奇跡の価値は ~CL準決勝リバプール×バルセロナ~

<奇跡の価値は ~CL準決勝リバプール×バルセロナ~>
「奇跡」 「感動」 「アンフィールドの魔力」
ドラマティックな決着となったCL準決勝リバプール×バルセロナの一戦はCLの長い歴史の中でも今後語り継がれていくに相応しい名勝負となりました。
勿論、この試合の勝敗に「人智を超えた何か」が介在した事を完全に否定するのは難しいでしょう。
しかし、本ブログではこの試合を単なる奇跡で片付けるのではなく、あくまでそこにあったロジックを紐解く、いつも通りのアプローチでこの名勝負にも挑みたいところ。
奇跡が起こる必然性、圧倒的な優位を活かせなかったバルサの敗因とリバプールの勝因に迫りつつ、現代サッカーにおける戦術史の中でこの試合をどう位置づけるかも考察していきたいと思います。

<奇跡を招いたバルサの構造的欠陥>
試合はキックオフから一方的にバルサ陣内でゲームが進んでいきます。
1stレグを0-3で落として後のないリバプールがスタートから激しいプレッシャーをかけてくる事は誰もが分かっていたので、問題はバルサがそれを真っ向勝負で剥がしに行くのか、リスクを冒さず受けに回るのか。
ところがバルサはリバプールの捨て身のハイプレスを前につないで剥がそうとすれば捕まり、ロングボールで回避しようとすれば簡単に回収される、実に中途半端な出方で完全に主導権をリバプールに握られてしまいました。
その流れのまま得たリバプールのCKをバルサが跳ね返したところから奇跡に到る第一歩、前半6分の先制点が生まれます。
この試合の勝敗を振り返る時、アンフィールドのサポーターに背中を押されたリバプールのプレス強度が挙げられる事に異論は無いですが、この所謂ゲーゲンプレスを支えていたのは逆説的に言えば「バルサ側のプレス」とそこから発生するこの試合が持つ構造に遠因があったと確信します。
それを象徴するリバプールの先制点の場面を見てみましょう。
【リバプールの先制点を解析】

リバプールのCKが自陣まで跳ね返された後、GKアリソンを経て再びリバプールが自陣からボールをつなぎ始めたのがこのシーン。
ボールの出所に前残りだったJアルバがプレスをかけ、パスを受けるシャキリに対しては背中からブスケスが寄せる連動したプレス。

パスを受けたシャキリに前を向かせる事を許さなかったバルサ。ここまではバルサのプレスの流れに問題は無し。
あとは戻ってきたファンダイクへの横パスにメッシとスアレスが挟み込む形でプレッシャーをかければボールを奪えないまでもリバプールのビルドアップ精度を大幅に削る事が出来るはず。

しかしメッシは棒立ちでファンダイクを眺めるだけ。スアレスも絶賛ジョギング中。
結果的にファンダイクは完全にノープレッシャーのまま対角パスをバルサ陣内深くに蹴る事が出来ます。
せっかく高い位置までプレスをかけていたJアルバはこれが逆に仇となり、自分の背中のスペースを埋める為に急いでプレスバック。
DFが長い距離を背走させられるとボールを見ながら、つまり進行方向に背を向けながら走らされる事になるので周囲の状況を充分に認識する事が出来ません。Jアルバがイージーとも思えるバックパスをマネにかっさらわれた背景としてはファーストディフェンスとしてプレッシングのスイッチを入れに前へ出たものの、セカンドディフェンスがメッシだった為にプレスの連動がここで断ち切られ、前に出た事がリスクにしかならない状況になってしまったという側面があります。
結果的にJアルバが割を食う形となったこのリバプールの先制点にこそ、この試合が持つ構造が凝縮されていました。
プレッシング戦術はボールに対するアプローチが2つ、3つと連動しなければ、前に出て陣形を縦方向に圧縮している分、背後に蹴られた時に守備の矢印が全て引っくり返ってしまうリスクを構造上抱えています。
バルベルデのバルサが前からのプレスを捨てて、基本的にリトリートを採用しているのはこの為ですね。
つまりメッシとスアレスの2トップを守備の組織に組み込めないという特殊事情に他なりません。
しかしこの先制点の場面では試合開始から一方的にバルサが押し込まれていた事もありCKを跳ね返したボールをせっかく一度はGKアリソンにまで戻させたので、ここで一気に押し上げて陣地を取り返したい(自陣ゴール前から少しでもボールを遠ざけたい)という、DF心理としては到って真っ当な行動原理がJアルバに働いたと見ます。
では、そもそも何故バルサは一方的に押し込まれてしまっていたのか?
まずバルサの布陣は守備時、4-4-0という極めてイビツな構造になっています。
となるとリバプールはこのシーンに限らずCBのファンダイク、マティブ、そしてアンカーのファビーニョは常にフリーな状況を確保出来ていました。
キックオフからリバプールの攻撃の起点は明らかにこの3枚で、特にCBのファンダイクは得意の対角ロングフィードをノープレッシャーな状況から徹底的にバルサDFの背後に放り込んでいます。
但し、ここまではある意味、バルサ側(バルベルデ)も割り切って受け入れた試合構造。
これを回避したければCBに対して最低限のファーストプレスが必要なので、今季のバルサは敵陣でのボール回収を諦め、回収地点を自陣深くに設定→ここからのロングカウンターからスアレスとメッシの個の暴力で相手の骨を断つ、というチーム構造になっていました。
確かに、持ち駒で圧倒的な優位性を持つ国内リーグであれば、これは充分収支で採算が取れる戦術です。
バルサは別に4-4の8人で守ってようがDFラインを低く設定し、背後のスペースさえ消していればピケらCBの個人能力で最後は守れる計算が立ちます。仮にそこを突破されようとその後ろにはテアシュテーゲン神が控えていますしね。
しかし相手がリバプールクラスになってくると話はそれほど単純には進みません。
まずファンダイクのロングフィードは正確無比の精度を誇り、マネやシャキリのフィジカルモンスター相手に常にヨーイドンで競り合わなければならないバルサのSBは災難だった事でしょう。
なんせJアルバやSロベルトは自由に蹴れる状況のボールに対し、背走しながら、ボールとマークの同一視が出来ない状態(相手WGは常に自分の背後を取ろうと走っている)でシャトルランを繰り返し強要される状況ですからね。
一方、このボールをヨーイドンで走り出すマネやシャキリは前向きのまま、ボールと自分をマークするDFとを自然な身体の向きで同一視したまま、自分のタイミングで走り出せば良いだけです。
だからこそ現代サッカーではファーストライン(前線)がこのボールの出所に何らかの制限(パスコースを限定する、ボールホルダーの時間を制限するetc)を与えないとズルズルと押し込まれる事になる訳ですが・・・。なんせバルサの布陣は現代サッカーではアブノーマル過ぎる4-4-0。
この構造こそが、リバプールの、否クロップサッカーの強みを最大限に発揮させる下地となっていました。
何故ならクロップのサッカーは攻撃も守備も常に「前向き」に矢印が出ている時、その推進力を最大限に発揮出来るからです。
バルサ側のファーストプレスが皆無だった事で、リバプールは常に前向きにロングボールを蹴れる⇒バルサは常に後ろ向きに走らされる事から守備も攻撃も始まる⇒リバプールはこのロングボールがマイボールになろうとバルサボールになろうと構う事はなく、ただひたすら前向きに次のプレスをかければいいだけ
これほどゲーゲンプレスを行うに恰好な状況が果たして他にあるでしょうか?
当然の帰結としてリバプールの2点目も、基本的にはこれと同じ構造で生まれています。
【リバプールの2点目】

局面はSBアーノルドに対し、バルサはボールサイドのコウチーニョを基準にディアゴナーレのL字ラインを形成。
しかしここでも本来アンカーに蓋をすべきFWのメッシが独自の立ち位置(笑)にいる為、ファビーニョはフリー。
バルサは4-4の中盤ラインが守備のファーストラインになるのでかなり苦しい状況である事がよく分かる局面と言える。

ファビーニョに対してはブスケスが出て行く形に。
と同時にラキティッチは横スライドしながら絞ってカバー

ボールは逆サイドのミルナーまで振られるとバルサの中盤ラインは全体がピッチの横幅68Mをスライドさせられるハメに。
ここまでボールの出所に全くプレッシャーがかかる事なくサイドを変えられている

次の横パスに対しては再びブスケスがチャレンジ、ラキティッチがカバー
相変わらずファビーニョはずっとフリー。バルサはどこでボールを奪うのか守備の基準点が定まらない。

メッシが蓋をしないファビーニョには仕方なくラキティッチが遅れて出て行く事になるが、ボランチの2枚がチャレンジ&チャレンジという極めてイビツな守備になっている。
ボールは上がってきたSBアーノルドにもう一度振られる事に

アーノルドにはコウチーニョが出て行く事になるのでバイタルを埋めるのはボールにチャレンジしたばかりのラキティッチ

ラキティッチがきっちりスライドした事でここでボールを回収

ハイ、問題のシーン
ここで回収したボールをJアルバに預けた横パスを掻っ攫われて失点。
失点につながったのはボールを回収したラキティッチの身体の向きで、リバプールのプレスをモロに受ける方向でプレーしてしまった事が痛恨でした。

無論、正しくは逆サイドに身体を開いてプレーする事で、その向きならば隣のブスケスと一つ奥でフリーのメッシに展開出来ていた場面。
しかし・・・・である。
ラキティッチがここでボールを回収するまでの流れを巻き戻して考えてみましょう。
①ボールサイドのカバー⇒②ブスケスのチャレンジに対するカバー⇒③サイドを変えられて横スライド⇒④再びブスケスのカバー⇒⑤メッシの代わりにファビーニョに寄せる⇒⑥サイドを変えられて横スライドしながらカバー⇒ボールを回収
右から左、左から右へと振られながら3回、身体の向きを変えさせられている。
同じ守備でもボールを主導的に追い込んでいるのと、相手に自由に動かされてリアクションで走らされているのとでは奪った瞬間の余裕、ポジショニング、全体のバランスは大きく変わってきます。
やっとの事でボールを回収したラキテッチにこの時、周囲の状況に対する認知と余裕はほとんど無かったはず。
これも1点目と同様、人一倍ハードワークした選手(ラキティッチ)の余裕の無さがゲーゲンプレスの餌食にされた恰好と言えるでしょう。
仮に・・・・もし仮に、ここでボールを回収したのが極東に放牧させたあの男であったなら・・・・

この位置でのボールロストは有りえなかったはずですが、そもそもこのポジションがイニエスタであったら今度はラキティッチと同様のハードーワークが出来ず、結果ボールを回収出来てはいないというジレンマ。
このジレンマこそバルベルが率いるバルサの本質である、と確信します。
<質を確保する為に量で担保する>

バルベルデのバルサが苦しいのは、このメッシ+スアレスの「質」を確保する為に、他のパーツで量を担保するというその構成にあります。
第一の被害者はリバプールから鳴り物入りで獲得したコウチーニョでしょう。
元来、通常のチームであればメッシやスアレス側にいるはずのこの王様が彼らの分の量を補う便利役で使われている配役にまず無理があると思います。
過去、この役割を背負わされた選手は肉体的にも精神的にも疲弊し、やがてクラブを後にする命運を辿ってきました。
バルサで前任者でもあるネイマールは、再び王様へと返り咲くためにPSGへ移籍し、今では「パリの王様」を謳歌しています。
マドリーでこの役割を担わされてきたベイルは不満を露に移籍寸前という状態。
バルサでコウチーニョのパフォーマンスが批判の対象になるのは分からないではないですが、あのポジションで使うなら他の選手を獲って来るべきだったのではないでしょうか。
(個人的には「戦術コウチーニョ」が可能な中堅クラブで輝く彼のプレーが見たいものです)
第二に4-4の2ラインで守るアブノーマルなシステムを機能させる為に、中盤も質より「量」を重視した構成にならざるを得ないという悩みです。
本来、「バルセロナの中盤」という選手像から最も合致するはずのアルトゥールがこの大一番でベンチに座り、代わりにピッチではビダルが獣のように泥だらけになっている姿がその象徴とも言えるのではないでしょうか。
しかし、メッシ+スアレスを起用する為のビダル抜擢が、この試合その2人の存在感を消す一因になっていたというのは皮肉という他ありません。
【メッシが消える中盤ビダルの弊害】

局面はバルサの中盤での組み立ての場面で、ビダルにボールが入る瞬間。
脇にメッシが得意のポジションで控えており、ビダルは前向きにボールを受けて預けるだけの簡単なお仕事です

・・・が、しかし。ビダルは身体の向きを変えられず、そのままの姿勢でバックパス

1本バックパスを挟んだ事でその間にリバプールのスライドが間に合って、メッシへのパスコースは死に筋に

その後、待っていてもボールが出てこないメッシが我慢出来ずに中盤の低い位置まで降りてくる悪循環へ。
代わりにビダルが本来メッシが受けて欲しいスペースにいるというこのアンバランスさである
結局バルベルデは0-3になってから慌てて中盤の優位性を取り戻そうとSロベルトを中盤に上げる+ビダルを下げてアルトゥール投入という後手後手の采配。
しかし今の攻守分業、質より量で勝ってきたバルサがいまさら中盤の優位性で勝負に出ようとしても中途半端感は否めません。
その象徴とも言えるシーンがリバプールの勝利を決定づけた4点目のCKにつながるバルサのボールの失い方に現れています。
【リバプールの4点目につながるバルサのボールロストを検証】

後半、バルサに必要だったのはクロップによって極限までハイテンポに上がったゲームのリズムを一旦落ち着かせる事。
この場面ではリバプールのファーストラインから鬼プレスを受けているDFラインを助ける為にアルトゥールが落ちて数的優位と時間を作り出しました。
加えてブスケスを消そうと相手が食い付くなら、脇のスペースを使えるSロベルトという3人が有機的に連鎖した配置。
これぞ我々が知っている”本来のバルセロナの姿”です

Sロベルトの間受け成功(この試合、一体バルサは何回の間受けを成功させたのか・・・記憶に薄い)
あとはここにメッシ+SBが絡んで、後ろで作った優位性を前線まで運ぶだけ!

ところが一度狂ったバルサのイビツな構成はとてもじゃないですが、0-3の試合状況から中盤の優位性を取り戻せる状態ではありませんでした。
もはや大外を取り囲むラインの「間」にポジションを取っているのはブスケスとSロベルトのみという、
一体どこのモイーズが指揮しているのか!?状態の配置。
この配置に一体いくつのトライアングルが描けるというのか?(ファンハール先生も激おこ)
天国のクライフにセメドが延々クロス60本を上げるファイトボールを見せる気か?
勿論、この後中央で孤立したSロベルトがリバプールのボール狩りの餌食にされたのは言うまでもありません。
ここからカウンターを食らい、その流れのCKからしょーもない失点が生まれ、それが勝負を決めたのです。
(きっとクライフ先生からの天誅)
<量で質を凌駕するクロップのロック魂>

本ブログではバルサやマドリーの守備構造を常々「貴族守備」と評してきましたが、それと比べるとクロップのリバプールはまさに「炭鉱の労働者」で固めたような勤勉さとハードワーク、そして魂が感じられます。
唯一リバプールで特権に近い役割が与えられていたのがサラーでしたが、元々の構造がバルサとは違うので、この大一番でサラーとフィルミーノという「質」を欠く状態に陥ってもリバプールは4点取って逆転出来うる下地を持っていました。
反対にバルサがこの状態からメッシとスアレスを欠いていたとしたら100%逆転の芽は無かったと言えるでしょう。
両チームの10番を背負った選手のプレーにこの試合の全てが集約されています。
【後半ロスタイムの赤の10番】

時間は後半ロスタイム。もはやリバプールの攻め手は前線のターゲット、オリギめがけて放り込むのみという、どこぞのイニエスタが今極東で味わっている絶望のような光景(勿論4-0で勝っているので当然)
しかし、この神頼みのようなロングボールにですら、もしこぼれてきた時のワンチャンを律儀に狙い続ける10番マネの姿がその傍らに必ずありました。
この走り続ける10番の姿勢こそが、Jアルバを疲弊させ、ラキティッチの判断を誤らせ、ひいてはリバプールの大逆転を生んだのです。

GKのテアシュテーゲンの手にボールが収まった瞬間には、何事も無かったように守備へ戻る10番の姿が
これも90分繰り返されたプレーです

そのまま自陣DFラインまで吸収されて、大外のJアルバをケア。
DFラインがこの地味なカバーにどれだけ助けられた事か、想像に難くないでしょう。

リードしているチームの終盤守備固めに有りがちなのがこのままズルズルと下がって人数だけはゴール前にかけて、何故かやられるというフットボールの不条理パターンですね。
しかし、あくまでも受け身で守備をしなクロップのチームにあって、チャンスと見ればこの横パスにGO!をかけるマネ

そしてこの寄せのスピードよ。ブスケスがファーストタッチする瞬間にはもう背中にマネの息づかいを感じるこのアプローチ

更に奪った瞬間にはカウンターの先陣を切り・・・・

気付けばもうゴール前!!
スタンド観戦のポジェッティーノ
『すでに試合は90分を回ったというのに、まるで今始まったかのようなあの動き・・・・あの赤の10番は脅威!』
一方、キックオフからすでに後半90分のような運動量だったバルサの10番。
果たしてどちらの10番が”世界ナンバーワンの10番”と言えるのか?
そこに誰も明確な答えが出せないところにフットボールの奥深さがあるとは思いませんか-
<停滞していた現代フットボールの戦術史が動き出す予感>

ここ5シーズン、チャンピオンズリーグのタイトルはBBCやMSNといった、組織よりも個の質にものを言わせて殴り勝って来た王者達によって独占されていました。
「選手こそが戦術」
勿論、それもフットボールが持つ紛れもない一面ではありますが、そういう意味で個人的には近代戦術史に若干の停滞感を感じていたというのが本音のところでした。
攻守分業、貴族守備のチームが札束で殴り合う最高峰の舞台に。
しかし、今季のチャンピオンズリーグではその潮目に変化の兆しが見られます。
強者必衰、スペインの貴族チームに「それで勝てる時代は終わった」という痛烈なカウンターパンチを浴びせた挑戦者達による頂上決戦。
ハードワークをベースに戦術的な幅と深みを持ったチームが今季のファイナリストに顔を揃えました。
俊英アヤックスの躍進は「札束から育成への原点回帰」というアンチテーゼなのか?
迷えるバルサは「クラブの哲学」を見直す転換期を迎えているのか?
現代サッカーの戦術史にとって節目となりそうな予感が漂っている。
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