『歴史』が『金』に屈した日 【マンチェスターU×マンチェスターC】

*2011-10-26更新 (アーカイブ記事)







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<『歴史』が『金』に屈した日>

ユナイテッドファンの皆様、そろそろ冷静にダービーを振り返ってもいい頃合いでしょうか?(^^;


お待ちかね(?)のマッチレビューでございます(笑)



え・・・?



後半途中からの記憶が無い?



そもそも「ダービーなんて無かったんや!」って・・?



お気持ちはお察ししますがこの大一番を当ブログでスルーするのは不可能でございます(^^;



それにしても試合後にツイッターやブログなどを散歩して感じたのは
「完全にシティが悪役やないか…!」っていうその人気の無さ!!ww



今季のシティはヒール役としていい味出してますね。



なんだかアブラモビッチが来たばかりのチェルシーを思い出します。
あの当時は指揮官もハマり役の悪代官でしたっけ(笑)



でもそういう目で見ると6点目が入った後のマンチーニの"小憎たらしい笑み"もなかなかのものでしたが。

こちらは小洒落たマフラーも相まって悪代官というよりはマフィアのドンってイメージで。



さて、ここ最近の「マンチェスターダービー」を振り返ってみると、
ルーニーのオーバーヘッドにオーウェンの95分決勝ゴールなど何かとドラマチックな試合が多い。


しかしながらその構図は「ユナイテッドに挑むシティ」というもので、
プレミア全体で見ても試合の位置付け自体は「注目の一試合」にすぎなかった。


ところが今季は遂にシティが首位で迎えるダービーとなり、
戦力的にも開幕前からユナイテッドの対抗馬筆頭に推されています。


試合の格付けはもはや「ナショナルダービー(マンU×レッズ)」や
「これまでの優勝決定戦(マンU×チェルシー)」を超え「プレミア最大の大一番」となった感も…?



「シティの強さは本物なのか?」


「王者ユナイテッドに肩を並べ追い越しうるチームなのか?」



そして「王者ユナイテッドはこの最強の挑戦者を返り討ちに出来るのか?」



今日は今季のプレミアの行方を占う文句無しの大一番を検証していきましょう。




<「ファンタスティック4」の解体>

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ユナイテッドのスターティングオーダーは先週のリバプール戦で休ませた主力が"計算通り"スタメンに復帰。


代わりにミッドウィークのCLで先発のヴィディッチ、バレンシア、エルナンデスはベン

チへ。


"計算外"だったのはリバプール戦でフル出場のギグスがハムストリングを痛めたらしく登録外だった事。



まあ、彼の年齢を考えればフル出場に伴う怪我のリスクは当たり前だし、
そもそもシーズンフル稼働が見込めない事は予め分かっていたので止む無しか。




シティは意外にも自慢の「ファンタスティック4」を解体してきた。


ナスリとジェコがベンチスタートなのである。



今季のシティは前線4枚の「攻⇒守」への切り替えの遅さが難点だったが、
ユナイテッド相手の大一番とあって「攻守に働ける兵隊」ミルナーを右サイドに起用、

明らかにバランスを調整してきたと見える。



これで守備力と運動量は確実に上がった反面、
ナスリの「ボールを運ぶ力」と「ゲームメイク能力」が失われた為、
FWには「生粋のフィニッシャー」ジェコではなく

ある程度自分でボールも運べるバロテッリを起用。



ここらへん、相変わらずマンチーニは選手の組み合わせによるバランス調整だけは余念が無いなぁ・・・と。


まあ、展開次第ではいざとなったらナスリ、ジェコを投入すれば良いわけだしね・・。


(それにしても豪華なベンチだこと・・・(^^;)



試合前の想定ではまず、

「チーム力ではユナイテッド」「選手個々の能力ではシティ」

が大前提となってきます。



その上で展望を測るならば"ロースコアの1点勝負"、我慢比べの時間が続く試合展開であれば
最後はチーム力がものを言うユナイテッドの試合、
反対にハイテンポな打ち合いで点の取り合いになれば
選手個々の力に物を言わせるシティの試合と見る。




<攻めのもう一工夫>


試合はやはりチーム力で上回るユナイテッドペースで始まった。

シティはスターティングオーダーの意図からも分かる通りやや受け気味でのスタート。


ユナイテッドの攻撃はシティの「型の無い即興」とは正反対をいくしっかりとした自分達の形がある。


キックオフから繰り返し見られたのはルーニーが手前に引いて起点となり、
そこからワイドへ展開⇒サイドをえぐってクロスという「いつもの形」。



ところがワイドに展開するまではいいものの、
タッチライン際の1対1の攻防でシティは個の力で守れてしまうのだから何かちょっとズルイ(笑)


クリシーのスピード、リチャーズのフィジカル、
そしてフォローに加わるヤヤトゥーレのサイズときたら・・・。


ユナイテッドは例えクロスを上げたとしても
真ん中で待ち受けるコンパニ、レスコットの高い壁に何なく撃ち落されていたのが印象的。



更に中盤でもマンチーニの狙い通り、ミルナーがよく走って守備に貢献していたのは大きい。



【ミルナーの守備での貢献】
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ユナイテッドの要注意プレイヤー、ルーニーをコンパニとミルナーで囲い込む。


これはシルバには出来ない、マンチーニが期待した通りの働き。





これまでの相手であればユナイテッドはいつもの形で崩せていたのだが、
いかんせんシティのレベルになってくると
「個の力」を出させない「もう一工夫」の崩しが必要となってくる。



シティのフィジカルの強みもユナイテッドの攻めが「正攻法」だから発揮出来るわけで、
逆を取る発想や裏を突く意外性のあるパスであれば彼らの良さを出させる事なく出し抜けるのだが、
その為には中盤にどうしてもギグスが必要だった。



試合は「もう一工夫が出来ないユナイテッド」と「攻めの形が無いシティ」の睨み合いと

なり、やや膠着した流れのまま前半は推移していく。



<覇気の無いアンデルソン>


そんな展開の中、気になる点が二つ程。


まずはアンデルソンの覇気の無さである。


パスミスも多くプレーの「質」も悪かったのだが、
そもそも運動「量」も低かったのは大きな問題だ。


実際の試合から確認してみよう。



まずは守備の局面から。



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シティの中盤での組み立ての場面だが、シティのシルバ、ヤヤトゥーレに対し
フレッチャーが1枚で対応する完全な数的不利に陥っている。


原因はアンデルソンがチンタラ戻ってきている為、
本来とるべきはずの赤丸のポジションについていないせいである。


当然、この局面では軽々とシティに中盤を突破されている。



続いて攻撃でも。



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局面は左サイドでボールをもったAヤングが縦を塞がれ、中へと攻撃の方向を探り直している局面。


2トップのウェルベックとルーニーは縦に抜ける事で攻撃に奥行きを作ろうとしているが

手前のアンデルソンは完全な棒立ち。


これではAヤングに⇒で示したパスコースが無く、一旦ボールを下げざるを得ない。


距離にして1~2M,歩幅にしてほんの3~4歩、後ろにバックステップを踏んで赤丸のポジションを取っていれば
この後のユナイテッドの攻撃は全く違った展開になっていただろう。



…と言うように攻守に覇気が無かったアンデルソンだが、
ハッキリ言って隣にいるのがフレッチャーではなくロイキーンだったら

既に半殺しでも済まないレベルwww



この前半の動きを見て店長は「アンデルソンの下げ時」が一つのキーになってくる事を確信した次第。





そして、もう一点は「シルバを捕まえきれていない事」



この日、4-4-2の中盤左SHに入ったシルバだが、
やはりと言うべきかサイドに縛られる事無く実に自由な出入りを見せていた。


中に入ってきてトップ下よろしく振舞ったかと思えば下がって来ての捌きに、

時には逆サイドまで出張してきて局地的にミルナーと数的優位を形成したりとやりたい放題。



それぞれが持ち場のエリアを崩さずキッチリと守るユナイテッド守備陣に対し
シルバの「型の無い動き」が混乱をもたらした格好だ。



主にシルバのマークを担当する右SBスモーリングにしても

シルバに付いて逆サイまで行ってしまえば
空けた右サイドのスペースが気持ち悪いので中々難しい判断を迫られた事だろう。



そんな中生まれたシティの先制点は、やはりシルバが起点となった。


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局面はシティのスローイン。


ここでシルバの持つ「ポジショニングセンス」が光る。


定石通りユナイテッドのDFラインとMFラインの間に入り込んだと見る事も出来るが・・・



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それ以上に秀逸なのは前後左右ユナイテッドの"4選手のちょうど中間”に陣取っている事。


これが何を意味するのかはこの次の展開で明らかとなる。



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スローインからのボールがシルバに渡る。


シルバが4選手の中間で受けた事で、ユナイテッドは誰が付くのかが瞬間、不明瞭に。


一瞬の判断が勝負を分ける局面、
であるならば原則「自分が行く」しかないユナイテッドの選手達は結果として皆がシルバに向かう形に。


つまりシルバはこのポジショニング一つで
ユナイテッド守備陣4枚を1人で「食いつかせた」事になる。



当然4枚もの選手が1人に当たりに行けば他が空くという訳で
シルバは溜めを作ってからサイドをフリーで抜け出たミルナー(画像ではクリシーになってますが誤りでした(汗))へパス。


受けたミルナーは完全にサイドをえぐってからマイナスのクロスを折り返し、
これをバロテッリが恐ろしい程の冷静さをもってインサイドで合わせると
「ゴールへのパス」のお手本のようなコースへ流し込んだ。




ユナイテッドが優勢に試合を進める最中での不意な先制点。



だが、冷静に振り返ってみればこれは「シルバのポジショニングセンス」と
「バロッテリの技術」を褒めるしかない事故のような失点だ。



試合の流れ自体はユナイテッドが握っているのだし、何よりまだ時間は70分も残されている。







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仙道さん、連日ご苦労様です!






試合を見ていた店長もここで慌ててシティのペースに巻き込まれさえしなければ、
ユナイテッドは同点はもちろん、逆転も充分射程範囲だろうと見ていた。


これまで、こういう展開の試合ではスコールズ、ギグスが巧みにテンポを調整し、
負けているユナイテッドがゆったりボールを回し始めるという異様な光景を何度も目にしてきたからだ。


すると何故かリードをしているチームの勢いが削がれ、

次第に焦りが見え始めた頃にはいつの間にかユナイテッドのペースになっている。




そう、今日だってきっとスコールズが・・・・・・あ、引退したんだっけ。




じゃあギグスが・・・・・って、怪我か。






/(^o^)\ナンテコッタイ!





「こりゃ・・もしかしてユナイテッド、ヤベェんじゃねえか・・・?」とか思ってたら
案の定、ユナイッテドがにわかにバタつき始める。


逆にシティの攻撃は勢いづいて来た。


ユナイテッドの混乱を象徴するシーンを見ていこう。



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局面はユナイテッドが焦ってDFラインから大きく蹴りだしたボールを難なくクリシーに拾われたところから。


クリシーはここから自慢のスピードを活かしドリブルでボールを運ぶ事を選択。


これに対しユナイテッドはナニが追って併走し、スモーリングと挟み撃ちをかけるのかと思いきや、
この後スモーリングは背後のシルバが気になり中途半端なポジショニングをとった為、
クリシーはスモーリングの手前でドリブルコースを中へ取ってカットイン。



すると・・・・









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中盤スッカスカやぞ・・・!!www \(^o^)/




ユナイテッドのバイタルエリアに有り得ない程の広大なスペースが。


…って言うかボランチどこ行った?www



併走したナニ、背後に気を取られたスモーリング、何故かそこにいないアンデルソンとフレッチャーと
守備のミスが立て続けに4つも重なるという有り得ない事態はユナイテッドの焦りと混乱を象徴している。



この局面では結局、DFラインから自身の判断で飛び出してバイタルを埋め、
クルシーのドリブルコースを外へ流したファーディナンドの機転によって難を逃れたが、

これではファーディナンドが1人でCBとボランチの仕事をしているようなもの。


アンデルソン、ちょっとは仕事せいや・・!!www



続いてもう一つ。



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局面はシティの攻撃。アグエロの落としをシルバが受けるところ。


パッと見、シルバにはスモーリングがあたりに行き、
裏に抜けるミルナーをエバンスが抑えれば問題ないように思われるこの局面。



これがどうなるかと言うと・・・・





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何故かスモーリングとエバンスはサイドに流れたミルナーとクリシーが気になったのか
2人共がどちらにも付けない中途半端なポジショニング。


結果、シルバは完全にフリーのまま、ゴールへ向けて視野を確保出来ている。


もはや指揮系統がゴチャゴチャで誰が誰に付くかもハッキリしないカオスへと突入したユナイテッド守備陣。



この1シーンを見て店長は「あかん・・・これ今日は1失点じゃすまんぞ・・・」と確信。




<試合にケチが付いたロスタイム>


それでも何とか前半を0-1で折り返す事に成功したユナイテッド。


ハーフタイムでの立て直し次第ではもしかすると・・・とも思ったが、
後半のピッチにアンデルソンが出てくるのを見て嫌な予感が。


アンデルソンを下げるならこのハーフタイムしかないと見ていただけに
「どうかな~?」と思っていたのも束の間、
後半開始早々に2分にエバンスがまずい守備からバロテッリを引っ張って一発レッド。


(スタンドで観戦するギグスとヴィディッチの表情が物悲し気)



事実上、試合はここで終わったも同然。


個々の力で上回るシティを相手にチーム力で立ち向かうユナイテッドが数的不利になってしまっては
もうピッチに残るのは圧倒的な個々の能力差でしかない。


残りの40分はシティの面々が好きにサッカーをやって2点を追加し、
それでも何とかフレッチャーが一矢を報いて後半44分の段階でスコアは1-3に。



「まあ、今のシティと10人のユナイテッドが試合をしたらこんなところだろう」

と思ってチャンネルを変えようかというロスタイムにケチが付いた。


完全に集中力の切れたユナイテッドはロスタイムの3分間でまさかの3失点。



「後半早々に退場者を出した不運な敗戦【1-3】」は一転、
「ダービー史上に残る歴史的な敗戦【1-6】」へと姿を変えた。




それにしてもこれまでどんなに悪い試合でも
試合を壊すような事はまずなかったユナイテッドの醜態には驚かされたが、
『シアター・オブ・ドリームス』でこれをやっちゃあマズイでしょ~。



恐らく試合後のロッカールームではこちらも"歴史に残る"ような
ファーガソンの激が飛んだであろう事は想像に容易いですが、
来場者全員にチケット代の全額返金が検討されるレベルの試合ですよコレは。




<ユナイテッドの課題を暴いたシティ>


もちろん現在のシティとユナイテッドの間に【1-6】のスコアが示すような実力差は存在しない。


それは2ケ月ほど前、セスクとナスリが抜け、混乱の最中にいるアーセナルを8-2と下した時と同じ事。


言い換えれば今季のユナイテッドが新戦力の若手を複数起用しながら
ここまで無敗できていた事のほうが驚きであり、
ファーガソンがこれまで上手く "ごまかしてきた"手腕の賜物と言える。



ユナイテッドが抱える課題はやはり昨季からの持ち越しとなっている
「スコールズとギグスがいない中盤」だ。


これが改めて浮き彫りになった試合と言えるだろう。



チームが機能している時や上手くいっている試合では若手の勢いで押し切れるが、
一度上手くいかなくなった試合を立て直すにはやはりベテラン勢の力を借りなければならない。



リバプール戦ではスモーリングをパクが
Pジョーンズをギグスがフォローする事で上手く機能していたが、


ティレベルのチームが相手の時は今後もエバンス、スモーリング、アンデルソンらの
言わば"穴"となっている部分を突かれる可能性は高いだろう。


「チーム力でカバーする」と言っても
そのチームを構成する選手の質によっては限界があるというものだ。



ただ繰り返すようだが、この一試合の勝敗をもって
シティがプレミアのレースを頭一つ抜け出したと決め付けるのは時期尚早というものだろう。


現在のシティは展開がハマれば恐ろしい程の爆発力を発揮する反面、
まだまだ穴のあるチームという評価に変わりは無い。



この試合でも後半、こんなシーンがあった。



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局面はユナイテッドの攻撃、フレッチャーからルーニーにパスが渡る瞬間。


10人のユナイテッドはルーニーがCHの位置まで下がって攻撃を構築する事に。

(この時点で既に限界を感じるが・・・(^^;)



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フレッチャーはルーニーにボールを預けた後パス&ゴーをかける。


シティの守備陣はクリシーがナニにレスコットがAヤングに付いた為、
本来であればシルバがフレッチャーの上がりに付いていかなければならないのだが、ここで棒立ち。



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狙い通りルーニーからスルーパスが出て10人のユナイテッドが完全に崩している。


(こう見ればユナイテッドにもこの試合、充分に勝機があったのが改めて分かるというもの。

連動した攻撃さえあれば・・・)



これがユナイテッドのSHであれば、絶対に最後まで追う選手でなければそもそも使われる事はない。


シルバの「自由な動き」は実は諸刃の剣なのだ。



このようにシティにはまだまだチームとしての完成度に甘さがあり、
今後のリーグ戦でそれこそユナイテッドのように安定した勝ち点を計算出来るチームとは言いがたい。



ユナイテッドとすれば重要なのはむしろ次の試合となる。
1-6の惨敗とは言え、落としたのは勝ち点3の1試合分に過ぎない。


プレミアにはシティレベルのチームが他にゴロゴロといる訳ではないので、
これまでの戦い方を思い出せば、むしろ取りこぼしが発生する確率ではシティの方が上だろう。



だが、サッカーには「後を引く敗戦」「シーズンの行方を決定付ける試合」というものがある。


昨季の「0-5のクラシコ」や「4-0のミラノデルビー」がそうであるが、
この負け方は一歩間違えるとこの部類に入ってくる可能性があるだけに
ファーガソンがいかに切り替えてくるかに注目したい。



次節は内容はともかく「勝ち」が絶対に必要な試合となる。




シティとすればこの勝ち方は当然チームに勢いをもたらすだろう。


だが「勝っている時にこそ落とし穴がある」のもサッカーで
この間にいかにチームのディティールを詰め、
本物のチーム力として高めていくかが焦点になるはず。



もし、この勝利で「個の力で何とでもなる」と高を括ってしまうようでは
CLはおろかプレミア優勝も危なくなってくるだろう。



次のダービーはきっと優勝の行方を争う大一番になるのかと思うと今から楽しみだ。





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ビエルサの冒険 【Aビルバオの3-4-3】

*2011-10-03更新 (アーカイブ記事)










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<ビエルサの冒険 【Aビルバオの3-4-3】>


「日本一ビエルサを愛する男」「3-4-3でご飯3杯いける変態」こと店長が
今季、最も注目しているのがビエルサのビルバオです。



だったら いの一番に取り上げればよかったろうって・・・?





ええ、そのつもりはあったんですけどね。






あのビエルサが開幕からの数試合をまさか4-5-1で戦うとはね・・・。





その為にWOWOW契約している身としては
これはもう衝撃の「3-4-3詐欺」ですよ・・!!







・・いや、分かるよ。うん。







ビエルサの気持ちは痛いほど分かるさ。





そりゃービルバオはアルゼンチンのような強豪では無いし
目の前の試合もチリ代表時代のように勝敗が問われない親善試合など存在しない。



新天地で開幕から黒星が続けば自身の立場はたちまち危うくなってしまうだろう。






でもさ・・・・
















アンタから3-4-3取ったら何が残るよ?






という訳で4バックで開幕したビルバオは4戦終えて1分3敗の逆噴射ww


ここでビエルサもさすがに腹をくくったんでしょうね。


待望の3-4-3導入となった訳です。


そこで、店長ブログでは1シーズンに渡ってこのビエルサのビルバオと
その3-4-3が成熟していくまでの過程を何度かに分けて検証していくつもりですが、
今日はその初っ端の初っ端。


まあ、軽いプレビュー程度のものではありますが、
ようやくお目見えした「ビルバオの3-4-3」の輪郭に迫りたいと思います。



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上の布陣はあくまでおおよその一例ですので、
まだまだ試行錯誤のこの時期は試合によってメンバーの顔触れや各ポジションが安定しない時期。


ビエルサもリーグ戦をこなしながら色々と試している感じですね。



続いて各セクション別にその成果と現状を見ていきましょう。



<3バックは「守る為のもの」か「攻める為のもの」か>



まずは最後尾の3バックから。


3-4-3システムではこの最終ラインこそが「攻撃の起点」となります。


この3バックが両サイド一杯に開いて行う安定したパス回しが下地となって
中盤より前の7枚を攻撃に送り込めるという利点こそがこのシステムの肝。


つまりこのシステムにとって3バックとは、あくまで「攻める為のもの」なんですね。



ところが「バルサ」のような一部特殊なチームを除き、
通常多くのチームがDFを「守る為のもの」として考えている。


という事はそこで選ばれる選手というのも当然「守る為の駒」がセレクトされている訳です。


もちろん、このAビルバオもその例に漏れず

実にCBらしい屈強なDFが揃っていますがこれは「布陣」と「駒」の悲しいミスマッチ。




とにかくビルバオの3バックは悲しい程に展開力が乏しい!ww




「相手のボールを跳ね返す」事に関しては一流の彼らも
急に「今日からは攻撃の為にプレーしろ」と言われてもなかなか上手くいくはずもなく。



現状、3バックからのビルドアップは右から左、左から右へとカニ歩きのようなパスを回している間に
相手のFWFにつめられて大きく前に蹴り出すかGKへバックパスというのが定番。



なるほど、これを見ているとバルサの3バックにおける選手セレクトも妙に納得させられます。



あのバルサですら、3バックにプジョルを置いておく事は
マイボール時において確実にリスクをもたらしているのが目に付くというのに
ビルバオは「3枚がプジョル」という苦しさ(爆)


(プジョルファンの方ごめんなさい。
決してプジョルが悪い選手という訳ではなく、あくまで一例として・・・。(^^;)



特にビエルサの3-4-3では
時に両脇のCBまでもが攻撃参加する事が大きなウリ。


最前線のWGがドリブルで上がり,後ろからはSHがフォロー,
更にその大外からCBまでもが上がって来るサイドアタックは相手チームにとって大きな脅威となってきました。



しかし、現状ビルバオの選手構成も考慮してか
今はまだ3バックは常に3"バック"として3人固まっての後方待機が基本となっています。



この3バックの3枚がポジションを固定している事で
後方からの上がりと前後のポジションの入れ替えが無く、
ビエルサのチームにしては「チーム全体の流動性が乏しい」というのがまずは率直な感想です。



<突破出来ないウイング>


苦しい構成になっているのはCBだけではありません。

最前線の両WGもビルバオの苦しい台所事情が見え隠れします。


一言でいってしまえば"1対1で仕掛けていけるWGが不在"なのです。



ビエルサの3-4-3の右WGと言えば、
2002アルゼンチン代表におけるオルテガ、2010チリ代表ではAサンチェスと
これまで個の力でサイドを縦に中にと突破出来るWGがいましたが
ビルバオにはそういう選手がいません。



(正確には唯一ムニアインがこの資質を持っていますが、
ビエルサは彼をトップ下で使っています。その理由については次の項で)



確かに”1対1で突破できるWG”というのは世界でも希少種であり、
そもそも外から選手を取ってくるという補強の概念がないビルバオには難しい注文です。



ですが3-4-3では遅攻となった時にウイングが1対1で状況を打破出来ないと

どうしても攻撃が膠着しがちになります。



ここが不用意なカウンターをくらう原因にもなっている訳ですが、
どうやらビエルサはこのチームの両WGには別の役割を課して方向性を探っている様子。



ドリブラーではなくハードワーカーに恵まれた手駒を活かして
両WGには守備時に相手SBの上がりについていく役割と
攻撃時には「ドリブルで抜けないなら走りで出し抜け」とばかりに
徹底的に裏のスペースへ走りこませる動きを課している様子。


持ち駒に合わせた現実的な選択ですが、
ではこの両WGが裏へ抜ける間、誰がどこでボールをキープしているのか?


それが次の「不動のセンターライン」のセクションになります。




<不動のセンターライン>



CBの構成に苦心し、WGとSHの顔触れや位置関係をいじり回したりしているビエルサにあって
唯一固定しているポジションがあります。


それが「アンカー」のハビ・マルティネスと「トップ下」のムニアイン、
そして「CF」のジョレンテで構成される「不動のセンターライン」です。


現在のビルバオの生命線が彼らと言っていいでしょう。



まず「アンカー」のハビ・マルティネスから。


彼はバルサにおけるブスケスであり、Rマドリーにおけるアロンソになります。


地味ですが非常に頭が良く、攻守に気の利いたポジションがとれてパスを散らせる選手ですね。

(昨年のW杯でもスペイン代表に大抜擢されてましたっけね)


おそらくビエルサはマルティネスを起点に
ポゼッションサッカーを構築していくつもりなのではないでしょうか。



攻撃の「起点」がマルティネスなら「終着点」「目標」がCFのジョレンテです。


とにかくジョレンテのポストプレーは
現在リーガナンバー1と言ってもいいほど抜群の強さを見せます。


身体でDFをブロックしながら胸でボールをコントロールする上手さ、
敵を背負った状態から反転してシュートまでもっていく巧みさ。



まさにこれぞ古き良き「電柱」・・・・・もとい「CF」!!



ビルバオの攻撃は、
いかに良いタイミングでジョレンテにボールを当てるかが全てと言ってもいいかもしれません。




そして攻撃の・・・いや、チームの命運を握るのが若き天才ムニアインになります。


彼こそがチームで最も高い才能を備えた怪物です。


一度走り出したらファウルでも止まらないドリブル、
それを支えているのは天性の運動神経とバネの凄さ。


まだまだ荒削りですが「速い」「強い」「上手い」と三拍子揃った掛け値なしのプレイヤーといえるでしょう。



先ほど、ウイングのセクションでチラッと触れましたが
昨季はこのムニアイン、実はウイングのポジションで使われていました。


あのラグビードリブルをサイドで活かそうという意図だったんでしょうね。



ところがビエルサは就任以降、一貫してムニアインをトップ下で使っている様子。


これこそがビエルサの狙いが明確に現れている配置の一つと言っていいでしょう。



つまり、ビルエサはチームで最も安定した技術と高いキープ力を持つムニアインを
トップ下の位置に入れる事で
その力をより「ポゼッション方向」に活かしてもらいたいという意図ではないでしょうか?



確かにサイドで使ってガンガン縦に突破させるのも一つの使い方です。


ですが、これだと攻撃の「推進力」は増すものの、
やや一本調子になっていたのがこれまでのビルバオの泣き所でもありました。


要するに「緩急」が無いんですね。



これをハビマルティネスの散らしと敵が密集した中でもボールを受けられるムニアインによって
緩急をつけた高度なボール回しとポゼッションに挑戦中と見ました。



ちなみにこのトップ下にはよりセカンドストライカー、シャドーストライカータイプの
トケーロという素晴らしい選手がいます。


このトケーロは足元の技術こそ凡庸ですが、
DFラインの裏へ飛び出すスピードとタイミングが抜群で、
縦1本のロングボールから⇒ジェレンテが頭で落とす⇒トケーロが裏へ飛び出す
という形はこれまでビルバオの大きな得点源になってきました。


このトケーロをジョレンテのすぐ後ろのトップ下におけば
前後の入れ替わりも含めて往年の西沢&森島を思わせる絶妙のコンビも組めるのです。



しかし、ビエルサはこのトケーロをスーパーサブとして基本的にベンチに座らせています。




まー、ビエルサのサッカーに「縦ポン」(縦1本の放り込み)は無いな(笑)




そんなビエルサの頑固な一面が覗く采配ではないでしょうか。


(こういう細かいこだわりがビエルサマニアには堪らんのですよww)





<でも現実は・・・>



しかし現実にはビルバオの攻撃は下手に後ろでチンタラとパスを回している時よりも
縦1本でジョテンテ目掛けて放り込んでいる時の方がチャンスを作れていたりします。



「これが長年身体に染み込んだバスクサッカーのDNAか・・・」



後半、スクランブル態勢でスーパーサブのトケーロを投入すると
にわかに攻撃が活気付くのも事実。



このへんの「ビルバオ本来のスタイル」と「ビエルサが目指すスタイル」のギャップからいかに妥協点を探り、
どちらの良さも発揮できる着地点を見出すのが当面のビエルサの使命になってくるでしょう。




でも「3-4-3マニア」なら知っているはずです。



このシステムは完成までに非常に時間がかかる事を。





そして「ビエルサマニア」なら知っているはずです。




彼はこの3-4-3の構築において今まで一度も失敗した事がない事を。





今後も引き続きビエルサのビルバオをどうぞヨロシク!



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