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これがカルチョ流バルサの倒し方! ~ACミラン×FCバルセロナ~

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<これがカルチョ流バルサの倒し方>


●ACミラン(CL 1stレグ) ●Rマドリー(コパデルレイ 2nd)  ●Rマドリー(リーガ26節)


な・・・中3日でバルサが黒星3つだと・・・!?


一体バルサに何が起きたと言うのか?


まだカンプノウでの2ndレグを残しているのでどうなるかは分かりませんが
もしここでCLの舞台を早々と降りるような事があるとリーガを制しながらも
「バルサ時代の終焉」なんて言われかねない事態になってきました。


10年後、20年後にサッカーの歴史を振り返った時、
「バルサの黄金期はあのミラン戦で終わったよな・・・」なんて言われているやもしれません。


そう、全ては誰もが予想だにしなかったミラン(笑)・・・もといミランに0-2で負けた
あの試合こそが全てのつまづきの始まりだったのです。


そう考えた時、ふと思い出す試合があります。


1994年チャンピオンズカップ決勝―

FCバルセロナ×ACミラン


当時クライフ率いるドリームチームは黄金時代のピークにあり試合前の下馬評では圧倒的なバルサ優位。

クライフも「どちらが勝つかではなく、バルサが何点とるかの試合」と完全にミランを見下ろしていましたが、
蓋を開けてみれば天才サビチェビッチの活躍もあり4-0でミランの圧勝。


未だにクライフのドリームチームを振り返る時、
この試合が終焉へと向かったターニングポイントとして語り継がれています。


再び歴史は繰り返されるのか―


今日は「ミラン×バルサ」の試合を徹底検証する事で「奇跡」と呼ばれたミランの勝因と
バルサの問題点をあぶり出していきたいと思います。



<"監督不在"のバルサと"監督のチーム"ミラン>


・・・とは言え、20年前にドリームチームを下したミランのメンバーを今改めて振り返ると
マルディーニ、デサイー、ボバン、サビチェビッチと一線級が揃っており
当時の下馬評が明らかに過小評価されていたフシがあります。


ところが現在のミランは正真正銘、「挑戦者」「持たざる者」「巨人に挑むドンキホーテ」に過ぎません。

「一体どうやったらこのメンバーでバルサに勝てるというのか・・・」

そんな両チームのスターティングオーダーを確認してみましょう。


【FCバルセロナ×ACミラン】
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バルサは今季のベストメンバーで今日も平常営業。
(多分このチームはJリーグのベストメンバー規定が適用されても大丈夫ww)

というよりニューヨークで療養中のビラノバに代わってベンチに座る代理監督ロウラは
その日のベストメンバーをピッチに送り出した時点で仕事の大半を終えてしまっている。

メンバー表だけを見比べると「圧倒的じゃないか・・・我が軍は」(by ギレン大佐)となるバルサにとって
その最大の不安要素が「安西先生(監督) 不在」であります。



一方、ベスト16に勝ち残った全チーム中、最小の勝ち点(8)で決勝Tに滑り込んできたミラン。
(ちなみにバルサは倍の勝ち点16を荒稼ぎして余裕の突破)


今季アッレグリはメンバーと布陣を色々といじくってきましたが
ここにきて新エース、エルシャーラウィの左45度から斜めにカットインする持ち味と
新星ニアンのスピードを両ウイングで活かす4-3-3に落ち着いた感があります。
(にしても・・・どっからこの掘り出し物を見つけてきた?ww)


この試合ではCFに只今爆発中のバロテッリが使えないのと
(今季、既にシティでCLの試合に出場している為)
攻撃力は魅力ですが守備面を考慮した時に穴になりかねないニアンをスタメンから外し
バルサ相手という事でより守備を意識したメンバー構成になってはいますが。


但し、元々プロビンチャ(カリアリ他)で頭角を表したアッレグリは
ミランのメンバー構成が地味になるにつれ、むしろ自分の色を強く出せるようになってきており
ロナウジーニョ、イブラ、セードルフ、パトと徐々にスター選手がチームを去って行ったのはむしろ好都合だったかもしれない。


現在のミランは誰のチームでもない、まさに「アッレグリのチーム」となりつつある。



<アッレグリのレッスン バルサの封じ方>

では、アッレグリの「バルサ封じ」を一つ一つ順を追って紐解いていくとしよう。

当然だがまず個々の能力では太刀打ち出来ないミランは、
いかに効率的に数的優位を作り出すか?が大きなポイントになる。


そこでアッレグリはバルサのDFライン4枚を丸々放置する事で自陣で10対6の数的優位を作るという随分割り切ったプランを用意してきた。



【バルサのDFラインを放置する事で自陣で数的優位を作るミラン】
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これが個々の能力でも勝負出来るマドリーのモウリーニョと立場が違う点で
マドリーの方はマンマーク気味にバルサの各選手を殺す事で自分達から積極的にボールを奪う方向に進化している。

反対にミランが実践するカルチョ流は簡単には自分達からボールへアタックしない「待ち」のディフェンスが特徴。


とは言えバルサにとって「自陣に引かれてゴール前が数的不利」は日常的な光景であり
単なる人海戦術のブロック守備では数的不利のバルサに簡単に崩されてしまうだろう。

何故なら彼らはその道のスペシャリストだからである。



そこで次なるキーポイントは自陣で作った数的優位をどう有効活用していくか?が重要だ。


アッレグリが出した答えは
中盤のラインは下げる、だがDFラインは下げない(むしろ少し上げる)というもの。


守備時、両WGが中盤のラインまで降りてくるミランの4-5-1は
中盤のライン設定こそ深いがDFラインまで下げている訳ではなく、むしろ高めの位置に保たれていた。

当然、これだと中盤の深いエリアとDFライン裏にポッカリとスペースが出来てしまうのだが、
果たしてアッレグリの狙いはどこにあったのだろうか…?

これを考えるにあたってはバルサの攻撃の特殊性から再検証していく事で
アッレグリが辿った思考経路を再現してみたい。


【バルサの攻撃の特殊性 その1】

●ミドル及びロングシュートの極端な少なさ


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バルサにとってシュートとは勢いに任せて打つものではなく、
「確実にゴールへ入れる為の手段」でなくてはならない。


日本の部活動などでは未だにシュートさえ打っておけばチームメイトや下級生から
「ナイッシュー!」「ナイスチャンジ!」などの掛け声が飛ぶ光景はめずらしくないが
バルサはそういった観点でこの競技を捉えていない。

むしろ不確実なシュートや強引なチャレンジはみすみすマイボールの権利を相手に渡す
恥ずべき行為であり、そういったプレーはカンテラの段階で矯正されていく。


サッカーではゴールが生まれるシュートゾーンは実にその7割以上がペナルティエリアの中であり、
中でもバルサはゴールの確率が最も高い相手DFラインの裏を取りペナルティエリア内でGKと1対1というシーンを
どうやったら理詰めで作れるか?という目的に向かって全てのプレーが構築されている。


故に中盤のエリアですべきプレーは不確実なロングシュートを放つ事ではなく
いかにDFラインの裏を取るための一つ前段階としてMFラインの中、
すなわちバイタルエリアにボールと人を送り込むという事にある。


無論、これでミランの相手がバルサではなくジェラードやらランパードらがいるチームであれば
ミドルシュート打たれ放題の涙目プランである事は間違いないだろう。

だが、ことバルサに限っては中盤のラインを下げてこのエリアを明け渡しても
そこから直接シュートが飛んでくる事はまず無いと想定する事が可能なのだ。




【バルサの攻撃の特殊性 その2】

●縦1本のミドルパスに対する優先順位の低さ

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同様の理由でバルサでは中盤の低い位置から相手のDFライン裏へ目掛けて長いボールが蹴り出されるシーンは極端に少ない。

パスは距離が長くなればなるほど精度は落ちるし、
浮き球になる事で受け手に求められるコントロールの難易度は飛躍的に上がってしまう。

それにMFとDFの2ラインを一気に飛び越そうとすれば、敵のヘディングに遮られる確率も高くなる。

故にバルサは徹底してグラウンダーのパスでこの2ラインを一つずつ崩す事にこだわり抜く。


だが、アッレグリからすると、このタテ1本の優先順位の低さが
DFライン裏に対する警戒を下げてもリスクは低いという決断を後押ししたに違いない。


これならばDFラインは高い位置に上げても大丈夫だろう…と。





【バルサの攻撃の特殊性 その3】

●サイド突破からのクロスに対する驚異性が皆無

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更にバルサはリーガ20チーム中、2位に大差をつけてパス総数の多いチームであるにも関わらず、
クロスの本数は最下位という変態チームである(笑)

仮にクロスを上げられたとしても正攻法の空中戦ならばミランにとって驚異性は皆無。


つまりアッレグリは自陣に引かせた10人に対しこう指示出来たはずなのである。

『ブロックの前で持たれる分には構わない。好きなだけ回させるといい。
DFラインも背後を気にする必要は無い。思い切って高い位置を保ち続けよう。
両サイドのスペースも放置でOKだ。
むしろバルサの攻撃がクロスで終わってくれるなら好都合とさえ言える』




とどのつまり、君達(バルサ)は結局さ・・・








ここを使いたいんだろう?あぁん…?って話な訳ですよ(笑)
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中盤とDFラインの間のバイタルで誰かが間受けしないと攻撃が最終局面に向かわないのが
バルサの潔癖症とさえ言えるサッカー哲学が生んだ落とし穴。

【バルサの攻撃の特殊性 その4】


故にアッレグリはありったけのリソースを全てバイタル封鎖に注ぎ込んだのである。


ミドルシュートは放置、

DFラインの裏も放置、

サイドは好きだなけ使わせる・・・


だがここ(バイタル)だけは意地でも使わせないぞ!と。


これはかなり思い切った決断と言える。


通常サッカーではディフェンスの際の優先順位が
まずはシュートを打たせない事⇒次にDFラインの裏を取らせない事⇒最後にタテパスを出させない事…となっていくのだが
そういった基本を完全に無視してまで対バルサ用シフトを組んできた訳だ。


経過はどうあれ結果として「失点しなければ負ける事はない」=これがカルチョ流の答えである。


それでは実際の試合からミランのカルチョ流バルサ封じを検証してみよう。



【食いつかないミラン】
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局面はイニエスタがミランが空けた中盤のスペースでボールを持ち出している場面。

イニエスタはゆったりとしたペースのドリブルで完全にミランの中盤を"誘っている"。

(いやらしいっすな~(^^;)


だが、ミランは一切誘いに乗るそぶりも見せないカテナチオ。

(こんな難攻不落の女は嫌だww)


相手の方から領内に入ってきた場合は速やかにこれを排除に向かうが、決して自分達から出ていく事はしない。

故にバイタルエリア近辺は常にコンパクトに保たれているのである。



【間受け封じ】
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同様にミランは"間受け"に対するケアも半端じゃ無かった。

ミランの2列目は横幅68Mのピッチにただでさえ5枚の選手を並べているにも関わらず
両WGが外を捨てて中に絞ってくるものだから各選手の間隔が極端に狭い。

これではさすがのバルサも間受けの為のタテパスがそもそも出せないのだ。


ロウラ代行監督
『えぇい・・・!! 何をしておるか! 間受けがダメならメッシ無双発動じゃ~!!』




【メッシ無双シフト】
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ミラニスタ『小僧、カルチョを舐めるなよ・・・?』


↑この凄まじいバイタル閉めを見ていただきたい。

中盤もゴール前もサイドも捨てたミランの本気がヤバ過ぎるwww

まさに蟻一匹入り込む隙間の無いバイタルエリアにそれでも突っ込むしかないバルサ。


Vボメル『セリエAならメッシは年間30ゴール以下だ(キリッ!)』



間受けがダメ、メッシ無双も封じられた。

それじゃあ…という事でバルサは今季の新たな武器となっている両サイドを使った揺さぶりに切り替えるのだが・・・?



【サイドを使った揺さぶりへの対応】
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局面はバルサがSBのDアウベスを上げてサイドからの揺さぶりを試みる場面。


ミランはバルサのSBがボールを持つと一度WG(ここではエルシャーラウィ)が寄せるのが基本。

Dアウベスは寄せられた事で無理はせずに一度後方のセスクへボールを下げる。


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さあ、ここが勝負の瞬間だ。


一旦後ろにボールを下げた作り直しからビシッ!と勝負のパスを通してくるのがバルサの油断ならないところ。

この場面でもセスクの身体の向きとDアウベスの状態から
普通ならもう一度Dアウベスへ展開を図ると読みそうなところだが、まさにそれこそがバルサの誘いだった。

外と見せといて中のバイタルを狙うセスクのプレーはバルサの真骨頂なのだが、
アッレグリは事前にこの形も研究し尽くしていた。

次のエルシャーラウィの決断が勝負を分ける。



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エルシャーラウィ『甘いわっ!!』


一度外に釣り出されてもボールが後ろに下げられて作り直しが図られたなら
速やかに当初の原則に戻って「中を絞る」が徹底されていたミラン。

本来、攻撃のプレイヤーであるエルシャーラウィにも確かに流れるカルチョのDNAが躍動している。


バルサは前半からしきりに両サイドを往復させる横パスでミランに揺さぶりをかけるが
ミランディフェンスには全く綻びが見られない。

なんか皆、輝いてるね・・・。




<ミランの攻撃プラン>


バルサにはもう一つ、ミランのバイタル閉めに付き合わず両サイドを徹底して攻めるという
ビラノバ路線を推し進めた攻撃のアプローチもあったはずだが、何故そうしなかったのだろうか?

まず考えられるのはリーガの試合と違い、メッシを中にオトリとして残したまま責め崩せる程、
ミランのディフェンスレベルは甘くなかったという事だろう。

もう1点はミランの攻撃アプローチによる事情だ。


そもそもミランはこの守りで奪ったボールをどのように攻撃に結びつけるつもりだったのか?

この守備では必然的にボールを奪う位置が自陣深いエリアにならざるを得ないミランは
獲ったボールは無理につなごうとせずシンプルに両サイド裏のスペースへ蹴り飛ばして
エルシャーラウィのスピードとボアテングの機動力に全てを託していた。

要するにまあ「ワテら リソースのほとんどを守備に使っちゃってるので
攻撃はシンプルな事しか出来まへんわ」
という話。

ただ、その最小限の事しか出来ない状況でもアッレグリのプランは実に理に適ったものだったように思う。


バルサはボールを失った際、攻撃の勢いをそのまま守備に繋げる前プレが強みなのだが
ミランがここでいきなり中盤をすっ飛ばしたパスを蹴り続けたものだから
バルサとしては失敗に終わった攻撃を守備に繋げる事も出来ず、実にリズムに乗れない試合となってしまった事。

そして両SBの裏を徹底してエルシャーラウィとボアテングに狙わせた事で
バルサのSBが攻め上がる際の抑止力になっていた事。

そもそも厳しい前プレを受けても中盤で繋げるアロンソ、エジルのような選手もいなければ
単独で長い距離を運べるロナウド、ディマリアのような選手もいないミランの人員構成を考えればこれしか無かったとも思える。


それでいてこの一見アバウトな攻撃の狙いには更に続きがある。

両サイドの裏を狙ったロングボールは必然的にそのままタッチラインを割る事も多かったのだが、
実はこれもアッレグリの狙いの一つだったのだ。

ミランはカウンターのパスがタッチラインを割ってバルサ陣内でのスローインとなると・・・




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一転して前プレ敢行wwwww


なるほど、スローインならバルサにデラップでもいない限り30Mも40Mもボールが展開される事は無い。

しかもバルサはスロアーに1人割いてるからピッチ内に残るフィールドプレイヤーの数では10対9でミラン側が有利だ。

だったらこの隙にDFラインを押し上げて陣地を回復し、更にスローインには前プレをかけてボールを奪ってしまえば
一気にショートカウンターでチャンス到来じゃね?ときたもんだ。


つまりアッレグリが考えた攻撃プランはこう↓


奪ったボールは両サイドの裏に蹴り出して、あわよくばエルシャーラウィorボアテングが拾えればラッキー



ダメでもタッチラインを割った隙にDFラインを押し上げて陣地回復、
なおかつスローインに前プレかけて気分的にはカウンター続行中



なにこのラグビーwwww

(確かラグビーにはラインアウトを使ったこういう戦術があったはず(笑))



バルサとやる時は、なるべくバルサに"サッカーをさせる時間"を短くする事が大切なのだ。


ただ、実際にはこのアバウトな攻撃プランでバルサから点が取れる確率は極めて低いであろう事はアッレグリも承知の上。
それだけにFKのこぼれ球から生まれた望外の先制点が持つ意味は大きかったに違いない。

(いつも通り本ブログではハンドの判定問題について今更言及はしないが、90分トータルで見た時、
さすがにバルセロニスタも敗因を判定に持っていくのは難しい試合ではなかっただろうか? (^^; )




<メクセスの覚醒>

こうなってくるとバルサはいよいよメッシ頼みとなってきた。

元々、今季のバルサについては最後の仕掛けの部分をほとんどメッシに託しているようなものだが、
苦しい試合ではその傾向がより顕著になる。


守るミラン側から見ても、やはりバルサを止めるにはそのメカニズムを完全に寸断させるところまでいっても尚不十分。

リーガでも今季はバルサ相手に随分いい内容の試合をするチームが増えてきてはいるが
結局最後はそれまで眠っていたメッシの一発で全てが水の泡・・・という試合がいくらでもあるからだ。


そう・・・メッシを止めずしてバルサに勝つ道は無し!


そこで「ストップ・the・メッシ」をかつて上手く成功させた他でもないミランの事例を今一度思い出していただきたい。


【ミランのメッシ包囲網 (11/12シーズン CLより)】
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ボールを受けるメッシにはCBのTシウバとボランチのVボメルが背後から寄せて
その裏をネスタのコーチングとカバーリングがケアする完璧な形。

(ミラニスタにとっては出てくる名前の豪華さが泣けてくるwww)


一方、今回の試合ではCBのメクセスが前半25分という早い段階でイエローカードをもらう苦しい展開。

こうなると早くもメクセスが退場まで何分持つかと(・∀・)ニヤニヤしながら見ていたのだが・・・?(笑)


だが、メクセスはこれでも数シーズンに渡りネスタの隣で直に守備の極意を叩き込まれてきた男。



あと1枚で退場という窮地に追い込まれた事でかえってメクセスの集中力は極限まで研ぎ澄まされていく―





【メクセス対メッシ】
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局面はメクセスがイエローをもらった直後の前半30分のシーンから。

Dアウベスから得意に中盤に降りてくる形でメッシがボールを受ける場面。


それまでDFラインから飛び出す事なくラインの維持に努めていたメクセス。

しかし、イエローをもらった事で彼の中の何かが変わり出す。



『いいかメクセス?・・・俺達CBってのは一度のミスが命取りになるポジションだ。
だから一番大事なのは技術でも身体能力でもない・・・・集中力なんだ』





メクセス(な・・・何だ? この大事な時にどこからか声が…?)





『だから"行く"と一度決めてDFラインを飛び出したらどこまでも付いていけ・・・
そして必ず潰せ!






メクセス(ええい・・・!今はこんな幻聴に耳を傾けている場合じゃない、メッシにパスが入っちまう!)





『確かに俺達がいくらいいプレーをしていても見た目は地味だし、評価もされない。』




メクセス(クソッ!考えるな!感じろ!そして極限まで集中して直感でプレーするんだ…!)






『でもな? だからこそ・・・・・















『俺達CBが決死の覚悟で決めるインターセプトは
最高にカッコイイと思わないか?』

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メクセス『うぉぉぉおおお・・・!! 行けぇぇえええ!!』
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この時間帯から明らかにメクセスの動きに躍動感が溢れ、機を見ての絶妙な飛び出しが
アンブロジーニとピタリと連携し、メッシから何度となくボールを奪う場面を作り始めた。


はて・・・?この日のピッチにVボメルとネスタを見たのは私の幻覚だろうか?
(全ミラニスタが涙した)


まるでTシウバの寄せの速さとネスタの読みの深さが融合したかのような
この日のメクセスのプレーはもはや過去メクセス(笑)と言ってネタにしていたプレイヤーとは完全に別人!


これはメクセスであってメクセスではない・・・・








もはやネクセスだ!!

(無論、ガゼッタデロ店長が選定するMVPはメクセスで評価点は8・5!)



<メッシにマンマーク・・・? 片腹痛いわ!>


そう言えば試合前にガリ○ーニのこんなコメントが現地紙に載っていた事を急に思い出しました。


ガリ○ーニ『バルサ戦は2トップにしてメッシにマンマークを付ければ勝機はある。
2トップに誰を使うかって? (私のお気に入りの)ロビーニョが何かを起こすだろう(キリッ!)』



これを受けて「帰ってウイイレでもやってろwww」とでも言っているかのようなアッレグリのプランニングが痛快だ。

蓋を開けてみればミランは⇒3トップ(1トップ)でメッシには特定のマンマークを付けず、ロビーニョはベンチにすら入らなかったwwww


メッシに対してもボールが入りそうな時には潰しに行くが
全体の布陣バランスを崩してまでマンマークを付けるつもりは毛頭なかったに違いない。

それでいながら、そもそもメッシにパスを入れさせんとするミラン守備網の駆け引きも見事なものだった。


【マンマークではなく組織としてメッシを使わせないミラン】
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局面はバルサの中盤での球回しだが、シャビがボールを持つと同時にミランはスッと実に自然な動きでメッシへのパスコースを閉じる。


だが、バルサは何度でもやり直せるのでシャビは一旦後ろへボールを下げる。



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ボールがピケに渡った後もミランは数人が組織として連動してギュッと中に絞りメッシへのコースを消しているのがお分かりだろうか?


バルサはピケから一旦サイドにボールを展開し、メッシへ入れるコースの角度を変えるも・・・・




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ここでも全員が連動してメッシを完全に試合から孤立させているミラン。

メッシは前は中盤のラインにパスコースを塞がれ、
後ろからは覚醒したメクセスとアンブロジーニが迫ってくる苦境に陥ると遂に前半の半ば過ぎから・・・




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サイドに撤退!!(懐かしの右ウイングです。ハイ)


これにてミランの完全勝利となった。
(アッレグリのプランが完璧すぐるwww)


一体誰だ? メクセスを散々ネタに使ってきたのは?



・・・ハイ、僕です。



誰だ?ミランはオワコンとか言ってdisってたのは?



・・・・焼き土下座でよろしいでしょうか?(笑) ○| ̄|_



<遅かった交代策とアッレグリのプランB>


さて一方のバルサ側からこの試合を振り返った時、明らかに交代策が遅きに失した感は否めない。

前半からことごとくミランに読まれている攻撃と俄然守備で勢いづくカルチョの権化ミラン。

この「はめられている感」を試合から敏感に感じ取れたなら前半20分の段階で
選手交代かプランの変更があってしかるべきな内容だったとさえ言えるだろう。


だが実際にバルサベンチが最初のカードであるAサンチェスを切ったのは実に62分の事。

ようやくサイドを捨てているミランにサイドで突破力を見せ始めるバルサなのだが、
それまでの60分をドブに捨てている感の方が強かった。


そしてこの交代を見たアッレグリはテクニカルエリアに飛び出てくると
「その交代策までこちらは織り込み済みさ・・・」と言わんばかりにプランBを発動。

実際の試合からAサンチェスにボールが渡った局面を見てみるとミランが用意したプランBの存在は明らかだった。



【Aサンチェスへの対応】
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局面はバルサが右サイドから左へ左へとパスを繋ぎAサンチェスまでパスが渡った場面から。

明らかにこれまでミランが見せてきた一応ボールが出たから寄せるといった類のものではなく
本格的にDFラインから飛び出してサイドの縦突破をケアする守りを見せているのが分かる。

更にアバーテが一度Aサンチェスの足を止めると・・・




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これに連動してボアテングが寄せてサイドで2対1の数的優位を作るこの動き・・・

今度はサイド放置から一転して、カルチョの教科書から飛び出してきたかのような
モウリーニョインテルばりのサイド封鎖!!


カルチョのクオリティ SUGeeeeEEEE!!!!!


試合の状況、相手の出方に応じてすぐさまカルチョの歴史から対応の引き出しが出せるミランと
頑なに自分たちのサッカーを貫いたバルサ。

サッカーではどちらのチームが勝つパターンも存在するが、この試合は明らかに前者の方だった。


ちなみに試合を決めた後半36分のミランの追加点はバルサ陣内でのスローインを
ミランが前プレから奪ったカウンターが起点になっていた。


錚々たるクラブの面々が顔を合わせたCLベスト16。

最後に登場したミランの試合を見ながら僕にはアッレグリのこんな自虐節が聞こえてくるようだった。


アッレグリ
『モウリーニョ?確かに彼はスペシャルワンだろうね。
何故なら彼の元には常に世界一の駒が揃っているのだから』

『同様にペップには世界一のカンテラがあって、ファーガソンには長期政権が約束されている。』


『はて・・・? では主力は毎年流出するし、オーナーが口うるさい上にユースが機能していないチームで指揮をとった経験が彼らにはおありかな?(涙目)』



<時代が選ぶサッカーは?>

この試合をバルサ視点で振り返れば必要だったのは素直にサイドでの驚異、つまり突破力である。


ドーリームチーム時代、クライフは両ウイングの選手に対し、
「常にカンプノウのタッチラインをまたいで立て」と指示していたと言う。


もしペドロ、イニエスタの位置にかつてのオーフェルマルス、フィーゴのような選手がいたら―


中盤の底に両サイドのタッチラインまで一本のパスで散らせるグアルディオラのような司令塔がいたら―


これは、多くのチームが両サイドからのクロス攻撃を主体としていた時代に
敢えて中央突破に特化する事で時代を謳歌してきたバルサが迎えた転機なのか?


無論、2ndレグではバルサのサッカーがハマる可能性もまだ充分残されている。


それにミランのサッカーもバルサ以外のチームに同じように通用するとは到底思えない代物でもある。


フットボールの未来はカオスだ。


果たして時代はどちらのサッカーを選ぶのだろうか―


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