのアーリークロスをゴール前に送る場面が↑になります。

まず、注目したいのがコロンビアの攻撃にかける枚数
両SBを同時に高い位置へ上げ、ボールより前に7枚を投入しているのが分かります。
(ネット配信で戦術カメラが観れるのは有り難い!)

前回対戦時の2014W杯のコロンビアは攻撃は前線の3枚~多くても4枚に任せて
4バック+2ボランチの6枚が常に自陣で待ち構えているカウンター主体のプランだったのを考えると2つの試合でコロンビアのアプローチが大きく違うのが分かりますね。

この両SBを同時に上げて攻撃に枚数をかけるサッカーはまさに前回のザックJAPAN、我々の姿そのもの。
これはコロンビア版「俺達のサッカー」なのか…?(笑)

とにかく、こんなところに序盤からコロンビアの傲慢さが垣間見えていた訳です。


日本は守備時、4-4-1-1で守るのでボールより前に残るのは香川+大迫の2人。
しかしコロンビアのボランチ+CBの3枚はそれぞれ、誰が誰を捕まえているのか?非常に中途半端なポジショニングになってるのが分かります。
(基本的には守備残りのボランチが香川を観て、CB2枚で大迫に対して「+1」を作る、というのが基本路線)

攻撃の最中から後ろはカウンターを防止する為の予防的ポジションを取る、というのは現代サッカーの必須戦術となっていますが、この場面におけるコロンビアの予防的ポジションはかなり怪しいと言わざるを得ません。(コロンビアのミスその①)




1点目0622-2
このクロスが跳ね返されて香川にこぼれた瞬間が↑になります。

ここで問題なのが何を血迷ったのか、香川に対してボランチではなく、後ろで大迫を見なければいけないはずのCBがボールにチャレンジする為に前へ突っ込んでいる事です。
またその距離を見ても、明らかに香川の方がボールに近く、先に触られるであろう状況なのにも関わらず、このCBのチャレンジはあらゆる意味から考えてセオリーを逸脱したコロンビアのミスその②です。

香川はドルトムントでもこのポジションでカウンターを発動させる為のスイッチとして機能している選手なので、
ボールを拾う前から自分の背後には大迫とコロンビアのCBが1対2の状況である事、自分が誰からも明確なマークされる距離にいない事を「観て」、分かっていました。

なのでコロンビアのCBが自分に突っ込んできてるのを周辺視野で捉えて、大迫が今この瞬間、自分の背中で1対1の状況である事を瞬時に察知します。しかしこの時、香川の視野はバウンドするボールに身体が向いているので大迫の動き出しまでは恐らく観えていません。そこで感覚で背後のスペースに、事故が置きやすく、かつ大迫がパスコースへの修正が効きやすいフワッとしたロブをスペースへ落としたのです。

これは今季クロップのリバプールを観ていた人には分かるかと思いますが、クロップのチームはセカンドを拾った瞬間にサラー、マネがヨーイドン!するスペースへ向かってアバウトに浮き球を落とすシーンが数多く見られます。(そしてこの2人はだいたいヨーイドン!に勝てるw)

香川は現代サッカーのトップ下に必要とされるこのセンスがとにかく抜群なので、真骨頂とも言えるシーンでした。
(更にパスを出した後に足を止めず、パス&ゴーでゴール前へ詰めていた動き出しがPKにつながったのもミソ)


1点目0622-3
↑は香川のスペースに落とされたパスに対して大迫とCBのDサンチェスが競り合っているシーンです。

ここで大迫と1対1のDサンチェスに求められたのはまずゴールに向かって帰陣し、大迫の突進を遅らせる守備でした。
しかしDサンチェスは所属するスパーズでも度々こういったプレーを見せているように、抜群の身体能力を過信したリスキーなプレー選択が見られるDF。

ここでも遅らせる事ではなく、自分で奪いに行く事を優先した矢印で大迫に向かってしまい、結果入れ変わられてしまいました(コロンビアのミスその③)

よく現代サッカーでは『ミスが3つ続くと失点になる』と言われますが、日本がPKを獲得したシーンは正にコロンビアの致命的なミスが3つ続けて起こった事による必然だったと言えるでしょう。

そして、その引き金となったのは香川の一瞬の判断とセンス、そして大迫の競り合いにおける粘り強さだった事も忘れるべきではないですね。


<10人で落ち着くコロンビア&慌てる日本>

開始3分で1点(PK)&退場で10人へ。
しかしコロンビアの選手達はベンチを見る事もなく自動的に4-4-1のオーガナイズで守備を再構築。
逆に慌てたのが1人多くなった日本で「…え?え?相手10人だけど、どうする?どうする?」と言わんばかりのチグハグさ。
何故、相手より1人多いはずの日本が有効な攻め筋を見つけられなかったのでしょうか?


そこでまずこの時、日本がすべきプレーは何だったのか?を考えてみましょう。

2トップの1枚を削って4-4-1で守るコロンビアに対しての定石はビルドアップの始点で起きる2対1の数的優位を上手く活用する事です。すなわち日本のCB2枚とコロンビアの1トップによる2対1のエリアですね。↓

【数的優位を活かせない日本の攻め筋】
ビルド0621-1
この場面はコロンビアの退場直後の日本のビルドアップから。

吉田と昌子のCBがコロンビアの1トップ(ファルカオ)に対し2対1の数的優位になっているのが分かります。
ここから昌子がボールを運んで・・・・


ビルド0621-2
日本はサイドに入れてコロンビアの矢印⇒を後ろ向きにし、1トップの背後でボランチが前向きに受ければそこからタテパスorナナメの間受けor逆サイドへの対角パスという崩しのフェーズに入ります。

要は1トップを剥がして常に残りの8枚と勝負!っていうのが9人守備を崩す始点になるという事ですね。



ビルド0621-3
しかーし!サイドの乾から横パスを受ける長谷部の距離と身体の向きが悪過ぎる!

日本のボランチ(長谷部&山口蛍)が抱える問題がコレで、要は間で受けて前を向く事が出来ないんですね。



ビルド0621-4
…で、苦しい体勢の長谷部はサイドの乾へリターンパス。

コロンビアはボールサイドに寄せてきているので、これは受けた方が苦しい、いわゆる死に筋のパス。
案の定、乾はこの後難なくボールを奪われてしまいました。


これが日本の左サイドの問題で、ボランチが長谷部、その後ろのCB昌子も運ぶドリブルやタテパスといった攻撃面が苦手という地獄の組み合わせなので、サイドの長友&乾が死んでしまっていたんですね。
(前半、乾のボールロストが多かったのは後ろからの配球側の問題も大きかったと見ます)


じゃあ、もう1枚のボランチ柴崎はどうか?という話になってきます。
続いて右サイドの攻撃ルートを見ていきましょう。

【右サイド(柴崎)の攻撃ルート】
柴崎1-1
局面はCB吉田がボールを持ったところで柴崎がかなり低い位置まで落ちてきてタテパスを引き出す場面


柴崎1-2
柴崎の特徴はこの低い位置からでも正確な長いタテパスを通せるという事です。
香川が欲しいタテパスはまさにコレなんですね。


柴崎1-3
香川は正確なタテパスさせ刺せば、狭いエリアでも苦も無く前を向く事が出来る職人
この場面でも得意のターンから原口へのスルーパスでサイドをえぐりました。

このように右サイドはCB吉田⇒ボランチ柴崎⇒香川⇒SH原口という中→中→外の攻撃ルートがあるのでアタッキングサードまで侵入出来る下地はありました。
左右の攻撃ルートの違いはそのまま長谷部と柴崎の違いと言っても良い訳ですが、ボランチというポジションにとっていかにボールを受ける際の「身体の向きを作るスキル」が重要であるか、この両者を見ていると良く分かります。


【長谷部と柴崎の身体の向きの違い】
長谷部0621-1
日本代表の試合を観ていて↑こういうシーンをよく見かける事にお気付きでしょうか…?

長谷部がこの身体の向きでボールを持っている事で守る側からすると逆サイドの柴崎&酒井は全くケアする必要が無く、非常にハメやすい持ち方であるという事が言えるでしょう。

実際、↑の場面でも柴崎が両手を挙げてアピールしていますが、長谷部の視野には入っておらず、狭い方の乾へタテパスを出してまんまと囲まれてしまいました。これは山口蛍でも同様のシーンを本当に多く見かけます。


身体の向き(柴崎)
続いて全く同じエリアでボールを持った時の柴崎の身体の向きを見て下さい。

この向きで持たれると、まず長谷部へのセーフティな横パスを確保しながらナナメの香川とも目が合うし、パスの選択肢が複数あるのでコロンビアのDFが寄せられないという状況を作っています。
そしてボールにプレッシャーがかかり切らないので同サイドの乾も迷う事なく裏へ走り出せる訳です。

ちなみにハリルJAPANはどちらもこの持ち方が出来ない長谷部&山口蛍という地獄のボランチコンビだったので、完全に日本の攻め筋から中→中→外というルートは消えていました。
もっぱらパスはCB→SB→SHとUの字型に外→外→外。同サイドで3本以上パスをつなぐので相手からするとハメやすく、苦しくなって大迫にタテポンという遅攻が目立ったのはこのためです。

なので個人的に日本のボランチは柴崎と大島の組み合わせしかないだろう、と思っていたのですが西野監督はその折衷案を取って1枚は柴崎or大島の司令塔タイプ、もう1枚に長谷部or山口のファイタータイプという補完性による組み合わせを基本に考えている模様。

であるならば、この日の日本は右サイドを中心に攻めたら良かったのではないか・・・?という疑問は当然湧いてくるのですが、コロンビアも事前のスカウティングでこの事をよく理解しており、対策を立てていました。


【コロンビアのビルドアップ対策】
柴崎ケア1
局面は日本のビルドアップ
1トップのファルカオは基本的に日本のCBは放置。その分、柴崎へのコースをケアする立ち位置で日本のビルドアップを左サイドへと誘います。



柴崎ケア2
・・・で、お馴染みのバックパサー長谷部。
こちらのルートはボランチに預けたところでサイドで詰まるか、バックパスが返ってくるだけなのでコロンビアからすると全く問題無し。



柴崎ケア3
この時のファルカオのポジショニングがミソ

首を振って背後の柴崎を確認し、ここのコースだけは死んでも空けないぞ!という構え。
恐らくコロンビアのペケルマンは当初2トップで柴崎へのパスコースをケアしながらチャンスとあればCBにプレスをかけるというプランだったのだと思いますが、1トップになった事で割り切って「柴崎を消す事」のみにファルカオの守備タスクを絞ったと見ます。

こうなると日本のビルドアップは右サイドに回しても柴崎回避の外→外ルートになるので・・・



柴崎ケア4
ハイ、待ってました~!とばかりに原口が囲まれてジ・エンド。


まさにこれがボランチを補完性のコンビで組んだ時の弱点で、スカウティングされて「片方だけ消す」という対策を講じられやすいんですね。

考えられる日本の打ち手としては「1トップのファルカオが疲れるまで後ろでひたすら回し、柴崎が空くのを待つ」か「長谷部を大島に変えて左右どちらからも攻められるようにする」の2つ。

前者が1-0リードを保ったまま隙あらば追加点を…の安全策で、後者が自分達から2点目をとって試合を決めてしまう積極策なんですが前半の日本はどっちつかずのまま試合を進めて、何となくコロンビアの守備にハメられてカウンターを食らうという展開になっていました。非常に勿体無かったですね。



<香川は何故、試合から消えたのか?>
20180619_shinji-kagawa3448.jpg

この状況に業を煮やした選手がいました。

トップ下の香川です。

気持ちは分かります。「待っててもボール来ねえじゃん…!」という心情だったのでしょう(笑)
こういう時は香川の悪い癖が顔を出します。


【ポジションを崩す香川】
香川落ちる1
局面は日本のビルドアップから。

我慢しきれなくなった香川が「ええい、オレが行く!」とばかりにボランチのポジションまで落ちてきてしまいました。
これでファルカオの1枚を剥がすのにイビツな3ボランチ気味の人数過多になってしまい、その分前の枚数が足りない状況へ自分達からバランスを崩してしまう日本



香川落ちる2
しかしコロンビアからすれば長谷部は捨てられるし、香川が一番怖いエリアから離れてるので、このエリアで受けるなら思い切り強く当たれるだけ



香川落ちる3
更にせっかく柴崎にボールが渡っても前線に香川がいないので大迫が孤立
これならコロンビアのCBも大迫一択で前にインターセプトを狙える状態が整っています



香川落ちる4
アッーーー!!!


日本はこの時間帯、バランスを崩した状態で無理なタテパスを入れてはカウンターを食らうという悪循環に陥ってました。しかもその流れで与えた不用意なセットプレーから痛恨の失点を喫しています。


パスマップのデータで見ても前半の香川のポジション移動は明らか↓

香川位置0624-1
香川位置0624-2

これが香川が諸刃の剣と言われる所以で、4年前のブラジル大会も彼の負の面の方が出てしまい、惨敗につながっているだけに悪い予感が漂う流れになってきました。




<バランスをとった知将ペケルマンの修正>
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一方、10人になったコロンビアの視点で前半を振り返るとどう見えるでしょうか?

ボランチのCサンチェスが退場になった後のコロンビアはトップ下のキンテーロをボランチに下げた4-4-1でそのまま試合を進めました。
実はこのキンテーロという選手、ハメスというクラックがいるから目立っていないだけで、クラシカルな南米の10番タイプとしてなかなかの実力者。事実、10人になった後のコロンビアで攻撃のタクトを振るっていたのはこのキンテーロであり、長いタテパスから何度もカウンターの起点になっていました。

しかし、一方でペケルマンにはこのキンテーロをボランチにした中盤のバランスに懸念はあったはず。
どういう事か、検証していきましょう。

【キンテーロをボランチで使うリスク】
キンテロ1
局面は右から左へ攻めるコロンビアのビルドアップ
キンテーロがボランチの位置でボールを受けます


キンテロ2
1人少ない10人で日本の守備を崩さないといけないという事もありますが、キンテーロの持ち味は強気なプレー
↑の場面でもドリブルで日本の中盤ラインを剥がすべくボールを運びます



キンテロ3
・・・ただ、いかんせんドリブルを始める位置が低い。
ボランチなんで仕方ないんですが、ここでボールを失った場合、前に5枚が取り残された状態で日本にカウンターを浴びるハメになります



キンテロ4
そのままカウンターを食らって、あわや決定的な2失点目を喫するところでした
(このシーンでは乾がシュートをふかして一命を取り留める)


更に守備ではこのようなシーンも↓

キンテロ守備
ファルカオに疲れが見えてきた前半25分過ぎ、日本で最も危険な柴崎が持った時にボランチのキンテーロが中を閉め切れないんですね。

このシーンを見たペケルマンはこのままオープンに日本とカウンターを打ち合うのではなく、一旦ボランチの守備バランスを修正する一手を打ちます。ただし攻撃面を考えると追いつく為には司令塔キンテーロは欠かせない。
という訳で中盤で最も守備力の低いクアドラードを下げて、守備型のボランチ・バリオスを投入。キンテーロを一列前に上げたSHに移します。
(10人になった時に最も守備で計算出来ない選手を下げるのは定石であり、94W杯のイタリア代表ではサッキが前半にあのRバッジョを下げた事で話題にもなった→結果は狙い通り勝ち点1を獲得)


0-1のビハインドを追いながらまずは守備を整え、キンテーロとファルカオの距離を近くして、このホットラインとセットプレーから同点ゴールを狙う。曖昧に前半を過ごした日本とは対照的に明確な姿勢を打ち出したペケルマンのしたたかさが光ります。


実際に試合ではボランチをキンテーロからバリオスに代えた事でまず守備が安定↓

コロンビア中閉め
しっかり中を閉められているので柴崎から大迫へのタテパスを消す事に成功。まず守備を安定させます


そして攻撃ではキンテーロをSHに上げたメリットで早速↓のような場面が生まれました

【キンテーロの間受け⇒ラストパス】
キンテロSH1
右から左へ攻めるコロンビアの攻撃。

右SHに上がったキンテーロはライン間に入ってボールを受ける得意なプレー
先ほどまでのボランチだった時と比べてボールを受けるエリアが一段高くなっている事が分かります。



キンテロSH2
間で受けてファルカオへのラストパス

この交代以降、日本の攻め筋は塞がれ、コロンビアのカウンターに脅威が増していきます。

香川が落ちて中盤のバランスが崩れた日本と、キンテーロを上げて中盤のバランスが修正されたコロンビア
前半の1-1というスコアにはそれなりの必然が潜んでいたと見るべきでしょう。



<最適手に見えた悪手 ハメス投入が勝負を分ける>
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1-1で折り返したハーフタイム-

試合を観ながら日本が勝ちのルートに乗る為の修正点は一つ、だと思ってました。
香川のポジショニングを修正出来るか?これに付きます。

果たして後半の立ち上がりに↓のようなプレーが観れたので「これはもしかすると…」の思いを強めた次第。


【香川のポジションを戻した日本の猛攻】
後半5分香川1
局面は右から左へ攻める日本。
後半はファルカオの電池が切れてコロンビアの1列目の守備が機能しなくなっていました。

加えて香川がしっかりとバイタルエリアにポジションを取っているのでコロンビアのボランチが香川をケアする為に引っ張られているのが分かります。

これでボールを持ったボランチ(長谷部)の前にフリーで運べるスペースが出来ており、さすがにノープレッシャーであれば長谷部も苦も無く前を向いてボールを運べるシーンが増えてきました。



後半8分香川1
↑勿論、それは柴崎とて同じ事。

要は1トップのファルカオが追えなくなってきた事+香川がコロンビアのボランチを引っ張る事で日本のボランチのエリアは完全なオープンスペースになっていたんですね。

香川はボールタッチ数こそ少なかった後半ですが、「いるべきところにいる」事で、日本ペースを生み出す主要因になっていたと見ます。


原口(試合後のコメント)
『ハーフタイムでは監督からポジショニングのことを言われました。せっかく相手が10人なんだからもっと相手の嫌なポジションで受けたら必ずチャンスができるという話だったので、各選手がポジショニングを考え直したと思います。』



・・・さて、日本はハーフタイムでキッチリ修正してきました。
対するコロンビアは規定路線の最適手(?)を打ちます。後半15分、エースのハメス・ロドリゲス投入。

この交代によりピッチでは何が起こったのでしょうか?


【ハメス投入で崩れたコロンビアのバランス】
ハメス守備1
投入直後からハメスの動きは明らかに鈍く、元々守備をほとんどしない選手なので基本は前残り。

それまで4-4-1で保たれていたコロンビアの守備ブロックがハメス投入によって4-3-2になってしまいました。
中盤の2列目が4枚から横幅68Mを3枚でスライドする事になったコロンビアの中盤、特にハメスが入った右サイドは完全にスペースが空いており、ここは香川が受けたいエリアでもあります。

戦術カメラアングルで見てもバランスの崩れたコロンビアの右サイド(日本の左サイド)で数的なバランスが崩れているのは明らか↓

ハメス守備2
これにより日本は左サイドで香川、乾、長友が常に数的優位を傍受しながら気持ちよくパスをつないで崩す事が出来ていました。



ハメス守備3-2
後半、乾のドリブル突破が突如復活したのはコロンビア側のバランスが崩れたからだと言えるでしょう。
(ハメスは乾の突破を後ろで傍観してるだけ)



柴崎(試合後のコメント)
『攻撃の部分で乾くんと(長友)佑都さん、真司さんの連係で左サイドを作りたかった。前半は右サイドに偏っていたので僕がなるべく左サイドでボールを持つようになって全体的にうまく回った印象があります。』




試合は残り20分、コロンビアのバランスが崩れて日本優位の流れ-
ここでぞれぞれの指揮官が次にどんな手を打つかが勝敗の鍵を握っている事は間違いありません。

まず日本の西野監督としては、当然あと1点を求めて勝ちに出たいところ。
コロンビアの中盤のバランスが崩れているという事を鑑みて、ここは中盤からミドルシュートで得点が期待出来る本田の投入を決めました。(香川はオープンスペースでボールを受けてもここまで自分で打つミドルは0本)

本田のメリットはご存知の通り、こういった大一番で決めてくれる得点力であり、デメリットは日本の中で最も運動量とスピードが低い事。
しかし10人のコロンビアは引いているのでスピードが必要な速攻はほとんど無いですし、本田の運動量のマイナス分はコロンビアもハメスがいるので帳尻が合うと踏んだのでしょう。


一方のペケルマン監督はどうか?
さきほどは崩れた中盤のバランスを修正する見事な一手で試合を振り出しに戻した知将。ここは1-1のまま勝ち点1をまず確保する、という選択肢もあったはずです。

しかし、4年前とは違い優勝候補の一つにも挙げられるほどの地位になったコロンビアで、グループ最弱と目されていた日本に「まず初戦で勝ち点3を確保する」以外のプランは頭に無かったとしても無理はないかもしれません。

ペケルマンは崩れたバランスを更に攻撃的に動かし、10人で2点目を奪いに行く一手を選択。
中盤で最も運動量のあるSHイスキエルドに代えてFWのバッカ投入で勝ちにきました。


この一手の明暗は本田のファーストプレーで明らかになります。

【試合の流れをベンチから見ていた本田のファーストプレー】
本田0622-1
バッカ投入でハメスが左、バッカを右サイドに移したコロンビアに対し、本田のファーストプレーはハメス側の右サイドに移動し酒井と2対1を作りに行っています。
これは明らかにベンチで試合の流れを見て、自分が出た時のプレーをイメージしていたであろう事が分かる本田の動きだと思います。




本田0622-2
狙い通り日本は右サイドで本田+酒井の関係性を作り出すと、ハメスは全く追ってきません。
従ってコロンビアの左SBに対して2対1の数的優位を作れています。



本田0622-3
フリーの本田に戻して、ファーストプレーでミドルシュートを選択した本田。
相手の状況を観て最適のポジションを取り、ベンチが求める「引いたコロンビアにミドルの脅威を」という役割を忠実にこなしています。


一方のコロンビアはバッカ投入でただでさえ崩れていたチームのバランスが更に攻撃過多になり4-3-2から4-2-3気味となって、これは日本の得点は時間の問題だろう…というカオス状態に陥ってしまいました。

後半73分、バッカ&本田投入の僅か3分後に生まれた大迫のゴール。
このCKを取る経緯となった日本の攻撃は必然といえる流れだったのではないでしょうか。


【日本の2点目を生んだ攻撃の流れ】
2点目0622-1
局面はもはやコロンビアのファーストラインが崩壊し、フリーで持ち運び自由となった柴崎から乾へのタテパスが起点。
バッカはハメスよりは運動量がありますが、守備で中閉めが出来ないのでタテパスも通し放題



2点目0622-2
乾が間受けで前を向くとハメスは既にスイッチOFF
本田もそれを分かっているのでハメスの背後でスタンバイ



2点目0622-3
右サイドの本田&酒井で数的優位を作る日本。
ここに到る流れの中で既に20本以上パスをつなぎ右に左に揺さぶられたコロンビアはもう大外の酒井をケア出来ません



2点目0622-4
戦術カメラの視点で見てもコロンビアの守備組織がもはや4+2の2ラインで守っていて崩壊しているのが良く分かります。
乾が前を向いた段階でコロンビアは詰んでました。



<僥倖ではなく実力で掴んだ光明>
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この試合の勝敗を分けたポイントは誰がどう見ても「前半3分のPK&退場」で間違いありません。
しかし、それをもって「僥倖」「たまたま勝てただけ」「ラッキーだった」と日本の勝利の価値が下がったかのような論調も目に付きますが果たしてそうなんでしょうか・・?

コロンビアの退場とPKを生んだのは純粋に競技内における日本の一連のプレーでした。
もしあれを「たまたま」と言ってしまうのであればサッカーとはそもそも「たまたま」パスがつながって「たまたま」ドリブルで抜けてしまい「たまたま」シュートが入って勝ってしまう競技という事になってしまいます。

アルゼンチンには「たまたま」メッシがアルゼンチンに生まれてくれて、ポルトガルの好調は「たまたま」ロナウドがポルトガル人だったからでしょうね。ロシアは「たまたま」開催国だったから好調なのかもしれません。


勿論、11対11だったら結果はどうなっていたか分かりませんし、この1試合の結果で両国の実力は測れないでしょう。
しかし元々誰が監督であろうとコロンビアが格上なのは分かっていた事で、それを前提にいかに「10回に1回」の勝ちルートを探るかがW杯という大会ではないでしょうか。


今回の西野JAPANが見せたサッカーも「タテに速いサッカーの遺産」だとか「俺達のサッカー復活」だとかの二元論で語っていては今大会のレベルに日本サッカーが置いていかれるだけでしょう。

開始と共に前へ勢い良く出て来たコロンビアを逆手にとって「タテに速い」パスを2本つないだ前半3分の1点目。
10人になって引いた相手を右に左に22本のパスをつないで崩した2点目。

どちらも相手を観て、最適な判断でパスを繋いだ「日本のサッカー」に他ならないのですから。







*↓のRTと「イイネ!」が一定数以上集まったらセネガル戦のマッチレビューもやる・・・・かも!?

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テーマ : サッカー
ジャンル : スポーツ

アジア仕様の限界を露呈したハリルJAPAN ~日本×ブラジル~

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<アジア仕様の限界を露呈したハリルJAPAN>~日本×ブラジル~

アジア最終予選を突破し、本大会へ舵を切ったハリルJAPAN。
就任以降、世界の一線級との対戦が無かったこのチームの実力を測る上で、
ブラジル&ベルギーと組まれた今回の欧州遠征はとりわけ重要なものでした。

しかし蓋を開けてみれば、アジア予選では「隠れていた」課題が次々と浮き彫りになるかたちでいいところなく2敗。
とりわけ流れの中からほとんど崩せる事なく無得点に終わった内容は来年の本大会に向け指揮官が言うほど説得力のあるものだったとは言い難いのではないでしょうか。

ちょうど4年前、同じく本大会を半年後に控えたザックJAPANがオランダとベルギー相手に1勝1分、流れの中からの素晴らしい崩しで5得点を挙げていたのと比べると実に対照的です。

勿論、強化試合なので結果を単純に比較してもあまり意味はないですし、課題を見つける為の試合だったと指揮官は言うかもしれません。
しかし、今回の欧州遠征で見つかったのはチームを次のレベルへ引き上げる為の新たな課題ではなく、
どれもアジア予選の頃から「分かっていた事」で、アジアだから問題にはならかったに過ぎないというものばかり。


そこで今回はアジア予選の試合と比較しながら、ブラジルとの試合にフォーカスし、現在のハリルJAPANの問題点を分析していきたいと思います。


<ブラジルにボールを渡す自殺行為>

アジア予選でハリルの評価を一層高めたのは突破を自力で決めたホーム豪州戦でした。
実際、この試合では「相手の強みと弱みを分析して対策を立てる」というハリルのストロングポイントが良く出た試合だったと言えるでしょう。

オーストラリアは稚拙な技術力にも関わらず必ず自陣から繋いでくると分かっていたので
日本は中盤にボールハンター(井手口、山口、長谷部)をズラリと並べて中盤にプレスラインを設定。
DFラインにはある程度自由にボールを持たせて、そこから必ず出てくる中盤へ預けるパスに網を張り、次々とボールを奪取していました。

この試合の日本のボール支配率は35%でしたが、シュート数では15:4と圧倒。
まさにハリルからすると会心の勝利で、世間も「これがハリルのサッカーか」と評価を新たにしました。


しかし、この試合をしっかり観ていけば決してハリルJAPANの守備が強固だった訳ではなく、
オーストラリアがわざわざボールを失う為に自陣でパスをつなぐのに終始した、という特殊なチームスタイルとゲームプランにあった事は間違いありません。

ハッキリ言ってしまえば、本大会でこんな「マヌケなチーム」と対戦する機会はまず無いと言っていいでしょう。
(でも辛くもプレーオフで出場決めたけどNE!)

なので個人的にはこんなサッカーで本大会に挑んだら、まず間違いなく惨敗するだろうと確信したのですが、
予選突破の祝福ムードでチラッとそんな事をつぶやいたら炎上しました(笑)




・・・とまあ、前置きが長くなりましたが、そんな流れを踏まえて迎えた今回のブラジル戦。
ハリルのゲームプランは勿論、オーストラリア戦の流れを汲むもので、DFラインではブラジルにある程度ボールを持たせてボランチのところに入って来るパスを2枚のインサイドハーフ(井手口&山口)で狩る!というものでした。

では実際の試合でどうなったか見ていきましょう。


前プレ行かない1

画像はブラジルがGKからのパス出しでビルドアップ開始の瞬間。

日本はブラジルのダブルボランチにプレスラインを張ってCBは放置。

そう、確かにオーストラリアにはこれで良かった。
この「待ちの守備」で次か、次の次に出てくるパスに対して全体でGO!⇒ショートカウンター(゚д゚)ウマー!

しかし、この日の相手はユニフォームこそ同じ黄色だが、あのセレソンなのである。


前プレ行かない2

ボールが世界のマルセロに渡っても日本はステイ。
マルセロは難なく前を向いてオープンな姿勢でボールを持てている。

アジアのSBはだいたい走力やクロス精度自慢の選手が多く、ゲームメイクの能力は低い。
だからこの距離感で守っていても問題は無い。

だが世界のSBはもう「司令塔化」が進む流れだ。
そしてこのマルセロとかいうSBはそのトレンドの中でも先頭集団を走る手練れである。



前プレ行かない3

日本がボールサイドに寄せて次のタテパス狙いなのを見透かしたマルセロがボランチ経由のサイドチェンジを促すパス。
日本はファーストディフェンスでボールにプレッシャーがかかっていない為、後ろも押し上げられず実にチグハグな守備になっている



前プレ行かない4

フリーで受けたボランチから逆サイドに高精度のサイドチェンジを通されて、日本の横スライドは間に合わず。
68Mの横幅を目一杯に使われて右に左にと走らされるハリルJAPAN。

こんな守備でボールが奪えるはずがない。


一方、チッチのセレソンは世界のトレンドを組んだ超絶インテンシティの高いチームに仕上がっていた。
あのブラジルがここまでハードワークするのか・・・と驚いた人も多いのではないか。



【ブラジルの前プレ (ネイマールのハードワーク)】
ネイ前プレ1

局面は日本が攻め込んだ流れで長谷部にボールが下げられる瞬間。
相手のバックパスにタイミングで全体を押し上げてGOをかける、はセオリーではあるが、ネイマールの寄せのスピードが凄い。

ボールにプレッシャーをかける、という域を超えて完全に「奪う」為のプレスになっている。


ネイ前プレ2

ネイマールの寄せがすさまじ過ぎて、ボールを受けた長谷部は後ろを向かされている。
こうなるともう次の選択肢はバックパスしかないので、ネイマールのファーストディフェンスのおかげでブラジルはノーリスクでチーム全体を一つ押し上げられる。



ネイ前プレ3

長谷部からCBの吉田に下げられたボールにもネイマールは二度追い。
しかもスピードを落とさないどころかむしろギアを上げている。
チームの絶対的なスター選手であるネイマールが守備で40Mをフルスプリントできなければ使ってもらえないのがブラジルなのである。

このプレッシャーにより吉田⇒長谷部のパスが僅かではあるが弾んだボールになってしまう



ネイ前プレ4

受けた長谷部がファーストタッチでボールを浮かしてしまう。
その隙に背後からジェズスが猛烈なプレスバック



ネイ前プレ5

ジェズスに押し込まれた長谷部の身体の向きではパスコースはSBの酒井しかない



ネイ前プレ6

酒井にパスだ出た瞬間にブラジルは「待ってました!」とばかりに一気に3人で包囲。

これがアジアとは違う「世界の守備」「世界基準のインテンシティ」である。


あのネイマールが必死に日本のCB(吉田)にまでボールを自由に持たせないよう前プレをかけてくる時代に
日本がブラジルにボールを持たせるというのは自殺行為でしかない。

現代サッカーにおけるビルドアップも、この「前プレ」を前提に、それをいかに剥がすかの攻防が行われているのに対し、
日本の中盤は自分達ばボールを持つ事が主眼から抜け落ちた構成なので、ロクにバックパスすら回せない惨状では・・・OTL



<問題その② 原口の5バック化問題>
GettyImages-873175926.jpg

二つ目の問題はハリルJAPANの守備におけるポジショニングとゾーン設定がかなり曖昧なところ。
もっと言ってしまえば完全に選手任せなのか?という疑念も。

特にアジア最終予選のアウェイ豪州戦で顕著になった原口の守備ゾーンを思い返していただきたい。
原口は相手のSBが上がっていくとどこまでもマンツーマンでそれに付いていってしまう。

【SB化する原口と5バックになる日本】
香川低い1014-5

原口はSBを受け渡さず付いて行くし、槙野も「こりゃ助かるで」とばかりに放置してるのでチームとしては5バック化してしまうのがなかば常態化しているハリルJAPAN。

むしろ日本ではこれを「原口のハードワークすげー!」という論調すらあるが、とどのつまり日本サッカーの守備文化はどこまでいっても「マンツーマン」と「気持ち守備」の合作である証拠。

そしてアジア予選では「原口半端ない」で済んでてもブラジル相手にはチームとして何が問題かを突きつけられるのである。


【5バック化する日本 byブラジル戦】
原口5バック

局面はブラジルの最終ラインのビルドアップから。
この段階で原口はもはやSBではなく右WGのウィリアンを気にして早くもポジションを下げ始めている。





原口5バック2

原口がSB化しているので、日本の左サイドにボールを回されたら当然そこには誰もいない

しかも流れでアンカーに回っていた山口がブラジルの1トップ(ジェズス)を見ているんだから前の人数が足りるはずがない。
(一方で日本のDFライン4枚に対しブラジルはウイリアン1枚でピン止めに成功している)


この場面、ブラジルならこう守るというポジションを可視化してみます↓


原口5バック3

本来ジェズスのラインにCBが行けるようライン設定をすべきで、ウィリアンはオフサイドに置いておけば良し。
全体を一列づつ前に押し上げればブラジルのDFラインにもプレスがかかるはずなのだ。


原口5バック4
奪うならこのポジションバランスで前プレでしょ!





<問題その③ 3センターの鎖が繋がっていない>
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ハリルJAPANの基本形4-3-3(4-1-4-1)では中盤の3センターのバランスが肝になってきます。
「3センター」「ブラジル」で思い起こされるのが前回アギーレが戦った2年前のブラジル戦。


この試合でアギーレは森岡、柴崎、田口で3センターを採用。
しかし常に横スライドしながらお互いにチャレンジ&カバーを繰り返し一定の距離感を保つ、
まさにチェーン(鎖)で繋がれているかのような動きが求めらる3センターにあって、日本はこの意識が決定的に欠けています。


【前回アギーレJAPANの3センター】
3センター2

このように1枚(柴崎)がチャレンジしたら残りの2枚(田口&森岡)がカバーのスライドを行うという基本中の基本の動きすら怪しいレベル。


ではハリルになってそれが改善されたのかどうかを先日のブラジル戦から検証してみましょう。


長谷部いない1

前半いいようにブラジルにやられただけあって、さすがにハリルも「これ前から行かんとアカンわ!」と気付いたのか後半はプレスラインを高くして前からプレスをかける日本。

GKからのパスを受けるCBに久保が、そしてブラジルの両方インサイドハーフに井手口と山口が付いていますが、とするとこの2枚を結ぶ中間にアンカーの長谷部がいなければいけないはず。

しかし長谷部の姿は見えず、この場面では3センターのチェーンが切れて個々がバラバラに守っているのが分かります。



長谷部いない2

逆に展開されたボールに対して今度は山口と原口が出ていこうとしますが、やはり長谷部がいない。



長谷部いない3

で、これに気付いたカゼミーロに前に出られてポッカリ空いたバイタルで受けられるの図↑

肝心の長谷部はどこにいたのかというと、何と左SBのマルセロにマンツーマンで付いていた・・・という按配。

この場面では山口と井手口の間を割られて、後ろにアンカーがいないという3センターの布陣では本来有り得ないような事が起きてしまっている。

つまりアギーレもハリルも「3センター」というよりは、前者はボール扱いに長けた3枚を、後者はボールを奪うのに長けた3枚を、ただ中盤に並べただけという代物に過ぎないのではないか?



【問題④デュエルしてもボールが奪えない件】
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4つ目の問題はボールにプレッシャーをかけたとしても、最後ボールを奪う、という個の能力が低くて奪いきれないという問題です。

日本サッカーにおける永遠の課題ですね。

ブラジル戦ではネイマールへの対応で、まず酒井が背後から寄せて、横からはアンカーの長谷部が、前からSHの久保がプレスバックして必ず数的優位を作って奪う、という約束事が徹底されていました。

しかし個々で奪えない集団で囲んでも結局3対1をネイマールに面白いようにいなされ、必死に寄せる酒井はファイルを量産するだけに終わりました。

実際の試合から攻防を振り返っていきましょう。


ネイ囲む1

局面はまさに今、酒井、長谷部、久保の3枚でボールを持ったネイマールを包囲しようというところ


ネイ囲む2

まず側面から寄せてきた長谷部を難なく右手のハンドオフ1本でボールに近付かせないネイマール
長谷部は右手1本の力で上半身がのけ反った上体にさせられており、肩から入れない



ネイ囲む3-1

そのまま右手で長谷部をブロックしながら足裏でボールをコントロール
前後からもう2枚が挟むように近付いてきているのを感じているネイマールは狭いスペースの中で最もボールを細かく動かせる足裏を選択したのだが、こういうのはストリートの感覚なのか南米の選手は本当に上手い。



ネイ囲む4

プレスバックしてきた久保がボールにアタックするが、まさに「足先だけ出す」という典型のような守備。

足裏でボールを保持していたネイマールは久保の出した足と重心をしっかり見て、逆を取る持ち出し


ネイ囲む5

足から行っている久保は逆をつかれたら完全に腰砕け状態で対応出来ない。
久保の矢印とネイマールの矢印を見れば上手くいなされているのが分かるだろう。
この後、久保を外したネイマールは難なくマルセロに返して包囲網を脱出。

1対1の守備では「肩から先に入れろ」や「腰(ケツ)から入れ」など選手によって色々やり方はあるのだが、
日本の選手の奪いに行く時の姿勢は総じて軽い、の一言に尽きる。






<またもアジア仕様を脱しきれず>
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試合後の指揮官は「後半だけならブラジルに勝っていた」「ベルギー戦は負けに値しない」と何故か満足そうだが、
アジア予選で分かっていた課題を世界で改めて認識し直しているようでは5歩は出遅れている。

率直に言って、ブラジルW杯後の4年もまたアジアにドップリ浸かって無駄にしてしまったという感しかない。


このままハリルで行っても本大会は相手に合わせてその都度メンバーと戦術をいじり、ストロングを消しながら耐えて耐えての3試合。
上手くいけばベスト16ぐらいは可能だが、このてのチームは頑張ってもそこが限界というのはW杯の歴史が証明している。


個人的にはこの国にW杯で旋風を巻き起こすようなチームの構築を長年望んでいるので
アジア予選など全試合ハーフコートに押し込んで世界基準のインテンシティとポゼッションで圧勝するぐらいでいってもらいたいのだが・・・









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【CL決勝 レアル×ユベントス】策を力でねじ伏せたマドリー

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<策を力でねじ伏せたマドリー 【CL決勝 レアル×ユベントス】

16/17シーズンのCLはレアルの連覇達成という偉業を持って幕を閉じました。
自分が初めてこの大会を観た25年前から連覇したチームがいなかったという事実はチャンピオンズリーグというコンペティションのレベルの高さを物語っています。

歴史を変えたマドリーの勝因とは何だったのか?

今回はこのビッグマッチを時系列を追って解析していきたいと思います。

【両チームスタメン】
0608CL決勝スタメン

アッレグリのユベントスは4-4-2。
とは言え、攻撃時ディバラが1・5列目に下がってマンジュキッチがゴール前まで進入すればイグアインとの擬似2トップになりますし、SBのサンドロが高い位置を取ってバルザーリが絞れば3バックのようにも出来ます。

更に押し込まれた時にDアウベスが下がってくれば5バックにも可変可能と、各ポジションに2つ以上の戦術タスクをこなせる選手を配置しているので交代カードを切らずとも色々とチームを変化させる事が出来る知将アッレグリらしい編成になっています。


対するジダンのマドリーは一応4-3-1-2のような並びとなっていますが、良い意味でも悪い意味でも選手の自由度が高くかなり流動的な代物。
特にイスコはトップ下だったりSHだったりウイングだったりと現役時代のジダンさながらの自由度です。

アッレグリもそこは良く分かっており、前日会見で「イスコの奔放な動きは時にチームの守備組織を乱す諸刃の剣だ」という主旨の発言をしていました。

このようにそれぞれチームの事情は違うものの、局面に応じて初期配置がいくつもの変形を見せるという点は共通しており、これはもう時代のサッカーがいよいよフォーメーションという数字の羅列を過去の産物にしていこうという兆候なのかもしれませんね。




<ピッチからディバラを消したレアルの包囲網>
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さてこの試合、個人的に最も注目していた選手がユーベのディバラでした。
今季はまさに「今が旬」というプレーぶりで、ボールが無い時にいつの間にかフリーになっているポジショニング、ファーストタッチでDFを剥がすボールの置き所、そしてゴール前でのフィニッシュの多彩さは芸術的。

特にユーベの守⇒攻のトランジションはほぼ全てディバラを経由していると言っても過言ではなく戦術的にもキーマンと言える存在です。

勿論ジダンも「ディバラはユーベで最も危険なアタッカー」と最大級の警戒を払っており、実際にこの試合では徹底したディバラ包囲網でピッチから消し去る事に成功。


ディバラのプレーの真骨頂は自軍の守備時から常に相手ボランチの背後、死角で間受けの準備ポジションを取っておき、味方がボールを奪うやいなや1本目のタテパスを前を向いて受ける事でユーベのカウンタースイッチを入れるところ。

しかし、この日のレアルはアンカーのカゼミーロを中心に常にディバラのポジショニングに目を光らせており、パスコースの前に立ってユーベDFからのコースを消す守備を徹底。


【ディバラへのパスコースを消すカゼミーロ】
ディバラ消す0608

従って、このようにユーベは自陣で奪ったボールをディバラに預けようにもパスコースが消されている場面が目立ちました。
仮にサイドに流れても今度はクロース、モドリッチが捕まえて離しません。


ならばと得意の間受け(DFラインと中盤の間で受ける)を試みるも・・・


【間受けは迎撃守備で対応】
ディバラ迎撃1

局面はまさに今、ディバラが間受けを狙っているところ。
ここで前を向いてDFを剥がしていくプレーこそ彼の真骨頂です。

CB(ラモス)との距離感を意識してDFからすると出ていこうにも間に合わない実に嫌らしいポジショニングが妙味




ディバラ迎撃2
Sラモス『甘いわっ・・・!!!』


ディバラ迎撃3
ディバラ『グハッ・・!!!』

まさかの人外、高速の寄せでディバラがファーストタッチで前を向こうとする瞬間にはもう狩られてました。


ディバラ「ウソやろ・・・こんなDF,セリエAにはおらんかった・・・」

ラモス(手を差し伸べながら)「フッ・・・ならば貴様もリーガに来い。本物の世界を教えてやる」


このSラモスとヴァランの異常な守備範囲とインターセプトの強さでユーベのセリエA最強2トップは完全に沈黙。
特にラモスは前半だけで3回以上のインターセプトを決めてました。

これによりディバラは「前にはカゼミーロ、背後からSラモス」という地獄のような挟み撃ちに遭い、ピッチから完全に姿を消す事になってしまいました。



<レアルの構造的な脆さを突くアッレグリの緻密さ>areguri06090.jpg

エースのディバラを封じられたアッレグリ。
しかし、それでもレアル相手に攻め手が無い訳ではありません。

アッレグリが突くのはレアルの構造的な「隙」です。
ジダンのレアルは守備時、そもそも4-4-2で守るのか4-3-3で守るのか、からしてかなりアバウト。

トップ下のイスコがSHまで下がれば4-4-2になるのですが、それを決定するのはイスコ自身の気まぐれなので戻ってこない事も多く、それに加えてロナウドとベンゼマのファーストラインはほとんど守備のていを成していません。
(アッレグリがイスコを「戦術的な穴」を見ているのはこのせいで、確かにカルチョの視点で戦局を捉えれば穴以外のなにものでもない)

従ってレアルの守備は基本、4-3の2ライン守備です。(この時代に2ラインで守るとかww)
ちなみにバルサの守備構造もこれと全く同じです。
要は守備免除2枚(ロナウド&ベンゼマ メッシ&スアレス)+気まぐれ1枚(ネイマール、イスコ、ベイル)の構成ですね(笑)

これはレアルとバルサの2クラブが普通、チームに1人までしか置いておけないようなエース級を3枚も4枚も保有しているが故のジレンマと言えるでしょう。

まあロナウド、ベンゼマクラスであれば守備でハードワークさせるよりも前残りにしておいてカウンター時に仕事をさせる・・・という方が結局トータルの収支ではプラス。
それは90分の流れで見ると不安定なようでいて、結局最後は力技で勝ちを積み重ねるという今季のレアルの勝ち方と成績にも表われています。


ただCL決勝のような一発勝負で、しかも相手が知将アッレグリだった場合どうなるのか・・・?

実際の試合から確認していきましょう。


【レアルの4-3守備構造】
モド鬼スライド1

局面は右から左に攻めるユーベの攻撃を自陣で迎撃するレアルの構図。

しかしレアルの中盤は3枚でピッチの横幅68Mを守らねばならず、やはり逆サイドにはかなりのスペースが空いてしまいます。

じゃあ、このスペースに展開された場合、どう守るのか?と言うと・・・



モド鬼スライド2
根性の戻リッチで鬼スライド!!wwww

ちなみにバルサだとラキティッチが同じ役割をやらされているのでクロアチア人は社畜体質なのかもしれません(爆)

但し、いくらモドリッチが根性を見せたところで「ボールは人より速い」のです。
なので常にノープレッシャーのCBボヌッチあたりから一発の対角パスでサイドを変えられた場合・・・



ユーベサイドは2対1
必然的にサイドではユーベが2対1の数的優位になります。

つまりユーベはサイドに振れば簡単にマドリーゴール前まで運べてしまうので(1対2の数的不利ではSBカルバハルは後退するしかない)このジダンマドリーの構造的な脆さが、序盤のユーベ攻勢を招いた要因です。


では、一方のレアルの攻撃はどうったのか?

ユーベがサイドに2枚を配置出来る4-4-2でサイドを優位にしていたのなら、中央を厚くしたジダンの4-3-1-2は中で優位性を作れるはず。
しかしジダンがディバラを警戒していたように、アッレグリもレアルのキーマンがモドリッチとクロースのインサイドハーフである事は見抜いていました。

そこでこの2枚には常にボランチかSHが受け渡しながら捕まえて、その代わりカゼミーロは放置、と対応がハッキリしています。

【アッレグリの守備】
前半CL決勝図

しかしフリーのカゼミーロからは気の利いたタテパスが入らずむしろパスミスを量産。
勿論、こうなると読んでいたからこそアッレグリはカゼミロを放置していた訳ですが、こうなるとレアルのパス経路は自然とフリーのSBへの安全な横パスが増えていきます。

しかしレアルのサイドにはSBの前に人がいません。


【孤立するレアルのSB】
マドリーsb孤立
よって、SBに回したところで常に孤立した状態で攻撃をスタートさせねばならない苦しい立ち上がり。


マドリーsb孤立2
左も同様、マルセロが1対2で対応されてしまいます。


これを見たベンゼマが気を利かせてサイドに流れますが・・・


マドリーsb孤立3
左に流れたベンゼマが局面を2対2にしてワンツーからマルセロにサイドを突破させるも・・・



マドリーsb孤立4
中がロナウド1枚ではユーベのDFにガッチリ捕まえられてしまっています。
このサイド攻撃では今大会3失点の鉄壁ユーベディフェンスから得点を奪うのは難しいところ。


ジダンの誤算としてはイスコが守備はともかく攻撃でも機能しなかった事でしょうか。

完全に自由を与えたイスコが攻撃のタクトを振るうはずが、間受けしようにもユーベのコンパクトな3ラインにスペースを見つけられず、窮屈なエリアで受けてバックパスをするか、ブロック内を嫌がって外に下がって受ける場面が目立ち始めます。

これで中盤と前線をつなぐリンクマンが不在となり2トップも孤立。
レアルはほとんどマイボールでチャンスらしいチャンスを作れない時間が続きます。





<それぞれの"理"が生んだ得点>
get20170604_4_tw.jpg

ここで両チームに起きている状況をまとめてみましょう。

【レアル】
<攻撃>
・SBが孤立
・モドリッチ、クロースの両インサイドハーフが守備に追われている
・イスコが間で受けれない

<守備>
・ディバラとイグアインはCBが完封
・サイドで数的不利に立たされている


【ユベントス】
<攻撃>
・2トップが消されている
・サイドからゴール前まで運ぶのは容易
・CBはノープレッシャーで対角パスが出せる

<守備>
・ほぼ完璧にレアルの攻撃を抑えている


両監督の狙いではややアッレグリ優勢ですが最後のゴール前では人外CBのラモスとヴァランがユーベの2トップを完全に抑え切っているので致命傷には到らず。
従って戦術的にはアンバランスでも微妙に試合は拮抗しているのでした。

こうなると得点はカウンターかセットプレーが勝負を分けるのがフットボールの理。
マドリーの先制点はやはりカウンターからでした。


【マドリーの先制点を検証】
レアル1点目0608-1

局面はユーベがサイドからレアル陣内深く攻め込み、右サイドからのクロスをマンジュキッチとカルバハルのミスマッチを突いてファーで押し込もうとした場面から。

この攻め筋は確実にアッレグリが狙いとしていたところですが、クロスを上げる前にディバラがボールをロスト


レアル1点目0608-2

回収したボールをつないでレアルのカウンターが始まるとクロースがこの日初めて長いドリブルを見せてユーベの第二防波堤(ボランチライン)を突破。

ボランチが剥がされた状態でボールを運ばれているのでユーベDFラインは後退せざるを得ず


レアル1点目0608-3

ベンゼマがフリーでボールを収めると、ここでもこの試合初めてロナウドがサイドに流れてボールを受けるかたちに。

そしてカウンターの開始地点では守備でマークしていたマンジュキッチをスピードで振り切ったカルバハルが既にフリーになりかけている
(アッレグリが高さでミスマッチを作ったポイントが反転速攻では逆にスピードでミスマッチになってしまった)



レアル1点目0608-5

ロナウドがサイドに流れた事でユーベのSBが初めてロナウド+SB(カルバハル)と1対2の数的不利で対応する局面に



レアル1点目0608-4

先ほどの中がロナウド1枚だけの状況と違いベンゼマが奥でDFを引っ張っているのでロナウドがマイナスでフリー

レアルはこの試合、クロスでは徹底してグラインダーの速いボールを狙っていました。
(ロナウドの奥にもクロースが待っているのでこのクロスは完全なゲームプラン)
確かに鉄壁のユーベ守備陣に対して平凡なハイクロスでは分が悪いのでこれは"理"に適っています。

試合の主導権は握られていても必ず起こるカウンターという状況から
前残りにしておいた圧倒的な個の力で得点は強奪出来るだろう・・・というのがジダンの、マドリーにとっての"理"でした。


しかし戦術的にはアッレグリの"理"が試合を支配しているので、すぐさま返す刀でユーベが同点に追いつきます。

【ユベントスの同点弾を検証】
ユーベ得点0608-1

局面はレアル陣内に攻め込んだユーベのボヌッチがノープレッシャーで逆サイドに対角パス
これは相手2トップのプレスが無く、サイドで数的優位が作れている・・・という状況に即したアッレグリの手筋ですね



ユーベ得点0608-2

逆サイドではSBのカルバハルがゴール前に侵入したマンジュキッチに付いているのでその大外にSBのサンドロが上がって来ると必然的にフリーになれます。

↑この場面では気付いたイスコが一足遅れて戻ってきていますが完全に間に合っておらず、これを見たカルバハルがカバーの対応に向かっているのが分かります。



ユーベ得点0608-3

サンドロからダイレクトでゴール前のイグアインに折り返されると、カバーに向かった分カルバハルとマンジュキッチとの距離がこれだけ離れてしまっています。
この距離がマンジュキッチに胸トラからシュートにいける余裕を与え、得点に繋がりました。


前半はアッレグリ、ジダン、それぞれの理で1点づつを取り合って後半へ。



<狙われたバルザーリ>

後半、前半は得点シーンのカウンター以外、ほとんど攻め手の無かったレアルが明らかに攻め筋を変えてきました。

ユーベのコンパクトな3ライン間にパスを入れても囲い込まれるだけなので、それならばとDFライン裏へキックオフから立て続けに2本蹴っています。
狙われたのはこの試合、右SBに配置されたバルザーリ。

バルザーリがSBに起用されているのは3バックにも可変出来る事や、マドリーのストロングサイドである左サイド(マルセロ)への守備を強化しようなどの理由があったからですが、SBが本職の選手と比べるとやはりスピードには欠ける分、背後への対応やタッチライン際での1対1は不得手としています。

マドリーが突いたのはまさにそこで、後半からイスコを左サイドに張らせただけでなく、ロナウドやベンゼマも積極的に左へ流して後半開始僅か15分の間に6回も左サイドでの仕掛けを見せています。

【マドリーの露骨なバルザーリ狙い】
バルザリ0608-1

バルザリ0608-2

バルザリ0608-4

バルザリ0608-5

バルザリ0608-6

そしてこの後半15分のベンゼマとバルザーリの1on1からクロス(またもやグラウンダーでマイナス)⇒こぼれ球にどフリーだったカゼミーロがドン!で勝負有り。


アッレグリからすると後半の攻め筋変更に修正が間に合わないうちに放置していたカゼミロに決められるという痛恨の失点。
しかもリードされてしまうと攻撃にパワーを加える手持ちのカードがほとんど無いのが苦しいところ。

気落ちするユーベを見た王者マドリーは「ここが勝負どころ!」と一気に畳み掛けてきました。




<勝負どころを逃さない勝者のメンタリティ>
DBbPVaWVoAA-Gtb.jpg

結果的に勝負を決めたレアルの3点目も後半の攻め筋が伏線となっていました。

バルザーリの背後をスピードで狙われ始めた事で少しづつユーベのDFラインが後退。
これにより中盤の2列目も合わせて後退し、これまでマドリーのキーマン(モドリッチ、クロース)を抑えていたボランチ、SHとの距離が僅かに開いてしまいます。

しかし、モドリッチ&クロースレベルの選手にとってこの僅かなスペースがあれば試合を決めるのに充分過ぎる程でした。
というのもユーベの守備はマドリーのように個の能力で解決するものではなく、3ラインが一体となって守備をする事でその強度を保っているからです。

ユーベにとって2トップと2列目のライン間が離れるという事は守備の強度とボールポゼッション、ひいては試合の主導権を明け渡すのと同義でした。

試合はこの時間帯、2点目が決まったのを合図に一方的にマドリーがボールを支配し始めるのですが、一体ピッチでは何が起こっていたのでしょうか?

実際の試合から解析していきましょう。


【マドリーの五角形が機能し始める】
五角形2-1

局面は最終ラインからビルドアップするレアルに前プレをかけるユーベの図。
レアルはCB2枚とアンカーのカゼミーロ+両インサイドハーフ(クロース+モドリッチ)で作る五角形でユーベの2トップに対し数的優位を作りながら鳥カゴの要領でボールを回し始めます。

この流れでSHが少し離れた位置からインサイドハーフにプレスをかけたとしても・・・


五角形2-2

このように簡単にいなされてしまいます。

これで構造的にボールを握れるようになったレアルにとって追加点は必然でした。




【レアルの3点目を検証】
レアルティキタカ1

3点目の起点もこのようにレアルの五角形がユーベの2トップのプレスを無効化しているのが分かります。
それでいてユーベの2列目は左右のSHが大外に開いたSB(マルセロ&カルバハル)に引っ張られているのでボランチの方が中途半端に前に出てしまってかなりのアンバランス。

仮にケディラとピアニッチがこの五角形に食いつくと今度はイスコ、ロナウド、ベンゼマのいずれかに背後で間受けを狙われて、
ならばとそれをDFラインが迎撃守備で食いつこうものなら一発で背後を取られる危険性があります。
(何故ならボールの出所にプレッシャーがかけられない状態だから)

とにかくこの時間帯のマドリーは全体のポジションバランス、距離感、機能性、相互関係が素晴らしく、↑の図でいくつのトライアングルとパスコースが描かれているかを可視化するとこうなります↓

レアルティキタカ2
う・・・・美しい

ポイントはユーベの1列目と2列目が各トライアングルの間に立たされて、それぞれのエリアで鳥カゴをされてるような状態なので守備が全く機能しなくなっているんですね。

この圧倒的な支配感とポジショニングバランス・・・どこかで見た覚えがあるなーと思ったら、これユニフォームの色さえ変えてしまえば各選手の名前をこう書いても誰も気付かないと思うんですよ(笑)↓

レアルティキタカ3
マドリディスタに怒られるからやめれwww

いやー、未だにあの頃のペップバルサの映像を見返す事があるんですが、最近気付いたんですよ。
彼らの何が他と違うのかって、足元の技術よりもポジショニングの秀逸さだな・・・って。
本当11人全員が意図と意味のあるポジションを取っているので無駄が無いんですよね。

おっと、話が逸れかけたので3点目の流れに戻りましょう。


レアル2点目0608-1

構造的にフリーになるアンカー(カゼミーロ)から構造的にフリーになる大外のカルバハルへサイドチェンジ



レアル2点目0608-2

・・・・で、案の定カゼミーロのパスはパスミスになるんですけど、この布陣全体でユーベの守備ブロックを包囲するようなバランスで攻めていると仮に途中でミスが起こっても必ず近い距離間でボールに対して守備に切り替えられるのと前向きにアプローチ出来るという利点があります。

ここでもパスカットからつなごうとしたユーベの1本目のパスをモドリッチが前向きにインターセプトし、ショートカウンターからまたもやロナウドで勝負有り。
(地味にここでもベンゼマがファーに流れてDFを釣っている)


勝負どころを見逃さずに一気に畳み掛けたマドリーはその後も手を緩ませず、ユーベの切り札として投入されたクアドラードが早々にイエロー1枚をもらったと見るや2枚目を誘ってピッチから追い出す徹底振り。

更にユーベに心身共に疲れが出たと見るやスピードスターのベイル、アセンシオ、モラタを立て続けに投入してトドメのトドメまで忘れない。

このディフェンディングチャンピオンでありながら、マドリーが最も勝ちに対して貪欲な姿勢を見せていたというのが今季の決め手の一つだったのではないでしょうか。



<マドリーの黄金期到来なのか?>
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遂に成し遂げられたCLの連覇。
国内リーグも含めて今季の成績を見ればマドリーの黄金期到来とも思えるが、彼らの強さをどうみるべきだろうか。

戦術的な観点で見ればジダンは何一つ特別な事はやっていない。
彼の勝利の方程式は明確で「最高の選手達が最高の状態でプレーすれば負けるはずがない」というシンプルなもの。
徹底したローテーションで天才達の磨耗を防ぎ、シーズン最後のこの試合でも「最高のプレー」を発揮させました。

一見、戦術的にも「隙」が多いのだが、それが見方を変えると選手に託した「余白」にもなっており
試合展開次第でどうにでも出られる戦い方の幅が気付いたら最後に逆転している不思議な勝ち方につながっている。


「策」で挑む挑戦者としては現在、世界でも最高峰のアッレグリを持ってしてもこの完敗劇。
だが続投を決めたこの男は同じ相手に二度は負けないのが真骨頂だ。今からリベンジの秘策を練ってくるに違いない。

そして・・・来季は「策」で挑む手強い挑戦者達が欧州の舞台に帰ってくる。
コンテ、クロップ、モウリーニョに加えてラングニックの息がかかるライプツィヒや新時代の旗手ナーゲルスマンなどいずれも曲者揃い。


マドリーの黄金期が続くのか、はたまた群雄割拠の新時代が始まるのか-







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『ティキタカを思い出せ』~イニエスタがいないバルサといるバルサ~

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<イニエスタがいないバルサといるバルサ ~FCバルセロナ×Rマドリー~

さて、本当はもう少し早くクラシコのマッチレビューでもやろうかと思ってたんですが
ちょっと時間が経ってしまったので今日はこのクラシコの焦点にもなった「イニエスタのいないバルサ」と「いるバルサ」の比較から
今季のバルサのメカニズムを検証していく、というアプローチで攻めたいと思います。

まあ実も蓋もない言い方をすれば僕のイニエスタたんをひたすら褒めるだけの記事にもなりそうですが、
そこは長い付き合いの読者であればイニエスタ狂があの試合を見せられて黙っていられるはずがないと分かってくれるはず(笑)



では、まずクラシコの前半、つまりイニエスタが「いないバルサ」におけるビルドアップを見ていきましょう。

【クラシコ前半に見せたバルサのビルドアップ布陣】
バルサビルド1213

この試合、レアルは4-5-1でかなり引き気味のブロックを自陣に形成。
エンリケのバルサが狙いたいのはこの布陣の泣き所である1アンカー、モドリッチの両脇に出来るスペースです。

バルサはCBがボールを持つと両SBが同時に高い位置を取って、空いたスペースにインサイドハーフのラキティッチとAゴメスを落とし、メッシとネイマールのウイングがアンカー脇で間受けを狙うという可変をオートマティックに見せていました。


ラキSB1
↑このように右サイドではSロベルトが上がった後のスペースにラキティッチが降りてSBのような役割



ラキSB2

ここから逆サイドにボールを迂回させるとAゴメス、Jアルバ、ネイマールの3枚がサイドでポジション移動

要はこれ、ビルドアップ時に安全なパスルートを確保する為、インサイドハーフ(ラキ&Aゴメス)をサイドでフリーにさせるって事なんですけどね。
ただ、ラキティッチとAゴメスがボールを受けるまではいいとして、問題は中に入って来るネイマールとメッシに対して当然レアルの3センターも中を閉めますから前半はタテパスが全く入らなかったと。
(特にモドリッチは鬼神のごとき横スライドと守備範囲の広さで中に入って来るボールをことごとくインターセプト)





ラキSB3

という事は当然、バルサのパスルートは外⇒外⇒外になってネイマールもDFに背を向けた苦しい状態でボールを受けるかたちになり・・・





ラキSB4

強引に個のドリブルでサイドチェンジしてる有り様です。


要するにエンリケバルサのビルドアップとは、いかにMSNへリスク無くボールを届けるかが重要で
その為にDF~中盤はとにかくシンプルにボールを循環させて「あとはMSN頼んます!」ってのがその実態。

ただ、本来中盤でボールを運ぶ役割だったインサイドハーフがこれだけ簡単にSBの位置まで降りちゃうと
MSNが中盤のボール運びから崩し⇒最後のフィニッシュと全て担うようなかたちになり、その結果がコレです↓


【ティキタカ無きエンリケバルサの攻撃】
メッシ降りてくる1

もうね、ラキティッチが持った段階で、「どうせ中で待っててもボール入ってこねえや」とばかりに
見かねたメッシがブロックの外まで降りてくる場面が頻出し始めます。




メッシ降りてくる2

そんで中盤から「自分で運びます」って強引なドリはいいんだけど・・・・




メッシ降りてくる3

相手からすると結局一番怖いところに怖い選手がいない、というだけの話なんですな。




いくらメッシが凄いと言ったって、これではいくら何でもドリブルのスタート地点が低過ぎです。



メッシ降りてくる4

だから後半もバルサの攻撃スイッチが自陣からのメッシ無双頼みじゃあ・・・




メッシ降りてくる5
さすがにレアルには潰されますって


とにかくイニエスタの「いない」バルサはこれがあの「間受け」の元祖か?と思うほどに
攻撃ルートが右から左、左から右へと外⇒外を迂回するだけで一向に中へタテパスが入りませんでした。



<選手任せの貴族ディフェンス>

続いて、今回の本筋とは少し離れますが今季のバルサの守備についても少し触れておきましょう。

バルサの布陣は4-3-3ですが、エンリケのチームは完全ヒエラルキー制なので前線の3枚、特権階級のMSNは守備が免除されています。

つまり現代サッカーにおいて3ラインではなく2ラインで守るというちょっと有り得ない構図になっているんですが
攻撃では貢献度の低いラキティッチらのハードワークとブスケスの守備範囲で何とかごまかているのがその実情です。


レアルは左攻め1213-1
局面は右から左へ攻めるレアルの攻撃。
右サイドに展開されたボールにバルサの中盤3枚(普通は2列目だがバルサだとここが守備のファーストライン)が
ボールサイドにスライドして守備をしています。(ブスケスとAゴメス)

で、ここから中央のモドリッチに戻されたバックパスに対してスアレス、メッシは完全棒立ちでプレスバックが皆無。
となるとボールにはノープレッシャーのまま中盤はラキティッチ1枚でカバーしなけりゃいけない地獄絵図



レアルは左攻め1213-2

当然、フリーのイスコに前を向かれて・・・・




レアルは左攻め1213-3

左サイドに展開すればバルサの右WGであるメッシは絶対に自陣まで帰ってこないので攻撃参加のマルセロが常にフリーダム
これもラキティッチが鬼の横スライドで対応するんですが、どうしたって後追いの守備になってしまいます。

これがバルサの守備が抱える構造的欠陥で、マドリーはフリーマンのマルセロを攻撃の起点にしていました。

ちなみにこれ、特権階級が守備するかどうかは選手に任されているらしく、左のネイマールはプレスバックするので問題なく対応出来てたんですけどね。


【左のネイマールはプレスバックするので守備が厚い】
右はネイマールが戻る

右SBカルバハルのオーバーラップにはネイマールが対応するのでJアルバはロナウドに付いて左サイドは2対2の構図が作れていました。



マドリーもロナウドが同じように守備免除なんですがその分、左サイドはベンゼマが入って4-5-1を作るので守備ブロックのメカニズムがギリギリ担保されていました。

スアレスはメッシの代わりにプレスバックする時もあるんですが気まぐれというか単発で、特に最近はかなりおざなりになっている模様。



<イニエスタで蘇るティキタカ>

で、退屈な前座の60分が終わり、いよいよいイニエスタの投入です。
この交代で一体バルサの何が変わったのか?

実際の試合から見ていきましょう。


【①インサイドハーフのポジショニングが変化】
イニは中1213-1

局面は後半、右から左へ攻めるバルサのビルドアップ
ラキティッチに変わってインサイドハーフに入ったイニエスタのポジショニングにご注目

前半とはうって変わってインサイドハーフが「中」で待ってます。



イニは中1213-2
バルサのティキタカの基本は「敵と敵の間で受ける」

いわゆる三辺の中心でパスを受け・・・・



イニは中1213-3

涼しい顔のままターンしてボール運べちゃうから!

しかも1人でDF3枚引き付けてるんで周りの味方にスペースも提供しちゃう一挙両得。


更にイニエスタ投入の効果は周囲に波及し、特に前半は死んでいたブスケスとメッシを蘇らせる事につながります。


【②イニエスタのポジショニングがブスケスを蘇らせる】
イニがブスをフリーにする1

局面はGKからマスケラーノが受け取ったところでイニエスタがブスケスと逆方向に動いてモドリッチを引きつける場面
守る方はイニエスタに中で受けられると致命傷なのでケアせざるを得ません




イニがブスをフリーにする2

結果、前半まで窒息寸前だったブスケスがフリーで前を向けてメッシが間受けの準備
前半喪失していたバルサの中盤が蘇りました。

これを分かり易くすると・・・・



イニがブスをフリーにする3

↑要はこれブスケス、イニエスタ、メッシが中盤で大きめのトライアングルを作ってロンドを始めたに過ぎないんです。

これをラインを敷いてゾーンで守ろうとすると必ずどこかにギャップが出来る現代サッカーにおけるハメ技みたいなもんですな(笑)



イニがブスをフリーにする4

結果、メッシが最も得意なかたちでボールを受けて無双発動。
前半とドリブルのスタート位置が全く違ってメッシが自分の役割に集中出来ているのがよく分かるかと思います。


つまり前半はブスケスとメッシが中盤で切り離されていた感じですが、この2人をイニエスタがつなぐ事でバルサのパスルートに1本芯が通った感じですかね。

バルサのティキタカはボールをつなぐ前にまずポジショニングでお互いがつながらないとパスが回りません。
そして「お互いのポジショニングに意味を持たせる」とはつまりこういう事です↓

トライアングル1213-1

この3人のポジショニングこそバルサの全てです。
それぞれがそれぞれを助け、各自が敵と敵の間に入っているのでマドリーの守備陣形が機能していません。
(誰かに付けば別の誰かが空く・・・という状態)

ブスケスが受ける前にスッと横に降りて来るイニエスタの動きも往年のシャビを彷彿とさせますね。


そしてイニエスタの凄みはボールを「受けない」時にもその効果が発揮されるところ↓



【③イニエスタのバックステップがバルサに時間を与える】
イニバックステップ1213-1

局面はバルサのビルドアップからマスケラーノがボールを持ったところ

ここでインサイドハーフのイニエスタはSBの位置に落ちるのではなくボールに身体を向けたままバックステップで「中」へ進入していく得意の動き出し

この守備ブロックの「間」で受けようとする準備動作に対し、マドリーはバスケスとイスコが対応する為にイニエスタに引っ張られていきます。

これでマドリーのファーストディフェンスがボールにプレッシャーをかけられず、バルサのCBとSBに時間が与えられる・・・という寸法です。

つまりイニエスタはボールに触らずともバルサにポゼッションを与える事が出来るんですね。



イニバックステップ1213-2

時間を与えられたCBは余裕を持ってボールを運べるのでそもそもの攻撃開始地点が高くなります。
そしてイニエスタは定石通り、今度はマドリーDFの四辺の中心にポジションを取っています。

これでマドリーのCB,SB,CH、WGはそれぞれイニエスタを気にしながらプレーせざるを得ず(自分のポジショニングを間違えるとイニを使われる為)、Jアルバとネイマールに対して思い切ったアプローチに出ていけない制限をかけられているんですね。


このように守る方としてはイニエスタを気にするとどうしても守備ブロックをバルサ主導で動かされてボールを取りに行けないのですが、かと言ってじゃあ「ブロックの外では放っておけ!」と放置プレーをしてしまうと・・・



イニ神スルーパス
ブロックの外から神スルーパス!!!


一発で決定機を作られてしまう・・・と。


世界最高のタレントをかき集めたクラシコが、たった1人のMFによってここまで変質させられてしまうとは・・・。

シャビ無き今、イニエスタこそがバルサに残された最後のフットボールと言えよう。



<添え物に過ぎなかった両指揮官>
201604090005-spnavi_2016040900008_view.jpg

結局、クラシコでのエンリケの仕事は「残り30分になったらイニエスタを投入するだけのお仕事です」に過ぎず、他の采配も実にチグハグなものでした。

1-0リードで逃げ切る為のデニススアレス&アルダの投入は
Dスアレスが肝心の守備で穴になっていたばかりか、アルダの不必要なファウルがマドリーの同点弾を生んでいます。


そもそもこのチームが逃げ切りを図りたいのであればボールを相手に渡して自陣に引くのではなく
守備的ポゼッションでボールを相手に渡さない、という閉め方こそ勝ちパターンだったはず。


トランジションゲームに持ち込んでMSNの決定力で勝つ!というエンリケの唯一の勝ちパターンも既に攻略されかかっている気配。

ソシエダ戦のようにDFラインに強烈なプレスをかけられるとそもそもMSNまでボールが渡らずにジ・エンドのパターンはリーガの中堅&弱小クラブにも恰好のお手本になるだろうし、マドリーのようにトランジションゲームに持ち込ませないゲーム運びをされると試合が膠着してしまいます。


ペップであれば相手の出方に応じてシステムを変え、選手を変え、ポジショニングのメカニズムを変える応手で対応していましたがエンリケはピッチ上で選手達が解決してくれるのを待つのみ。

バルサの肝である中盤を軽視してカンテラーノから外注路線に舵を切ったものの、肝心のクラシコでエンリケを救ったのがカンテラーノによるティキタカというのは皮肉でしかありません。


一方のジダンもデルボスケよろしく、ただ最高の選手をピッチに並べるだけでそれ以上でもそれ以下でも無し。

クラシコでもリードされてからボールの収まりどころだったイスコを下げてカゼミロを投入し攻撃力を下げたばかりか
終盤まで空気以下だったベンゼマを引っ張っるなど謎采配につぐ謎采配。
(結局、前線を若手に変えてからマドリーの攻撃は明らかに活性化されました)


結局この両指揮官ではクラシコという試合の格に対して添え物になってしまい、
ピッチ外の空中戦は皆無なまま膠着した試合は互いセットプレーで1点づつを取り合ってのドロー決着は必然と言えよう。


ただ唯一、イニエスタだけがフットボールの神がこの試合につかわした救世主(メシア)だったのである-






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新しい風が吹いたハリルJAPAN ~日本×サウジアラビア~

表紙1122
<新しい風が吹いたハリルJAPAN ~日本×サウジアラビア~

どうも皆さん、1ケ月振りです。

その間、海外クラスタからは「完全に日本代表応援ブログやないか」と言われ、
代表ファンからは「ツイッターを炎上させてる暇があったらブログ更新しろ」「原口のインテンシティを見習え」「どうせガッキーのドラマ見てブヒブヒ言ってるだけだろ」などなど、数々のごもっともなお叱りを受けて猛省中のダメ人間です。



・・・さて、アジア最終予選シリーズもようやく折り返し地点まで来ましたね。
(これで次の更新まで3ケ月休め・・・ry)

今回は日本の快勝に終わったサウジアラビア戦からその要因を検証していきたいと思います。
では日本のスタメンから。

日本サウジ1122

前回、この最終予選でも最も厳しい試合となるアウェイのオーストラリア戦では
最悪「勝ち点1でもOK」のプランでボールを相手に譲り「受け」の姿勢で臨んだハリル。

世論は「香川&本田外し」に動いていましたが、老獪なゲーム運びで勝ち点1を確保する試合に指揮官が何よりも重視したのは「経験値」でした。

その結果、清武が外れ本田、香川の2トップ(縦関係)で守備のファーストラインを決めるという人選に到っています。


翻って今回のサウジ戦は残りのスケジュールを考えても絶対に勝ち点3を「取りに」にいかなければならない試合。

当然、守備でも受けに回るのではなく前から積極的に奪いに行くプランになるので
前線は経験値よりもインテンシティを重視した若手中心のメンバーに入れ替えてきました。


<間延びした4-4-2と日本のインテンシティ>

試合前、目下グループ首位、しかも指揮官はあのファンマルワイクという事で不気味さが漂っていたサウジ。
しかし蓋を開けてみれば恐れるに足らず、非常温いチームだったと言えるでしょう。


サウジは守備時4-4-2で2トップが前からプレスをかけにきましたが
組織的な連動性に乏しくDFラインの押し上げは極めて緩慢。

結果、現代サッカーではほとんど見かけなくなった「間延びしきった4-4-2」のラインとラインの間で日本の攻撃陣が躍動。
特にこれだけバイタルが広ければ清武は常にフリーで間受けが出来るカモネギ状態でした。


【間延びしたサウジの4-4-2】
清武間受け1122-1
20年前のプレミアリーグかよwww



清武間受け1122-2
清武(試合後のコメント)『今日は相手があまりついてこなかったので、常にボールを受けられました。』



この間受けを嫌がってサウジのSHが中に絞れば・・・


閉められたら外112-1
シンプルに外を使うまで


このように序盤からサウジの「中途半端な前プレ」と「間延びした4-4-2」という戦術的に最悪の組み合わせにつけ込んで日本は自由にタテパスを出し入れ出来ました。

勿論、サウジのDFラインが押し上げられなかった要因の一つとして、やはりこの男の存在は無視出来ますまい・・・・











7b7bf783.jpg
一体どこのイブラヒモビッチだよwww




この圧倒的な「預けとけばキープしてくれる感」は半端無い!
(むしろ赤いチームで喘ぐ本家より10倍機能してる)


原口『(大迫の存在は)大きかったですね。収まり方がやっぱりすごいので、僕も前を向いて仕掛けられるシーンがたくさんありました』


結局日本代表の構造として1トップが身体を張って2列目のタレントを活かすという構図はザックがCFに前田を置いていた時の作り方と全く同じです。

日本はいつの時代も2列目にタレントが集中するので、彼らを活かそうと思ったら自然とこういうチーム構成になってしまうんですよね。

そしてこのタテパスが入る状況に今回セレクトした「前線のインテンシティ」が加わるとハリルが狙いとしている「タテに速い攻撃」の全貌が見えてきました。

では実際の試合から日本代表が見せたブンデスレベルのゲーゲンプレッシング⇒連続攻撃のコンボを見ていきましょう。


【ハリルが理想とする攻守一体化】
タテパスGプレ1122-1

局面は中盤で日本がボールを奪い返した瞬間から。すぐに空いている清武にタテパスが入れられる





タテパスGプレ1122-2

このタテパスを清武がコントロールミス。しかしタテパスで失っているのでサポートに上がってきていた山口、原口がそのまま守備に移れる





タテパスGプレ1122-3

ボールを奪い返したサウジのCBに強度の高いプレス





タテパスGプレ1122-4

ファーストプレスでこれだけパスコースが限定されていれば後ろはインターセプトを狙いやすい

長友が狙い澄ましたインターセプトでサウジの1本目のパスを奪う





タテパスGプレ1122-5

サウジは中途半端に攻撃に出ている瞬間なので大きなチャンスに繋がる二次攻撃となった
(ゴール前に走りこんだ久保にタテパスが出て横で大迫がフリーの決定機につながる)



大迫のキープ力とサウジのDFラインを1人で引っ張れる存在感、清武の間受け、原口のインテンシティといったように日本のゲームプランとチョイスした駒がガッチリ噛み合っていました。

そのかいあって前半は日本が圧倒的に主導権を握り、ハーフタイム間際に大迫の超絶キープから2列目が追い越せ、飛び出せの波状攻撃を仕掛けてPKから先制点を奪う事に成功。





<思考停止のデュエルに潜む危険性>
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前回のオーストラリア戦が「受け身」の守備だった事もあって殊更このサウジ戦の躍動感が日本のファンに好意的に受け取られているのは分かりますが、メディアがその一面的な見方に乗っかってしまうのは危険ではないでしょうか?

この2戦の違いは本田、香川が「いる・いない」以上にそもそものゲームプランとそれに伴う駒のチョイスが全く違ったわけで・・・。


確かにサウジ戦の日本の守備はハリルの口グセになっている「デュエル」の一端を日本のサッカーファンに示すに充分だった事でしょう。

しかし、ここでは同時にそこに付随する危険性の方にも目を向けてみたいと思います。



【日本の特攻守備が持つ危険性】
ボラのチャレ&チャレ1

局面は守備時4-4-2で守る日本の守備から
(久保と原口は逆ね)

球際での「デュエル」を強調されている日本はここでもボランチの長谷部が厳しくボールに寄せる





ボラのチャレ&チャレ2

・・・・が、取りきれずにボールを逆サイドへ展開される。

この時の山口の動きに注目
見ての通り、逃がされたボールを追ってアタックをかけています。

しかしボランチの長谷部がアプローチして逃がされたボールに相棒の山口が出て行くという事は
ボランチの守備が「チャレンジ&チャレンジ」になっているという事。

つまりどうなるかと言うと・・・





ボラのチャレ&チャレ3
そりゃあもうバイタルがポッカリ空く!

ついでに言うと原口もボールに寄せているのでこの守備での日本の中盤4枚は「チャレンジ&チャレンジ&チャレンジ&チャレンジ」だ(笑)






ボラのチャレ&チャレ4

そんで、ここにタテパス打ち込まれたらDFラインは後退するしかない!


確かにボールに対して全員「デュエル」している・・・のかもしれない。
が、これでは中盤の連動性というものを全く欠いてボールにただ突っ込むだけの特攻守備になっている。

【日本の中盤4枚の動き】
チャレンジ&チャレンジ

本来中盤の4枚は1本のロープで結ばれているかのように左が出れば右が絞り、真ん中が出れば両脇が閉める・・・といった具合に一つの生命体として動かないとスペースが空いてしまいます。

日本人は言われた事を生真面目に受け取り過ぎるが故の思考停止ってのはカテゴリー問わず「日本サッカーあるある」ですなぁ・・・。



そしてもう一つ、日本の守備の継続課題となっているのが最後尾の押し上げ

間延び1122-1

局面はサウジがGKまで下げたバックパスを日本の2トップが追って前プレをかけているところ

しかし2トップの高さに対して中盤の2列目、そして2列目を押し上げる最終ラインが付いてきていません。
(本来は今2列目がいる高さにDFラインを敷きたいところ)




間延び1122-2

だから蹴られたボールに対してCBがアプローチ出来ない変な空間が生まれています。





間延び1122-3

結局、こぼれ球をこのスペースで拾われて、1人早めに深さをとる吉田とのギャップからDFラインはバラバラ。
前プレがサウジのロングボール1本で失点のピンチに。


このように圧倒していたに見える前半の戦い振りにも日本の守備が抱える危うさというものは確かにそこにあったという事を見逃すべきではないでしょう。






<プランBは「経験値」の投入>
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スターティングメンバーを「自分達から仕掛けて取る」メンバーで組んで狙い通り1-0リードで折り返した日本。
ハリルとすれば後半は当然リスクを抑えてサウジが出てきたところをカウンターで叩くオーストラリア戦に近いプランBへ変更となります。

となれば「経験値」の本田投入はこれ以上無い明確な戦術的交代だったのではないでしょうか。

実際、後半の日本は本田が入った事でタテへの推進力こそやや失ったものの、
バタバタした展開が消えて明確なハーフリトリートからのショートカウンター狙いに切り替わっています。

ちなみに本田はファーストプレーから続けて3本、受けたボールを「タテ」ではなくキープからのバックパスを選択。
指揮官の意図を汲み取って、まずチーム全体に後半は何をすべきかを示す極めて戦術的なプレーだったと思います。


ここからハリルは更に60分過ぎに「当初の予定通り」清武を下げて香川を投入。
よりオーストラリア戦に近いメンバー編成へ移行しています。

ではその本田&香川投入で日本の攻撃がどう変わり、追加点を生んだのか検証してみましょう。


本田2点目

局面は後半、西川のロングボールのセカンドを本田が拾い、それを見た原口が裏へ飛び出す瞬間

前半はここで裏に出してヨーイドン!が多かったですが・・・




本田2点2

本田はキープを選択してSBの長友が上がって来る時間を稼ぐと満を持して2人のコンビネーションでサイドを突破





本田2点3

時間を使った事で全体の距離感が近くなり、クロスに対する中の厚みも生まれています。
(香川のスルー?から原口が押し込んでダメ押し)


これが本田、香川、長友らザックJAPAN組が得意とする遅攻で同じクロスからの得点でも1点目と2点目の違いにハリルJAPANの幅が現れています。


但し、勿論メリットあればその裏にデメリットあり・・・なので、後半のザックプランだと当時と同じ課題が顔を覗かせてきます




【後半のザックプランが抱えるリスク】
本田守備問題1122-1

局面は日本が中盤でボールを回している場面。
注目は右SH本田のポジショニングでやはり「定位置」に入ってしまっている・・・




本田守備問題1122-2

で、この状態でボールを失うと日本は右SHがいない状態で守備をスタートせざるを得ない

長谷部がこれに気付いて山口に空いてる右サイドを埋めるよう指示




本田守備問題1122-3

急場しのぎの陣形で守る日本となるが、ここからサウジにボールを回されると・・・




本田守備問題1122-4
中盤の守備がカオス過ぎwwww

ブラジルW杯のコートジボワール戦の悪夢再び

これが本田を使う時のメリットとデメリットですね。




<ハリルJAPANに警鐘を鳴らす失点>

とはいえ、試合終盤までサウジのシュートを2本に抑えてホームで2-0。
あとはこのまま試合を閉じて文句無しの勝ち点3かと思われた後半90分、ケチのつく1失点でした。

この失点はサッカーの厳しさというか、やはり前半から確認されていた日本の守備の問題点が凝縮されたハリルへの警笛のようなものだったように思われます。


【日本の課題が凝縮された失点シーン】
失点1122-1

局面は終盤、パワープレー気味の攻撃に切り替えたサウジのロングボールから



失点1122-2

これをこの日、空中戦で無双していた吉田が跳ね返す。

と、同時に日本はDFラインを押し上げてセカンドを高い位置で回収しいきたいところ。

ところが・・・・



失点1122-3
ピクリとも押し上げないDFライン!


2枚上の画像、最初のロングボールを跳ね返した位置と比べても1センチも押し上げられていません。

これだとただのベタ引き守備でセカンド拾われてのロングボール地獄になるぞ~





失点1122-4

ほらねー、SHの本田がここまで落ちてきたらセカンド拾えませんって



失点1122-5

その必然として波状攻撃を受ける日本。
そして↑ここでも中盤4枚の連動性が皆無なので、山口と長谷部のボランチ2枚がディアゴナーレを作れず並列に並んでる状態。




失点1122-6

やっぱり中盤4枚が1本のロープで繋がってたらボールと逆サイドのボランチ&SHはここまで絞ってきて欲しいですよね




失点1122-7
ほーら、真ん中を真っ二つに割られたー!

ドリブルでボランチの間割られてバイタル侵入されたら守りきるのは厳しいですよ
(スルーパスを裏に通されて失点)


失点を振り返ってみると「押し上げてコンパクトに出来ない最終ライン」「連動性が皆無な中盤」という日本の課題がモロに露呈した形になっています。



<今だからこそ敢えて"ハリルのサッカーは世界で勝てるのか?"を問うべきだ>
20161116-00064493-roupeiro-000-4-view.jpg

最終予選も半分を消化し日本は3勝1分1敗の勝ち点10で2位。

結局初戦のUAEで躓いたと言っても首位のサウジがこのレベルだったり、オーストラリアがタイに勝ち点を落としたりで終わってみれば順当な順位に落ち着くのがこの総当り戦というフォーマットなんですよね。

この5試合を振り返るとハリルのサッカー哲学というものも少しづつ分かってきたのではないでしょうか。

その日の相手、自分達が置かれた状況からゲームプランを導き出し、そこに最適なメンバーをチョイスする。
誰がエースで誰と誰だとベストメンバーという概念は多分この監督にはないはずなので日本のマスコミやファンが好むその手の話題は本質的には無意味だと内心鼻で笑っている事でしょう。


ハリル「私は毎回このチームの強みは組織だと言っている。もちろん、何人かの選手はトップパフォーマンスではない。ただ、私は躊躇なくより良い選手を選んでプレーさせた。全員をリスペクトしていて、私は「スター選手はチームだ」と言っている。」

「私はずっとこのやり方でやっている。今日はグループを見せてくれた。ひとつのチームは11人でできているわけではない。
16〜18人、それ以上の人数で決まるものだ。各自が先発を目指した競争がある。私はこういうやり方でやっていく。」



UAE戦後にはかなり騒がしかった周囲もだいぶ沈静化されてきました。
しかし、だからこそ今、敢えて問いたい。

「ハリルのサッカーは世界で勝てるのか?」


確かに日本の戦い方の幅はプランBを持たずに惨敗したザックJAPANより確実に広がっています。
その意味では前回のアンチテーゼに充分応えていると言えるでしょう。

しかし、あらゆる事態を想定して「事故」を起こさない準備の仕方は、どちらかと言うと強者が躓かない為のものではないでしょうか。


過去のサッカーの歴史を振り返ってみてもW杯で日本がアップセットを起こすとしたら一局集中型のスタイルによる一点突破しかないと思います。

そのスタイルがハマれば突き抜けるし、ハマらなければ何も出来ずに敗退・・・・これが弱者のあるべき姿だと思うのです。


ザックの4年間はハマった時の躍動感と打つ手が無い時の絶望感の落差が大きく、
肝心の本番の結果がトラウマになっているのは分かりますが、その経過と選択までが全て誤りだったのかどうかを誰も検証していません。


ハリルJAPANがこのままいくと恐らく本大会では悪いなりにもザックJAPANよりはしぶとく勝ち点を稼ぐ一方、
ハマったとしてもザックJAPANほどの確変は望めないだろうな・・・というのが今から透けて見えるのです。


忘れてはならないのは、我々はアジアを戦いながら同時に「世界も見据えなければならない」という視点だと思う次第。













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