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『ティキタカを思い出せ』~イニエスタがいないバルサといるバルサ~

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<イニエスタがいないバルサといるバルサ ~FCバルセロナ×Rマドリー~

さて、本当はもう少し早くクラシコのマッチレビューでもやろうかと思ってたんですが
ちょっと時間が経ってしまったので今日はこのクラシコの焦点にもなった「イニエスタのいないバルサ」と「いるバルサ」の比較から
今季のバルサのメカニズムを検証していく、というアプローチで攻めたいと思います。

まあ実も蓋もない言い方をすれば僕のイニエスタたんをひたすら褒めるだけの記事にもなりそうですが、
そこは長い付き合いの読者であればイニエスタ狂があの試合を見せられて黙っていられるはずがないと分かってくれるはず(笑)



では、まずクラシコの前半、つまりイニエスタが「いないバルサ」におけるビルドアップを見ていきましょう。

【クラシコ前半に見せたバルサのビルドアップ布陣】
バルサビルド1213

この試合、レアルは4-5-1でかなり引き気味のブロックを自陣に形成。
エンリケのバルサが狙いたいのはこの布陣の泣き所である1アンカー、モドリッチの両脇に出来るスペースです。

バルサはCBがボールを持つと両SBが同時に高い位置を取って、空いたスペースにインサイドハーフのラキティッチとAゴメスを落とし、メッシとネイマールのウイングがアンカー脇で間受けを狙うという可変をオートマティックに見せていました。


ラキSB1
↑このように右サイドではSロベルトが上がった後のスペースにラキティッチが降りてSBのような役割



ラキSB2

ここから逆サイドにボールを迂回させるとAゴメス、Jアルバ、ネイマールの3枚がサイドでポジション移動

要はこれ、ビルドアップ時に安全なパスルートを確保する為、インサイドハーフ(ラキ&Aゴメス)をサイドでフリーにさせるって事なんですけどね。
ただ、ラキティッチとAゴメスがボールを受けるまではいいとして、問題は中に入って来るネイマールとメッシに対して当然レアルの3センターも中を閉めますから前半はタテパスが全く入らなかったと。
(特にモドリッチは鬼神のごとき横スライドと守備範囲の広さで中に入って来るボールをことごとくインターセプト)





ラキSB3

という事は当然、バルサのパスルートは外⇒外⇒外になってネイマールもDFに背を向けた苦しい状態でボールを受けるかたちになり・・・





ラキSB4

強引に個のドリブルでサイドチェンジしてる有り様です。


要するにエンリケバルサのビルドアップとは、いかにMSNへリスク無くボールを届けるかが重要で
その為にDF~中盤はとにかくシンプルにボールを循環させて「あとはMSN頼んます!」ってのがその実態。

ただ、本来中盤でボールを運ぶ役割だったインサイドハーフがこれだけ簡単にSBの位置まで降りちゃうと
MSNが中盤のボール運びから崩し⇒最後のフィニッシュと全て担うようなかたちになり、その結果がコレです↓


【ティキタカ無きエンリケバルサの攻撃】
メッシ降りてくる1

もうね、ラキティッチが持った段階で、「どうせ中で待っててもボール入ってこねえや」とばかりに
見かねたメッシがブロックの外まで降りてくる場面が頻出し始めます。




メッシ降りてくる2

そんで中盤から「自分で運びます」って強引なドリはいいんだけど・・・・




メッシ降りてくる3

相手からすると結局一番怖いところに怖い選手がいない、というだけの話なんですな。




いくらメッシが凄いと言ったって、これではいくら何でもドリブルのスタート地点が低過ぎです。



メッシ降りてくる4

だから後半もバルサの攻撃スイッチが自陣からのメッシ無双頼みじゃあ・・・




メッシ降りてくる5
さすがにレアルには潰されますって


とにかくイニエスタの「いない」バルサはこれがあの「間受け」の元祖か?と思うほどに
攻撃ルートが右から左、左から右へと外⇒外を迂回するだけで一向に中へタテパスが入りませんでした。



<選手任せの貴族ディフェンス>

続いて、今回の本筋とは少し離れますが今季のバルサの守備についても少し触れておきましょう。

バルサの布陣は4-3-3ですが、エンリケのチームは完全ヒエラルキー制なので前線の3枚、特権階級のMSNは守備が免除されています。

つまり現代サッカーにおいて3ラインではなく2ラインで守るというちょっと有り得ない構図になっているんですが
攻撃では貢献度の低いラキティッチらのハードワークとブスケスの守備範囲で何とかごまかているのがその実情です。


レアルは左攻め1213-1
局面は右から左へ攻めるレアルの攻撃。
右サイドに展開されたボールにバルサの中盤3枚(普通は2列目だがバルサだとここが守備のファーストライン)が
ボールサイドにスライドして守備をしています。(ブスケスとAゴメス)

で、ここから中央のモドリッチに戻されたバックパスに対してスアレス、メッシは完全棒立ちでプレスバックが皆無。
となるとボールにはノープレッシャーのまま中盤はラキティッチ1枚でカバーしなけりゃいけない地獄絵図



レアルは左攻め1213-2

当然、フリーのイスコに前を向かれて・・・・




レアルは左攻め1213-3

左サイドに展開すればバルサの右WGであるメッシは絶対に自陣まで帰ってこないので攻撃参加のマルセロが常にフリーダム
これもラキティッチが鬼の横スライドで対応するんですが、どうしたって後追いの守備になってしまいます。

これがバルサの守備が抱える構造的欠陥で、マドリーはフリーマンのマルセロを攻撃の起点にしていました。

ちなみにこれ、特権階級が守備するかどうかは選手に任されているらしく、左のネイマールはプレスバックするので問題なく対応出来てたんですけどね。


【左のネイマールはプレスバックするので守備が厚い】
右はネイマールが戻る

右SBカルバハルのオーバーラップにはネイマールが対応するのでJアルバはロナウドに付いて左サイドは2対2の構図が作れていました。



マドリーもロナウドが同じように守備免除なんですがその分、左サイドはベンゼマが入って4-5-1を作るので守備ブロックのメカニズムがギリギリ担保されていました。

スアレスはメッシの代わりにプレスバックする時もあるんですが気まぐれというか単発で、特に最近はかなりおざなりになっている模様。



<イニエスタで蘇るティキタカ>

で、退屈な前座の60分が終わり、いよいよいイニエスタの投入です。
この交代で一体バルサの何が変わったのか?

実際の試合から見ていきましょう。


【①インサイドハーフのポジショニングが変化】
イニは中1213-1

局面は後半、右から左へ攻めるバルサのビルドアップ
ラキティッチに変わってインサイドハーフに入ったイニエスタのポジショニングにご注目

前半とはうって変わってインサイドハーフが「中」で待ってます。



イニは中1213-2
バルサのティキタカの基本は「敵と敵の間で受ける」

いわゆる三辺の中心でパスを受け・・・・



イニは中1213-3

涼しい顔のままターンしてボール運べちゃうから!

しかも1人でDF3枚引き付けてるんで周りの味方にスペースも提供しちゃう一挙両得。


更にイニエスタ投入の効果は周囲に波及し、特に前半は死んでいたブスケスとメッシを蘇らせる事につながります。


【②イニエスタのポジショニングがブスケスを蘇らせる】
イニがブスをフリーにする1

局面はGKからマスケラーノが受け取ったところでイニエスタがブスケスと逆方向に動いてモドリッチを引きつける場面
守る方はイニエスタに中で受けられると致命傷なのでケアせざるを得ません




イニがブスをフリーにする2

結果、前半まで窒息寸前だったブスケスがフリーで前を向けてメッシが間受けの準備
前半喪失していたバルサの中盤が蘇りました。

これを分かり易くすると・・・・



イニがブスをフリーにする3

↑要はこれブスケス、イニエスタ、メッシが中盤で大きめのトライアングルを作ってロンドを始めたに過ぎないんです。

これをラインを敷いてゾーンで守ろうとすると必ずどこかにギャップが出来る現代サッカーにおけるハメ技みたいなもんですな(笑)



イニがブスをフリーにする4

結果、メッシが最も得意なかたちでボールを受けて無双発動。
前半とドリブルのスタート位置が全く違ってメッシが自分の役割に集中出来ているのがよく分かるかと思います。


つまり前半はブスケスとメッシが中盤で切り離されていた感じですが、この2人をイニエスタがつなぐ事でバルサのパスルートに1本芯が通った感じですかね。

バルサのティキタカはボールをつなぐ前にまずポジショニングでお互いがつながらないとパスが回りません。
そして「お互いのポジショニングに意味を持たせる」とはつまりこういう事です↓

トライアングル1213-1

この3人のポジショニングこそバルサの全てです。
それぞれがそれぞれを助け、各自が敵と敵の間に入っているのでマドリーの守備陣形が機能していません。
(誰かに付けば別の誰かが空く・・・という状態)

ブスケスが受ける前にスッと横に降りて来るイニエスタの動きも往年のシャビを彷彿とさせますね。


そしてイニエスタの凄みはボールを「受けない」時にもその効果が発揮されるところ↓



【③イニエスタのバックステップがバルサに時間を与える】
イニバックステップ1213-1

局面はバルサのビルドアップからマスケラーノがボールを持ったところ

ここでインサイドハーフのイニエスタはSBの位置に落ちるのではなくボールに身体を向けたままバックステップで「中」へ進入していく得意の動き出し

この守備ブロックの「間」で受けようとする準備動作に対し、マドリーはバスケスとイスコが対応する為にイニエスタに引っ張られていきます。

これでマドリーのファーストディフェンスがボールにプレッシャーをかけられず、バルサのCBとSBに時間が与えられる・・・という寸法です。

つまりイニエスタはボールに触らずともバルサにポゼッションを与える事が出来るんですね。



イニバックステップ1213-2

時間を与えられたCBは余裕を持ってボールを運べるのでそもそもの攻撃開始地点が高くなります。
そしてイニエスタは定石通り、今度はマドリーDFの四辺の中心にポジションを取っています。

これでマドリーのCB,SB,CH、WGはそれぞれイニエスタを気にしながらプレーせざるを得ず(自分のポジショニングを間違えるとイニを使われる為)、Jアルバとネイマールに対して思い切ったアプローチに出ていけない制限をかけられているんですね。


このように守る方としてはイニエスタを気にするとどうしても守備ブロックをバルサ主導で動かされてボールを取りに行けないのですが、かと言ってじゃあ「ブロックの外では放っておけ!」と放置プレーをしてしまうと・・・



イニ神スルーパス
ブロックの外から神スルーパス!!!


一発で決定機を作られてしまう・・・と。


世界最高のタレントをかき集めたクラシコが、たった1人のMFによってここまで変質させられてしまうとは・・・。

シャビ無き今、イニエスタこそがバルサに残された最後のフットボールと言えよう。



<添え物に過ぎなかった両指揮官>
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結局、クラシコでのエンリケの仕事は「残り30分になったらイニエスタを投入するだけのお仕事です」に過ぎず、他の采配も実にチグハグなものでした。

1-0リードで逃げ切る為のデニススアレス&アルダの投入は
Dスアレスが肝心の守備で穴になっていたばかりか、アルダの不必要なファウルがマドリーの同点弾を生んでいます。


そもそもこのチームが逃げ切りを図りたいのであればボールを相手に渡して自陣に引くのではなく
守備的ポゼッションでボールを相手に渡さない、という閉め方こそ勝ちパターンだったはず。


トランジションゲームに持ち込んでMSNの決定力で勝つ!というエンリケの唯一の勝ちパターンも既に攻略されかかっている気配。

ソシエダ戦のようにDFラインに強烈なプレスをかけられるとそもそもMSNまでボールが渡らずにジ・エンドのパターンはリーガの中堅&弱小クラブにも恰好のお手本になるだろうし、マドリーのようにトランジションゲームに持ち込ませないゲーム運びをされると試合が膠着してしまいます。


ペップであれば相手の出方に応じてシステムを変え、選手を変え、ポジショニングのメカニズムを変える応手で対応していましたがエンリケはピッチ上で選手達が解決してくれるのを待つのみ。

バルサの肝である中盤を軽視してカンテラーノから外注路線に舵を切ったものの、肝心のクラシコでエンリケを救ったのがカンテラーノによるティキタカというのは皮肉でしかありません。


一方のジダンもデルボスケよろしく、ただ最高の選手をピッチに並べるだけでそれ以上でもそれ以下でも無し。

クラシコでもリードされてからボールの収まりどころだったイスコを下げてカゼミロを投入し攻撃力を下げたばかりか
終盤まで空気以下だったベンゼマを引っ張っるなど謎采配につぐ謎采配。
(結局、前線を若手に変えてからマドリーの攻撃は明らかに活性化されました)


結局この両指揮官ではクラシコという試合の格に対して添え物になってしまい、
ピッチ外の空中戦は皆無なまま膠着した試合は互いセットプレーで1点づつを取り合ってのドロー決着は必然と言えよう。


ただ唯一、イニエスタだけがフットボールの神がこの試合につかわした救世主(メシア)だったのである-






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横スライドを制する者は試合を制す? ~Aマドリー×FCバルセロナ~

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<スライドを制する者は試合を制す? ~Aマドリー×FCバルセロナ~

今季は各国リーグでビッグカードが早めに組まれていますが、リーガでも三つ巴の内の1カードが実現。
この2クラブはスペイン国内のみならず、欧州の覇権争いにも関ってくる勢力なので
今日はこのカードから両チームの仕上がりと今季のトレンドを探っていきたいと思います。

バルアトレ0920

まずは今季大型補強を敢行したAマドリーから。
スタメンにはオリベルとFルイスという出戻り組の顔ぶれが。

Fルイスについてはロンドンに半年貸し出したら利子までついて戻ってきたという錬金術移籍。
オリベルに関しては2年間に見た時に「センスは抜群だけどこのか弱い青年がシメオネサッカーに果たして耐えられるのか?」と心配していたら案の定レンタルへ。
しかし昨季、ポルトで見せたCLでのパフォーマンス(特にバイエルン戦)からは
ハードワークとセンスが癒合した「戦えるゲームメイカー」に成長してる姿がありました。

加えてベンチには今季ワールドクラス入り間違い無しと目されるJマルティネスと
昨季ビジャレアルでブレイクしたビエットにモナコから暴れん坊カラスコまで加えて
攻撃陣の層はリーガでも屈指のレベルに上積みされています。


対するは2年目のエンリケが率いる王者バルサ。
昨季3冠に輝きながら今ひとつそれに見合った名声を得ていないようにも思えるエンリケだが
今季は夏の補強が禁止(正確には選手登録禁止)という事情もあり試練のシーズンを迎える。

年明けにアルダとAビダルを登録出来るまでは実質昨年の戦力からシャビとペドロが抜けた陣容で戦わなくてはなりません。
そういう意味では開幕から好調のベルメーレンが「最大の補強」と言えなくも無いが・・・。

ただし、この大一番ではメッシが第二子出産の為、TRから抜けていた事でベンチスタートとなっています。
いきなりエンリケの「今季もメッシだろうと特別扱いはしない」という強烈なメッセージですが
昨年は結果がついてきたので周囲もメッシ本人ともギリギリの均衡を保っていたバランスはいつ崩れてもおかしくないでしょう。

「選手時代の実績」「カンテラ育ちではなく外様」そしてなにより「監督としてのカリスマ性」でペップに大きく劣るエンリケのチームは
あくまで主役は選手(MSN)であり、サッカースタイルもカウンター主体の極めてオーソドックスなものでハッキリ言ってしまえばフツーなんですよね(^^;


<欧州を日常に戦っているインテンシティ>

試合は序盤から極めてインテンシティの高い攻防となりました。

バルセロナは昨年以上に失った瞬間のボール狩りが向上しており、ネイマールなんかは完全に欧州基準のトランジションを実装した近代型のウイングとしてブラジル時代の面影はもう残っていません。
メッシがベンチスタートだった事もあり、11人全員で瞬間的に攻守のスイッチが切り替わるバルサは非常にモダンな印象を抱かせました。

勿論シメオネのアトレチコも縦横を圧縮した密集守備は健在。
格上相手には2トップも自陣にリトリートさせて10枚で組む4-4-2ブロックは強固であり
ボール回収地点が低くてもロングカウンターを成功させられるタレントがこのチームにはいます。
(アルダは失ったけどね)

お互いの守備に隙がないので「これぞ欧州!」という緻密な崩しがこの試合の鍵を握る事でしょう。


<バルサの攻め筋を変えたエンリケ>
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これまでアトレチコ×バルサと言えば、中央密集で中を固めるアトレチコに対し、
そこを意地でもパスワークとドリブルで中央突破を狙うバルサという構図が恒例でした。

【中央密集×中央突破】
中央圧縮

バルサは両WGをタッチラインぎりぎりに張らせていましたが、もはやそれがオトリに過ぎない事はどこのチームにもバレていました。

結局最後はメッシとイニシャビがバイタルでボール遊びして崩すのだから「このエリアだけ固めとけばいい」という
シメオネの極端な中央圧縮ブロックが非常に効果的だった時代です。


一方、この試合のバルサはこれと正反対のアプローチを仕掛けました。
「中央を塞いでいるなら空いた両脇を使えばいいだろう」という正攻法がエンリケの考え方です。

【エンリケの両脇狙い】
エンリケバルサ0920

アトレチコの圧縮ブロックはスアレス1枚で固定させておき、ボールの循環と起点はあくまでそのブロックの外で作る・・・という攻め筋です。

まあ、相手を見て空いたところをシンプルに使うという当たり前っちゃ当たり前の事をしただけなんですが、
バルサで「相手を見て攻め筋を変える」というアプローチはある意味画期的でした。

スライド0920-1

局面は右から左へバルサが攻めている場面ですが、サイドを起点にしているのでアトレチコの密集ブロックが
そのままボールサイドへスライドしているのが分かります。

右SHのオリベルがピッチのちょうど中央あたりにいますので横幅はピッチ半分にほぼ全員が入るぐらい圧縮されているのがミソ。

従来のバルサであればラフィーニャからいかにバイタルへのナナメのクサビを打ち込むか・・・という場面でしたが
エンリケのバルサはブロックの外から外に回してサイドを変え、逆SH(オリベル)の背後を取ったところでタテパスという按配。


スライド0920-2

アトレチコのブロックはサイドを変えられたので全体がボールサイドへ横スライド。
この横スライドの速さは欧州でも3本の指に入ります。


スライド0920-3

アトレチコのスライドが早かったせいでネイマールのドリブルがタテではなく、ここでもブロックの外側をなぞるように横へ横へ。
ある意味これはドリブルによるサイドチェンジですね。


スライド0920-4

右から左、そして左から右へとボールを動かしてからこれまたブロックの大外をえぐるサイド攻撃・・・と。

これは要するに密集したブロック内にタテパスを入れるリスクを冒さずボールを前進させる為の攻撃ルートですね。
ブロックの外側をジワジワと左右に振って少しづつ前進させていく攻撃はこの間、中のスアレスが一度もボールに触れていない事からも明らかです。


続いて「個の輝き」を利用したパターン。

イニ0920-1

イニエスタたんがアトレチコのブロック進入を外から狙う場面


イニ0920-2

ここで横に進路を変えてブロックを横断、ドリブルによるサイドチェンジ第二段です。
パスと違いドリブルによる横断のメリットは長い時間相手DFの視線を固定させる事が出来るのと
「溜め」を作っている間に後ろから長い距離を走ってくる味方によって攻撃の厚みが作りやすい事。


イニ0920-3

この場面でもイニエスタのドリブルでDFを引きつけて大外をラキティッチが狙うの図。

このように前半のバルサは徹頭徹尾、ブロックの外側を基点にしたサイド攻撃で
カウンターを受けるリスクが低い効果的なジャブの連打が目立っていました。

まるでメイウェザーのボクシングみたいですね。


<シメオネの横スライド強化策>

これを見たシメオネはすぐさま手を打ちます。
4-4-2からトップのグリーズマンを右SHに下げて4-5-1へ。

中盤に5枚を並べてしまえば全体が横スライドする距離がかなり短くなるのでバルサのサイドチェンジに対抗しやすくなるという狙いです。


【4-4-2の逆SHの位置】
スライド0920-1

ボールが右にある時の逆SH(オリベル)がこの位置なのでイニエスタが背後を取れる。


【4-5-1の逆SHの位置】
4-5-10920-1

前半途中から左にオリベル、右にグリーズマン、中央にガビ、ティアゴ、コケの3枚を並べた4-5-1に修正したアトレチコ。
中盤が5枚横並びになった事で逆SH(グリーズマン)がイニエスタをケア出来るポジションを取れるようになりました。

これを見てバルサは中盤(イニエスタ)を飛ばして直接逆サイドのWGへのサイドチェンジを増やしていきます。


【4-5-1の横スライド】
【2】451-09201

今度はバルサがラキティッチから逆サイドのネイマールへ一発のサイドチェンジ


【2】451-09202

・・・が、逆SH(グリーズマン)の横スライドが間に合ってSBファンフランと2対1を作れる磐石の構え


【2】451-09203

ネイマールが横ドリで横断しようとすれば中央3枚のMFが挟んで応対


【2】451-09204

ボールを奪うとアトレチコ伝家の宝刀ロングカウンター発動!


【2】451-09205

これがアトレチコの狙いであり、SHにアルダやグリーズマンといったタレントを置いている意味でもあります。


試合は少しづつ風がアトレチコに向いていく流れでバルサにアクシデント発生。
開幕から好調だったベルメーレンが怪我によってマテューと代わる事に。

昨季、加入当初はポジションを掴んだかに思えたマテューでしたが気がつけば完全なベンチメンバーに降格していた男。
それも妙に納得出来るのはバルサのCBコンビがマスケラーノとマテューに代わった後の安定感の無さでした。

【バルサ急造CBコンビの不安定さ】
バルサCB0920-1

局面は後半、右から左へ攻めるアトレチコの図ですがマスケラーノとマテューのCB同士の距離感がまず悪い。
間にトーレスを置いた状態でこの距離感では実質、チャレンジ&カバーが機能していません。


バルサCB0920-2

ティアゴから裏にスルーパスが出される瞬間になってもマテューはボールの方に何となくフラフラ~と食いついているだけで
背後を走られているトーレスの存在に気がついていません。

これは王子、ワンチャンあるで・・・と思った矢先に、案の定アトレチコの先制点が生まれました。


【アトレチコの先制点を検証】
アトレ先制0920-2

局面は中盤でガビが浮き球を収めようとする場面。
ポイントはボールを受けるガビが攻撃方向に背を向けている状況である、という事。

背後からはブスケスがもう寄せていますが、当然DFラインはこれに合わせて押し上げてアンカーとの距離を一定に保つ場面です。


アトレ先制0920-1

・・・がしっかりラインを上げたのはマスケラーノだけ。それでもセルジは歩いていますがギリギリ、ポジションを上げてはいます。
問題はマテューで1人だけ棒立ち・・・・



アトレ先制0920-4

マスケラーノは「オフサイ!」って手を挙げてますが悲しいかなラインはその遥か後方であった・・・OTL

裏抜けしかない王子に対してこの状況を2度も作ったらそれは失点しますって。

先制に沸くアトレチコベンチの横で静かに”あの男”が立ち上がった-


<王の帰還 攻め筋を変えたメッシという個>
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アトレチコとすればせめて”あの男”が投入されるまでは1-0リードの状況を守っていたかったはずだ。
そういう意味でネイマールがFKをものにした同点弾はアトレチコにとっては痛恨でバルサにとっては舞台が整ったという感じだったでしょうか。

シメオネは勿論、試合を見ていた誰もがバルサが勝負どころでメッシを投入してくるのは分かりきっていました。
そして今、その時が来たという事も-

この時、僕はそこではなく、じゃあ「メッシをどこに入れるのか?」を頭の中でシミュレーションしていたのです。
真っ先に思いつくのはラフィーニャに変えて前線をMSNにする事。
横の揺さぶりの精度を更に上げて強力ジャブでアトレチコのガードをこじ開ける一手ですね。

・・・と同時にメッシを中央のインテリオールに入れてイニエスタを左WGに右にネイマールを持ってくる一手が浮かんだのです。
横⇒横の攻め筋にアトレチコが慣れてきたこのタイミングでメッシの間受けと中央突破という中筋ルートを交える事でジャブにストレートとワンツーを加えるようなイメージでしょうか。

守備陣の目がバルサの攻撃パターンに慣れてきたところで全く違うところから飛んでくるパンチはガード困難でエグイな~とか考えていたらラキテッチOUT⇒メッシINの文字が。


ガチでインテリオールに入れてきおった・・・・((( ;゚д゚))))


ハッキリ言ってこの一手はエグイ。
百聞は一見にしかずという事でこの交代でピッチに何が起きたかを検証していきましょう。

【攻め筋を変えるメッシという個】
メッシ中央突破0920-1

局面は右から左へ攻めるバルサ。早速メッシが中央で時間を作り、これに合わせてネイマールが露骨に中央突破モードへ(笑)
さっきまではサイドで横断ドリしてたウイングが露骨に間受けポジションでくれくれ状態。

アトレチコも慌てて中盤が中に絞ってきていますが、先ほどまでワイド対応をしていたせいで、
従来の中央圧縮に比べるとやや絞りが甘いような・・・?


メッシ中央突破0920-2
やっぱりスパッと真ん中通されたーーー!!!

ネイマールはファーストタッチで前を向けるので、これに対応するのはそれまでスアレスをマークしていたCBしかいない。


メッシ中央突破0920-3

出てきたところを通されてスアレスへ。
さっきまでオトリに過ぎなかったスアレスがメッシ投入によって一気に牙を向きます。

この流れを別角度で検証するとですね・・・・↓

メッシ中央突破0920-4

まずメッシが持ったところでアトレチコの中盤5枚がこれに引き付けられた上にフリーズさせられてしまっているんですね。
(全員「飛び込んだらかわされる・・・」と思ってしまうから)

一方最終ラインはスアレスがピン留めしているので、その間でネイマールが間受けを狙える・・・という構図だった訳です。


メッシ中央突破0920-5

・・・でメッシはボール1個分隙間があれば中を通せるし、ネイマールはこれぐらいのスペースがあれば前を向くには充分なんです。
慌ててゴディンが対応すれば次はスアレスが空く・・・という具合にMSN3枚にアトレチコの中盤とDFは完全に剥がされてしまった・・・と。

残り時間は25分・・・・うん、これは持たないわ、とこのワンシーンを見て確信した次第(笑)

案の定、バルサの決勝点はこの10分後でした。


【バルサの決勝点を検証】
バルサ2点目0920-1

今度は左45度の得意なエリアで受けたネイマールという局面。
これまたサイドで5枚のDFがネイマールに引きつけられてしまっています。
(ネイマールのタテへの突破力とカットインシュート、そしてラストパスの精度を考えたらチャレンジとカバーにこれぐらいの枚数割かれるのは致し方なし)


バルサ2点目0920-2

一度はアトレチコが奪い返したボールが混戦からバルサにこぼれてスアレス⇒メッシでジ・エンド。

これも別角度からもう1回見直してみますけど・・・


バルサ2点目0920-3

まずネイマールに5枚割かれて中でスアレスが1対2という状況は先ほどと全く同じ


バルサ2点目0920-4

アトレチコは最初のチャレンジでボールを取り切れないと背後ではスアレス+メッシに対してDF3枚という数関係。
普通最終ラインで「+1」の数的優位が作れていればディフェンスとしてはOKなはずなんですが、この凶悪コンビに「+1」は無いに等しいアドバンテージでした。
(若干、ファンフランの絞りが遅れたのは痛かった・・・)


バルサ2点目0920-5
アッーー!!!


ラスト5分はティキタカでボールを渡さない鬼畜リアリストな一面まで見せたエンリケバルサ。
無慈悲なまでの完勝です。


この試合のポイントは昨季CL決勝や先日のバイエルン×レバークーゼンに続き、
密集守備からの横スライドを巡る戦いが見られた事です。今季一つのトレンドになるかもしれません。



最後に余談にはなりますが試合後、どうやってこのMSNを止めるか、その方法を脳内シミュレーションしてみました。

まずネイマールには4枚、スアレスにも4枚、メッシには5枚はマークが必要でしょう。
その上でカウンターを成立させる為に最低限前残りの1枚と、それをつなぐ中盤に1枚・・・・



そうか、15人で試合をすればいいんだな。(キリッ!)



・・・スイマセン、僕のシミュレーションではここが限界です。誰か良い案を教えて下さい!



モウリーニョ「プレミアはそれどこじゃなし」

ペップ「去年チンチンにやられてるんだよね・・・」

ベニテス「まずはクラシコ前に解任されない事が目標(キリッ!)」







???「おいおい・・・情けねぇーな、大の男ががん首揃えて・・・」











お・・・お前は一体!?






























『君達・・・・カルチョをお忘れかな?』
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*「その前に15人ってGKは無人ですか!?」と思った貴方はクリック!↓

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『走る銀河系』~ハードワークするRマドリーが補えないもの~

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<『走る銀河系』 ~ハードワークするRマドリーが補えないもの~

欧州フットボールシーンのいまを検証してくシリーズ。
第2弾はバルサに続くスペイン編という事で勿論Rマドリーになります。

昨季、就任一年目にして悲願のCL優勝を果たしたアンチェロッティのマドリー。
「新・銀河系」とも呼ばれたスター揃いのチームをアンチェロッティがルービックキューブを解くように選手を入れ替えてはバランスを調整。

最終的に行き着いたのがディマリアが攻撃時は3トップとして、守備時はSHとして振る舞い、
中盤の守備バランスはシャビアロンソの超絶的なバランス感覚で舵を取るという「可変式4-3-3」でした。

ところが誰もがチームの戦術的キーマンだと思っていたこの2人を放出し、
新たにW杯得点王のハメスロドリゲスと優勝国ドイツの司令塔クロースを獲得。

一つのパズルが解けたら、また新たな難題を課すというペレス会長のドS補強は今季も健在で
アンチェロッテイとしてはまた一からチームのベストバランスを見出すシーズンとなりました。


<ハードワークでは補えないもの>
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選手配置を考えていくにあたり、今季も前線のBBC(ベンゼマ・ベイル・ロナウド)は固定だとすると
残る中盤の3枚をクロース、モドリッチ、イスコ、ハメスの4枚から当てはめていくのがアンチェロッティの本線だと言えるでしょう。
(ケディラとイジャラメンディは基本、怪我人が出た時の控えかローテーション組)

確かにこの顔ぶれ、名前だけ見ていくと一段と豪華さは増しているんですが
守備を本職とする人間がおらず、一体誰が昨年までの「ディマリアの運動量」「アロンソの守備バランス」を担保出来るのか。

ここが今季の焦点になると思っていましたが、蓋を開けて見れば年明けの第17節でバレンシアに負けるまで年内22連勝の開幕ダッシュに成功したマドリー。

アンチェロッテイが出した回答は「ハードワークする銀河系」でした。


モウリーニョだったら恐らくケディラやイジャラメンディを使って守備のバランスをとるところを
あくまで顔ぶれは変えずにプレーを変えていく道を選択。

なるほど「いばらの道」を行ったなーと思ったものですが、個人的には限界があるのではという疑念を拭いきれませんでした。

僕が限界を感じた理由は主に2つ。


一つはいくら「ハードワークを課す」といってもハメスやクロースにディマリア級のそれは求められないだろうという事。
ましてや前線はBBCですから、要するにロナウドの「今日は本気でハードワークしてます!」ってレベルは
ディマリアだと片足骨折してますっていうぐらいのレベルな訳で、個人差は否めないだろうっていう・・・(笑)


そしてもう一点は「ハードワーク」だけなら選手達のモチベーションを喚起して向上させる事は出来ても
選手個々の根本的な「戦術レベル」については早期の向上は難しいという事です。


分かりやすい例で言えば日本代表の香川。
香川自身はクロップ戦術の申し子であった事からも分かる通り「切り替えの意識」や「ハードワーク」は非常に高いレベルにあります。
但し、それは「奪われたらすぐに奪い返す」といった戦術的判断を伴わないよう、役割を限定された設定での話。

コートジボワール戦のように戦術的駆け引きをしかけられて香川自身にポジショニングや受け渡しの判断を求められるような状況になってしまうと
「ハードワークする意識」はあっても「どこに向かえばいいのか」がぼやけてチームの穴になってしまいかねません。

恐らくクロップは香川のそういった特性を見抜いた上で当時のドルトムントを設計していたので香川もあれだけ輝けたのだと思います。


翻ってマドリーは中盤より前はほぼ「プチ香川」で占められています。
要するに昨年までアロンソの超絶バランス力で補っていた「組織的守備」を統率出来る人間がいないのです。

クロースはまだ若すぎるし、イスコやモドリッチは走る事は出来ても周りのバランスまで気を配れません。
ハメスに至っては走らせる事ですらかなりの負担という現状。


故に一見、何となく形になっているように見える「ハードワークする銀河系」では
ある一定のレベル相手まではごまかしながら勝つ事は出来ても
そういう戦術的な粗を突かれる相手には紙一重の勝負になるだろう・・・というのが個人的な見立てでした。

より具体的に言えば国内ではバルサとアトレチコ、欧州ではベスト8以降の魔境レベルですね。
(そういう意味では当時死にかけていたリバプールぐらいしかそういう相手のいなかったCLのグループリーグは楽勝過ぎましたね(笑))


では実際に今季、初めてその試金石となったクラシコから2つほど気になったシーンを検証していきたいと思います。
3-1で快勝を飾ったこの試合でも、やはりバルサクラスが相手だと色々な粗が見えてくるものですね。


【クラシコの失点シーン検証】
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局面は中盤のこぼれ球がメッシに渡ってバルサのカウンターが発動するところ。

この試合におけるマドリーのボランチはクロースとモドリッチのコンビでした。
ファーストディフェンスは一番ボールに近いクロースが向かいます


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クロースが必死にメッシへ寄せますが、メッシは意に介さずドリブルを加速。

この場面、メッシとクロースの競り合いをアップにして見てみますと・・・・


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メッシは背後から迫るクロースを左手1本のハンドオフでいなしています。

これがもしアロンソだとプレミア仕込みの激しいタックルで最悪ファウルでもいいからここでメッシを止める、という選択をしたはず。

というのもここでメッシに前を向いた加速させたら最後、ほぼ詰みまで持っていかれるからですね。


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左手1本で青天井にさせられているクロース

フィジカルのレベルが違いすぎました。

クロース(な・・・なんやコイツ!?)

これでマドリーはメッシ無双に対し、DFライン前のフィルターがモドリッチ1枚で守る状況に


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メッシから右へ展開されたところにCBのSラモスがカバーに入ります(左SBマルセロの裏)
3枚残りのDFラインでCBが1枚釣り出されているのでモドリッチは当然カバーに入らないとけないのですが、
そうなると今度はバイタルエリアががら空きや・・・


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逆サイドに展開されてネイマールにカットインされると、このガラ空きのスペースを使われてシュート⇒失点

まあ、メッシ無双に対してボランチがあそこまで簡単に剥がされているようでは厳しいですよね。

続いてもう一つ↓


【クラシコでの守備を検証】
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局面はマドリーのビルドアップの場面から。

最終ラインに落ちてボールをもらったクロースからタテパスが出るところですが、これを背後から狙っていたマスケラーノがインターセプト!


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奪われたクロースが瞬時にボールへアプローチに向かいますが・・・


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軽っ!!!

一発でかわされてもうた・・・。
(アロンソなら焦って飛び込まずにコースを切る守備だったな)


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急いでモドリッチがカバーに入りますがまたもやバイタルエリアと逆サイドのスペースをカバーし切れません。

実はこれってさっきとまるっきり同じ流れで
SBが1枚上がった状態で奪われて⇒クロースがアッサリかわされて⇒3DF+ボランチ1枚での守備っていう状況なんですよね。


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そしてこの空いたバイタルエリアで待っていたのがメッシの間受け

このエリアでここまで簡単にメッシに前を向かれてしまう守備はちょっと問題アリなんじゃないかい…?


<バイタルエリアの緩さ>

クラシコで明らかになった事の一つはバルサクラスの攻撃力が相手だと
いくらハードワークを課したところでクロースの個人守備能力ではアロンソの代わりは難しいという事です。
これはクロース以外の中盤にも同じ事が言えます。
(ケディラ、イジャラメンディは使わない前提)

つまり今季のマドリーが抱えている戦術的ウィークポイントは
明らかに「バイタルエリアが緩い」という点。

格下にはその後ろに控えるペペ、Sラモスという最凶コンビの超人能力で何とでもなるんでしょうが
同格相手には確実にここが泣き所になってくるのではないか・・・と。

それは単に個々の守備能力だけにとどまらず、
中盤を一つのユニットとして見た時の戦術ディティールの甘さという観点からも同じ事が言えます。

では次に連勝がストップした年明けのバレンシア戦から
4-3-3に変更されたマドリーの3センターの守備連携を検証していきましょう。


【マドリー3センターの守備】
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局面は左から右へと攻めるバレンシアのビルドアップに対するマドリーの守備です。

この試合では前線がBBCの3トップで中盤が右からイスコ、クロース、ハメスという並び。


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ボランチにタテパスが入ったところでまずイスコが寄せます


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そこからパスが展開されると今度はクロースが出て行ってイスコがカバーに入る関係
(このへん、アンチェロッティのカルチョ仕込み風味が感じられる)

チャレンジに対しカバーの動きがあるだけア○ーレJAPANよりはマシだな(笑)


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・・・が、この時実は一番重要なのがボールと逆サイドにいるハメスの絞りだったりする

イスコとハメスが1ラインになってしまうとこのように1本のパスで間を通されてしまうので×


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なので本来、ハメスはもっと絞ってイスコとクロースに対しディアゴナーレ(斜め)のポジションを取る事で
間にパスを通させないカバーリングが行えるという訳ですね。


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マドリーは3センターがユニットでの連動した守備ポジションが取れていなかったので
ここでもやはりバイタルエリアへアッサリと侵入されてしまいました。

続いて同じ試合からもう一つ


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局面は左から右へ攻めるマドリーのベイルがボールを奪われた瞬間

↑を見るとマドリーは攻撃時、3センターの3枚ともほぼ攻め倒す事しか考えてないようなポジショニングなので
中盤が3枚いるようでいて失ったボールに対してイスコ1人がかわされると守備の深みが全く効いていません。


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バレンシアは奪ったところからタテパス1本でもうこの状況。

っていうかイスコとクロースの距離遠すぎねえか?www

またもバイタルエリアが無人君だが、これはもはや通常営業。


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ボール失うと常にDFラインが丸裸で守備をしている新手のドS戦術。
(よくよく考えると、たいして攻め切る力もないのにこんなサッカーをしていたJAPANはある意味変態(笑))

ボールにプレッシャーが全くかかっていないので、裏への抜け出しにDFラインが引っ張られると右の大外はどフリーですな


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こっからドーン!と打たれて、ハイ失点。

個々の守備力が遠藤、長谷部とあんま変わらんレベルで3センターの連携もこのお粗末さでは
「新銀河系はハードワークで解決しました」ではごまかしきれないのではないか。
(割と日本のメディアではこの論調多くないですか…?(^^;))

それとも「新・銀河系」と言うだけあって、確かに自陣のバイタルエリアがブラックホールのように広大・・・って、そうじゃないだろ(笑)


<これぞカルチョの真骨頂!ユベントスのバイタル閉め>
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ここのところ日本代表を始めユニットとしての守備の甘さ、チャレンジ&カバーなどを取り上げてきた本ブログではありますが、ではユニットとして機能している守備とは何なのか?

たまには良い手本も見て学びましょうという事で、戦術的なディテールならやはりここはカルチョの出番です。
(セリエヲタの皆さん!今季も見捨てたわけじゃないんですよ!ww)

中でも3センターの完成度なら欧州でも屈指といえるユベントスの中盤ユニットを検証してみましょう。


【ユベントスの守備検証】
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フォーメーションは4-3-1-2の試合なんで布陣は違うんですけど、サッカーにおける守備の原則は同じって事で
ユーベの中盤で見せるピルロ、ビダル、ポグバの連携を見てみたいと思います。


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ボールに対してポグバがチャレンジ、その背後をビダルが斜めにスライドしてカバー⇒更にそのビダルの背後をピルロがカバーという美しき3枚の連携。

(まあ、カルチョなら中学生レベルでこれくらい身体が自動的に動かないと・・・ですよね?)


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ポグバが剥がされかけてもビダルのカバーが効いてるし、バイタルはしっかりピルロが埋めてる磐石守備!


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ビダル兄貴がスライディングで外にボールをかき出しました。

これが最も基本的なチャレンジ&カバーの連携ですね。

では続いてもう一つ


【ユーベのバイタル完全封鎖】
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続いてもこの3人のユニットによる守備の連携から。

サイドにあるボールに対してポグバが出て行き、空いたバイタルをピルロが埋める関係。


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そこからボールが戻されて中へ入れられると今度はピルロが出て行って、ポグバが絞るカバーリング


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このポグバの絞る動きの何が重要かって、この絞りによって中に通されるパスコースを潰してるんですね。


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仮にポグバがこの絞る動きをサボったとするとホラ、フリックパス1本で中のバイタルに通されちゃうでしょ?


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中に通せないので再び外に展開されると今度はポグバとピルロがチャレンジして、ビダルがそのカバーに当たり前のように入ってます。


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ブラックホールバイタルみたいなチームがある一方でバイタルにはネズミ一匹入れさせない…!というチームもあるのがサッカー(笑)

さっきから攻めるチームがユーベの守備ブロックの外でしかボールを回せていないのがミソ。

で、この下げられたボールには・・・・


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今度はポグバとビダルが前に出てピルロが所定の位置に戻ってカバー。

う~む・・・これがカルチョだよな(笑)

理論的にはDFライン、中盤、FWの全てのラインでユニットがしっかりチャレンジとカバーを行えていれば攻める側にはタテパスを通すコースが出来ないってのがそもそもの前提で、いかにそこへ近づけるかという究極のチャレンジをしているのがカルチョというマニアックな舞台なんですな。

まあ、実際にはメッシとかロナウドとかっていう人間を超越したのがいると個の力で突破されちゃうんですがww

悲しいかな、そういうのがほぼ絶滅してる今のセリエAって、よりマニアックなそういう戦いが見られるという
完全「一見さんお断り」みたいなリーグになっているという・・・(笑)


<バルサ化するマドリー レアル化するバルサ?>
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話がだいぶ横道に反れてしまったのでマドリーに戻しましょう。

そもそもアンチェロッティが何を目指しているかと言えば現代サッカーのトレンドで先頭を走り、勝てるチームになる事です。
昨季は世界一の高速カウンターを武器にペップのバイエルンを仕留め、欧州を獲りました。

しかしカウンター頼みではいずれゴール前にバスを止められて手詰まりになるモウリーニョ時代の二の舞である事は本人も分かっている事。

故に敢えて大雑把に言えば、カウンターもポゼッションも出来る万能型への頂を巡る競争で
ペップのバイエルンはポゼッションの登山道から入り、今はカウンターの道を通って次の次元に足をかけていると、
片やアンチェロッテイとモウリーニョはカウンターの登山道から入って今ポゼッションの道を通っている・・・という状況なので、入り口と経路は違っても山の頂に辿り着けばゴールは同じと仮定出来る訳です。


だからアンチェロッテイも怪我人さえ出なければ本当は中盤にケディラとか使いたくない、
とにかく足元上手いヤツを並べてコイツらにハードワークさせるのが現代流!とかって躍起になってるんじゃないかと。

いわばイニエスタとかブスケスみたいなのが高い位置で鬼プレスしてたペップバルサのアレですね。

面白いのがその本家バルサが今季は中盤を脇役にしてとにかく前線のネームバリューで勝負!みたいなレアル路線になっているっていう(笑)


個人的には変態サッカーに関しては育成から一貫して追求してるバルサに任せて
マドリーはその時々の超一流スペシャリストをパッチワークみたいにつなぎ合わせて
結果的に攻守のバランスを力技で持って行く!みたいなチーム構成でもいいんじゃないかと・・・(^^;

要はトップ下でジダンが王様やって中盤の守備ならその部門の世界一(マケレレ)を置いて足し引きで銀河系!みたいなどんぶり勘定万歳ww
:褒めてます)


まあ、何が言いたいかって、僕のイスコたんがチームの歯車として「イスコが走った!」とか
マスコミにハードワークで褒められてても、「それ何か違う」感が半端ねえと。

マドリーの10番つけるにはハメスとかいうW杯の一発屋は毎試合80分は消えてるじゃねえかと。

クロースとアロンソをトレードしたペップは短期的に見たら完全に勝ち組じゃねえかと。


だったらいっそイスコには守備とかハードワークとか細かい仕事から開放した王様システムを発動してですね、
「銀河系の栄光再び」路線ですよ、ええ・・・






まあ、確実にビッグイヤーは取れませんけど(笑)



【予告】次回はプレミアの赤いチームについて取り上げようかと


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攻守分業制のバルサに未来無し ~現代サッカーの最先端を追い求めて~

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<クラシコはオワコン? ~現代サッカーの最先端を追い求めて~

さて、ここのところ代表ネタやレバークーゼンなんかの更新が続いておりましたが、
あくまでこのブログの本線は海外サッカーをメインとした現代サッカーの最先端観測。

そろそろ今季の欧州サッカー、トップトレンドの観測に戻りましょう。

ここ数年、その観測の最先端にいたのはスペインの地で行われる「クラシコ」でした。
最高の監督が最高のプレイヤーを率い、知恵比べとサッカー哲学がぶつかり合う最高峰の戦い-
ある意味、この試合さえ抑えておけばある程度の潮流は読む事が出来ると言えるほどに。

しかし今季3-1でマドリーが勝利したそれは、近年最低のクラシコと言っていいものでした。

別に僕はバルセロナの熱狂的なファンだから1-3で負けた結果が最悪だったと言っているのではなく、
どちらが勝とうが最高の試合は約束されていて、更に新たな戦術トレンドの発見まであるのが
”フットボールを超えた戦い”であるこの試合の役目だと思っていたが故の失望なんですね。

ペップが去り、モウリーニョが去ったクラシコは秩序もカオスもインテンシティもなく、
最高のプレイヤー達をただ、ただ、ピッチに並べただけの見本市と化していました。


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<飽くなきインテンシティの追求>

クラシコが劣化しようとも、世界のどこかで現代サッカーの最先端は進化を続けています。
それは飽くなきインテンシティの追求、そして攻守の一体化。

今、90年代のサッカーを見返すと、それはまるでダイヤルアップ接続でネットをしていた頃のような牛歩の感覚を覚えますが、
2000年代にADSL、2010年代に光回線と進化したようにサッカーの高速化はとどまるところを知りません。

これまでのサッカーにおける「攻撃」と「守備」の概念をむりやり図で表すとこんな感じになります↓

【サッカーにおける攻撃と守備の可視化図】
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攻撃というボールと守備というボールをつなぐ線が切り替えですね。
この線が短くなればなるほど攻守の切れ目が短いチームという事になります。

近年のサッカー界はこの線をいかに短くして2つのボールをつなぐかという競争だったと言えるでしょう。

では果たしてこの進化の先には一体何が待っているのか・・・?


それは最終的には線がなくなって2つボールがくっついた状態になり、
そこから更に2つのボールが融合して1つのボールとなった結果、
その中に攻撃と守備がまだら状にあるのが最終形態と予想されます。

【現代サッカーの未来像イメージ】
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一時ペップのバルサはこれに近い状態になりましたが
今では完全に2つのボールは元の分離した状態に戻ってしまいましたね。
(クロップのドルトムントもパーツの磨耗によってボール自体が磨り減っているような状況)


そもそも何故、皆が一様にインテンシティの追求から攻守の一体化を進めているのでしょうか?

それは益々サッカーがカオス化してきている事の証左なのです。

ポジションのボーダーレス化が進み、攻撃の流動性が高まってくると
ボールを失った瞬間のカオス状態も、もはや必然となってきました。

この時のリスクを担保する為には切り替えの早さでカオス状態のままボールを取り返してしまう
一刻も早く秩序だった守備に戻す為の時間削減が求められます。

つまり、カオス化のリスクを担保する為にはイコールでインテンシティの追求がセットになってくる訳ですね。

90年代ぐらいまでのサッカー界では「カオス」は必ずしもプラスの意味で使われてはいなかったのですが、
それはサッキの理路整然としたゾーン全盛の時代、攻撃も守備もいかに秩序立ったものにするかという競争をしていたからです。

しかし組織化された守備はそれを崩すための方法論が確立されてくると
例えばゾーンディフェンスは間受けによって無効化される時代になってきました。

すると守備もそれに合わせた進化が必要になり
今ではブロックを敷いて相手の攻撃を待つだけのディレイ守備は完全に時代遅れの産物に。

ゾーンディフェンスと言えどもボールに一番近いプレイヤーは積極的にプレッシャーをかけ、
間受けを狙うアタッカーにはCBがラインを飛び出してマンマークに付くような光景はもはや見慣れたものとなり、
ゾーンの中でも部分的にマンマークがまだら状に混在した守備はまさしくカオス化の一端です。

それは例えばペップのバイエルンは勿論、
今季はあのモウリーニョでさえも守備こそ秩序立っていますが攻撃はセスク、アザール、オスカルらの流動性を取り入れてきたりと確実に変化の波が感じ取れますよね。
(このへんのチームについては別途次回以降の機会でまた掘り下げ予定)

話がだいぶ横道にそれましたがそんなご時勢、スペインの二強の現在(いま)を追うというのが今回の本題となります。


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<時代と逆行 ~攻守分離のバルサ~>

まずはバルセロナです。

バルサの終焉に関しては今に始まった事ではなくここ数年ずっと警笛が鳴らされていたものですが、
今季はなだらかな停滞期を経ていよいよ下降線から底が見えてきそうな現状です。
(まあ、長い目で振り返った時、それは「過渡期」と呼ばれたりもするんですが)

メッシを抱えている以上インテンシティの追求とは別の道を行くのは宿命とも言えますが
今季は前線がメッシ、ネイマール、スアレスと南米3トップになり、何て言ったらいいんでしょう?

強いて言えば・・・・


90年代のバルサに戻ってきているな、と(笑)

感覚的にはフィーゴ、リバウド、クライファートとかエトー、ロナウジーニョ、ジュリの3トップに近いイメージで
外国人の当たりハズレがそのままチームの得点力と直結していたあの懐かしい感じとでも言いましょうか(笑)


まあ、別にそれはそれでいんですよ。
SBとかFWを外注するのはこのクラブの歴史上、むしろ普通。
(ペップ時代のカンテラ選抜が異常だっただけ!!)

でもねー・・・


中盤の外注はあかん!!

バルサがティキタカの心臓部まで外注するようになったら終わりでしょうに。

確かにラキティッチ自体はいい選手ですよ?
リーガでも屈指のMFという事実に疑いの余地はありませんし、
今季も新加入なのにすぐにチームに溶け込んで上手くやってくれてはいます。

でもねー・・・ラキテッチはいい選手ではあるんですが、やっぱり変態の領域ではないんですよ。

もうバルサの中盤って言ったら「終わりなきロンド」で
ポゼッションだけさせたら丸3日間ぐらい回し続けられる・・・ぐらいでないと(笑)

その為に小学生の頃から1日中ロンドをしているような日々を10数年続けてきた変態集団の中から
ベスト・オブ・変態の1人が毎年トップチームに上がってくるのがバルサというクラブの中盤でしょうに。
:褒めてます)

そうでないならリバウド、フィーゴですら脇役にするペップ並の4番が中盤に君臨するようでないと。
ブスケスとイニエスタが脇役化しててラキティッチが奮闘しているような中盤じゃクライフ御大も激おこでしょうに。

「シャビの後継者問題」なんてそれこそ代表の遠藤以上にここ数年ずっと言われ続けていたのに
その筆頭だったチアゴ・アルカンタラを放出して1年後に他所からラキティッチを獲ってくるって・・・・投資効率悪すぎぃー!!

まあ、とにかく僕が言いたいのは中盤はカンテラ上がりの変態が仕切ってくれ!!という事。
そしたらあとはクライファートがゴール前で何本決定機を外そうがワシは構わん!www

「ティキタカ」も「トライアングル」も「間受け」もない試合で
超重量級3トップが即興のゴリ押し個人技で点を取っても何の感動もないし、そんなのバルサじゃなくても見られるでしょと。
(既にVペルシー、ルーニー、ディマリア、ファルカオのゴリ押しサッカーでお腹一杯や)


<バルサのインテンシティ>

ここまで主にポゼッション面でのバルサを論じてきましたが
攻撃面での劣化は守備に直結してくるのが現代サッカーというものの宿命。

続いてはそんな彼らの現在(いま)を象徴する攻守の切り替えの場面を検証してみたいと思います。

【バルサの切り替え (攻⇒守)】
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↑こちらは今季の試合から(対PSG戦)
局面は左から右へ攻めるバルサでイニエスタのドリブルが大きくなったところをカットされて攻守が切り替わる瞬間


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まずこの瞬間に守備へと切り替えているのがペドロただ1人という惨状www
特にメッシ、ネイマールの大御所2人は微動だにしない風格が漂っています。


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ワンテンポ遅れてようやく攻守の切り替わりが始まると得意の狭いエリアに追い込むボール狩り発動


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ヴェラッティに下げられたボールにはネイマールが逆サイドから寄せている。
(にしてもメッシは最初の位置からほぼ1歩も動いてなくないか?www)


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寄せられたPSGは一旦ボールを最終ラインまで下げます。
このバックパスにGO!をかけたのは中盤から飛び出したラキティッチ
(彼はこういう献身的なプレーが光りますね)


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これに連動して押し上げるバルサ
「プレスじゃ!プレスじゃ~!!」


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・・・が、そこは並のCBじゃないTシウバ。
全く慌てる様子なくパンパンパーン!と冷静なパス回しでバルサの網をかいくぐり第1防波堤を突破

しかしバルサの守備の強みは仮に第1防波堤が突破されても第2、第3の網を高い位置に張っているので
このいずれかでボールを絡め取り、波状攻撃につなげるインテンシティの高さ!
(ですよね?ペップさん!)

と・こ・ろ・が・・・・


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後ろが全く付いてきてねーー!!wwww

見事な攻守の分断っぷりで前線とDFラインの間に広大なスペースがポッカリと・・・。
DFライン(スペース)前線(スペース)メッシみたいな布陣になっとるwww

だから今のバルサは前線の網を突破された場合・・・


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ハーフコートのシュート練習やwwww

しかもこの試合ではまだ3トップの一角がペドロだったからいいものの、今や南米トリオ結成中ですからね。
ネイマールはブラジル代表で最も守備を免除されているタレントだしスアレスもウルグアイではその位置づけです。
この2人に+メッシの3トップですから構造的に前線の網もかなり目が粗い粗悪品だと言わざるを得ません。

バルサのインテンシティ低下の要因①はそもそも抱えているタレントの構造的問題と
これを改善する為のチーム内モラルの欠如ですね。

Lエンリケは就任以来、チームのどこに手を加えたのか全く不明とも思える空気状態で今後も改善の兆し無し。

もう一つの大きな要因は攻撃とも連動したチームの根本的問題で
そもそもポゼッションが満足に出来ていない⇒パスが回っていない⇒全体のポジションバランスが悪い⇒失った瞬間に取り返せる配置になっていないという四段論法です。

今季バルサがボールを保持している時の全体のバランス、
とりわけこのチームのバロメーターとされるトライアングルの数とその距離間に注視してみて下さい。
ペップ全盛期の頃と比較して明らかに悪くなっています。

トライアングルの配置はパスコースを増やす為のものでもありますが、
ボールを失った時に囲い込みを容易にするという効用もあるんですよ。

だからバルサに限らず現代サッカーを突き詰めていくと
攻撃が機能する=守備が機能する⇒攻守が連動して融合体になっている↓の状態が理想なんですよね。
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でも今のバルサは完全に攻守が切り離されていて、このままだと現代サッカーの競争から取り残される恐れもあるぞ…と。


勿論、それでも国内では勝てますし、優勝の可能性すらあります。

何故ならいくら劣化したと言っても前線に「あとは頼んだパス」を配球するぐらいのタスクならば
バルサの中盤は確実にボールを前線まで運べますし、
あとはそれこそ超絶個の集合体である南米3トップが誰かの個人技か即興のコンビネーションで「得点」という結果を生み出す機械になっているからですね。

バルサの荒やインテンシティの粗末さが表立つ相手は国内ではマドリーの2クラブしかいないので
このじゃんけんマッチを運よく制する事が出来ればリーガ優勝の目はある・・・というロジック。

ただし、現代サッカーのトップを争うCL・・・とりわけベスト8以降はかなり厳しい戦いになってくると見ます。


DFは守る人、MFはボールを前線まで送り届ける人、FWはとにかく点を生み出す装置

極端な事を言えば、現在のバルサはそういうチームです。
攻守一体化の流れを作り出した張本人が今やトレンドの間逆をいく見事な攻守分業制というのは何とも皮肉な話。

個人的には中盤が主役じゃないバルサなんて見たくない!というのが本音でもありますが・・・・。(^^;


ほんの数年前まで「バルサのサッカーはつまらん」とか「カンプノウでサッカーをしているのはバルサだけ」とかやっかみ9割で言われていたのに、今や本当の意味でバルサのサッカーがつまらんので、そこは本当に何とかして下さい(切実)


【次回マドリー編につづく⇒】


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『普通のチーム』になってしまったバルセロナ ~バルサの前半戦を総括~

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<『普通のチーム』になってしまったバルセロナ>

13/14シーズンの欧州サッカーも今年の全日程を終了しクリスマス休暇に入りました。
(*プレミア「クリスマス?年末年始?何それ」)

リーガエスパニョーラのシーズン前半戦を首位で折り返したのは何だかんだ言ってもバルサでしたね。

但し、例年に比べるとそのピリッとしない試合内容から一部のバルセロニスタには
「これは我々のバルセロナじゃない」なんていう厳しい声も挙がっているようです。


そこで今日は"今年のバルサの何が例年と変わってしまったのか―"

そして巷で言われているほど本当にバルサは弱くなっているのか?

この点をシーズン初の連敗となったCLアヤックス戦とAビルバオ戦の試合をメインに検証していきたいと思います。



<技術は衰えない、では何が衰えるのか?>
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シーズン初の黒星となったCLアヤックス戦に関しては【既にグループリーグ突破を決めていた事】
そして【メンバーをいじった結果、中盤にソングという足枷がいた事】などを差し引いて考えた場合、
まだ納得のいく結果でもあります。

問題はその後のリーグ戦で敗れたAビルバオ戦の方で、こちらは当然ガチで臨んだ結果の力負けという内容でした。

それも「引いた守備で粘られた末、カウンター(orセットプレー)からの一発で沈む」といういつもの負けパターンではなく、真っ向勝負で敗れたところに例年との違いがあります。

アヤックス戦、ビルバオ戦に通じているのは相手チームがもはや「バルサのサッカー」に恐れる事なく前から積極的にプレスをかけてくる姿勢です。

アンカーポジションにソングを起用したアヤックス戦ではここで引っ掛けられていた感も強かったのですが、
フルメンバーを揃えたビルバオ戦では前に出てくる相手を逆手に上手くそのプレスを剥がしていたのはさすがでした。

やはりサッカーでは「技術は衰えない」と言われている所以でもあるのでしょう。


だとすると衰えた部分とは一体何か…?

まず最初に言える事は「失ったボールを前で回収出来なくなった」という事です。

ではそのビルバオ戦からバルサの前プレの様子を検証していきましょう。


【前でボールを回収出来ないバルサ】
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局面は左から右へ攻めるビルバオのビルドアップにバルセロナが前プレをかけて高い位置でのボール奪取を狙う攻防から。

前プレを受けたビルバオのビルドアップは一度GKを経由して右SBのイラオラへ。

ここにネイマールが中を切りながらサイドへ追い込んでいく守備を仕掛ける事になります。


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狙い通りイラオラをネイマールとイニエスタで挟んで前を塞いでから唯一のパスコースにはセスクが詰めてここでボール奪取を決める型にハメています。


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予想通りAエレーラへ下げられたボールにはセスクが寄せるものの・・・


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ここで取りきれずにかわされてしまう場面が昨季から目立ち始めています。

問題はセスクが外された個人的なミスよりも、ボールへの全体の寄せが遅く
外された後の「第二の包囲網」が全く無い事の方にあります。


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ファーストプレスで外された後にワンテンポ遅れて第二の網を貼ろうにも
ボールホルダーのAエレーラは前を向いて自由に展開出来る状況なのでむしろ手薄になった逆サイドが狙い目に。


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こうなると前でボールを奪えないバルサは撤退守備を強いられる事となり
結果としてポゼッション率は落ち、しかもファーストプレスに割いた人員は無駄走りとなってしまう三重苦。

今季、バルサの試合で畳み掛けるような波状攻撃とバカみたいなポゼッション率の数字が出ないのはこの為です。


<引いたら「普通以下」のバルセロナ>

結果として今季のバルサは相手の前プレは外せるけど、自分達の前プレも外される試合が増えている訳ですね。

前で取れないという事はある程度引いた状態からのリトリート守備になるんですが、
こうなるとバルサも普通のチーム・・・というより欧州基準で考えれば普通以下のチームに成り下がってしまうんですな。

では今度はCLアヤックス戦からバルサの引いた守備と、そこからの失点パターンを見ていきましょう。


【バルサの引いた守備⇒そして失点】
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局面は左から右へと攻めるアヤックスと自陣に引いてそれを待ち受けるバルサの守備という構図です。

4-3-3布陣のバルサはアンカー(この試合ではソング)の両脇に出来るスペースが狙い目になる訳ですが
ここを使わせない為には守備で両WGの中への絞りがポイントとなります。

ところが守備センスも持ち合わせているアレクシス、ペドロらに比べると
ブラジル上がりのネイマールはまだまだそういう緻密な守備の動きに甘さが拭えません。

ここでもサイドの展開へ意識が寄っていた結果、一番通されたくない中のコースを使われてしまっています。


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アヤックスはバルサの守備網を一度中に絞らせてから空いたサイドへ展開する教科書通りの流れ。

ポイントは中を使われた事でソングがカバーに寄せた為、2列目から走り込むアヤックスの選手(青丸)をシャビが抑えないといけないのですが・・・


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最近のシャビ先生、全然走れまへん・・・!!(涙目)

結果、フリーで上げられたクロスをここにピンポイントで合わせられて敢え無く失点。


やっぱりこのチームは前へ前へ取りに行く守備は強いんですが、引かされた守備はサッパリなんですね。

(アッレグリ「やれやれ・・・私の出番か?」 バルセロニスタ「ないない」)


<メッシの代役とCBの人員不足>
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更にバルサは守備で前から取りきれない事が後ろの人選にも多大な影響を与えています。
例えばペップによってCBとして見出されたマスケラーノの場合で考えてみましょう。

ペップ時代のバルサは最前線からチーム全体で行う前プレが非常に上手く機能していたチームでした。

その結果、後ろに流れてくるボールは相手がプレスを嫌がって前に大きく蹴り出したボールか
プレスの網にかかった苦し紛れのこぼれ球がほとんどです。

これを前者(ロングボール)はピケが、後者(こぼれ球)はマスケラーノがそれぞれ得意とする分野を活かして処理していたのがバルサにおけるCBの役割分担で、つまりバルサにおいては各員がそれぞれ自分の持ち場から一列上がって前プレをかける為に
CBの位置にこそ通常のチームではボランチとして求められるような能力が必要だったのですね。

そしてこの役割に上手くハマっていたのがCBマスケラーノだったという言い方も出来るでしょう。


しかし、今季はこれまで見てきたように下がって守る局面が増えたお陰で必ずしもCBマスケラーノがベストチョイスとは言えない齟齬が生まれてきてしまいます。


【CBマスケラーノの守備】
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局面はビルバオ戦で右から左へ攻めるバルサの攻撃中、ブスケスからシャビへのパスがインターセプトされてビルバオのカウンターが発動する場面。


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高い位置でボールを奪ったビルバオのカウンターに対応するのはCBの2枚、ピケとマスケラーノです。

この場面ではボールホルダーが前を向いてドリブルでボールを運んでいる状況なので
後ろにカバー役がいないCBの守りとしては一定の距離を保ちつつ後退し攻撃をディレイさせながら味方の戻りを待つのがセオリーと言えるでしょう。


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ズサーーー!! ⊂(゚Д゚⊂⌒マスケ`つ≡≡≡

「節子、それCBやない。ボランチの守備や」


ここでボールに飛び込んでしまうのがマスケラーノの良さでもあり弱点でもあるんですね。

別にボランチならいんですよこれで、
仮にかわされたとしてもドリブルが大きくなったところをCBのカバーで処理したり…と色々後ろで対応が効きますからね。

結果として↑の場面ではスライディングでボールを奪えているんですが、
それはただの結果論でチームとしてこれでいいのか?という問題の方が大きいと思う訳で。

実際に今季の守り方でバルサのCBに必要とされているのは通常のCBのそれと大差ないので
マスケラーノの一発で勝負するディフェンスがかなり大きなリスクになっている場面をしばしば見かけるんですよ。

まあ、従来のCB的な良さを持ちつつ、マスケラーノ的な勝負もかけられるカピタン・プジョルがいれば本当は万事解決なんでしょうが・・・。


それともう一つ、ポジション適性で無理を感じるのが怪我で戦線離脱中のメッシの代役として0トップを任せられているセスクの存在です。

やっぱりセスクの良さっていうのは中盤からの飛び出しとボールの引き出し方にあるのでメッシと縦関係に並べてこそのCFだと思うのですよ。
(セスクの帰還を切望したペップは明らかに3-4-3でメッシとの併用を考えての獲得だった)

セスクはバイタルで受けてもそこからドリブルで無双していける選手じゃないので、
今のようにメッシの代役そのままの使われ方をしていても持ち味の半分も活かせていない試合が目立っています。


そのペップが新天地で思う存分、戦力充の駒をフル活用している様が何とも皮肉に映りますが
今のバルサには「メッシの代役となれるCF」「信頼の置ける本職のCB」が不足しているように感じますね。


<ネイマールは本当にフィットしているのか?>
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そんな今季のバルサにあって数少ない希望がネイマールの存在です。
最近ではすっかりバルサのサッカーにもフィットしてきて…と報じられていますが、果たして本当でしょうか…?

確かにメッシのいないチームにあってアタッキングサードで最後に違いを作り出しているのはネイマールで間違いありません。

しかし、だからと言ってそれだけで複雑なメカニズムを持つバルサのサッカーにフィットしてきているとは言い切れないのではないでしょうか。


【ネイマールのズレ】
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局面は右から左へと攻めるバルサで、イニエスタがドリブルによってボールを運びマークを引っ張っている場面。


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イニエスタは自分にマーク2枚を引きつけてからネイマールに落として中のセスクへ展開させる狙い。

バルサのメカニズムにおける基本の「トライアングル」「食いつかせ」がよく現れています。


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ところが落としを受けたネイマールがここでドリブルを挟んでしまいます

ハッキリ言ってバルサのサッカーではここ仕掛けるドリブルは不要なんです。無駄でしかありません。


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結果、自分から局面を難しくしてしまい挟まれてボールロスト。


確かにネイマールのドリブルはアタッキングサードでは貴重なアクセントになっているのも事実なのですが
まだまだブラジルから来て半年、シンプルにやるべき局面と勝負を仕掛けていい場面との判断が未熟な場面も目立ちます。

マンフトなどで抜かれるゴールシーンだけ見ていると完全にフィットしているようにも錯覚してしまいがちですが、
特にバルサのような中盤でシンプルにボールを動かしていくサッカーでは不協和音になっている方が多い印象です。


加えて守備面でもネイマールはまだまだ「穴」になっている場面が気になります。

コンフェデでも見たようにネイマールはメッシやロナウドと比べると守備への意欲は強く
特に自分が奪われたボールをすぐに取り返そうとする姿勢などは素晴らしいものがあります。

しかし一度前プレが剥がされてボールが逆サイドへ展開されたり、
自分の頭上を飛ばされて大きく蹴られた時などは完全に守備のスイッチがOFFになってしまう悪癖も。


【SBの上がりに付いてこないネイマール】
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局面はビルバオ戦で右から左にサイドチェンジをかまされるとネイマールが画面にも映ってこない有様で
バルサの左サイドは完全に数的不利の状況。

これ、今後は結構狙われてくる可能性もあります。


ちなみにペップは今季のバイエルンでこのへんのネックにしっかりとメスを入れていまして・・・


【マンジュキッチの戻りで左サイドの穴を埋めるバイエルン】
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ロッベンが前残りになっている時は代わりにCFのマンジュキッチを左サイドに下げて穴を埋めている訳ですな。

やはりCLで優勝を狙うチームはこういうディティールを疎かにしない事がポイントなのかな…と思う次第ですね。


<足りないインテンシティ>
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最後になりますが、今季のバルサが現代サッカーを勝ち抜く上で最も不足している本質的な課題は別にあります。

それは圧倒的にインテンシティが足りないという事ですね。


話をビルバオ戦に戻しますと前半はそれでもいい感じに相手の前プレを剥がしつつ
互角以上のペースで試合の主導権を握っていたんですが問題は後半でした。


【後半、中盤に有り得ないスペースが現れ始める】
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↑は割と後半始まってすぐの場面なんですが、
ちょっとペップ時代には考えられないようなスペースがDFラインと中盤の間に出来ちゃってますよね。(^^;


そんで、この試合の決勝点となるビルバオの虎の子の1点は
技術ではバルサに数段劣っても現代のトレンドである「インテンシティ」で優位に立ち続けたアドバンテージが活きた結果だと見ます。


【ビルバオのインテンシティが生んだ決勝点】
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局面は後半25分、ビルバオがバルサDFラインの裏に蹴り出したボールをマスケラーノが拾って処理するも
諦めずに追い続けたビルバオのプレスがGKへのバックパスを誘導し、尚も前へ前へとチーム全体が連動している守備が機能している場面。

(後半のこの時間帯になっても全く衰えないインテンシティの高さが素晴らしいですね)



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GKピントからブスケスを経由してマスケラーノに渡るボールにも諦めずに追い続けた事で・・・


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次の展開でボールを奪い・・・


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そのままマスケラーノの裏を突いてサイドをえぐるとピケがカバーに回った事で中央が手薄に。

ビルバオは折り返しをしっかりと逆サイドから中に詰めていたムニアインが押し込んで勝利をものにしました。


話はやや本題とはズレますが、今季のビルバオはビエルサが浸透させたハードワークという置き土産をベースに
大幅に攻撃方向へ偏っていたチームのバランスを守備側へ振り戻す事でしっかり結果がついてくるようになりましたね。

(まあビエルサマニアの僕としては至極普通のサッカーになってしまったので物足りない感じは否めないんですがww)


一方のバルサとしてはCLで優勝を狙うにはドイツの二強と比べると、どうしてもこの部分で劣っているのが気になるのも事実。

ただ、それでも今季まだたった二敗のチームなんですよね。
リーガの成績は15勝1分1敗と文句のつけようがありません。
(シメオネのチームがピッタリついてきてるのが不気味ですが・・・(^^;)


マルティーノの仕事は一つのサイクルが終わって衰退期に入っていくバルサの下降幅を
出来る限り緩やかなグラフにする事…と考えれば満点に近い仕事は出来ているんじゃないでしょうか。

(どこぞの代表の「スーパーサブ遠藤」的な使い方をシャビ先生で試して一定の成果を上げたり涙ぐましい努力を…)


銀河系マドリーがマケレレ1人を放出したらチームがあっという間に崩壊した事や
長きに渡ってプレミアの覇権を握っていた某名門クラブが名物指揮官1人を変えたら今季このザマだったりする事を見ても「ペップバルサの遺産」はなだらかに過渡期を迎えています。


まあ、それでも試合を見ればついつい「バルサも普通のチームになったものだな…」と呟いてしまう事の方が
このチームがいかに"普通のチームじゃなかったか"の何よりの証なのかもしれませんね。




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