スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

コパアメリカ2011総括 【テクニカルレポート】

*2011-07-27更新 (アーカイブ記事)







2011-07-27_15-17-10_entry-10966763401_o0250031311379030013.jpg
<もはやブラジル、アルゼンチンが無条件で勝てる大会ではない>


ウルグアイの優勝で1ケ月間の戦いに幕を閉じた「コパアメリカ 2011」。


今日はこの大会の総括として、躍進した国と期待外れに終わった国のまとめと

「大会から見えてきた南米サッカーの今」をテクニカルレポートとしてお届けしたいと思います。





まず今大会の最大のトピックと言えば、何と言ってもブラジル&アルゼンチンのベスト8敗退だろう。

もはやコパアメリカは彼らが無条件で勝ち上がれる大会ではなくなった。


これは今年のアジアカップ、昨年のEUROを見ても明らかな世界的潮流で

世界のサッカーはますます全体の底上げが進み、レベルが拮抗してきている。


名前の知られていない小国ですら

最先端の戦術、システムを当たり前のように取り込み、

楽に勝たせてくれる国などもはや存在しないかのようだ。


今大会でも長らく「南米最弱」と言われていたベネズエラが着実に力をつけている事を示し、

ボリビア、ペルーといった国々も「組織的なブロック守備の構築」「全員守備、全員攻撃」という

世界の流れを汲んだサッカーを当たり前のように行っていた。



ただ、それらをベースにしながらも、やはり南米大陸の大会という事で

いくつかの"南米らしさ"というポイントも同時に見る事が出来たのではないか。



<1対1を重視した守備>


組織的なディフェンスの方法論というベースの部分では、もはや欧州、南米に大きな差異は見られない。

しかしながら、その中で「何を優先して抑えるか」という優先順位には多少の違いが見られたように思う。


おおまかな傾向として欧州が採用するディフェンスでは

「まず危険なスペースを埋め」⇒「次に人を捕まえ」⇒「最後にボールにアタックする」という順が基本にある。


要するに”最後の危険なスペースさえ使わせなければ失点のリスクは大幅に軽減出来る”という

リスクバランスを重視した合理的な考えだ。



これに対し、今大会でも見られたように南米では

「まずボールにアタックして」⇒「次に人を捕まえ」⇒「ファーストディフェンスが突破されたら危険なスペースに備える」という順で守備を行っていた。


つまり、 ”まず最初の1対1で勝ってしまえばピンチをチャンスに変えられる”という

リスクよりメリットを見る考え方だ。

その根底には自分達の"個の力"に対する絶対の自信が伺える。


今大会では「守備のバランスが取れるまで辛抱する」「数的優位が作られてからボールにアタックする」

そんな甘っちょろい守備はどこの国も行っていなかった。

ピッチ上、全ての選手がまずは目の前の1対1に責任を負って果敢に勝負していった姿がとりわけ印象的だ。


ここらへんは今後、何を置いても「まずは数的優位の形成」を基本とする我々日本サッカーも

大いに見習いたい姿勢である。


サッカーを複雑に考える前に、それぞれが1対1で負けていたら話にならないという至極単純な考え方なのだろう。
予断ではあるが、「ボールへのアタック」が守備の優先順位として高くなっていく傾向は

今後欧州でもどんどん広がっていく可能性が高いのではないか。


それは既に近年のCLにおけるトップレベルの戦いで見られいる潮流でもある。


言うまでもなく、この流れの最先端を走っているのが

あのバルサの「ボール狩り」と呼ばれるディフェンス方法なのだが、

もはや「待ち」の守備を行っているチームは弱小、強豪に関わらず

トップレベルのコンペティションを勝ち抜くのが難しくなっているように思われる。

(イタリアの低迷もこの潮流と無関係ではないだろう)


*Jリーグはこの「ボールへのアタック」の部分が最も世界から取り残されているように感じる。




このように南米と欧州で考え方の違う部分もあれば、共通している部分も、もちろんある。


それは”全ての選手が攻守に渡ってプレーに関与し続ける”という姿勢だ。

これはもはや「現代サッカーにおけるプレイヤーとしての必要条件」と言い換える事も可能だろう。



現在の日本代表で考えても、長友、長谷部、本田、香川らが

何故欧州のトップレベルでプレー出来ているのか推し量れるというものだ。




<躍進した国 没落した国>


続いて今大会で「躍進した国」と「没落した国」を見ていこう。


まずは開催国アルゼンチン。

召集されたメンバーを見るまでもなく、間違いなく本気で優勝を狙いにきていたアルゼンチンは何故ベスト8で破れてしまったのか?


おおまかな敗因は既にレビューでもUPした通りだが、

このチームが始動5ケ月だったというのは微妙に違うのではないか?


ハッキリ言って近年のアルゼンチン代表はバシーレ解任の2008年以降、

3年間を丸々無駄に費やしてきたと言ってもいい惨状だろう。


この間、世界のサッカーが(もちろん南米諸国も)日進月歩で進化している中、

アルゼンチンだけは停滞・・・・・いや、下降線を描いていたというべきか。


優勝したウルグアイの自慢の2トップ、スアレス&フォルランが全力で守備をこなし

文字通り「攻守に関わり続けていた」のに対し、

アルゼンチン自慢の"フォワ充"達は守備の際、前線で味方選手を眺めているだけだったのは

彼らが世界から取り残されようとしている"今"を象徴している。



何よりまず、アルゼンチンが目指すべきは

「メッシに使われるチーム」を脱却し「メッシを使う事の出来るチーム」になる事だ。

その為に次の新監督にはクラブシーンで充分な実績を持つ実力者を招聘し、

長期政権をもってチームを一から作り上げていく事が期待される。


幸い、この国には次のW杯まで「時間」も「人材」も充分残されているのだから―




同じくベスト8敗退組のブラジルだが、こちらは大分事情が変わってくる。


開催国で超絶ガチ仕様だったアルゼンチンと比べると

ブラジルは今大会を若手に経験を積ませる大会として位置づけていたフシが多少なりともある。
中でも3年後の本大会ではチームの主軸を担う事が期待されているガンソとネイマールだ。


ガンソに関しては一つ一つのプレーに確かな技術とセンスの高さを感じるのは間違いないのだが、

まだまだそのテクニックを「チームの勝利」へと結びつける術を知らないと言うべきか・・・。


試合から消えている時間も多く、

「勝敗を決定づけるプレー」「10番としての存在感」という意味で、

現時点ではカカやロナウジーニョと比較出来うるタレントではない。


ネイマールは本来エースとして「チームが苦しい時」こそ値千金のゴールが求められるはずだが、

(かつてロマーリオやロナウドが決めてきたように)

現状、チームが苦しい時間帯はほとんどネイマールは消えてしまっている。


楽な展開の試合、2-0や3-0からゴールを決める事は誰にでも出来る。

ネイマールの真価は初戦やベスト8敗退となったパラグアイ戦でこそ発揮されるべきだったのだが、

現状ではまだまだこれからのタレントと言うべきか。


スーパーサブとして才能の片鱗を見せた18歳のラミレスも含め、

彼ら若手の今後の課題は「トップレベルでの試合経験」、

すなわち欧州チャンピオンズリーグへの参戦だろう。

適切なタイミングで適切なチームに移籍させる事がカギになる。


幸い、メネーゼスがチームに植えつけようとしている方向性の片鱗は垣間見る事が出来た。


チーム力はこれから3年をかけて徐々に上向いていく事は確実。あとは選手個々のレベルUP次第だ。


幸い、ネイマールもガンソも持っている才能に疑いの余地は無いのだから―




続いては、躍進組のペルー、コロンビア、ベネズエラ。


彼らの躍進は過去の南米中堅、弱小国がもっていた雑さが消え、

しっかりと「近代サッカー」に適応してきた事が要因と見た。


ペルーとコロンビアは欧州CLのチームと比較しても遜色ないレベルの組織的ディフェンスを構築。

そこからエースのゲレーロ、ファルカンを使ったシンプルでスピーディな攻撃にチーム全体で意思統一が出来ていた。


ベネズエラは飛びぬけた選手がいない分、「全員攻撃・全員守備」に手を抜かないサッカーが印象的。




そして昨年のW杯に続き、着実に力をつけてきている成長組がウルグアイ、パラグアイ、チリ。


ウルグアイはW杯4位のベースとなった「堅い守備からのリアクションサッカー」に加え

「2トップの決定力を活かした自分達で仕掛けていくサッカー」という新たな引き出しを増やし、

着実にチーム力をつけてきている事を印象付けた。

対戦相手や試合の状況に応じて、色々な引き出しを出せる懐の深さが最大の優勝要因だろう。



パラグアイも昨年のW杯を戦ったチームをベースに

チーム力を落としていない事が準優勝につながった。


相変わらず「中盤の展開力」と「前線の攻撃力」に課題は残るが、

こちらは新鋭ドリブラーのエスティガリビアなど新たな俊英の登場で今後どう解消していくかが鍵。



チリは個人的に今大会最も魅力を感じたチームだった。

ビエルサが蒔いた種がしっかりと芽を出し、昨年のW杯時より更に完成度は上がっていた。


欧州だけでなく南米諸国の多くまでもが「リスクを管理する」実利路線を歩む中、

このチリだけが「飽くなきアタッキングサッカー」を理想に掲げ、独自の道を進んでいる。


CB,ボランチ、SH,ウイングが次々とポジションを入れ替えていくチリの試合は

検証する楽しみに溢れており、「これぞ近未来のトータルフットボール!」と確信した次第。


反面、どうしてもオールマイティなキャラクターの選手が増え、

「スペシャリストの不在」がチームの課題でもあり、魅力でもあるのか。


例えば、このチリにフォルラン、スアレス、もしくはマイコン、マスケラーノのような選手がいたら

楽にもう一つ上の段階に進めるだろう。




総じて見れば、アルゼンチンが停滞し、ブラジルがチーム一新のタイミングで一時的にチーム力を落とす中、

W杯のチームをベースにチーム力を落とすことなく臨んだチームが

そのアドバンテージを生かして上位に進出した大会だったと言えるのではないだろうか。



上の停滞と下の突き上げで、かつてない程に横一線、混戦模様の南米フットボールシーン。


次は、ここから南米全体のレベルを押し上げる為にも

混戦から頭一つ二つ抜け出すスーパーチームの登場を期待したい。





大会の締めは「店長が選ぶコパアメリカ2011 ベスト11」でお別れです。



ラテンサッカーに酔いしれた日々と少しの寝不足をありがとう!コパ!






<店長が選ぶコパアメリカ2011 ベスト11>

2011-07-27_15-17-10_entry-10966763401_o0500090711379145757.jpg







関連記事
スポンサーサイト

ウルグアイが見せた"懐の深さ"  【コパアメリカ決勝 ウルグアイ×パラグアイ】

*2011-07-26更新 (アーカイブ記事)








2011-07-26_20-52-54_entry-10966026587_o0324038711375373952.jpg
<ウルグアイが見せた"懐の深さ">


開幕前は誰がこの地味な決勝を予想できたか「ウルグアイ×パラグアイ」。


それではコパのレビューシリーズを締めくくる決勝戦のレビューいってみましょう。



<両方チーム布陣>
2011-07-26_20-52-54_entry-10966026587_o0400021611375373951.jpg

まずはパラグアイの布陣から。

この試合、ベンチ入り禁止のマルティノ監督は思い切った采配を見せる。
エースのバリオスとチーム一のドリブラーであるエスティガリビアをベンチに置いた守備重視の4-4-2。


なるほど、未勝利で決勝まで勝ち上がってきたパラグアイとすればこの試合もロースコアでの展開に勝機を見出したいのは当然だ。


というよりも、そもそもこのチームの勝ちパターンはこれしかないと言うべきか。


中盤に展開力のある駒や前線に決定力を備えたストライカーを持たないパラグアイが
ここまで勝ち(分け)上がってこれたのは徹底して試合を膠着状態に持ち込み、
焦れた相手がバランスを崩して攻め込んできた瞬間を見計らっての一刺しが頼り。


つまり自分達で相手チームを崩す攻撃力がないのなら、
相手の方からバランスを崩してもらうまで。


そういう割り切った戦いをチーム全員で徹底出来る開き直りがある。

狙うは1-0。何なら延長戦やPK戦だって望むところだ。


(思えば昨年のW杯での「日本×パラグアイ」戦は
120分、お互いがバランスを崩さずに"様子見"を続けた末のPK決着であった。)




2011-07-26_20-52-54_entry-10966026587_o0350019411375373950.jpg

対するウルグアイの勝ち上がりは開幕初戦こそ3トップで臨んだものの、
これが機能しないと見るや早々の見切りで2トップに戻したのが奏功。決勝進出に結びついた。
(バルサシステムをギリギリまで引っ張ったアルゼンチンとは対照的)


よって、もちろんこの試合も4-4-2である。


実はウルグアイもパラグアイと同じく中盤に展開力のある選手が不在という事情を抱えている。
故に、しっかり引いてからのカウンターというロースコアの展開もやぶさかではないのだが、
わざわざパラグアイが望む展開に付き合う事も無い。


何故ならウルグアイはパラグアイが持っていない決定的な武器を持っているからだ。


ウルグアイにあって、パラグアイにないもの―



それは試合を決定付ける"ストライカーの有無"である。




<持つものと持たざるもの>


そう、前線にフォルランとスアレスを持つウルグアイは
むしろ試合をアップテンポの打ち合いに持ち込めれば勝ちは必然だ。


何故なら、そこで勝敗を分けるのは
打ち合った中で何本それを決める事が出来るかという決定力の差に集約されるからである。


問題はキックオフから試合のペースダウンを目論むパラグアイに対し、
どう自分達のペースに巻き込んでいくか―



そこでウルグアイのタバレス監督は今までの戦い方とは若干違うプランを決勝に用意してきた。


それが徹底して中盤を省略する【縦に速い攻撃】と前への【パワーを持った守備】の2つ。


【縦に速い攻撃】は女子W杯決勝でアメリカが日本に対して仕掛けてきた事と同じですね。
自軍の2トップを活かす為、早めのタイミングで裏のスペースに蹴りだしてFWにヨーンドン!させる・・と。


まあ、今大会のスアレスは反則級のキレ味なんで、
これがまぁ~多少無理目のボールでも鬼のようにマイボールにしちゃうんですな。(^^;


ただ、2トップを活かした速い展開ってのはこの決勝に限らず、

ウルグアイが本来持っている形の一つなので、

試合のミソになってくるのは【パワーを持った守備】の方です。



そもそも【パワーを持った守備】とは何か?


これは主にコーチ等が使うテクニカル用語の一つで、
要するにサッカーにおける守備の中でも"前方向へのディフェンス"ってのは
守備側に有利なディフェンスと言われておりまして・・・。


ディフェンスの選手が進行方向へ勢いを持って行う守備は
自分のマーカーと次の展開のパスコースを同時に視野に入れる事が可能な上、
例えボールを下げられたとしても
そのままの勢いで"前へ前へ"と継続して【パワーを持った守備】が行える、と。


これに対して、攻撃方向に背を向けながらプレスを受ける攻撃側の選手というのは前方への視野もなく、
エリアによってはミスからのボールロストが即失点につながりかねない厳しい局面に追い込まれている訳で、
どっちが主導権を握っているかと言ったらもう圧倒的に守備側なんですよね。


このへんが体格の小さい選手を集めていながらバルサの守備が崩れない要因だったりもするのですが、
まあ今はそれは置いておくとして・・・。



この日のウルグアイのゲームプランが秀逸だったのは
何より2つの攻守におけるプランが密接にリンクしていたっていう事だと思うんです。


要するに【縦に速い攻撃】ってのは、
例えマイボールに出来なかったとしても相手DFに後ろ向きでの処理を強いる訳で、
更にそこにはもう全速力で追ってる2トップもいる訳です。


だから【縦に速い攻撃】の段階でウルグアイは既に【パワーを持った守備】を同時に行っているようなもので、
この一見「攻撃」と「守備」に分かれていたゲームプランが
実はピッチ上では溶け合うようにして混ざっていた・・・と。


そう見る事も出来るかと思います。


では、このウルグアイの狙いが見事にハマった2点目となるフォルランのゴールを検証していきましょう。




【ウルグアイの"パワーを持った守備"が生んだ得点】




2011-07-26_20-52-54_entry-10966026587_o0600033211375408672.jpg


パラグアイ陣内でのフィフティーボールに対しゴンザレスとパラグアイの2選手が競るところから局面はスタート





2011-07-26_20-52-54_entry-10966026587_o0600034211375408671.jpg


競り合ったこぼれ球がパラグアイに渡ると、すかさずゴンザレスはこれを追撃。


この追撃に合わせて後ろからMペレイラ(?)が物凄い勢いで距離を詰め、挟み撃ちへ。



2011-07-26_20-52-54_entry-10966026587_o0600033411375408673.jpg


いきなりの挟み撃ちに遭ったパラグアイの選手はたまらず近くの味方へボールを預けようとするが

2人の挟み撃ちによってこのパスコースを完全に読んでいたアルレバロが

前がかりに【パワーを持った】状態で詰める。


ここで注目したいのはパスを受ける選手が完全にアレバロに背を向けている状態であるという事。

これでアレバロは躊躇無く突進出来る。



2011-07-26_20-52-54_entry-10966026587_o0600035211375430032.jpg


「待ってました!」とばかりに詰めたアレバロがボールを奪い、そのままの勢いで突進。

巧みに裏へ抜けたフォルランにラストパスを出し、これを冷静に決めた。


フィフティボールのこぼれ球から僅かパス2本、パスカットからラストパス1本、

時間にして3秒の電光石火の得点だった。


自分達が抱える「中盤の展開力不足」という弱点を補い、

自分達の武器である「2トップの決定力」は生かすという見事なプラン。



<ウルグアイが見せた"懐の深さ">


いや~お見事でしたね~。


でも、だったら大会の最初からコレをやってればよかったんじゃないか・・・

という意見もあるかもしれませんがそう単純な話でもありません。


"前へ前へ"守備をするという事は、同時に裏には常に危険なスペースが出来る事と隣り合わせ。

前へ勢いがついている分、ワンタッチの素早いパス交換や逆をつくターン&ドリブルなどでプレスがかわされた場合、
一気に数的不利に陥るリスクを抱えている訳ですね。


実際、ウルグアイは準々決勝のアルゼンチン戦において、
この裏のスペースでメッシをフリーにしてしまった事から失点を喫しています。


(この試合では失点後10人になった事もあり、
一旦後ろに引いて【迎え撃つ守備】に切り替えた事で勝利に結び付けました。)



つまり【パワーを持った前への守備】と後ろで【迎え撃つ守備】は
どちらがいいとか悪いではなく、使いどころの見極めが一番重要って事です。



その点、この決勝の相手がパラグアイという事を考慮すれば、

これはウルグアイのベストプランだったかな…という気がしますね。


なんせパラグアイには中盤のプレスをかわせる「展開力」も

一気のカウンターを決める「個の力」も無い訳ですから。


(まあ、このへんが未勝利で決勝まできちゃったチームの限界かな?)



試合は後半、もう行くしかなくなったパラグアイが

温存していたドリブラーのエスティガリビアやエースのバリオスを投入し、一気に攻勢に出ます。



しかし、ここでも光ったのはウルグアイの懐の深さでした。


すかさず今度は引いて「待ち受ける守備」にゲームプランを切り替え、

今度はウルグアイがゲームにテンポを落としにかかります。

(アルゼンチン戦でも見せた黄金の「2010W杯バージョン」!)


それでいながら、残り時間が僅かとなって総攻撃状態になったパラグアイの隙は見逃さず、

今度はカウンターからキッチリとどめの3点目を奪うしたたかさ。



今大会の出場全チームと比べても

このウルグイアというチームが持つ「懐の広さ」「引き出しの豊富さ」が最後に勝負を分けたかな…と思わせる

そんな象徴的な決勝戦でした。


関連記事

マラドーナにはなれないメッシ 【アルゼンチン×ウルグアイ】

*2011-07-21更新 (アーカイブ記事)







2011-07-21_17-41-37_entry-10960667359_o0402027311364470872.jpg
<マラドーナにはなれないメッシ>
」で沸き立つ裏で

ひっそりと・・・



そう、ひっそりとコパアメリカでは2つの大国が姿を消していた。


いっその事、彼らの為にもこのまま触れずにおくのもやさしさかと思ったのですが(笑)、

やはりコパアメリカを徹底的に追っていくと決めた限り、

この2ケ国の最後をきちんと振り返っておくべきだろう。


という訳で今日はまず「やっちまったぁ~!1号」こと

開催国アルゼンチンの「どうしてこうなった・・・」をお贈りします。




<アルゼンチンの『キングダムサッカー』>


今大会のアルゼンチン代表チームを


『メッシの メッシによる メッシの為のチーム』


と言ってしまったら大袈裟に聞こえるだろうか?



これまでの戦い振りを見る限り、

監督のバチスタがこのチームに望んでいるのは「バルサでのメッシ様 光臨」

ただそれだけである。


フォーメーションをバルサに合わせ、

メッシ以外の全ての選手がメッシの為にプレーする。

バチスタがこの大会に送り込んだのはそんな歪んだチームである。
かつて、サッカー史においてこんなチームがあっただろうか・・・?






・・・・一つだけあった。


それも他でもないこのアルゼンチンで。


そう、 『マラドーナの マラドーナによる マラドーナの為の大会』と言われた86年W杯。

アルゼンチン代表はマラドーナによる「キングダムサッカー」で世界の頂点を獲ったのだ。


そして、このチームでマラドーナの後ろに陣取り、黒子に徹した地味なプレーで

優勝に貢献したMFこそが、セルヒオ・バチスタ・・・・その男である。




<マラドーナとディアス>
2011-07-21_17-41-37_entry-10960667359_o0240028111364470873.jpg 2011-07-21_17-41-37_entry-10960667359_o0200027611364470871.jpg


この86年のアルゼンチン代表は、チーム構成から戦術に至るまで

全てがマラドーナがプレーしやすいよう仕組まれたチームだった。


マラドーナが守備をしない分は他の選手でその負担を分け合い、

奪ったボールは余計な事はせず、とにかくマラドーナに集めるのが唯一無二の戦術と言ってもいい。


こういった環境下でプレーさせた時のマラドーナは恐らく無敵だった。


このチームでマラドーナの相棒としてプレーした攻撃の選手はブルチャガとバルダーノ。

どちらも献身的な守備でマラドーナを助け、攻撃でもマラドーナにはやりたいようにやらせて

自分達はゴール前での泥臭い仕事に専念出来る。そんな選手達だった。



しかし、当時のアルゼンチンにはもう1人、

誰もが認める国内最強のストライカーがいた。


ラモン・ディアスである。


そう、日本のファンにはJリーグ初代得点王、元横浜マリノスの選手としてもお馴染みのあの選手ですね。


ディアスは当時、その強烈な左足から繰り出されるシュートで得点を量産。

常にゴール前に陣取り、「奪ったボールは全てオレに寄こせ」とばかりのプレースタイルは

超一流ストライカーに必要なエゴイズムの表れか。


とにかく、当時のリーベルは「ディアスの為に」作られたチームだったと記録されている。



つまりアルゼンチンには国内最強、

いや、世界でも屈指とされていた「10番」マラドーナと「9番」ディアスがいた事になる。

この2人のコンビが代表で実現すれば・・・・と考えたのはアルゼンチン国民だけではなかったはずだ。


ところが、結局このコンビは86年W杯で実現しなかった。



・・・・何故か?



マラドーナが拒んだからだ。



マラドーナは『他の選手と違い、マラドーナの為にプレーせず、己のエゴを剥き出しにするアイツはいらない』

公の場で発言している。


(しかし、この発言も冷静に聞くと無茶苦茶な事言ってるよな・・・。さすがディエゴww)



遂にはチームの絶対的な支配者であったマラドーナによってディアスは代表チームを追放されてしまう。

(以来、未だにこの2人は犬猿の仲で有名)



だが、結果的にこの選択が正しかった事はアルゼンチンの優勝をもって証明された。


当時、世界の全てのチームがストライカーとしてのディアスを欲しがったかもしれないが、

「マラドーナのチーム」にとってディアスは"いらない駒"でしかなかったのである。



<矛盾を抱えた「メッシのチーム」>



翻って今大会のアルゼンチンはどうか?


バチスタは自分がW杯を制したあのチームの再現を「メッシのチーム」にする事によって目論んだのだろうが、

マラドーナと違い、果たしてメッシはそれを望んでいたのだろうか?


そもそもメッシの性格から言って、チームから馬の合わない選手を追放するなど不可能な話。


結果、開幕戦のオーダーは自国のスター選手をかき集めた「ベストな布陣」による「メッシのチーム」という

大きな矛盾を抱えた布陣でスタート。


そもそも「メッシのチーム」にテベスやラベッシは必要だったのか?


彼らは普段、自分達の所属チームでは「テベスの為のカウンター」「ラベッシの為の形」というものを与えられている

言わば”メッシ側”、特権階級の選手達だ。


そんな彼らが両サイドにハリボテのカカシのように貼り付けられた姿は、もはや滑稽ですらある。


「メッシのチーム」を作りたいのなら、「メッシの為の駒」と配置を用意する必要がある。

これは当たり前の話だ。


少々やり方に問題はあるが、結果としてマラドーナは自身でそれを行ってきた。




又、バチスタが用意した戦術もお粗末なものだった。


メッシの為に真ん中のスペースを空けるのはいいとして、

あとはひたすらメッシがそのど真ん中を独力でこじ開けてくれる事を期待した攻撃戦術など

相手チームからすれば「メッシを止めればアルゼンチンは止まる」と言われているようなもので、

事実、簡単に中央を閉鎖されて手も足も出なくなってしまう。


【行き詰る"メッシ頼み"の中央突破】

確かに今期、メッシがバルサで得点を量産出来たのは

中央で自由に動く「0.5トップシステム」がその鍵を握っていた事に間違いはない。


だが、このバルサの戦術が

いかに周りの選手達の緻密な動きとプレーによって支えられているかをバチスタは見落としていた。



開幕からの2戦を2分けで落とし、

後がなくなったバチスタはようやくこの「擬似バルサ」の限界に気付き、

第3戦のコスタリカ戦でメッシを右のWGにズラし、CFに本職の選手を使う布陣で臨む。

この試合を3-0で快勝し、この布陣に手応えを感じたバチスタは

強敵ウルグアイを迎える準々決勝に自信を深めていた―



<【ウルグアイ×アルゼンチン】 マッチレビュー>


2011-07-21_17-41-37_entry-10960667359_o0580032011364483314.jpg


注目のアルゼンチンのオーダーはメッシを右のウイングに置いた4-2-1-3。


これまで「無駄に濃いww」だけだった前線のユニットからテベス、ラベッシを外し、

代わりにゴール前で自分の仕事に徹するイグアインとアグエロを配置。


中盤もシンプルにボールを運べるディマリアとガゴを起用。

(キープやドリブル突破に色気を出すバネガはベンチ落ち)


なるほど、まずは駒の顔ぶれからバランスをとってきた訳だ。


まあ・・・気付くの遅過ぎるけどね・・!!www



これで真ん中をメッシの花道としていただけだった中盤でしっかりとボールが運べるようになり、

メッシがゴール前の仕事に専念出来る体制が整った。


特にガゴのキレのある動きには

思わず偵察にきていたブラジル陣営から


ラミレス『既に長いシーズンを終え、休みも無く借り出されているこのコパという舞台で、

まるで今シーズンが始まったかのようなあの動き・・・。

ガゴのスタミナは脅威ですよ』



Dアウベス『いや・・・あいつ今期ほとんど試合出てないから実際、

今日からシーズン開幕なんじゃね?ww』


という声も飛び出したとか出さなかったとか。




対するウルグアイだが、こちらもグループリーグの3試合を経て自信を深めていたチーム。


開幕当初、2010W杯の「リアクションサッカー」から3トップによる「自らアグレッシブに仕掛けていくサッカー」にシフトチェンジを図ったチームは機能不全を起こすも、元の2トップの形に戻して蘇生に成功。


布陣は戻しても「仕掛けいく気持ち」はそのままに、

何より彼らはもはやアルゼンチンなど全く恐れていなかった。


試合開始と同時に仕掛けて、早々にFKから先制点を奪取。



<縦横の交差>


先制点は許したものの、アルゼンチンは今大会ベストという内容の試合を見せていた。


まず、メッシをサイドに置いた事で、

これまで真ん中に寄っていた攻撃の起点をサイドに作る事に成功。



更に両サイドで蓋になるだけだったテベスとラベッシが取れ、

代わりにメッシとアグエロの両翼が中にカットインする事で

詰まっていた栓が取れたように後ろのSBがオーバーラップしてくるスペースが生まれ出す。



これで相手としてはDF陣を横に広げるしかないが

ゴール中央には危険な男イグアインが常に隙を伺っていた。



要するにこれは現在の緻密なバルサシステムで活かされているメッシを諦め

彼のデビュー当時の3トップの並びに戻したのだ。



右からメッシ、エトー、ロナウジーニョと並んでいたあの3トップに。



これでメッシが中にカットインする「横への動き」と

イグアインが裏を狙う「縦の動き」が初めて交差し、

相手守備陣からすると非常に守りづらい状況が生まれる事になる。



試合はウルグアイが「追加点への色気」を見せた事でスペースが生まれ、
そこをアルゼンチンが突いて同点へ。



<勝負を分けた退場劇>


悪い事は重なるもので、ウルグアイは同点ゴールを奪われただけなく前半のうちに退場者を出してしまう。

結果的にこの退場劇こそ、この試合の最大の分岐点となったと思う。


仮に、試合がこのまま11対11で進めば、店長は限りなくアルゼンチンが勝っていたような気がしてなりません。


いや~、サッカーは分からないものですね。

10人になった事で、返ってウルグアイに勝機が出てくるのですから。


アルゼンチン相手に10人になった事で、ウルグアイは目を覚ます。


「色気を出している場合じゃない! まずは守るんだ・・・!」

ここに「ウルグアイ 2010W杯ver」再インストール完了。


とにかく「リアクションサッカー」に徹して守らせた時のウルグアイは本当に強い(笑)

ウルグアイの布陣はこの時既に4-3-2で、攻撃は2トップに"行ってこい"のタテパス1本。


しかし、攻撃にかける枚数が減った事で、逆に鋭さが出てくるんだから

このウルグアイってチームは一体どうなってるんでしょうか・・・?(笑)


「多勢に無勢」の苦境にかえって興奮したのか、フォルランとスアレスが活き活きと躍動。


2人だけのコンビネーションでシュートまで持っていくのだから大したものだが、

間違いなくこの2トップ・・・ドMであるwww



アルゼンチンは数的優位を活かして総攻撃をかけたいのは山々なのだが、

この2トップが色んな意味で危険過ぎるのでDFの枚数を残しておかざるを得ない。



<パストーレ投入>


ウルグアイの守備が一気に締まった事で、

アルゼンチンの即席布陣のアラが徐々に表面化していく。


本来、中で仕事がしたいアグエロをサイドに、

サイドで仕事がしたいディマリアをトップ下で起用している並びでは

ボールは運べても決定的な崩しに弱さが否めない。


試合は膠着状態が続き、ようやくバチスタが動く。


ディマリアOUT⇒パストーレIN


そう、トップ下といえばこの選手がいたんじゃないですか!


この布陣でパストーレを使わなかったら何の為に召集したのか分かったもんじゃありません。

ていうか、スタメンで使え・・・!!



本職のトップ下が入った事で、アルゼンチンの攻撃は違う顔を見せ始める。


真ん中からサイドに流れたがっていたディマリアと違い、

パストーレは度々中央のスペースでパスを受け、攻撃の起点に。


特に中にカットインしてくるメッシと交わすワンツーのコンビネーションは

「これぞアルゼンチン!!」


「オレが見たいコパはこれだったんだよ・・!!」と思わず店長も膝を叩き出す。



が・・・さすがにいきなりの投入がこの局面では残り時間も足らず、

気がつけばマスケラーノが相殺の退場劇で

パストーレのポジションはボランチに下げられていた。

(何の為にグループリーグの3試合があったのか・・・!!)


試合は結局、ウルグアイの狙い通りにPK戦に持ち込まれ、

アルゼンチンは必然の敗北であった。



<アルゼンチンのコパアメリカ2011 総括>


「開催国」と「負けの許されないメンバー」、そして「世界最高の選手メッシ」という

三重のプレッシャーを背負ったアルゼンチンはまさかのベスト8敗退という結果で終わった。


アルゼンチン代表で「バルサシステム」の再現を狙うという

とんだ「ウイ○レ厨」&「WC○Fのやり過ぎ」だったバチスタ監督。


いくら何でも気付くのが遅すぎて、全ての試合で後手、後手に回ってしまった感じだ。


(店長が監督やってもベスト4は堅いで・・・このメンバー。(^^;)



開幕前から「フォワ充!フォワ充!」と散々イジってきましたが、

今からでも決勝戦に向けてパラグアイに何枚かレンタルさせていただきたいところである。



最後にバチスタ監督に一言かけて終わりにしよう。
























とりあえずDミリートに謝れwwww
(今大会、出番0分wwww)







関連記事

なでしこが掴んだ世界の頂点 【女子W杯決勝『日本×アメリカ』 レビュー】

*2011-07-19更新 (アーカイブ記事)








2011-07-19_19-45-57_entry-10958683322_o0530031011360460458.jpg

<なでしこJAPAN かく戦えり>


世界一を賭けたキッカーとして熊谷がペナルティスポットに向かうその刹那、
僕の頭の中に過去のW杯の名勝負が走馬灯のようによぎりました。



2006W杯決勝-


「フランス×イタリア」の一戦はお互い一歩も譲らぬ一進一退の攻防で120分を戦っても決着つかず。

そう言えば、この死闘を締めくくった最後のキッカーもDFのグロッソだったっけ・・・。


ふと僕がそんな事を思い出してしまったのも、
この女子W杯決勝『日本×アメリカ』という一戦がそんな伝説の試合と並びうる
本当に素晴らしい試合だったからだと思います。


お恥ずかしい話 僕自身、
これまできちんと「女子サッカー」と向き合ってきたかと言われれば、
必ずしもYESと即答出来ない自分がいます。


過去の五輪でも


『ああ・・・そうか。今日は女子の試合"も"あるのか』


『ベスト4進出ねぇ・・・。 "女子は"頑張ってるんだから、男子ももうちょっとなぁ・・・』


正直、そんな「男子サッカーの延長上」「男子のオマケ」程度の認識しか持っていませんでした。



そんな僕にとってあの決勝戦は一つのエポックメーキングに他なりません。

この試合と出会えた幸運によって
「女子サッカー」という競技が持つ独自の醍醐味とその奥深さに気付かされたものです。


一般的に女性は男性に比べ、感情表現が豊かと言われていますが
アメリカ代表の剥き出しにした「王国のプライド」と「勝利への執念」、
なでしこが見せた「折れない心」と「満員の観客の中でボールが蹴れる幸せ」
そしてどんな判定だろうと、主審に文句を言う前に もう次のプレーへ頭を切り替えている潔さは女性ならでは。



・・・さて、この名勝負を前に果たしてどうレビューしたものだろうか?

本音を言ってしまえば、どう書いたところであのゲームの前には「試合負け」必至だろ・・・という。(^^;




<女子W杯決勝 【日本×アメリカ】 レビュー>



よくサッカーを構成する三大要素として「テクニック・フィジカル・メンタル」というものが挙げられます。


これまで見たところ、このアメリカを始めドイツ、スウェーデンなど

女子サッカーにおける世界のトップレベルとは

男子以上に、より"フィジカル"で優位に立つチームが有利な構造のようです。


このピラミットで上位に立つには

女子なのに"まるで男子ばり"のシュートや脚力を持っているとう

言わば「女子」という規格からいかに外れた選手を持っているかが重要になってくるのでしょう。

今大会もそういった"規格外"の選手を要するチームが上位に進出する傾向があったように思います。


そんな中で、我らが"なでしこ"だけは、そういった選手を持たず、

世界の主流とは間逆の「フィジカルに頼らない」サッカーでここまで勝ち進んできました。



アメリカからすれば、これまでのなでしこの勝ち上がりを見る限り

いかに彼女達の良さを出させずに自分達の良さを出し切るか、

そして終盤に驚異的な粘りを見せる日本には

出来ることならば前半のうちに勝負を決めてしまいたい。


そんなゲームプランでこの一戦に臨んだはずです。



<アメリカのサッカー>


キックオフ早々からアメリカの猛攻が始まります。


アメリカの特徴は「タテに速い直線的なサッカー」


ゲームを速いテンポで進め、

攻撃はタテ1本の長いパスから1対3、2対4という自分達が数的不利な状況でも

早めに日本DFライン裏のスペースでの勝負に持ち込んできました。


アメリカから見ればお互いの攻撃陣と守備陣が揃った中での8対8や9対9という【総力戦】よりも
「1対3」や「2対4」という【局地戦】に持ち込んだ方が個々の能力差で圧倒出来ると考えたのでしょう。


要するに「高さと速さ」に勝る自分達の良さを考えて

「よーいドン!」のかけっことクロスボールの「競り合い」なら必勝という読みですね。


そして、実際にその狙いは的中していました。



サイドを「速さ」でぶっち切って、折り返しを「高さ」で決める。

アメリカの「シンプル・イズ・ベスト」な戦術に為す術なく押し込まれる日本。


だが、彼女達はこれまでこのトーナメントを勝ち上がってきた経験と

自分達のサッカーに絶対の自信を持っていた。


「ここを耐えれば必ず流れは自分達に来る」


ピッチのイレブンが一つの確信を元に必死のディフェンスでピンチを凌いでいく。


次第にコンパクトな陣形を敷いてチーム全員で守る日本に対し、

アメリカの勢いが時間と共に失われていく・・・。


「パスの距離が長い」という事は「走る距離も長い」という事だ。


やりたい放題に見えた前半のアメリカだって実は苦しいのである。




<試合はメンタルの領域へ>




試合は後半、日本がペースを掴み始めるとだいぶ敵陣でボールを回せるように。

・・・しかし、これが失点への布石になるのだからサッカーは怖い。


手数をかけた攻撃からシュートのタイミングを逸した丸山が

一気にアメリカDFの包囲網に遭いボールロスト。

そこからタテ1本の「よーいドン!」で抜け出した快速モーガンに先制点を決められてしまう。



これで「フィジカル」対「テクニック」で均衡していた試合からアメリカが一歩リード。

ここから日本が追いつくには「テクニック」に加え「メンタル」が必要になってくる試合終盤。


なでしこ達の「あきらめない気持ち」が同点弾を生みます。



高い位置でボールを奪った途中出場の永里から中への折り返し。





これに身体を張って飛び込んだ丸山




DFともつれあうように倒れる丸山


逆サイドから詰めた宮間は諦める事なく全力疾走でボールへ急行!





日本列島『まだまだまだまだ・・・・!!!!!』



日本中の気持ちに背中を押されたように、

すぐさま立ち上がった丸山と詰める宮間でボールに迫る。


これを見たアメリカのCBは倒れこんだ体勢のまま、必死のクリア!



こんな時、丸いサッカーボールがどこに転がるか-


それは偶然であり、必然だ。


・・・そう、古今東西、こんな時あのイタズラなボールは必ず「気持ちが強い方へ」転がるのである。



このクリアボールがもう1人のアメリカDFの膝に当たり奇跡的に宮間の前にこぼれる…!!


しかしアメリカのGKソロがこの宮間に対しても驚異的な反応を見せ、

シュートコースを防ぎにかかった…!



2011-07-19_19-45-57_entry-10958683322_o0600033911360737799.jpg

しかし、宮間はこのGKソロのポジショニングを見て、

この体勢からとっさに左足アウトでソロの逆を突くスーパーテクニック!!


「諦めない気持ち」と宮間の「スーパーテクニック」が生んだ執念の同点ゴール!


試合は延長戦へ。



<影のMVP>


しかし、「気持ち」の戦いでは一歩も引けを取らないのはアメリカとて同じ事。


延長前半、これまで沈黙していたエース、ワンバックが再び勝ち越しゴール!



尚、この失点の原因を熊谷のクロス対応に求めるのはフェアではないと思う。



「オイ、男子が1人混じってないか・・・?」「女子か男子かを問う以前に哺乳類かどうかを確認すべき」


そんな"規格外"のワンバックをこれまで100分に渡って抑えてきた熊谷は

間違い無く、この試合の"影のMVP”だと思います。


タテパスにしてもクロスボールにしても"フィフティー”の状況で競り合えば厳しい戦いになるワンバックに対し、

熊谷は徹底して前に出るディフェンスで、ワンバックより先にいいポジションを取ってボールに触る事で

このインチキ・・・・もとい、大エースを完封していました。


あのクロスも前に出てのクリアを試みましたが、

それまで熊谷にいいようにやられていたワンバックが初めて熊谷から離れる動きを見せ

そこにクロスがライナー性の速いボールで送られる二重苦ではどうにもなりません。


しかし、熊谷がいなければこの試合、

延長戦までこぎつける事自体、不可能だったのは間違いないでしょう。



<澤 穂希というプレイヤー>


「さすがにこれまでか・・・・」


日本列島に一瞬、諦めのムードが流れ始めたにようにも思えた時、彼女は何を考えていたのだろう-



代表Aマッチ169試合出場:通産78得点


15歳で日本リーグにデビューし、

その後 大学を中退し、単身 世界トップリーグのアメリカへ。


3度のオリンピックと5度のW杯を経験、


これまでアメリカとは幾度となく対戦し、未だに一度も超えられていない大きな壁を前に

舞台は自身最後のW杯、その決勝、延長後半という状況である。




アメリカの逆転ゴールが入った瞬間、彼女は思わず顔を覆っていた。



その彼女の横で、


かつて「苦しい時は私の背中を見な…」と言われた宮間が、


澤穂希に憧れてサッカーを続けてきた多くの若き選手達が、


「まだいける・・・!!」とばかりにボールを抱えてペナルティスポットへ駆け出していた。




試合後の澤のコメント-


『今大会で優勝できたのは、中堅世代の選手たちのおかげだと思います。

北京五輪の時もいいチームでしたが、あの頃に若手と呼ばれていた選手たちが成長して、すごく頼もしくなりました。

宮間や大野、近賀、矢野などの中堅世代が、さらに若い世代を引っ張ってくれて、
私達ベテランの背中を押してくれました。』




あの日、澤の背中を見て走っていた宮間達が今、澤の背中を押している。




延長後半12分-


千載一遇のCKのチャンス。

それでも普通に蹴っていてはアメリカに高さで勝つのは無理だろう。


CKの前、キッカーの宮間と澤、そして数人の選手達が輪になって何かを話し込んでいた。



高さ勝負では無理、ならばニアへの低いボールに賭けるしかない。


周りがブロック役に回って、誰かをニアへ送り込もう。


問題は誰が・・・?であるが、そんな事は今更みんな分かっていた事だろう。



CKの瞬間、宮間が蹴る前に澤はニアサイドへ向けて一直線に走り出していた。


まるでチームメイト達が作った花道を駆けるように。


宮間の送ったボールはパーフェクト。


しかし澤はゴールに背を向けた非常に難しい体制だ。


澤にゴールは見えていない。



(これまで何万本と打ってきたシュートだ!身体がおぼえてらぁ・・!!)



完璧な角度でボールを反らした右足アウトの超絶感覚・・・!!



2011-07-19_19-45-57_entry-10958683322_o0592030811360859879.jpg
そりゃサッカーの神も惚れるわ・・・!!!///



ここで本当に決めるとか、

もはや・・・「持ってる」「持ってない」ってレベルの話じゃねーぞ!!www




チームで誰よりも走り、パスをつなぎ、ゴールを守り、ボールを運んで、ゴールも決め、チームメイトを鼓舞する。


かつて、こんな完成度の高いプレイヤーがいただろうか・・・?


澤は日本のドゥンガであり、ジダンであり、マラドーナなのだ。






2011-07-19_19-45-57_entry-10958683322_o0512034111360737808.jpg

(思わずこの背中に「ついていきます…!!」と思ってしまった男子、女子は何人いた事だろう?ww)




<日本人がそれを掲げる時>


PK戦は時の運-


そこに技術的なレビューは必要ないので、詳しくは省きます。


ただ、PK戦突入の時、何故か勝利を確信していたのは店長だけでは無かったはず。



それにしてもこれまで何度となく"あのトロフィー"を掲げるフィナーレを見てきましたが、

(マラドーナ、ドゥンガ、ジダン、カンナバーロ、カシージャス…etc)


いやはや・・・これを日本人が掲げたあの瞬間の感覚をどう形容していいものか・・・。



しばらく考えましたが・・・・止めました。



それは貴方の胸に今は確かにある”それ”で充分ですよね?



よぉ~し・・・・最後はサッカーを見始めて18年、ずっと言いたくて言いたくて堪らなかったセリフで締めるぞ~・・・





2011-07-19_19-45-57_entry-10958683322_o0600033011360903574.jpg

『世界一 獲ったど~~!!!!』




関連記事

ガンソが見せる『右脳型ゲームメイク』 【ブラジル×パラグアイ】

*2011-07-16更新 (アーカイブ記事)












2011-07-16_15-54-43_entry-10955338614_o0320035511353444863.jpg
<サンバ無し!ゴール無し!>


さてさて・・・気が付けばグループリーグが終了し、

今夜からいよいよ決勝Tに突入するコパアメリカ。


その前に「ブラジルはもう1回やっとかにゃいかんだろ・・・」って事で

今日はブラジルの第2戦「パラグアイ戦」を中心にレビュー。




まずは両チームの布陣から~。


2011-07-16_15-54-43_entry-10955338614_o0580032011353444869.jpg


ブラジルは第1戦とほぼ同じメンバー、同じ布陣。


唯一、右のロビーニョのところだけジャジソンと変えてきた。


先の試合後には早速厳しいブラジルメディアに「サンバ無し! ゴールも無し!」と酷評されたブラジル。この第2戦は早くも正念場だ。



対するパラグアイは4-4-2。


(2トップはバリオスがセンターで、サンタクルスはやや右に流れる傾向が強かった。)


但し、守備時にはサンタクルスが中盤に下がって守備に加わり4-5-1気味にする事も忘れていない。

ブラジルの中盤に対して数的不利を作らないようにする狙いだ。


しっかりとこの試合に向け準備してきた様子が伺える。



試合は意外にも(?) 開始早々からパラグアイが一方的にブラジルを押し込んだ。



ブラジルの第1戦をしっかり研究すれば、突くべき弱点は自ずと見えてくる。


それは「2ボランチの展開力不足」からくる不安定なビルドアップだ。


ここに前プレをかければ、結構な確率でボールを奪えるメリットが見込めるし、

最悪これを嫌がったブラジルのDFラインにロングボールを蹴らせれば

ブラジルの前線はパト、ネイマール、ガンソと空中戦に旨みの無いメンバーばかり。


つまり「ローリスクハイリターン」な一手で、これは悪くない指し手。



しかもパラグアイの組織的な守備とその完成度は今大会、コロンビアと並んで大会随一のレベルだ。



皆さんの中にも昨年のW杯、日本がPK戦で涙を飲んだあの試合をまだ覚えている人は多いだろう。


あの時はお互いレベルの高い守備組織と打開力に欠ける攻撃陣という

似たもの同士の対戦で、結局決着つかずのPK戦突入だった訳だが、

あれから1年を経てパラグアイは新たな武器を手に入れていた。



基本的には2010W杯組が多く残っている事もあり、

おおまかなチームの特徴はあの時のままなのだが、

このチームには左サイドに入った背番号21番エスティガリビアがいた。


店長も初めて見る選手だが、オールドボーイズ所属の23歳。



とにかく近年のパラグアイにはいなかった柔らかいテニクニックを持つドリブラーだ。


この試合でも そのキュンキュンでキレッキレのドリブルが

Dアウベスをチンチンにしたったのだった。


(やっぱこういう発見があってこそのコパだよね☆(キラーン) )



これまでその攻撃力の無さを 展開力のいらないカウンターという武器で補ってきたパラグアイのようなチームには

まさに喉から手が出るほど欲しかった「単独でボールを運べる選手」



この俊英の登場でパラグアイは一つ上のレベルのチームになったと言ってもいい。


(昨年のW杯にコイツがいたら日本はヤバかったのでは・・・?(^^:)




それにブラジルの弱点はいつの時代だって「自由過ぎるSBの裏スペース」だ。


パラグアイの左の攻撃がDアウベス1人ではどうにも手が負えないブラジルは

堪らずCBのルシオをフォローに向かわせるが、そうすると今度は中央で枚数が足りず。


左からえぐってCBをおびき出し⇒中への折り返し⇒走り込んだ2トップがドゥーン!


まるでリプレーを見るような形から、この日パラグアイは狙い通りの2得点。



第1戦のベネズエラ戦レビューでは「前線からの素早い攻⇒守への切り替え」が大きな武器と検証したブラジル。


確かに自分達のリズムで気持ちよく攻撃が出来ている時間帯、

相手を押し込んだその状態での守備には、そのまま前線の攻撃陣が上手く貢献していたものの、


この試合のように味方のDF陣が低い位置で相手の前プレの餌食になっている

いわゆる「上手くいかない時間帯」でのボールロストには

一切戻ってきて手を貸そうとしない気まぐれな天才達。



これでブラジルの4-2-3-1は「4-2」の後衛と「3-1」の前衛が真っ二つに分離。


このへんはまだまだブラジル国内で自由気ままにプレーしているネイマール、ガンソのサントス組と

今期まさに「攻守分業サッカー」でスクデットをとったミランにいるパトらの甘さと見る。




<ガンソが見せる「右脳型ゲームメイク」>


パラグアイの前プレに打つ手無しと思われたセレソンだったが、パラグアイの選手達だって人間だ。


早い時間帯のキックオフで気温が高かった事もあるだろうが、90分に渡る「前プレ」は人間には不可能。


20分過ぎからパラグアイのプレスが一段落。



こうなると一定のスペースを得たブラジルのクラック(天才)達は俄然輝き出す。


その中心にいたのが10番ガンソだ。

やはりブラジルはガンソがボールに触り出すとリズムが変わる。


さぁ、サンバの始まりだ!



ガンソの特徴は何と言ってもその「右脳型のゲームメイク」だろう。


ガンソがボールを持っていない時をスロー再生で検証してみると

驚くべき事にほとんどルックアップをしていない。


にも関わらず、あの後ろに目がついているかのようなトリッキーなパスさばきは一体どうなっているのか…?


(特にヒールキックを多用しての「いなし」は も~店長、辛抱溜りませんわ…!!ww)




サッカーにおいて、このタイプの選手は「右脳」でゲームメイクをしていると思ってまず間違い無い。



ガンソの特異性を明確にする為、ここでバルセロナのシャビをイメージしていただきたい。


シャビが試合中に見せるあの絶え間ないルックアップは、

もちろん目に入ってくる情報を正確に左脳で処理し 瞬時に計算している事の証。


最もリスクとリターンが見合うパスコースにボールを散らす、

まさに「左脳型ゲームメイク」の典型的な選手だ。



これに対しガンソ、マラドーナ、ロナウジーニョといった「自らの閃き」を中心にゲームメイクを行う

いわゆる「天才」と呼ばれるタイプは

目からの情報ではなく、自らの"頭の中"で3秒先の世界をイメージする事でそれを行う。



つまり、「左脳型」が「現在」を基準にパスをさばいるのだとすると

「右脳型」は「未来」に向けてパスを送っていると言えるかもれしれない。



余談ではあるが、バルセロニスタ風に言えば、ここがシャビとデラペーニャの違いであり、

この手のパスを出させたらペーニャの右に出るものは・・・・・


って、これ以上はただの「ペーニャ信者」による戯言になるのでこの辺で止めときます。(笑)


(この先はリクエストがあれば、また機会を改めて・・・・(^^;  って、そんなリクエストねぇわなww)



昨今ではバルサのように「左脳型」を軸とした高精度のパス回しが隆盛を誇っている現在、

これからガンソのような「右脳型」がどう生き残っていくのか、

はたまた再び時代の覇権を握り返すのか・・・・??


ここらへんも個人的には興味深いですね。




<ブラジルは30年古い>


話が横道にそれたので、ブラジルにワンツーリターン。



ガンソを中心に反撃の狼煙を上げたブラジル。


ブラジル2得点のアシストもそのガンソから。


1点目は簡単なようでいて、一回溜めを作り、視線を別方向に向ける細かいフェイクが効いていた。

2点目はとっさにあそこに出せるセンスこそ、まさに右脳による「閃き」の賜物だろう。



ブラジルの選手の中で、このガンソのセンスに最も適応しているのが言わずもがなネイマールだ。

お互いにアイコンタクトなど必要としない

その「感じ合っている」コンビネーションはパラグアイの緻密な守備を度々驚かす。



だが、この事が返ってネイマールに悪影響も及ぼしているのは見過ごせないポイントだ。


ガンソがボールを持った時は必ずと言っていいほど全力疾走を見せるネイマールだが、

それ以外の選手への信頼度が低いのか、

他の選手がボールを持っている時は露骨に歩き始めるシーンも。


ハーフタイムを経て、パラグアイの体力が回復し、

再びボールが回らなくなった後半は完全に試合から消えていた。

(当然の途中交代)



こうなるとブラジルの泣き所は「前プレ」をかわせない2ボランチになってくる。


だが同時に、前後分断となったブラジルの布陣で、

ボランチ2枚が見せる守備は特筆すべき素晴らしさなのも事実。


この2枚のお陰でギリギリ「攻守のバランス」を取っている感じなので、

メネゼス監督からすれば分かっちゃいるけど外せない2人という事情もよく分かる。



そもそもトップ下でバリバリ王様のガンソを中心としたサッカーなど

ハッキリ言ってしまえば30年古いのだ(笑)



現状、ブラジルの攻撃は前線4枚の「閃き」が噛み合った瞬間に

即興的に輝くものでしかない。




でも個人的にはこのレトロ路線、嫌いじゃないです(笑)


今後、ブラジルの「原点回帰」が今大会でどうなって行くのか見守っていきたいと思います。




関連記事

店長 遂にAKBの握手会に潜入・・!!の巻

*2011-07-12更新 (アーカイブ記事)









<店長 遂にAKBの握手会に潜入・・!!の巻>


僕がこのブログで「しのまり!」「しのまり!」と言いはじめて早1年半・・・・。


これまで「会いにいけるアイドル」である彼女に何故会いに行かなかったのか?



バルセロナの独り旅では、むしろ「会いにいけない選手」であるデラペーニャに

単身突撃レポをかましたこの男が・・・である。



これにはもちろん大きな理由がある。



まず、これだけ「麻里子!麻里子!」を連呼しているナイスなサッカーブログであるからして、

(自分で言っちゃったよ・・・。 この人)


恐らく麻里子様本人がこのブログを読んでいない訳がないのである。

(断言しちゃったよ・・・。 この人)




であるならば、きっと今頃 麻里子は心の中でこう呟いている事だろう。



麻里子 (「店長さん・・・・あんなに私の事推してくれてるのに会いにはきてくれないのね・・・」)



麻里子 (「はーっ・・・まだ実際にお目にかかった事はないけれど、きっと素敵な人だわ・・・」)





推して推して、でもまだ会いには行かないのこの微妙な距離感・・・・





お気付きになっただろうか・・・?










そう、これぞ最先端の戦術。



バルサの「食いつかせパス」である(キリッ!)





男と女のCLでは「じらし戦術」という駆け引きが有効だって事はananにも書いてあるぐらいだ。


(この男・・・・間違いなく策士である。 「恋愛モウリーニョ」と呼んでくれても構わんよ)



この1年半、じらしにじらして麻里子の心にはオープンスペースがポッカリだ!


あとはこの俺が「メッシ無双」を発動させるだけ。



・・・そう、時は満ちたり!今こそ出陣の時である!



店長は「AKB握手会 (in 東京ビッグサイト)」の握手券を右手に強く握りしめたっ!




<【決戦、東京ビッグサイト】>



時は7月10日、日曜日-


空は晴天ナリ。



花の日曜日にお台場行きのりんかい線に乗るなど何年振りの事だろうか。



予想通り、駅のホームはお台場デートをしゃれこもうというリア充どもが溢れ返っていた。


(「ガッデム・・・!」 「今日ばかりはお前らだけのお台場と思うなよ・・・?」 「爆破しろ・・・!」以下自主規制)



ところがいざ電車に乗ってみると、どうも空気がおかしい。


初めてフリーザの気を感じ取った時のベジータの感覚・・・・と言えばお分かりいただけるだろうか?


いつもは家族連れやカップルで賑わう日曜のりんかい線のところどころに

背にはリュック、首にはタオル、頭にバンダナという「三種の神器」を装備したツワモノ共の姿が。



(「こいつら・・・・・間違い無く出来る・・・!(ゴクリ)」)




そうこうしている内に電車は目的地「国際展示場」駅へ。



『次は~国際展示場~♪ 国際展示場~♪』




ザザッ! (一斉に席を立つツワモノ達の音)



店長の頭の中には華々しくCLアンセムが鳴り響いていた。


「さあ・・・絶対に負けられない戦いの始まりだ!」




2011-07-12_16-09-53_entry-10951328341_o0550041311345811468.jpg

着いたど~~~!!!



これが聖地・東京ビッグサイトか・・・・。


まさにオタク界のウェンブリースタジアム。


(夏と冬に行われる「大人の漫画祭り」はあまりにも有名)



胸の高まりを感じながらいざ会場へ-


2011-07-12_16-09-53_entry-10951328341_o0450033811345811469.jpg

ざわ・・・・・

            ざわ・・・・・・・

                        ざわ・・・・・

                      


人多過ぎ ワロタwwww


AKB好きだけ集めて一つの独立国家作れる勢いだぞコレ(笑)




既に会場は静かな熱気に包まれており、

僕のすぐ横では「生写真交換会」が至るところで行われているではないですか!


噂には聞いていたが、これが交換会か・・・・。


初めて会った者同士がお互い自慢のコレクションを見せ合い、語らい、トレードをしている。



ううむ・・・せっかくだから店長も初参戦したいのは山々だが、

残念ながら僕が持っている生写真と言ったら

EUROの現地観戦の際に自前で撮影したグラベセン、ザホビッチ、ガラセクの3枚ぐらいなもの。


カイジの限定じゃんけんを上回る何とも厳しい手持ちのカードである。



AKBで言えばちょっと選抜は厳しい・・・・カップリングを歌うアンダーぐらいのレベルだろうか?



『いや~デンマークのグラベセンとは渋いですな~。

じゃ、私の"こもりんの生写真"と交換ってとこでどうです?』



なんて声をかけてくれる同士は・・・・・



うん、いないわwww.。


(このブログ読者には この等価交換の感覚を分かってくれる輩が最低10人はいると信じている(キリッ!))




<ビッグサイトの中心で「きのこ」と叫んだけもの>



トレード会場を後にし、いよいよお目当ての「しのまりブース」へ

店長の歩みは淀みなく進む。



2011-07-12_16-09-53_entry-10951328341_o0350046611345852344.jpg

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!



この僅か10数メートル先には麻里子様が・・・・。(ドキドキ)




「フッ・・・・俺とした事が、膝が笑ってやがるゼ」




とりあえず握手会のおおまかな流れを掴むため、列の前方を凝視。


するとストップウォッチを片手に持った係員に1人づつ呼ばれ

1人あたりおよそ3秒のペースで次々と列が流されていく。


中には3秒経っても粘ろうとする猛者もいたが

黒服の係員が力ずくで剥がしている感じだ(汗)


その様はまるで・・・・





2011-07-12_16-09-53_entry-10951328341_o0550041311345889124.jpg
人間 流しそうめんwww






流れを把握したところで列に並び、段々と店長の順番が近くなっていく。


高まる緊張。



「お父さん・・・・お母さん・・・・僕を生んでくれてありがとう」


店長が悟りの境地に入るのも束の間、

よく見ると隣の列の握手会の様子が丸見えな事に気付く。



あっ、隣のレーンはこじはるだ。かわゆすな~。(*´ェ`*)



あっ、こっちは生あっちゃんだ。オーラ出てんな~。



その隣は さっしー・・・・・うん、普通だな。www





さて、問題は麻里子様に何て話しかけようか。

チャンスは一度、失敗は許されない。


すかさず携帯を取り出し、店長ブログのコメント欄をチェック。


「皆・・・・オラに力を貸してくれ・・・!!」



・・・って、どれも他人事だと思って難易度高すぎwww


こうなったら出たとこ勝負だろ!!



な~に、これまで数々の修羅場をくぐってきた店長さ・・・。

言葉が全く通じない異国の地でも発揮されてきたこのコミュ力を持ってすれば何て事は無い!





そして・・・・








遂に店長の肩がゆっくりと叩かれた。









(ゴクリ・・・・・)









麻里子サマ
『こんにちわ~・・・はじめまして・・・かな?』







・・・・!!!////





あっぶねーーー!!


危うく意識を失いかけるところだったゼ・・・・!!



「地上に舞い降りた天使」とはこの事か。



いかん!シャレた一声どころか膝から崩れ落ちそうになるのをこらえるのでやっとではないか・・・!!




店『あっ・・・・・あっ・・・・・あの・・・・』














オットセイか!お前はwwww





言うても店長、こう見えてシャイボーイだし・・・///



やばい、そうこうしている内に時間が無い!


「動け!動け!動けっ・・・!! 今動かなきゃ・・・(以下略)」



(この脳内を駆け巡る思考の間、僅か0.68秒)







店『あっ・・・あの!! 麻里子サマは「きのこの山」「たけのこの里」だったらどっち派ですかっ・・・・!!?』///













って・・・・・






・・・何故とっさに出てきたのがコレだったし・・・俺。 



○| ̄|_




・・・説明しよう!


何故こんなネタがとっさに出てきたかと言うと、

以前旧ブログでこんなネタを取り上げた事を覚えている人はいるかな?



そう!店長は断然「きのこの山」派なのだが、

明治製菓が行った公式調査でも実際に周りに聞いて回ってみても

「たけのこの里」圧勝・・・・。


この事実に大いに憤慨した店長はそれ以来、

「結婚するなら「きのこの山派」の女性と!!」と心に決めている程である。




故に、とっさにこんな質問が口をついてしまった訳だが、

逆に考えればこれは店長なりの求婚宣言とも言えないだろうか?


もし、この問いに麻里子サマが「きのこ」と答えたとしたら・・・・・??




「オレ・・・・この瞬間にこの人と結婚するって確信したよね・・・・☆」



結婚式のスピーチで、満面のドヤ顔を浮かべている自分が思わず頭にチラつく。


その横で頬を赤らめる麻里子。



・・・・さあ、審判の時!


どっちなんだ!? 麻里子ぉぉおおお~!!!


(肩を叩かれてからここまで、おそよ1.54秒)










麻里子サマ

『え~ そんなの絶対、きのこだよぉ~』







きのこだよぉ~・・・・







きのこだよぉ~・・・・






きのこだよぉ~・・・






(リフレインする「きのこ」の一言)








2011-07-12_16-09-53_entry-10951328341_o0450029011345852342.jpg

GOOAAAAAALL~~~!!!!



















2011-07-12_16-09-53_entry-10951328341_o0493035011345958422.jpg

ゴルゴルゴルゴルゴル・・・・・
























2011-07-12_16-09-53_entry-10951328341_o0500039111345852343.jpg
ごぉぉぉおおおおるるぅぅぅぅぅうううう・・・・!!!















2011-07-12_16-09-53_entry-10951328341_o0360050011345958423.jpg
Iam チャンピオォ~ン!!!









(この間、2.24秒経過-)



 ↓   ↓   ↓   ↓




麻里子 『え~どっちどっち~? (店長を指して) 』     




店『もっ・・・もちろん"きのこ"でしゅ・・・!! (あっ!噛んだ!!!)』





麻里子 『あ~よかったー。絶対そうだよね~? (天使の笑み) 』










ああ・・・・人って分かり合えるんだ・・・・。



世界から戦争なんてなくなればいいのに・・・・。












2011-07-12_16-09-53_entry-10951328341_o0400046611346019088.jpg







関連記事

『チーム・バチスタ』の迷走 【アルゼンチン×コロンビア】

*2011-07-11 (アーカイブ記事)








2011-07-11_19-25-43_entry-10950529112_o0387025311344147325.jpg
<大会を覆う「バルサシンドローム」>


この大会を見ていてふと思い浮かんだ言葉があります。


それは「バルセロナ シンドローム」



もちろんこれは昨年のW杯において

あのオシム監督が度々口にしていた「モウリーニョシンドローム」の亜流です。


オシム氏は、W杯で多くの国が用いた「ブロックディフェンス」と「カウンター待ち」のサッカーを見て、

そのシーズンのCL準決勝「バルセロナ×インテル」の試合で

モウリーニョがバルサを破る為に用いた戦術が世界中に蔓延している・・・と嘆いていました。



そしてこのコパアメリカ2011では、

先ごろ圧倒的な強さでCLを制したバルセロナの「ポゼッション至上主義」とも言うべきサッカーの影響が

地球の裏アルゼンチンまで及んでいるような気がしてなりません。



「カウンター+フォルラン」でW杯4位のウルグアイが3トップのポゼサカへ路線変更し、

ブラジルも前線は何だか小さくて小回りの利くアタッカーを集めだしてるし、

アルゼンチンは・・・・・・・・・言うまでもありませんか(^^;。



興味深いのは、そんな彼らが軒並み低調なスタートを切っているのに対し、


「バルサなんか別世界の話だべ…。オラ達はオラ達の出来る事をやる」


ってな感じで独自路線を継続しているチリ、ペルー、コロンビアらが

内容の濃いサッカーで強豪達を苦しめている事。



このコパアメリカを発端として、

これから世界中に「バルサシンドローム」が蔓延していくのかどうか・・・?


そこらへんも今大会の結果が大きく関わってきそうなので、

そういった大局的な見方で今大会を見てみるのも面白いかもしれませんよ?




<【アルゼンチン×コロンビア】レビュー>



・・・ふと思った。



もしバルサなんてなければ・・・・



もしメッシがアルゼンチン人でなかったら・・・



今大会、アルゼンチンはここまで苦労していただろうか?




完全に「バルサシンドローム」に侵されてしまったアルゼンチンの第2戦、

「コロンビア戦」をレビューしていきましょう。



2011-07-11_19-25-43_entry-10950529112_o0580032011344147317.jpg



アルゼンチンは先の第1戦で前半を「バルサシステム」で戦い機能不全を起こしたものの、

後半のプランB変更である程度の感触をつかんで試合を終えた経緯から

てっきりこの試合ではプランBの布陣でくるものと思っていた。


だが、驚くべき事にバチスタ監督は頑なに「バルサシステム」に拘っているようで、

この試合のスターティングオーダーを第1戦の前半に戻してきた。

(右SBだけはロポ⇒サバレタへ変更)



まあ、サッカーの監督という人種は往々にして「頑固者」。


周囲のマスコミやファンが「やめろ!」「変えろ!」と言えば言うほど

意地になって見返そうという思いが働くのだろう。



対するコロンビアだが、こちらはしっかりとアルゼンチン対策を練ってきた様子。


アルゼンチンがバルサの「型」から入ってその真似をしようというのであれば、

こちらもその対策を「型」から入らせてもらおうかとばかりに

4-1-4-1の布陣で明確なメッシ番のアンカーを中央に配置。


モウリーニョばりの「中央封鎖」を施してきた。



キックオフ時のコロンビアの並びを見て「そう来たか・・・」と思ったのも束の間、

これがなかなか様(さま)になっていて驚かされた。



アンカーで起用されたサンチェスは1対1に強いだけでなく

クレバーな戦術眼を併せ持っており、

メッシが0・5トップに降りてくればガッチリとマンマークで付き、

これを嫌がって更に降りる場合は中盤に受け渡して自陣バイタルエリアを空けない構え。



メッシとすれば、本来使いたいエリアに留まればサンチェスの餌食で、

それを嫌がって更に降りれば、今度はコロンビアが敷く4枚の中盤ラインに行く手を遮られる八方塞りの状態。



【コロンビアが敷いた鉄壁の中央閉鎖(4-1-4-1)】
2011-07-11_19-25-43_entry-10950529112_o0600034911344268419.jpg



カンビアッソ、テベス、ラベッシ、バネガらが懸命に両サイドに開き、

メッシを取り囲むようにして彼の為の中央突破エリアを空けているのだが、

コロンビアは完全閉鎖で対抗。


メッシの前には幾重もの壁が立ちはだかり、コロンビアの守備陣に隙は無い。



相変わらずテベス、ラベッシという重戦車をただのハリボテとして使い、

メッシが降りてくる動きに気を利かせてカンビアッソが入れ替わるように前線に上がるのだが、

そもそもカンビアッソの1トップ状態ってどうなのよ?(笑)



相も変わらず全ての選手が窮屈そうなアルゼンチンに対し、

コロンビアは自分達のサッカーがハマっている確信の元、

鋭いカウンターから度々アルゼンチンゴールを脅かす。


中でも「グアリン-ファルカオ」のFCポルトラインと

ラモスの裏へ抜けるスピードはアルゼンチンDF陣の脅威であり続けた。




<亜流バルサシステムの限界>


バルサシステムに対して、「中央閉鎖」「メッシ番の配置」

こんなのは本家バルサからすればもはや日常の光景だ。


彼らはそれを崩す為の"術"を持っているからこそ

今期も勝ち続けたのである。



ところが、アルゼンチンの問題はバルサの「型」だけ拝借して肝心の中身が空っぽな事。


当然、本家と違い、これらを崩す"術"を持っていない。



では、本家はこんな時、どうやって堅牢な守備を崩しているのか?



その鍵を握るのが以前このブログでも検証した「食いつかせのパス」である。


相手守備陣のもっとも密集したエリアに逢えてクサビを打つ事で

守備のブロックを"食いつかせ"るのである。


そうしておいて新たに生まれたスペースに第3、第4の選手が入り込んでいく・・・


仮に相手が食いつかなければ、これを執拗に連続して、且つ正確に打ち続ける事で

相手が食いつくまで繰り返す事が出来るのがバルサなのである。



この食いつかせの名手が他ならぬメッシなのだが、

他のアルゼンチンの選手達はこの特殊な「食いつかせ」という習慣を持っていない。



・・・と言うより、このチームではまるで全ての選手がボールを持ったら

ゴールを目指すのではなくメッシにボールを渡す事を第一義的にプレーしているようにしか見えないのである。


メッシにパスを出したら

「はい、僕らの仕事はここでお終い。あとはメッシさん、持ってっちゃって下さい」

と言わんばかりだ。


かと思えばテベス、ラベッシなんかは「食いつかせ」で出したはずのパスに

彼ら自身が"食いついて"しまい、

何を勘違いしたか、強引なドリブルで単独突破を始める始末(笑)



(メッシ 「大会終わったら、バルサにあんな空気読めない奴は絶対いらないってペップに電話しとこ…」)



こんなチームでは食いつかせパスは到底無理な話だ。


よって、メッシへのマークは永遠に剥がれない。



これならばいっそ、メッシをフリーマンにすべく、絶対的な司令塔を据える・・・・

そう、例えばリケルメを使うぐらいの思い切った用兵でもいいと思えてくるのだが?(笑)





<【チーム・バチスタ】の迷走>


さすがにこれは後半からプランBで建て直しだろう・・・。


そう思って見ていたが、何を思ったかバチスタは更なる迷走へとチームを誘う。



切ったカードがまず【ラベッシ⇒アグエロ】


まあ、これは第1戦に続き絶好調のアグエロ投入という事でよしとしよう。

(ていうかスタメンで使えや)



続いて【カンビアッソ⇒ガゴ】


このへんから雲行きが怪しくなってゆき・・・・



トドメが【バネガ⇒イグアイン】と来たもんだ。



これで布陣は1トップにイグアイン、2列目に左からテベス、メッシ、アグエロと並び、

ボランチがガゴとマスケラーノのコンビに。


中盤で唯一ボールを運ぶ役割を担っていたカンビアッソとガゴを外し、

守備専業のガゴとゴリゴリのストライカー・イグアインを入れた事で

前線はゴツゴツしてきたものの、

「はて・・・・誰が彼らにボールを運ぶのか?」という状態。




アルゼンチンはこの布陣変更でカオス突入。


どうゲームを組み立てるのかと見ていたが、

何とピッチではテベス、メッシ、アグエロらが中盤に降りてきて

それぞれがドリブルでボールを運び始めよった。




・・・・ラグビーかっ!!www



その昔、サッカー創世記には

もっぱら1人のDFを残し、9枚のFWがひたすらドリブルでボールを敵陣に運んでいたらしいが、

まさか現代サッカーの最前線でこんなゲームメイクが見られるとは(笑)



しかし、ある意味この開き直った戦法がコロンビアに混乱をもたらすのだから

サッカーはやってみなければ何が起こるか分からないもの。


(・・・まあ、普通ビビるか (^^;)



中盤から前線までもっぱら個人突破でボールを運ぶなどちょっと考えられない話だが、

性質が悪いのは、ボールを持って突進してくるのがメッシ、テベス、アグエロという

ゴリブルさせたら世界一の精鋭達。


さすがにコロンビアは1人に対し2~3枚でこれに当たらなければならず、

となると誰がボールを持ってようが後はゴールに向けて突進するだけのアルゼンチン攻撃陣と

それを阻止すべく数的優位で待ち受けようとするコロンビア守備陣とで

ゴール前は完全なる団子状態へ。


(何という小学生サッカーwww)



もし団子サッカーW杯があったならアルゼンチンが世界最強に違いない・・・。


そう確信させるほどテベス、アグエロ、メッシの突進はすさまじく、

且つ、その混戦からこぼれ球を狙わせたらイグアインの右に出る選手もいない。


何故か妙に状況にマッチしてしまったこの布陣変更で

試合の流れを若干取り戻す事に成功したアルゼンチンだが、

これで勝てるほどサッカーは甘くは無いという事で・・・(^^;



むしろコロンビアの明確なカウンターに

GKロメロの攻守がなければ0-3、0-4で負けていてもおかしくない酷い試合でした。





・・・まあぶっちゃけ、この顔ぶれならいっそ恥も尊厳も捨てて、

「引いてカウンター」にしちゃえば多分、鬼のように強いと思いますよ。(笑)



(メッシ、テベス、ラベッシのカウンターは反則だろうwww)

関連記事

若きブラジルの収穫と課題 【ブラジル×ベネズエラ】

*2011-07-07更新 (アーカイブ記事)




2011-07-07_14-12-30_entry-10946137040_o0376038311335449606.jpg

<あのオランダ戦から1年->



開幕戦のアルゼンチンに続き、もう一つの優勝候補ブラジルの登場である。



ブラジルのガチな公式戦を見るのは

昨年のW杯オランダ戦以来、初の事。


今回のブラジル代表は、言わばあのオランダ戦の反省を出発点として作られたチームだ。



そこで今日は「ブラジル×ベネズエラ」のレビューに

ドゥンガが作り上げたチームから何が変わっていて何が継続されているのか、

そこら辺の比較も織り交ぜて進めていきたいと思います。



ですので、引越し前の店長ブログから昨年のW杯「ブラジル×オランダ」のレビューを

今一度読み返していただいてから、本稿をお読みいただくとより分かりやすいかもしれません。


【2010W杯 ブラジル×オランダ 店長レビュー『罰を受けたブラジル』】⇒




<「ユニット」を重視したメネゼスの起用>
2011-07-07_14-12-30_entry-10946137040_o0580032011335449607.jpg


新生ブラジルの布陣は4-2-1-3。



攻めはカカ、ロビーニョ、Lファビアーノによる

カウンター専門部隊に任せ切りだったドゥンガのチームと比べるまでもなく、

前線にはズラリとテクニシャンを並べており、ブラジルの「原点回帰」路線が明確に打ち出されている。


加えて、今回召集された25人中、14人が2010W杯メンバーから入れ変わっただけでなく、

スタメン11人全員が欧州組だった昨年のチームから

ガンソ、ネイマール、ルーカス(途中投入)らの国内組の若手を抜擢し、

チームの「世代交代」をも同時に進めている最中だ。



新しく生まれ変わった前線の組み合わせだが、

そこにはメネゼス新監督の確かな算段もあった。



言うまでもなく「ネイマール×ガンソ」はサントスにおける黄金コンビだし、

パトとロビーニョはミランで攻撃のユニットを組んでいる2人だ。



この辺は、メッシを活かす為にバルサの「形」から入ったアルゼンチンのバチスタ監督と

形より「中身」を重視して、システムは自己流だがクラブにおける選手間同士のユニット性を

代表で活かそうと考えたメネゼス監督との対比が興味深い。



ここ数年、もっぱら各カテゴリーの"代表監督"を務めてきたバチスタと

昨年までブラジル国内のクラブを渡り歩いてきた"叩き上げ"のメネゼスとの色の違いがよく表れている。



<10番カカ⇒10番ガンソへ>


このチームではブラジル伝統の10番がカカからガンソへ受け継がれた。



攻撃の大部分がカウンターを基本に組み上げられたドゥンガのチームにとっては

カカほど10番を背負うのにピッタリな人材もいなかった事だろう。


いわばカカはカウンター攻撃のスペシャリストだ。


高速ドリブルによる推進力と決定的なスルーパスだけでなく自身もゴールを奪える得点力は

過去のセレソンの10番達と比べても突出していたと思う。



反面、相手にリードされ、守りを固められてスペースがない展開、

はたまた緻密に組み上げられた戦術では及ばない極限状態の試合では

攻撃の停滞、機能停止に陥る弱点を内包していた。


ロジックが完璧に組み上げられていたが故に、

わずかなほころびやネジのズレが

あっと言う間にチーム崩壊につながる脆さが大一番のオランダ戦で一気に噴出してしまった。



それに比べると、今回のセレソンにおける攻撃ロジックの緻密さはだいぶ緩い。


緩いというのは、ゆとりがあるという事で

多少のイレギュラーな事態に対しては選手個々のアドリブによる挽回の余地が残されているとも言える。



・・・さて、そこで新たに10番を背負ったガンソである。



個の突進力、得点力、スピードなどではカカには遠く及ばないが、

深みのあるゲームメイク、閃きを活かした局面を変えるパスなどは

カカには無かった大きな魅力だ。


カカがアタッカー寄りの選手なら ガンソは完全に司令塔、純粋なMF寄りのプレイヤー。


どこか80年代サッカーを思い起こさせるクラシックな「トップ下」、「王様」だ。



この2人の違いが現在と過去のチームを決定的に分かつ要素であり、

これがまた昔からブラジルのスタイルは「10番が決める」と言われてきた所以だろう。



ガンソの 時にヒールなども使った味のあるトラップと

ボールを持った際の仁王立ち感、腰に手を当てる角度なんかは非常に店長好みである(笑)



<メネゼスが植え付けたもの>


試合は開始早々からブラジルが圧倒的に押し込んだ。


「ネイマール×ガンソ」「パト×ロビーニョ」というコンビネーションの軸がある事で

攻撃陣も迷わずプレー出来ている。


あとはパトとガンソの縦のラインが大会中に熟成されてくれば、

かなり面白い事になるんじゃなかろうか。



ベネズエラは守る事に手一杯なのか、端からブラジル相手なら引き分けで良しと思っているのか、

防戦一方でボールは奪えても攻撃が形にならない。



一見、選手達のコンビネーションと即興に多くを委ねているかに見えたメネゼスのチームだが、

そこはクラブシーンで実績を積んできた名将らしく、

しっかりとチームに植え付けた武器も併せ持っていた。



それは「攻守の切り替えの速さ」だ。



言葉にすると派手なブラジルにしては「何か地味な話だな」・・・・と思われるかもしれないが、

「攻守の切り替えに隙が無いブラジル」というのは

なかなかに反則級な威力を秘めていたものである。



前半はブラジルがこのスピーディーな展開に持ち込んで

再三決定機を迎えるも最後のところで活かせず終い。



もちろん、この後

その痛いツケを払わされるのがブラジルと言えども「サッカーの常」です。




<若さを露呈したブラジル>



試合は後半、ベネズエラは完全に攻撃を放棄し、自陣を8人で固めてきました。


前にお飾りで2トップを残していますが、

どちらかと言うとルシオのドリブルとチアゴシウバに展開させない為に

とりあえずハリボテでもいいから置いておきました感がアリアリ(笑)



対するブラジルも前半あれだけスピーディーな攻守を繰り返したせいか、

さすがに動きが鈍くなり、ポジション修正が1歩、1歩遅れ始めます。


それでもブラジルは遅攻でも充分攻撃が出来る前線ユニットなのですが、

さすがに4人に対し、守備陣が8人では状況打破は厳しいところ。


こんな時は一列後ろでノープレッシャーのボランチが攻撃参加出来るかどうかが鍵を握ってくる訳ですが、

ここでブラジルの弱点が露呈されてしまいます。



↑の一連の図でも「守備」では活き活きと躍動していたラミレス、ルーカスのボランチコンビは

「攻撃」になった途端、その展開力と攻撃力の不足がチームの足枷に。


ラミレスは持ち前の機動力で積極的に絡もうとする意思はあるものの、

ミスのオンパレードで逆に攻撃の流れを断ち切ってしまいます。



やはりボランチには1枚、展開力のある選手が欲しいところですね。


往年のドゥンガのような・・・。




パスが回らなくなると⇒足が止まりだし⇒終いには個々が強引なドリブルを始め出す



いつの時代も変わらないブラジルが持つ「黄金の負けパターン」です(笑)



こうなるとこれまで「良い」方向に作用していたチームの「若さ」が

一気に悪い方向に出てしまいます。



前半は「優雅な動き」に見えていたガンソの飄々としたプレースタイルも

後半は一気に「緩慢な動き」に見えてくるから不思議なもので。


こんな苦しい時間帯はもうちょっと大きく動いてマークを外すなり、ボールを呼び込むなりしないと

試合から消えてしまうんですよねー。



そして本来、こういう苦しい時こそチームを引っ張らねばならない「若きエース」ネイマールに至っては

真っ先に「無謀なドリブル」のスイッチが入ってしまった模様・・・(^^;

(「暴走モード」ON)



まあ、このへんは2人ともまだ欧州のトップレベルでプレーしていない甘さと若さが出てしまったかな…?

という感じですかね。


ちょっとこの2人に関しては大会前からメディアと周囲が騒ぎ過ぎなので、

長い目で見守ってやりたいところです。


(ネイマールはモウリーニョ指導注入で一発で治るっしょwww ・・・あ、まだ移籍は決定じゃなかったか(^^;)




終盤、選手交代で修正と挽回を図りたいブラジルですが、

こんな時、投入されるのがフレッジというところに、

アグエロだディマリアだのアルゼンチンとの差を感じてしまいます(笑)



もちろん、こんな交代では試合の展開を変える事は出来ず0-0でタイムアップ。




確かに大会前の期待値の高さからは物足りないスコアレスドローのスタートでしたが、

何よりチームが生まれ変わっている過渡期でもあるし、

試合内容自体も店長はそう悲観する程のものではないと思います。


少なくともこの9ケ月間でのメネゼスの仕事の成果ってのは見えましたし。



ただ並べているだけのアルゼンチンとは全然"質"が違うので、

賢明なる店長ブログ読者の皆様は

同じ「引き分けスタート」で扱ってはいけませんよ?(笑)




あ~・・・何々・・・?



ちょうどアルゼンチンのバチスタ監督のコメントが大会サイトにUPされてるじゃないですか。




どれどれ・・・?







バチスタ
『もしかしたら9番(CF)が足りないかもしれない (キリッ!)』






















お前…どの口で言った!?www





関連記事

『メッシの為のチーム』か『チームの為のメッシ』か? 【アルゼンチン×ボリビア】

*2011-07-04更新  (アーカイブ記事)








2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0280039411329792674.jpg
<『メッシの為のチーム』か『チームの為のメッシ』か?>



「果たしてアルゼンチン優勝候補足りうるのか?」



その疑問を探るべく、今日はコパアメリカ2011の開幕戦、

地元アルゼンチンとボリビアの一戦をレビューしていきたいと思います。



まずはアルゼンチンの布陣が注目された両チームのスターティングオーダーから。



2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0580032011329792675.jpg



開幕戦で強豪アルゼンチンを迎え撃つボリビア。



今回のボリビアにはメッシのような「個」の力で違いを作り出すタレントこそいませんが、

チームとしてはアルゼンチンより遥かに完成度が高く、

攻守に組織的なサッカーが出来る好チーム。


4-4-2の非常にオーソドックスな布陣で、

アルゼンチン相手だからと言って「メッシ対策」のような特別な事をするでもなし、

いつも通りの自分達のサッカーで立ち向かっていきました。



そんな小細工無しの試合だからこそ、アルゼンチンの力量を測るには格好の相手とも言えます。




さて、注目のアルゼンチン。


バチスタ監督は今大会の大事な緒戦で、

まずは「バルサでのメッシ再現」に全力を傾けてきました。



したがってフォーメーションはバルサと同じ"メッシをCFに置いた"4-3-3です。




中盤はブスケスの位置にマスケラーノを置き、ここを守備の際の防波堤として設置。



・・・やはり代表のマスケラーノは一味違う。


普段、バルサのように圧倒的に相手を押し込む試合では見られない

彼の「個でボールを奪う力」が存分に発揮された。


ボリビアの攻撃時、アルゼンチンのDF陣はブロックを形成して待ち受けているのが基本だったが、

その前で実際に相手からボールを奪う汚れ仕事はほぼ100%マスケラーノが受け持っていた。


鋭いタックルに鬼のようなカバーリング。

この日、アルゼンチンが記録したボール奪取の8割近くはマスケラーノが記録したんじゃなかろうか?



前任の監督が組織的な守備に一切手をつけずに去ったチームにあって、

実質的にこのチームは「メッシのチーム」ではなく、「マスケラーノのチーム」とも言える。




続いて、中盤の「イニエスタ、シャビ」の役割をバネガに託したバチスタ監督。


昨年のW杯では「運ぶ」「崩す」「決める」の全仕事をメッシ1人に背負わせた反省から、

このチームにおける「運ぶ」役割を担うのはゲームメイカーのバネガに分担。

取られそうで取られない、実にアルゼンチン人らしい粘り腰の利いたキープ力と

ボールを運べる推進力、そして広い視野を持つ展開力は、

若い頃から将来を期待されていたその才能がいよいよもって今大会でブレイクか?




マスケラーノとバネガが自分達のポジションをしっかりと受け持つ「静」のプレイヤーなら

カンビアッソは「動」のプレイヤーである。


メッシが中盤に降りてきた際の前線の駒不足を補う為、

何度となく前線のオープンスペースに顔を出していた。


いわばバルサでいう「ケイタ」的なポジションである。



このようにDFと中盤の陣容には、それぞれの駒に明確な役割を与えてきたバチスタ監督。


個々の役割さえカオスな状態だった前任者と比べると、これだけでも改善された方である。


だが、彼の狙いが最も顕著に現れたのは前線の3トップにおける そのメカニズムだろう。




<アルゼンチンで再現された(?) メッシの0・5トップシステム>



アルゼンチンの3トップは両翼にラベッシ、テベスという陣容。


先日の記事にいただいたコメントでは、

アルゼンチンが3トップにする際の用兵としてディマリアの起用が人気を集めていた。



・・・・そう、確かにアルゼンチンが召集した前線の駒を見てみると

唯一このディマリアだけが「生粋のウインガー」としての資質に恵まれている。



では何故、バチスタ監督は3トップを敷いたこの開幕戦でディマリアをベンチに置いてまで

テベスとラベッシの器用にこだわったのか?


彼の狙いを、3トップのメカニズムから探っていこう。




【アルゼンチン 3トップのメカニズム】

2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0300024011329869713.jpg



そのメカニズムの基本はこうだ。


まずはメッシがCFの位置からお馴染みの「下がる」動きを見せる事で

「メッシの0・5トップ」が発動。


この時、両翼のテベス、ラベッシが前線に留まる事で、

相手のDFラインはこの位置に設定せざるを得ない。

(メッシには付いていけない)


ここまでの流れはバルサと全く同じである。



2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0300024011329869746.jpg


低い位置で一旦ボールを受けたメッシが

得意のドリブル「メッシ無双」で中央突破を開始。


すると相手の4バックは誰か1人がメッシに当たりに行き、

残りの3人が中央に絞ってカバーするというのが

ゾーンディフェンスにおける鉄則である。




2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0300024011329869714.jpg


メッシに1枚当たりに行った事で、ただでさえ3枚になった最終ラインが

更に中央に絞った事で両翼のテベス、ラベッシにはスペースが与えられる。


この瞬間を狙ってメッシが両翼にパスを出し、

受けたウイングがゴールを狙う。



これがバチスタ監督が描いたプランだった。


つまり、両翼はウイングでありながら、その仕事は「ゴールを決める事」にあり、

したがってディマリアではなくテベスとラベッシが起用されていたと見るべきであろう。



実際の試合で見られたこの「アルゼンチン式3トップ」のメカニズムを検証していこう。




【アルゼンチンの3トップが見せた崩し (前半)】
2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0600035911329900548.jpg



ラベッシとテベスが両翼一杯に張って相手DFラインを引っ張り、

見事に中央のスペースが空いているのがお分かりいただけるだろうか。


ここに「メッシ無双」が突進。



2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0600037411329900550.jpg



たまらずボリビアのDFラインはCBが1枚飛び出してメッシに当たり、

残りの3枚が中に絞ってカバーリング。


この瞬間を見逃さず、すかさずメッシが右のラベッシへラストパス。


2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0600036511329900549.jpg


狙い通り抜け出したラベッシがそのままシュートを打つも枠を外れる。




もう1つ、今度は左のテベスがシュート役になった崩しの形を前半から見てみよう。





【アルゼンチンの3トップが見せた崩し2 (前半)】

2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0600037511329914883.jpg


このシーンでもテベス、ラベッシが前線に残って

空けた中央のスペースに今まさにメッシが入っていかんとする瞬間。


バネガがスピードに乗ったメッシへ向けてパス。



2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0600039911329914866.jpg


このシーンでもボリビアはすかさずCBの1枚がメッシに寄せて、

残りの3枚が中に絞っている。


繰り返すが、この動きは4バックにおけるゾーンディフェンスの鉄則なのだ。



2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0647040111329914864.jpg


このシーンでは既にスピードに乗っていたメッシが、

その勢いを利用して前に出て来たボリビアのCBをかわし、なおも中央を突進中。


更にボリビアDF陣を真ん中に釘付けにする。




2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0600034611329925719.jpg



ボリビアDF陣を充分に引き付けておいてメッシから左のテベスへラストパス。


テベスのニアサイドを狙ったシュートはGKの攻守に阻まれる。





このように前半からバチスタ監督の狙いとする形はピッチに描かれていた。

メッシも昨年のW杯と比べれば、格段にやり易そうに「メッシ無双」を見せていた。


にも関わらず、このチーム全体を覆う、どこかスッキリしない停滞感は一体何だろうか・・・?


事実、前半のアルゼンチンは1点も取れていない。




それは、このゲームプランが全て「メッシ1人がプレーしやすいように」組まれたものだからだ。



「メッシの為にスペースを作っている」と言えば聞こえはいいが、

両翼のテベス、ラベッシは試合中、メッシ無双が発動するまで

ひたすらハリボテ=カカシのように両サイドに突っ立っているだけだ。
このシステムの中では、そこに「いる」事こそが彼らの仕事なのだから。
彼らまで中盤に降りてしまえば、敵のDFラインを引っ張っておけないし、

中央に入り込めば今度はメッシの為に空けておいたスペースが台無しになってしまう。



・・・・それはそうなのだが、

果たしてこの試合を見ているテベスやラベッシのファンはどう思っただろう?


毎週、マンチェスターCやナポリの試合で見せている

テベスのゴリブルもラベッシのグイグイ中に切れ込んでか~ら~の弾丸シュートは

全てメッシの犠牲になっている。


それどころか、ラベッシは縦に長い距離をえぐってからの折り返しという

普段やり慣れない仕事のせいで、クロスはほとんど失敗に終わっていた。



仮に店長がテベスやラベッシの個人的なファンだったとしたら・・・・きっとこう言うね。



「本当はこんなもんじゃないんだからね・・・!」




この両翼に限らず、その他全てのポジションにおいても

「いかにメッシを活かすか」だけを逆算して作られたようなこの布陣では

各選手がそれぞれのパフォーマンスから3割減の出来を強いられていたのが

前半のアルゼンチンにおける裏の顔である。



そもそも崩しに成功していた形にしても

↑の試合画をもう一度よく見ていただければ分かるのだが、

フィニッシュのシュート角度がどうしても狭くなってしまっている。


(良くて45度あるかないか?)



しかも、この形では本来、その決定力をフィニッシュに使いたい「メッシ無双」が

崩しの段階で終わっており、肝心のメッシにシュートチャンスが巡って来ない。



何故、バルサでは上手くいっているはずの【メッシ 0・5トップシステム】が

アルゼンチン代表では不発だったのか・・・?


それはバルサに見られる 「崩し」の段階で一度使った「メッシ無双」を

フィニッシュの際にもう一度使う 複雑なコンビネーションが

時間の無い代表では再現出来なかった事が大きいのではないだろうか。



バルサでは両翼を張らした状態から、

空けた中央のスペースにビジャなり、ペドロなり、シャビなりが入り込んできて

メッシから受けたパスをワンツーのリターンで返し、

そのまま真ん中をメッシが突き抜けていくという お馴染みの形がある。



ただ、この複雑なコンビネーション形成には長い時間を要し、

(加入間もないビジャは、まさにこの日のテベス、ラベッシのごとき「カカシ」状態で機能していなかった。)


何より、中途半端な連携でこの動きを取り入れてしまうと

"メッシが使いたいスペースにフタをしてしまうだけ"という

マイナスの結果を生む事にもなりかねない。




よってこの日、バチスタ監督が実現しえた「バルサでのメッシ再現」というプランは

このレベルが限界と見るべきかもしれない。





< 『せめて・・・・アルゼンチンらしく』 >


チームに漂う停滞感を感じたバチスタ監督は後半、

「バルサ再現」のプランを放棄。


カンビアッソに代え、生粋のウイングであるディマリアを投入し、

テベスを1トップに据えて、メッシをトップ下に配した4-2-3-1に布陣を変更してきた。



「事前に用意していたプランB投入」・・・・と言えば聞こえはいいが、

実際のところアルゼンチンは大会中に試行錯誤していくしかなかったのだ。



【アルゼンチンの布陣変更 (後半)】
2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0580032011329925720.jpg




これでアルゼンチンは各自が自分の得意なポジションと役割に収まり、

ディマリアを使ったクロスなど攻撃に横幅が出来始める。



後半開始早々にバネガによる

「お前・・・・実はボリビアのスパイだろ!www」レベルの珍オウンゴールで失点をくらうも内容では徐々に盛り返していった。



そして、待望の同点弾は、前半にはなかったそのディマリアのクロスから

これまた途中交代のアグエロが決めている。


(布陣変更が功を奏した)



それにしても、このキレキレのアグエロがベンチで、

Dミリート、イグアインに至っては出番すらないとは・・・・(^^;


ボリビアの監督でなくても「だったら1人ぐらいウチに貸してくれ…!」と言いたい。(笑)




・・・だが、チームが機能し始めていく中にあって1人、

前半の輝きが消えてしまっている選手がいた。







メッシである。




前半、自分の為に空いていたスペースに後半は1トップのテベスがいる。
それならそれで、ポジションチェンジを交えたり、

タテ並びのコンビネーションを使えばいいはずなのだが、


(マンUにおけるエルナンデスとルーニーの関係みたく)



メッシというのはこれでいてなかなか「戦術的に融通が利かない」タイプの選手であり、

どうしても自分の型にこだわってしまうんですね。



・・・するとどうなるか?



前がテベスで詰まってるなら、もっと下に降りて自分の前に空いたスペースを確保したい。


後半のメッシは頭の中がそれで一杯だったんでしょう。



実際の試合映像から「そこまで降りるかwww」という

メッシの彷徨えるポジショニングを検証していきます。




【 「さまようメッシ」があらわれた! (後半)】
2011-07-04_16-40-29_entry-10943285961_o0600033511330020337.jpg



この局面ではボランチのマスケラーノ、バネガのすぐ横まで降りてきてボールをもらっています。


メッシの前に見えている緑で結んだラインが、ボリビアの中盤のラインですので、

本来メッシがいるべき「中盤とDFラインの間」というポジショニングからは

だいぶ下がってきてしまっている事になりますね。


確かにここまで降りてくれば、前には誰もいませんが

ここから「メッシ無双」を発動させてもゴールまでは遠く、

これでは昨年のW杯と何ら変わりありません。





ここでは1トップに途中投入のアグエロが入って、テベスが右のウイングに回っていますが、

それにしてもトップ下のメッシと1トップのアグエロのこの距離感といったら・・・・!


これでは1トップとトップ下のラインはボリビアの中盤のラインで完全に遮断されてしまっています。



事実、後半のメッシはドリブル開始地点が低くなり、

ほとんどボリビアの中盤に潰されていました。




・・・しかし、ここで注目すべきは

メッシが輝かなかった後半の方が「チームとしては輝いていた」というポイントです。



ここにメッシという希代のタレントを抱えた監督のジレンマがあります。




理想を言えば、「メッシ」も「チーム」も輝くシステムの構築なのは間違いありません。


・・・と言うより、そのシステムを構築出来ない限り、

この先に待つ強豪国との対戦、南米王者への道は厳しいと言わざるをえません。



試合終盤、メッシが中盤で「運び」に徹し、ドリブルからシンプルに両翼に展開⇒サイドのクロスから中にアグエロ、テベスが飛び込む! という形が良く機能していました。



どうやらここら辺を起点に、メッシとチームが最も輝けるポイントを探っていく大会になりそうです。





負けるにしてもせめて・・・・・アルゼンチンらしく!







関連記事
プロフィール

soccertentyou

Author:soccertentyou
年間300試合観戦のサッカー馬鹿によるサッカー馬鹿の為の戦術分析ブログ

【メールアドレス】
wowow_2000(あっとまーく)yahoo.co.jp

サッカー店長のつぶやき
最新記事
最新コメント
カテゴリ
読んだ記事が面白かったら1クリックをお願いします↓
サッカーブログランキング
更新カレンダー
06 | 2011/07 | 08
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
マイベストサッカー本10選
広告リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。