イタリアと日本に見る"ミス"に対する意識の差 ~日本×イタリア~

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<イタリアと日本に見る"ミス"に対する意識の差

事前に予想された結末の内の一つだったとは言え、
日本代表は残念ながらコンフェデレーションズカップを3敗で終える事となりました。

本ブログでは大会前、日本が入ったAグループについてはブラジルの1位抜けは確定としても
モチベーションの低いイタリアを叩いてメキシコと2位の座を賭けた一騎打ちへ…というシナリオを描いており
実際にその可能性は充分あっただけにこのイタリア戦は勝ちたかった・・・否、勝ち点は取らねばならない試合だったと確信している。


そこで今日は"勝ち点0"の直接の原因となったイタリア戦の敗因を探りつつ、来年の本大会に向けた課題も考えてみたい。


<余裕のイタリア 立て直したい日本>
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イタリアは今大会に入ってからいきなり4-3-2-1のオプションを試し始めているあたり、
来年の本大会へ向けた文字通りテスト志向の強い入り方が伺える。

メキシコ戦ではこの布陣が見事に機能したイタリアがピルロ、デロッシ、モントリーボの自由自在なゲームメイクも光って完勝を収めている。

EURO2012の初戦でいきなり3バックの奇策を用いてスペインを封じ込めた事と併せて考えても
やはり日頃カルチョで洗練されている彼らの戦術理解レベルは非常に高いという事なのだろう。

尚、メキシコ戦との変更点は右SBに本来は中盤のWBを本職とするマッジョを起用して攻撃色を更に強め、
2列目の一角にマルキージオに代えてアクイラーニを使う事で中盤のポゼッション志向を最大限に出してきたメンバーと言える。


一方の日本代表は初戦の惨敗(0-3)からどうチームを立て直すかが最大のポイント。

岡崎1トップの奇策から"いつもの布陣"に戻す事で本来の戦い方に立ち返りつつ、
選手ひとりひとりのリバウンドメンタイリティにも期待したい。


<日本を助けたイタリアの緩さ>
 
試合はキックオフから日本が完全に主導権を握る事に成功。

初戦のブラジル戦、開始早々にワールドクラスの違いを見せつけられた事で完全に萎縮してしまった事を思えば理想的な立ち上がりと言える。

…だが、この日本ペースはイタリアの"緩さ"に大いに助けられたものであった事も間違い無い。

例えばこんなシーンを見ればそれは一目瞭然だ。↓


【日本を助けたイタリアの緩さ】
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ハッキリ言って、今時ウズベキスタンでもオマーンクラスでも日本の遠藤をここまで野放しにしておくチームはいない。

過去の日本の試合を1試合でもまともにスカウティングしていれば、
攻撃の起点である遠藤に対してイタリアのこの振る舞いは有り得ないものだ。ましてや彼らはカルチョの本家である。

故に日本が主導権を握るのも当たり前の話。
アジア予選だってここまで"温い"相手はいなかったのだから(笑)

特にイタリアは序盤、日本のストロングポイントである左サイドに対してあまりに無防備だったと言えよう。


【日本の左サイドに対するイタリアの守備】
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局面は日本の最終ラインでのビルドアップから自由を謳歌する遠藤がCBの間に降りてきて3枚で組み立てるシーン。

イタリアはこれ以上日本に好き勝手やらせたくないので、少しでも前プレをかけてパス回しを妨害したいところ。

ここは本来日本の最終ライン3枚に対してバロテッリ、ジャッケリーニ、アクイラーニの前線が3対3を作りたいシーンなのだが、何故かアクイラーニは香川をケアするようなポジショニングで微動だにせず。

仕方なくデロッシが「…しょーがねえな」という感じで一列上がって今野へプレスをかけにいかざるを得なくなっている。


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イタリアがマークのズレによって前プレのタイミングが1テンポ遅れた事で日本が長谷部を経由して今野へボールを展開。

この時イタリアのSBマッジョはアクイラーニが香川に付いているのを見て自分が長友に付いて、
アクイラーニが中の香川へのパスコースを切る関係を描いたのだが・・・


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マッジョ「なんでそこで急に長友へ行く!?www (涙目)」

さっきまで香川についていたアクイラーニが何故かここで急に長友へ付いた事で中の香川がフリーでボールを受ける事に。

そもそも前プレの段階ではアクイラーニが変に香川に付いた事でデロッシが前へ出て行くハメになり、
いざとなったら今度はその香川を外して長友へ付いたりとイタリアのマークの混乱は内部から生まれている(笑)


フィールド上に出来るオープンスペースへの嗅覚が鋭い香川は序盤のイタリアの混乱を見抜いてイタリアの右サイドを制圧。

日本が左サイドから次々とチャンスを作り出していく↓

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イタリアの右サイドを狙いどころと定めた日本。
このシーンでも吉田から長友へサイドチェンジすると今度はアクイラーニも素直に長友へケアに向かったようだが・・・


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長友はボールを受けると一度後ろにはたいてパス&ゴー。この後ろにはたかれたボールはダイレクトで香川へ。

すると今度は香川へマッジョが向かって、アクイラーニが長友を抑える関係になるのだが
長友のパス&ゴーにアクイラーニは全く付いていく素振りも見せず・・・


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あれ…?もしかしてアクイラーニ寝てる…?www

ワンツー1本挟んだだけでスッカスカやないか~い!www

試合では緩々のイタリアに対して日本が当たり前のように2点を先行。
(これはひどいザルナチオですね!!)


極めつけは2-0となった瞬間のイタリアベンチの表情がコレである↓

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ププーッ!(*≧m≦*) あいつらジャポネーゼ相手に0-2だってよwww」


・・・完全に舐めとるやないか~い!
(両手を広げたプランデッリの何とも言えない表情がまた哀愁を誘うww)


コレですよ。過去参加したコンフェデでは全てグループリーグ敗退のラテン気質=イタリアーノ。

これがあるから日本もこのグループで勝機があると思ってました!


<長所こそが弱点になりうる時>

このあまりのザルナチオぶりにはさすがのプランデッリさんも激おこプンプン丸状態。

懲罰的な意味合いも込めて早くも前半30分にはピッチで寝ていた疑惑のアクイラーニを交代させている。

(既にリードされている状態だったので守備固めともいかず、
代わりに攻撃力のあるジョビンコを右ワイド気味に置くことで長友の攻撃参加を牽制する采配だった)


それでも日本は2点をリードしている訳ですし、あとは試合のペースを落としつつ残り時間をやり過ごせば
イタリア人達も一足早いバカンスモードが頭にチラつき始めるはず。

ところが攻め手の無いイタリアに対して「これだけ抑えておけば…」というセットプレー(CK)で
日本が完全に集中力を切らしている隙に1点を献上。
わざわざ自分達からバカンスモードのイタリアにガソリンを注入する有様である。

更に更に後半開始早々(またかよ…!!)には吉田の曲芸から試合は同点の振り出しへ。


こうなると早めにアクイラーニを下げて右サイドを修正してきたイタリアに対し、
序盤は日本のストロングポイントだったはずの左サイドが一転してウィークポイントとしての顔をのぞかし始めるのである。

(オシム語録「相手のストロングポイントこそが時として最大の弱点にもなりうる」)


では、ここで日本の左サイドを改めて考えてみよう。

【日本の左サイド】
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今更言うまでも無いが、日本の攻撃はこの長友ー遠藤ー香川のトライアングルに本田が絡む事で最大限の威力を発揮する。(いわゆるストロングポイント)

・・・が、自分達のペースで試合が運んでいれば強みでも、守勢に回るとこの左サイドは一転して最大の弱点にもなったりするのがポイントだ。

まず個々の選手の守備力で考えてみてもこれは相当に怪しい。

【遠藤の守備力】
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例えばこのブログでも度々取り上げている遠藤の守備における距離感。

仮にディレイとしても、これは開け過ぎでは無いか・・・?

しかも遠藤はこの距離感のまま・・・


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最後まで何となく並走してるだけ

アリバイ守備にしたって、これではそもそもボールを持ったジャッケリーニに対して何らプレッシャーにすらなっていないだろう。
(結局ジャッケリーニは自由にパスコースを選択出来る。)

仮にJ2ならばこの守備で許されるというのであれば、それは非常に問題である。


続いて香川の場合は俗に言う「香川トップ下問題」が守備では大きな穴になっていないだろうか?

【守備時における香川トップ下問題】
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攻撃時において、空いた(空けた)バイタルエリアに向けて香川が中へと入り込んでくる動きは日本の武器の一つな訳だが、
という事はこの状態でボールを奪われた場合、日本は香川の左サイドが無人の状態で守備を始める事を意味する。

↑の局面はまさにその典型的なシーンで守備に切り替わった時、香川はそのままの位置で守備を始めるのだが
とするとイタリアの右SB(マッジョ)は誰がマークするのか・・・?

ピルロが当然これを見逃すはずもなく右へミドルパスが展開されると・・・


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前田「俺かよ・・・!!www(涙目)」

ザックJAPANはこういう時、1トップのFWが追う事になるのだが距離が長い上に守備力をあまりFWに求めるのは酷というもの。

こういうシーンでは結局、長友が尻を拭く感じでその負担を1人で背負う事になるのだが・・・(^^;


イタリアもこれに気付き始めると「明らかに狙ってるな…」という攻撃のシーンが増えてきた。↓


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局面は中盤の底からミドルパスで右に振って、長友をサイドに釣り出して中を開けるイタリアの頭脳的な攻撃。

ここに飛び出してくるジャッケリーニには香川が付いていなかいといけないのだが・・・


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守備での予測がイマイチ効かない香川は完全に出遅れてジャッケリーニに付いていく事が出来ない。


要するに攻撃面では欠かせない香川、遠藤も守備では結構穴になるのがザックの4-2-3-1が持つ構造的ジレンマで、
実はこれアジアレベルの相手だとそれほど表には出てこない粗だったりする。

というのも相手が日本の攻撃を防ぐのに手一杯でそこまで手が回らなかったり、
せっかく隙を突いても稚拙なミスで致命傷には至らない…というシーンがほとんどだからだ。

だが、イタリアクラスだとそうは問屋が卸さずで致命的な3点目の失点に繋がってしまった。

【イタリアの3点目を検証】
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局面は後半2-2となった直後のシーンで、イタリアが日本の左サイドを明らかに狙っていた時間帯。

ここでも香川の裏のスペースの高い位置でマッジョがボールを受けるとまず長友がマークに釣り出される。

これで空いた長友の裏のスペースをジャッケリーニが狙っているのだが遠藤が追いきれない。


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↑はマッジョがクロスを上げる瞬間。遠藤が追いきれなかったジャッケリーニはCBの今野が見る形へ。

今野が釣り出された事で空いたジョビンコは長谷部がカバーするしかない。


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マッジョのクロスはバロテッリの元へ。

今野が釣り出されて空いたゴール前のスペースがジョビンコに狙われていて非常に危険だ。
(長谷部が察知して賢明にカバーへ走る)


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…が、長谷部のカバーも虚しく、CBのポジションに入って身体を反転させた時にはもうジョビンコはコントロールからシュートモーションに入っていた。

懸命に長谷部が身体を投げ出すと不運にも腕に当たってハンド⇒PKへ。


最後の最後に長谷部が割を食ったような失点だが、
元を正せば左サイドで始まったマークのズレが連鎖的にゴール前まで及んでしまっている事が原因なのがお分かりかと思う。


来年のW杯本大会でも日本の左サイドが強みと出るか最大の弱点と出るかは今一度よーく考えてみた方がいいのではないか?


(【補足として】3失点目のシーンでも顕著なように、ブラジルと違いドリブルではなくパス主体で攻撃を組み立てるイタリアに対し長谷部の読みをベースとしたインターセプトとカバーリングはこの試合では非常によく効いていた。影のMVP的な働き)


<ザックとプランデッリ 両監督の采配を比較>

試合はこれでイタリアが初めてリードを奪った事で、守備では穴でも攻撃の局面では何かとうるさい香川を抑える為、
右SBを攻撃力が持ち味のマッジョから本職でレギュラーのアバーテに戻してきた。

加えてジャッケリーニに代えてマルキージオを入れる事で両サイドに2枚づつ駒が置けるバランス型の4-4-2へ布陣も変更。

【リードしたイタリアは4-4-2へ】
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これで日本が突きたかった両サイドに蓋をしてしまうプランデッリ采配のしたたかさが光った。


一方のザッケローニは後半73分にようやく1枚目のカードとして右サイドからの攻撃力を増す為に酒井を投入するが
酒井のクロスをマイクへという続けざまの交代の意図もピッチに明確へ伝わっていたとは言い難かった。

これだと左サイドの穴を逆転されるまで放置し続けたザックと前半30分の段階でアクイラーニを下げて穴の修復に動いたプランデッリとのフットワークの差は嫌でも目に付いてしまう。

(プランデッリの交代カード3枚は全て自軍右サイドの交代に使われている事が分かる)


チーム作りという監督本分の職務はともかく、実戦での采配は「勝負師としての勘」がものを言う分野だ。

その点、カルチョでの指揮からEURO⇒厳しいW杯予選と常に国際Aマッチが勝負どころであるプランデッリに対し、
カルチョでの指揮からしばらく離れている上にアジア予選が温い戦いの連続だったザックの「勝負勘」が緩んでいる可能性は否定出来まい。

(実際、トーナメント形式で優勝がノルマとされたアジア杯では今より勝負勘が冴えていた気もする)


<S級のミスとは?>

結局試合はご存知の通り3-4の惜敗で終わっているが
"勝てたはずの試合だった…"という悔しさは試合を見ていた誰もが抱いたはずだ。

ここで今一度問いたいのは瀕死のイタリアに対し、わざわざ自滅の形で与えた4失点である。


1点目は自陣でのCKを給水タイムとしてしまった事

2点目はCBとしての危機感の欠如
(イタリア人なら中学生でも許されない判断ミス)

3点目は明らかに狙われていた左サイドを放置し続けた勝負勘の鈍さ

4点目は今野の「つなぐ」のか「クリアする」のか判断が中途半端な蹴り返しのボールを真ん中の高い位置でイタリアに拾い返された判断ミス
(あの局面では一度タッチラインの外にボールを蹴りだしてゲームを一度"切る"必要があった)

どのプレーもイタリア代表だったら一発で懲罰的な交代となってもおかしくない類のものだ。


将棋やチェスの世界ではミスの種類によってA級~C級のミスに振り分けたとしても
一般的なプロと名人の間にA級ミスの頻度こそ多少の差はあれ、
プロ同士の対極と言えども細かいミスまで含めれば後になって振り返った時、それはミスの応酬でもあるらしい。

では一体何が勝敗の差を分けるのか…?

それは一流のプロは勝敗に直結するS級のミスだけはどれだけ長期戦になろうとも絶対に冒さないし、反対に相手のS級ミスは絶対に見逃さないという事だ。


サッカーも「ミスのスポーツ」と言われる。

パスミス、トラップミス、判断ミス、シュートミス…と例を挙げていけば90分に繰り返されるミスはトップクラスの試合でも数え切れないだろう。

・・・が、やはりここでも世界の超一流とその他大勢を分けるのは
「この局面で このエリアで これだけは絶対にしてはならない」という
勝負に直結するS級のミスに対する意識の差であるような気がしてならない。

事実、日本がイタリアに許した4失点は言わば4つのS級ミスである。


無論、ネイマールに代表されるような「個」の力で勝敗を決定付けるタレントがいる差も大きいだろうが、
であるならばこそ、我々のように"持たざる者"がむざむざ相手へ勝機を与えるようでは勝敗は自明の理だろう-


(3敗で俄然うるさくなってきたザック解任論等に対する検証は別の機会に大会総括という形で改めて…)


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「スペインの時代」は終わらせない ~U21欧州選手権に見る"大人"のゲーム運び~

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<「スペインの時代」は終わらせない ~U21欧州選手権に見る"大人"のゲーム運び~

日本中の注目がコンフェデ杯に集まっている裏でヒッソリと開催されていたU-21欧州選手権。

文字通りアンダー世代におけるEURO(欧州選手権)となるこの大会(五輪予選も兼ねる)は
バカンスモードで日本代表に3点もブチ込まれた某ザルナチオのモチベーションとは違い、
欧州各国が本気で挑む大会で恐らくコンフェデ参加中のイタリア、スペイン本国でもこちらの結果の方が大きく取り上げられているはずである。

そこで今日は変態ブログらしくコンフェデに沸く今、敢えてこちらの大会について取り上げてみたい(笑)

(決してイタリア戦のマッチレビューに手間取っているからではないぞ…!!www)


まず大会の結果についてはご存知の通り、優勝候補筆頭と言われていたスペインの圧勝で終わっている。

ロシア、ドイツ、オランダと組まれた「死のグループリーグ」を全勝で突破し、
準決勝では今大会の伏兵ノルウェーを3-0と一蹴。

決勝でもイタリア相手に4点をブチ込むなど圧倒的な強さを見せた。


それもそのはず、スペインU-21のメンバーはいずれも世界トップレベルのリーガエスパニョーラで既にレギュラーないしはチームの主軸を担っているメンバーで構成されており、
チアゴ・アルカンタラ、イスコ、デヘア、イジャラメンディ、テージョ…etcら完全にチート仕様である(笑)


今年のCL決勝の結果を受けて「スペイン黄金時代の終焉」と「ドイツの時代到来」が盛んに叫ばれていたが、
「4年後の欧州情勢の縮図」とも言われるアンダー世代の大会でスペインが再び結果を出した事は
「まだまだスペインの時代は終わらなせない!」と彼らが声高に宣言したようでもある。


大会が某有料クソチャンネル(笑)の独占放送だった為、見れなかったという人も大勢いるかと思いますが、
そういった方達に今大会のスペイン代表がどんなチームだったかを説明するのは至極簡単です。

貴方が知っている"いつものスペイン代表"、もしくはコンフェデでタヒチを無慈悲なまでに叩きのめしたあのA代表の
そのままユース版をイメージしてもらえれば差し支えない。

選手の顔ぶれと年齢が違うだけで、着ているユニフォームもピッチ上で展開されているサッカーも全く同じである。


そしてこれこそがスペインという国の底力とも言えるだろうか。

同じようにイタリアのU-21代表も「カテナチオからの脱却」を志向しながらも
彼らの強みである「縦1本のダイレクトな展開」は健在で
ポゼッションをしながらも1本のパスで相手の裏を取りしたたかに得点を奪っていく様はどこから見てもアズーリだったし、
オランダの個の力を全面に押し出した攻撃サッカーのイケイケ具合もやっぱりオレンジ軍団だった。

(一方、某「サッカーの母国」珍グランドU-21ご一行様はグループリーグ3戦全敗で帰国した模様(爆)やっぱりこの国の育成は何とかしないとヤヴァイwww)


<成熟した大人のサッカーが展開された大会>
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とりわけ今大会で印象的だったのはどの試合でも非常に洗練された大人のサッカーが展開されていたという事だ。

一昔前までアンダー世代の代表と言えばだいたい個の力で突出したプレイヤーを中心に作られていたり、
(U20だけど日本代表をチンチンにしたオランダのクインシーを覚えている方は多いだろうww)

ドリブルの持ちすぎによるボールロストやDFの無謀なチャレンジによる失点など
いい意味でも悪い意味でも「若さ」を感じさせる試合が多かったものだが
今大会では誰か特定の選手の個人能力に頼ったり、試合運びに甘さを見せるチームは皆無であった。


少なくとも「前半・後半の開始直後と終了間際」といった"取られてはいけない時間帯"の認識は某極東のA代表より熟知されていたし、
せっかく2点をリードしながらDFの有り得ないミスで自滅するようなチームもいなかった(爆)


中でも優勝したスペイン代表の試合運びは群を抜いており、
どの試合でも主導権を握ったまま簡単には渡さないという共通認識が徹底されていた。

これが欧州の そしてスペインの厳しさでありサッカー力なのであろう。


スペインの若者達の一体何が凄いのか?と大会を見ながらずっと考えていたのだが
ひとことで言うならば彼らは"サッカーが上手い"のである。

何を当たり前の事を…と言われるかもしれないが重要なのは
「ボールタッチが柔らかい」でも「抜群のドリブルテクニックがある」でもなく
選手全員がまず"サッカーが上手い"という事なのだ。

単純な足元の技術であれば日本のこの世代も決して引けを取るものではない。

では何が日本とスペインの差を生んでいるか…?と言えば
彼らは自分達が持っている技術(カード)の出しどころを決して間違わない。

例えばボールを持った時に派手なフェイントは必要ない、
それよりファーストタッチで正しい位置にボールを置いてやる事の方が100倍重要である…といった事を彼らは身体で覚えている。

よってスペインの試合はボールの出し入れ、置き所、適切なサポート、パスコースの選択ととにかく「間違い」が無い。だから自然とボールが気持ち良く回るのである。


…と同時にスペインの技術を見ているとその全てが「試合で培ったもの」である事がハッキリと分かる。

その下地となっているのが彼らの育成環境なのは間違い無いだろう。

スペインの21歳と日本の21歳のサッカープレイヤーを比較した時、
まず一番の違いは「積み重ねてきた試合数の差」だと思う。

スペインでは全ての年代に置いて「今、自分のレベルに最も見合ったカテゴリーで年間リーグを戦う」という
多重ピラミッド構造が既に完成されている。

各レベルにおけるチーム間の人材流動も盛んで「自分に合ったチーム」「試合に出られるチーム」を自らの意思で選ぶ事が出来るのだ。

そこでスペインの若者達は練習で培った技術を実践で磨き、己のスキルに昇華させるという過程を日々繰り返しているのだろう。


翻って、14~18歳という重要な時期を「ひたすらグランドの外周を走る事」や「先輩のボール拾い」や
5軍もある人員過多のチームで「スタンド応援」に日々を費やしていては日本は永遠にスペインに追いつけないのでは…?とすら思ってしまう。


この世代の若者達にとってはどんなに優秀な指導者の一声よりも
『試合こそが最良のコーチである』とは誰の言葉だっただろうか-


ふとそんな事を考えたU-21欧州選手権でしたとさ。

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遠く険しい頂きへの道のり ~日本×ブラジル~

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<遠く険しい頂きへの道のり ~日本×ブラジル~>

「日本人よ これが世界だ・・・!!」


遂に開幕したコンフェデレーションズカップのオープニングゲームで日本はまざまざと世界の厳しさを目の当たりにしました。

余裕でW杯出場を決めた楽観ムードにいきなり冷や水をぶっかけてきたカナリア軍団。

今日はこの試合から日本の「何が通用しなくて」「どこがブラジルとの差だったのか?」に焦点を当てて検証していきたいと思います。


<1トップ岡崎の意味>

ではまず試合を振り返る前にこのゲームの位置づけをおさらいしておこう。

ここでポイントになってくるのが8ケ月前に0-4で敗れた欧州遠征での試合である。

この試合の収穫としては実際に戦った選手達が口々に語っていたように
「ブラジル相手にもボールを回して崩すところまでは行けた」事であり、
課題はパス回しをゴールに結び付けられなかった攻撃とブラジルのカウンターを防ぎ切れなかった守りにある。

攻撃ではやはり本田を0トップに置いた事で彼が中盤まで降りてきてパスの起点が増えたのは良かったのだが、
反面DFラインの裏を突く選手が皆無だった事でブラジルのCBにバイタルエリアを潰されてしまったのが反省点だったように思う。

【本田0トップの難点】
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そこでこの試合でザックに求められていたのが攻守の課題を改善しつつ、ブラジルから勝ち点をもぎ取るプランである。

ホームで6万人の大歓声を背に戦うブラジルだが、日本が0-0で我慢する時間帯が続けば歓声は一転してブーイングへと変わるだろう。

「代表でゴールが取れていない」という批判に晒されているエース・ネイマールを筆頭に
アドバンテージがプレッシャーへと姿を変えたブラジルが強引に点を取ろうと前掛かりになった裏をカウンターで一突き・・・これが現状日本が考えうる唯一の勝ちパターンで、当然ザックが描いたプランニングもこれに沿ったものだったはず。

果たしてあれから8ケ月でザックJAPANはどこまでブラジルと差を詰める事が出来たのだろうか・・・?


【ブラジル×日本 スターティングオーダー】
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ブラジルは「困った時のフェリポン」という感じで(ブラジル版岡田?ww)遂に王国が誇る名将を引っ張り出してきた。

地元開催のW杯に賭ける王国のプライドがひしひしと伝わってくるようではないか。

ポイントはネイマール、オスカル、フッキと並べた2列目の流動性。
彼らには「前線からの守備」という【義務】さえこなせていれば攻撃では好きにやっていいという【自由】が与えられている。

1トップのフレッジは独力で得点を奪う力は無い分、2列目を活かす為に犠牲になる事も厭わないという点で
これはどこか1トップ前田と香川、本田、岡崎の2列目の関係を思い起こさせるものがある。


さて、挑戦者のザックJAPANであるが指揮官が用意した回答は「岡崎の1トップ」であった。

無論、前回の反省点から1トップの岡崎にブラジルのDFラインを引っ張ってもらい
空いたバイタルエリアで自慢の2列目に暴れてもらおうというプランである。

【岡崎1トップに込めたザックの狙い】
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ザック『裏に抜け出すことができる選手をトップに、
そして2列目により技術レベルの高い中盤の選手を入れることにした。』


さて、日本代表はどこまで王国に食らいつけるだろうか・・・?


<崩れたプラン 王国の本気>
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試合は前半3分、いきなりブラジルが牙を剥いた。

結果的にこのエース・ネイマールの先制点で日本のプランは全て瓦解したと言ってもいいだろう。
ブラジルにとってはホームの大観衆を味方につけ、エースをプレッシャーから解放させる価値ある先制点だった。

この失点シーンを振り返ってみると、日本が一度ブラジルの攻撃を跳ね返し、自陣右サイドでマルセロにボールを拾われたところから始まっている。

この時、日本の守備ブロックは整っており、アジアレベルであれば一度組み立て直しを図るのが普通だろう。

ところがマルセロは迷い無く高速クロスをゴール前に蹴り込んで来た。

ピンポイントパスと言うにはあまりにも受け手に優しさの無いライナー性のクロスだったが
ゴール前で受けたフレッジは難なくこのボールを胸トラで処理。

これをクロスが上がった瞬間に一瞬ボールウォッチャーとなっていた日本DFを尻目に
唯一反応していたネイマールがダイレクトでハーフボレーを振り抜きゴール左隅へ完璧にコントロールされたショットを放つ。

随所にブラジルが持つ技術の高さが光った完璧な得点で特にマルセロのクロスからネイマールがシュートを放つまでのタイムが2秒を切っており、日本のDFとしては抑える術がほとんどノーチャンスの失点だったように思われる。

アジアレベルではまず有り得ない失点の形だったが、強いて言うならばこぼれ玉を拾ったマルセロには本田がもう少し厳しく距離を詰めないと世界では失点に繋がるという教訓でもあり、
クロスが上がった瞬間に一瞬ボールを見送ったが為にネイマールを離してしまった吉田の対応は今後もう一歩向上させたいところだろうか。


この失点により「0-0の時間帯を長引かせてブラジルを焦らせる」というプランは白紙になった訳だがそれ以上にもう一つの誤算があった。

前回の対戦で得たはずの収穫「中盤でボールをつなぐ事」がこの試合では許されなかったのである。


しょせん前回は親善試合であり、今回はホームで監督のクビが掛かった真剣勝負、端からブラジルは日本に繋がせる気は無かったのだろう。

しかも「世界の頂へ至る厳しさ」を知っている名将フェリポンがカナリア軍団から「甘さ」を取り除いていた。

…そう、このブラジルの強さは華麗な攻撃ではなく泥臭い守備、
とりわけ先日のCL決勝でも示されたように「前線からの全員守備」とハードワークという
世界のトレンドを取り入れたチームに仕上がりつつある。

では実際の試合からブラジルの前線に植えつけられた守備意識の強さを検証してみよう。


【ブラジルのハードワーク】
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局面は日本が中盤の底からビルドアップを始めるところ。

ここにはまずトップ下のオスカルがプレスへ向かうとボールは降りてきた香川へ渡る。


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オスカルが尚も食らいついた事で前が向けない香川は仕方なく一度遠藤へ下げる。


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ここで香川得意の一度叩いてリターンをもらう動きから遠藤とのワンツーを挟んで再びボールは香川へ。

だがオスカルの粘り強い守備はまだ続いている。


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オスカルを振り切る為、香川は横へドリブルしてボールを逃がそうとするが引き続きオスカルは追い続け、
ボールを持っている時間が長くなってしまった事でフッキもこれに連動。

追い込まれた香川は再び最終ラインへボールを下げる事を余儀なくされる。


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下げられたボールが今野から遠藤へ

この時、オスカルはもうターゲットを香川から遠藤へと切り替えている。


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ボールが渡った遠藤へオスカルがこの後、横から身体を入れてボール奪取に成功している。


ブラジルのトップ下と言えばこれまで華麗な個人技が特色で、反面守備に関しては無頓着なイメージが強かったが
プレミアで1シーズンを経験して下地の出来ているオスカルにフェリポンは献身的な守備を徹底させているようだ。

もちろんオスカルだけでなくフッキ、ネイマール、フレッジを含めた前プレも採用されており
特に立ち上がりの15分は意図的に日本へ厳しくプレッシャーをかけてきた。

「攻→守」へのトランジションも完璧だったので実際の試合からちょっと確認していただきたい。


【ブラジル 攻→守への切り替え】
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局面はブラジルが中盤からドリブルで中央突破→フレッジへのクサビを狙う。


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このタテパスを読んでいた今野が前に出てインターセプト!
と同時にこのボールをただのクリアに終わらせる事なく中盤で1人ポツンと残っていた香川へのパスとして繋いでいる。


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・・・が、ブラジルは香川にパスが出た瞬間に、前線の攻撃陣が反転してもう守備へと体勢を切り替えているのが確認出来る。

まだ香川がボールに触れる前から既に戻り始めているのがポイントだ。


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香川がボールを受けて前に運ぶものの、せっかくのカウンターチャンスに日本の攻め上がりより明らかにブラジルの戻りの方が数倍速い。

香川には前に本田しかパスコースが無く・・・


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あっと言う間に4人に囲まれてボールを奪われてしまった。


これまで華麗な個人技と「ちょっとルーズな守備」がセットになっていたから可愛げもあったブラジルなのに
彼らにここまで守備でも頑張られたら我々は一体どう対抗したらいいのか…?

もうね、「お前ら 真面目かっ…!?」って言いたいぐらいですよ(笑)


ピッチではこれがあのカナリア色が発する威圧感なのだろうか、
日本の選手達が完全にブラジルのプレッシャーに屈してしまい
ろくにルックアップもしないまま苦し紛れのロングボールを前線に蹴り出す展開が続いてしまう。

こうなると岡崎を1トップで起用しているメリットは皆無で、CBを背負った岡崎は空中戦で潰されるばかり。


もはや日本はサッカーにすらならない状態で、ブラジルの圧力からくる残像が頭に残っているのか
各選手がそれほど詰められていないにも関わらず焦って縦へ蹴ってはブラジルに拾われていた。

これではもはや戦術もクソも無い。

ザックはしきりに両手を上下させて「平常心になれ!」「いつものようにパス回しのテンポを上げろ!」と訴えていたが、
開始15分で完全にペースを握り日本へ圧力を与えた上で、
15分過ぎからはギアをニュートラルに戻しつつ自分達の消耗は抑えるブラジルの試合巧者ぶりが光った。


特に日本が4-4-2の形で守りに入ると見るや、両SBを高い位置へと押し上げた上で
ボランチのグスタボをCBの間に落とし最終ラインでのパス回しで3対2の数的優位を形成。

最終ラインで横パスを繋ぎ、日本に隙があればそこを突くが
岡崎と本田が前プレでボールを取りに来れば無理はせずにロングボールを蹴ってこぼれ玉を拾うノーリスクプラン。

仮に日本が上手くタテパスを入れて攻撃に光が見えそうな場面では臨機応変な対応が待っていた。


【ブラジルの守備 (リトリートへ切り替える判断)】
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局面は日本が中盤で攻撃の起点・遠藤から香川へタテパスが入る絶好機。


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香川がスペースを持って前を向けると判断したブラジルは無理に香川へ寄せる事なく
全員が一旦自陣に帰ってのリトリート守備へ切り替えている。

ボールを受ける香川の状態を見てブラジルイレブンが誰一人乱れること無く判断しているのがポイント。


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ブラジルが自陣でブロックを形成した為、香川の間受けから得意の中央突破へと繋がらずに
結局「中を固めて外へ誘導する」ブラジルの注文どおりにボールがサイドへと迂回させられてしまう。

(仮にこの状態でクロスを上げたところで岡崎1トップの日本に怖さは無い)


日本では最近、チームのパフォーマンスと守備の出来が「ザックの戦術浸透度」として指揮官の腕頼みのように見られているフシがあるが、
では就任僅か6ケ月足らずのフェリポンのチームが見せるこの守備はどういう訳なのか…?

仮にザック政権が10年続いても、日本代表がこのレベルの判断を伴った守備組織を完成させるのは難しいように思う。
何故ならそこはもう監督の力が及ぶ領域でない事もあるからだ。

この差はどこから生まれているのか…?と問われれば、
守備組織という言葉に包まれたその「組織」を構成するパーツはそもそも個々のプレイヤーであるという答えに行き着く。

つまり個々の質の差が結果的には「組織」の質も大きく左右するという当然の理屈が脇に置かれたまま、
「個の差を組織力で補う」と呪文のように唱えられている日本の現状に疑問を抱かざるを得ないのだ。


当然、フェリポン就任によってブラジルが変わった部分はあるだろう。

しかし「どういう状況なら前プレ」で「どういう状況ならリトリート」なのか、
或いは日本に圧力をかける時間帯と緩める時間帯、今試合展開はどうなっていて自分は何をするべきなのか…?

基本の枠組み(フレーム)は監督が決められても実際にピッチに出たらチーム(組織)としての判断はパーツ(個々)の経験と判断に委ねられている。

「監督の采配や手腕」を問う前に国と国のサッカー力の差を見せつけられた衝撃的な前半は0-1で折り返す事に。


試合は後半も同じ開始3分に今度は右からのクロスをゴール前まで上がってきていたパウリーニョが
ワンタッチで完璧に足元にコントロールするとそこからワンステップで電光石火のシュートを放つまで
これも時間にして2秒を切る速さであった。

ファーストタッチでボールがあと半個でもズレていたら、吉田も身体を寄せる猶予があったはずだが
あそこに止められてそのままシュートというのはこれまた欧州のリーグでもトップ・オブ・トップでないとなかなかお目にかかれないゴールだ。

(ここが勝負どころ!とばかりにゴールの匂いを嗅ぎ取ったブラジルがゴール前に5人もの選手を送り込んでいた事も見逃せない)


0-2になったところでザックは慌てて前田を投入していつもの布陣へ戻すと
2点差になった事でブラジルがニュートラルから更にギアを下げて決勝までの道のりを勘定し始めた事もあり
日本も時折見せ場を作れるようにはなるのだが、これでやや前掛かりになった裏をロスタイムにつかれてトドメの3点目。

8ケ月前の試合からどこまでブラジルに近づけたかを確認するはずの場が
世界の頂がまたさらに遠くなったような厳しい現実だけがつきつけられた。


<アジア仕様のボランチはもはや限界か?>
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前回、オーストラリア戦のマッチレビューでは今後世界に打って出る際に「アジア仕様のボランチ」が足枷になるのではないか…?と書いた。

既に試合後各方面からも批判が噴出しているようだが、残念ながら悪い予感は的中するもので
この試合ではブラジル相手に明らかに日本の2ボランチが限界である事が露呈されたように思う。

では実際の試合からその象徴的なシーンを幾つか取り上げたい。

まずはボランチ個々の守備能力として長谷部、遠藤の守備力が現れたシーンから。


【長谷部のアンカー能力】
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局面は日本が中盤でブラジルの突破を受けているシーン。

ここではボールを持ったブラジルの選手を後ろから本田が追っていて右奥には清武がいる状態。

…で、ここから遠藤が進行方向を塞ぐようにボールへアタックに向かう事で長谷部はそのカバーリングに残るというのが「チャレンジ&カバー」を原則とした2ボランチの基本的な関係だ。


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日本は本田、清武、遠藤の3人でブラジルのボールホルダーを囲んだものの、そこからパスを通されてしまう。

こうなるとカバーに残っていた長谷部が1人でアンカーの責任を負う事になった。

つまり2ボランチとは局面によって常にどちらかがアンカーの仕事を請け負うシステムとも言える。

(まあ、長谷部からするとその前に3人で囲みに行ってパス通されてんじゃねえよ(涙目)ってのもあるかもだがww)


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ここで長谷部に期待される仕事は、まず個人でボールを奪ってしまうのが一番の理想。

それこそブラジルのグスタボとか過去の例で言うならマケレレとかが、こういう芸当をこなす職人ですよね。

・・・で、それが無理な場合は最悪攻撃を遅らせる事。

その隙に抜かれた3人(遠藤、本田、清武)を戻らせる事で再び数的優位でボールにアタックするチャンスを伺うというのが基本的な守備の原則だろう。

ところが長谷部はここからマルセロへ寄せると・・・




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一発で抜かれてもうたーーー!!www

何のフェイントもなく縦に仕掛けたマルセロに一発で置いていかれる長谷部。

こうなるとSBにバイタルエリアを蹂躙されるという何とも悲しい光景が目の前に。

(このシーン以外でもマルセロの突破に対し清武、長谷部は全く無抵抗でなす術が無かった)


続いて今度は遠藤の守備を見ていこう。

【遠藤の守備】
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局面は日本がブラジル陣内の深いところまで一旦攻め込んでからボールを奪われた流れ。

今、フッキにタテパスが出ようという瞬間で、これに対しボランチの位置に残っていた遠藤が
どれだけカウンターの芽を摘めるかが勝負の分かれ目となるシーンだ。


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フッキがボールにファーストタッチをする直前の瞬間がコレ。

遠藤はフッキの身体の向きと後ろにいるパウリーニョとの位置関係を見て
ここはダイレクトで一度後ろに落とすはずだ…!と読みを入れた。


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・・・が、遠藤がパウリーニョへ向かう動きをボールにタッチするギリギリまで見極めていたフッキは
遠藤の読みを逆手に取ってボールには触れずに身体を180度反転。

遠藤と入れ替わるようにして攻撃方向を向く事に成功。


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あとは無人の荒野を駆けるがごとく空いたバイタルエリアを進撃の巨人。
(イェーガー求む!)


いや~、やっぱ個で守るのはキツイっしょ~って事で、
じゃあ続いては2人の関係で守ってる時はどうなのよ?というシーンを見てみよう。

【長谷部と遠藤の守備 (2人の関係編)】
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局面はブラジルの中盤でのパス回しにまず長谷部がアタック。

残った遠藤との関係でどう守っていくかがポイントの場面だ。


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寄せた長谷部を軽くダイレクトパスでいなされると今度は遠藤がボールへアタック。


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トライアングルによる基本的なパス回しの関係でパンパーン!と回された挙句、完全に翻弄されるボランチの2人。


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たった中盤のパス回し2本でフリーでのバイタルエリア侵入を許してしまっている。

(これでもう最終ラインと4対4のピンチ)


・・・以上見てきたようにハッキリ言ってブラジル相手にここまで簡単にバイタルエリアを明け渡してしまうようではもはや試合にすらならない事は目に見えている。

無難な解決策としては何度も言うようにアンカーを置くのが一番手っ取り早いが
ザックがどうしても前線の枚数を削りたくないと言うのならチーム全体として大幅な修正と改善が無い限り
W杯本大会でもかなり危ないというのが率直な感想である。


一方、対するブラジルのボランチはどうだったのか?

こちらは日本と好対照で、とにかく2CBと2ボランチの4枚で作る中央のボックスが堅いのなんの。

【ブラジルの強み (中央のBOXの堅さ)】
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最悪サイドを明け渡したとしても"ココ"さえ崩されなければ俺達は守れるという強い確信の元、ブラジルの守備は組み立てられている。

ではブラジル代表のボランチが見せる守備を比較対象として検証してみたい。

【ブラジルの守備 (ボランチ編)】
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局面は遠藤が中盤でボールを持っているシーンだが、とにかくブラジルの中央のBOXが
ポジショニングも完璧で尚且つ個の1対1でもほとんど潰されるので遠藤からすると中を通すコースが全く見えてこない。


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仕方なく遠藤は一旦サイドへボールを逃がすと、これを合図にブラジル陣営が一気にボールへと押し上げてプレッシャーをかけてくる。


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堪らず今野は後ろへボールを下げるとリターンを受けた遠藤もボールを持ったらもう次の瞬間潰されるのが分かっているので仕方なく・・・


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苦し紛れの浮き球をサイドに逃がすが、これを受ける長友はタッチランギリギリでDFに背を向けながらのコントロールという無理ゲー。

結果、すぐにブラジルにボールを奪われてしまった。


ブラジルのボランチを含めたBOXは「バイタルエリアを絶対に明け渡さない」という守備から
サイドへボールを誘い出し、相手のパス回しが弱気になった瞬間に獲物を駆るハンターのように襲い掛かってくる。

やはりボランチが簡単にバイタルを明け渡してしまうと守備にならない→試合にならないのだ。


加えて攻撃でも起点となるべきこのポジションがブラジルクラスにプレスを受けると攻撃でもかなり怪しいのでは…?という場面もたびたび目に付いた。

【遠藤と長谷部 (攻撃編)】
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局面は日本の中盤でのビルドアップから。今、遠藤から長谷部へつなぎのパスが出るシーン。

↑を見ても明らかなように遠藤→長谷部のラインは充分グラウンダーのパスで刻めるはずなのだが・・・


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ここでは遠藤にしてはめずらしく無造作に浮き玉のパスにしてしまっている。
(これもブラジルのプレッシャーを無意識に感じ取ってしまっているせいなのか?実際にはパスコースにDFは1枚もいないのだが…)


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ブラジルならば多少難易度の高い浮き球のパスでも腿や胸でいとも簡単にコントロール出来るところなのだろうが日本だとそうはいかない。

長谷部は浮き玉のトラップを一発で沈める事が出来ず、明らかに大きくボールを浮かしてしまっている。


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ファーストタッチで大きく身体からボールを離してしまったせいでボールを追うのに必死な長谷部はその間、
首を振って周囲の状況を確認するルックアップが全く出来ていない。

この後苦し紛れに出された左へのパスはタッチラインを大きく割ってブラジルボールへ。

せっかく中盤でいいパスが入り、さあこれからどう崩していくか?というシーンのはずが
遠藤の無造作の浮き玉と長谷部のボール処理技術の拙さによってブラジルボールへと一転している。

しかもこれだと日本の完全な一人相撲でブラジルの守備陣は何もしないまま、労せずマイボールになるのだから楽なものだ。


一つ補足として付け加えておくと、それでも遠藤はこの試合で最もパスでのつなぎを諦めなかったプレイヤーでもある。

周囲の選手が明らかにブラジルのプレッシャーに屈して闇雲にボールを蹴り出す中、
遠藤だけは最後まで中盤から間受けを狙うパスに挑戦し続けていた。

守備はともかく、やはり日本の攻撃の起点は遠藤にあると確信する。


さて、このように戦術面に続いて個々の技術面でもブラジルとは大きな差がある事が再認識された訳だが、
とりわけブラジルのエース、ネイマールのプレーには技術とは何か?
そして、その技術の使いどころとは何か?を考えさせられる大変興味深いものだった。

日本のバルセロニスタも興味津々、「今、世界で最もホットなプレイヤー」ネイマールの技術を
前回オーストラリア戦の記事で紹介した本田と香川の技術と比較しながら見ていただきたい。


<ブラジル ネイマールが見せた最高峰の技術>

先日、FCバルセロナへの移籍が決まった事もあり、今大会でも最も注目を浴びていたプレイヤーがブラジルのネイマールだ。

国内リーグでプレイしている事でこれまで中々その正体がつかめないプレイヤーでもあったが
この試合では世界へ向けて「ブラジルにネイマールあり」を高らかに宣言したのではないだろうか。

ここではネイマールのテクニックの質が現れた象徴的なシーンを検証してみたい。

【ネイマールが見せた技術の高さ】
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局面はブラジルが中盤でパウリーニョから日本のボランチの中間で間受けを狙うネイマールへクサビのパスを狙っているシーン。

ボールを持ったパウリーニョは手前に遠藤がいる為、仮に遠藤が足を出してきても触らせないように
遠藤の膝の高さぐらいの浮き球をネイマールへ送る。


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↑は浮き球のパスに対するネイマールのファーストタッチの瞬間。

まず寄せてくる長谷部にボールを触らせないよう自分の身体で壁を作り、尚且つボールは身体から離さないように完璧にコントロールしているのがお分かりになるだろうか?

ちょっと画像が小さいので拡大しますと…↓


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ハイ、前回本田のトラップ解説でも同じようなシーンがありましたがネイマールが背中-尻-足で壁を作ってる為、長谷部の足がボールに届いていないんですね。

尚且つ、ネイマールは浮き玉の難しい処理を同時にこなしていますから、
フリーで浮き玉の処理に苦戦している長谷部ら日本の選手とは訳が違います。


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ネイマールはファーストタッチで浮き玉を完全に殺すと長谷部から遠い方の足でボールを押し出します。

この時、背後からは遠藤が挟み撃ちに来ました。


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するとネイマールは左手のハンドオフで長谷部をボールから遠ざけつつ
今度は右足で挟みに来た遠藤の股の間にボールを通すという超絶テク・・・!!

この時、ネイマールの視野は右の長谷部と左の遠藤とそしてボールの全てを把握しつつ、
遠藤が出してきた足を見て股の間にボールをコントロールしてる訳です。
(コイツ凄すぎんゴwww)


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ここでネイマールは完全にマイボールにしてしまいましたね。


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…で、無理せず一旦ボールを下げるんですがこれでまだ終わりではありません。


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ネイマールはボールを離した後に動き直しを入れて、再び遠藤と長谷部の間で間受けを狙います。

(これに気付いた遠藤はネイマールが背中を向けている事もあり背後からソッと忍び寄る)


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・・・はい、ココ!!

ネイマールはこのパスを単純に右足でコントロールせずに、むしろ右足を軸にして身体を開くように180度ターンをしながらボールを迎え入れます。(まだボールには触れてませんよ~!)


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…で、ここがファーストタッチになります。

身体の力を抜いて凄く自然な反転からボールを受けた事でボールに触れた最初の瞬間から前を向いた状態でタテへの突破が狙える訳ですね。
(遠藤に背を向けたままファーストタッチをしていたら遠藤を背負う形でボールを受けていたはず)


ここで注目したいのはネイマールが局面によって本田の力強さと香川のしなやかさの両面を使い分けているという事。

そしてネイマールに出されたパスも最初のクサビは遠藤の足があったので浮き玉を選択し、
次のパスはネイマールの左足へ正確に出されたグラウンダーのパスだったという事。

当たり前の事を当たり前にこなしているだけですが、実はサッカーではこれが一番難しかったりするもので
本田&香川と他の日本選手に一段レベル差があるとすると、本田&香川らとブラジルの間にはもう3段差があったように思われます。

日本では唯一、ブラジル相手にも1対1ならDFを背負った状態でボールを受けられていた本田も
やはり2枚で挟まれるとほとんどボールを失っていました。


<再び白紙に戻された日本と地味なブラジル>

最後に今後の両国の展望を考えて締めにしたいと思います。

まずブラジルですが日本を3-0で虐殺したにも関わらず負けた日本のファンからも
「それほど圧倒的な強さは感じなかった」という声がチラホラ聞こえてくるのはどうした事か。

確かに言いたい事は分かる。

かつてブラジルにあった「圧倒的な個人技」や「華麗なパス回しからの崩し」という
いわゆる強さを見せ付ける場面がほとんど無かったせいだろう。

だが、ブラジルが強い時はいつも【地味なチーム】である事は過去の歴史が証明している。


94年W杯は優勝しても非難されたセレソンとして有名だが、
そのサッカーは8人で守って攻撃はロマーリオ&ベベトの世界最強2トップに任せるものだったし
(大会途中に10番ライーはベンチへ降格、決勝に送り込んだ中盤はドゥンガ、Mシルバ、ジーニョ、マジーニョというあまりにも地味な顔ぶれ)

2002年W杯も「3R」と言えば聞こえはいいが、要は7人で守って前の3人で攻め切る完全な攻守分業スタイルだった。

反対にロナウジーニョ、カカ、ロビーニョ、アドリアーノ、ロナウドと名だたる天才プレイヤーが顔を揃えた2006年W杯は惨敗で終わっている。


現在のブラジルは華麗に勝つというより「しぶとく負けないチーム」に仕上がってきていてトーナメントには強いかもしれない。

前線の迫力と個人技を欠いているのは確かなので得点力不足に苦しむ可能性は充分あるが、
その分かつての【攻守分業スタイル】から一歩進んで【全員守備】のハードワークが持ち味になってきている。

(先制点さえ決めてしまえば、前掛かりになった相手に無慈悲のカウンターが打てるという意味で少しモウリーニョのマドリーに似ているかもしれないww)


さて、一方のザックJAPANであるが、0-4で負けた前回時より内容では遥かに完敗だったと言えるだろう。
ここまで日本代表が手も足も出ずにやられた失望感はサンドニのフランス戦以来かもしれない。

2010W杯から3年の時を経てザックJAPANもアジアモードと世界モードとの差に苦しみ始めるのだろうか?

やはり世界で勝つには昨年のフランス戦のように端から押し込まれる事を想定して耐えに耐えた後で機動力を活かしたカウンターに活路を見出すプランが現実的なのか…?

DFラインを上げたポゼッションスタイルと2ボランチに無理があるなら
今回も本大会ではDFラインと中盤を下げてバイタルが空くリスクを軽減させつつアンカーまで置いた慎重策が取られるのか…?


全ては残り2試合で何を試し、何が通用して何が通用しないのか、改めてザックJAPANの現在地を問う事になろう。


何より、このブラジル戦で一番残念だったのは後半0-2とされた後に何人かの選手が勝負を半ば諦めてしまった事だ。

大会では昨夜、FIFAランク138位のタヒチがナイジェリア相手に1-6の惨敗を喫しながらも最後まで勝負を諦めずに戦い抜いた姿勢が世界中で高く評価されている。

同じ負けるにしてもこの貴重な90分をどう戦い抜いたかは確実に1年後の本大会へと繋がっている-


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2012/13 ヨーロッパベストイレブン発表!!

<2012/13 ヨーロッパベストイレブン発表!!>

・・・はい、シーズン総括シリーズのラストを飾るのは今年で4回目となりましたヨーロッパのベストイレブン発表ですね。


今年も世界で唯一の「メッシ、クリロナのいないベストイレブン」として頭をひねって何とか絞り出してみました(笑)

(結果的にバルサ、レアル、プレミア4強から1人も選ばないというひねくれたものに・・・(^^;)

こちらがその代物になります。早速ドン!↓


12/13 ヨーロッパベストイレブン
マンジュキッチ
Vバレーロ
イスコ
マテュイーディ
ギュンドアン
ベイル
クアドラード
バルザーリ
フェルトンゲン
フェリペルイス
カバジェロ






【GK:カバジェロ (マラガ)】
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今季、CLでの「マラガの大冒険」を最後尾で支えた守護神。

華麗な中盤に目を奪われがちなチームにあって実は躍進を支えていたのは後ろの堅守だった訳ですが
毎試合飛び出すカバジェロのスーパーセーブがなければ全く違ったシーズンになっていたはず。


次点ではアトレティコに国王杯を持たらしたクルトワや、プレミアの降格した2チームからジュリオセーザル(QPR)とアルハブシ(ウィガン)の孤軍奮闘ぶりも忘れがたい。
勿論、CL決勝を神試合へと盛り立てたノイアーとヴァイデンフェラーも今季の顔。





【DF:クアドラード (フィオレンティーナ)】
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新星のごとく現れたSBの大型新人。最近話題のメイドイン・コロンビアでございます!

その圧倒的なドリブル突破はあの長友を血祭りに上げるなど今季のセリエで旋風を巻き起こしました。

SHやWGもこなせる利便性の高さ、5ゴール7アシストの数字も文句無し。


次点としては今年もひと皮向けたピシチェク(ドルトムント)やミランの希望デシリオなんかも良かったですね。




【DF:バルザーリ (ユベントス)】
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個人的には優勝したユーベのチームMVPでもいいぐらいなんじゃないかと思っております。

とにかく90分を通してほとんどミスらしいミスがないんですよね この人。(笑)

1対1、空中戦、カバーリング全てハイレベルのシーズンでした。


次点では今季の新人王候補ヴァラン(Rマドリー)は絶対に外せないニューカマー。




【DF:フェレウトンゲン (トッテナム)】
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今季「プレミア最高のCB」の座はこの人に決定!

ドリブルの持ち上がりと攻撃センスで4ゴール3アシストを記録。

チーム事情によりSBとして使われた試合でも非凡な才能を見せてくれました。


次点ではPSGに行っても相変わらず神だったTシウバやバルサ戦での覚醒が忘れられないメクセスも…。






【DF:フェリペ・ルイス (Aマドリー)】
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一番悩んだのがこの左SBのポジションなんだけど普通にベインズじゃつまらないから一捻りを加えてみました(^^;

まあ、今季リーガで躍動したシメオネのアトレティコから1人は選びたかったというのもあります。

なんていうかこの選手はプレー自体も玄人好みで選んでおくと"通"っぽさが出るでしょ?ww

とにかく攻守にセンスが抜群で、何気ないプレーが地味~に上手いんだよな~。


次点では新加入のJアルバ(バルサ)はなかなか良かったと思いますよ、ええ。





【MF:マテュイーディ (PSG)】
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個人的には今「ヨーロッパで最も過小評価されてる選手」じゃないかな~とか思っちゃってるんですよ。
(…そうでもない?ww)

プチ銀河系集団になりつつあるPSGにあって一番チームに欠かせないのはイブラでもTシウバでもなく
間違い無くこの選手だとアンチェロッティは考えているはず。

マケレレの進化バージョンみたいなプレーで、中盤で守備の汚れ仕事を1人で受け持ってるかと思えば
それでいて時折ゴール前まで飛び出してきますからね~。

なんとなくモウリーニョとかはスゲー欲しがってそうなイメージ(笑)


次点はシーズン後半から突如覚醒したイジャラメンディ(ソシエダ)は来季も絶対チェックが必要な逸材。
それとマンUのチームMVPと言っていいキャリックは来季の香川活躍の鍵を握ってるんでヨロシクお願いします!





【MF:ギュンドアン (ドルトムント)】
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もしかすると「今年1年で一番成長した選手(?)」

単なる【シャヒンの控え】ぐらいの認識しか無かったんですが、
今や「欧州でも5本の指に入るレジスタ」じゃーありませんか。

個人的にはプレーがノッて来ると出る足の裏でボールを引きながらクルッと方向を変える「シャビターン」の後継者としても期待してるんですよ(笑)


次点は上手さと強さが同居しているデンベレ(トッテナム)とスウェオンジーのブリットンなんかも好みです。





【MF:イスコ (マラガ)】
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「とりあえずお前は来季どこ行くんだ…?」と今一番気になってる選手ですね(笑)

まーとにかく見てて目の保養になるというか、「次に何してくれるんだろう?」ってワクワクさせてくれる選手です。

ヒールを使ったトリッキーなトラップとかターンは萌えるゼ…!!


次点では全盛期のマンシーニを彷彿とさせるまたぎフェイントが印象的なラメラ(ASローマ)や
アーセナルを救った救世主Sカソルラも外せません。




【MF:Vバレーロ (フィオレンティーナ)】
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ヴイオラはいい買い物でした。そしてマドリーはこの選手をカンテラから上げてれば今季モドリッチとか絶対必要なかっただろ的なww

とにかくモンテッラが志向する美しいパスサッカーはこの人無くしては絶対にあり得なかったと言えるでしょう。


次点では純粋なパフォーマンスならバレーロをも凌駕するマタはシーズン通して安定してましたし
ラツィオのエルナネスもセレソンに選ばれるだけはあるな…と。
それと忘れちゃいけないのが最後に一花咲かせたバレロン(デポルティボ)ね。




【MF:ベイル (トッテナム)】
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今季もヤバ過ぎでしょ・・・この人(^^; さすがにこれは選ばざるを得ませんでした。

トップ下のプレーも完全にものにしたかと思えば無回転FKで得点量産でもう手がつけられません。

個人的には今季省エネで得点量産のメッシより遥かに個のパフォーマンスではインパクトが強かったんですよねー。

だって何なら1人で50Mぐらい持ってっちゃうじゃないですか・・・www


次点では全盛期の輝きが蘇ったトッティや常にキレキレだったグリーズマン(ソシエダ)、
冬の加入でリバプールを救ったコウチーニョはようやく本領発揮ですかね。





【FW:マンジュキッチ (バイエルン)】
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まー他にも候補はいっぱいいたんですが、今季一番衝撃を受けたという意味でこの人に決めました。

最前線からの前プレとプレスバックは「近未来のCF像」を世界に知らしめたと思います。

それでいてゴメス(笑)とは違い大一番でもちゃんと点を取る!
(ここ大事!CL決勝の先制点とかね!)


次点では90年代のセリエAを彷彿とさせるクラシカルなストライカー、デニスはアタランタで15得点ってスゲェな…と。
それとアトレチコの荒くれ者ジエゴコスタは色んな意味でヤバイww
WBAのルカクもドログバの領域に一歩近づいたシーズンでした。




・・・・以上が今季の変態イレブンになります。

もうちょっとマニアックな選手を入れたかったという心残りはありますが、
今や情報伝達スピードがサッカー界でも半端無いのでなかなかそういう選手も少なくなってきたな…という感じもします。

色々とあった12/13シーズンでしたが、とにもかくにも皆さん 今季もお疲れ様でした。


次回からはコンフェデシリーズが始まりますが並行して「変態の為のマニアックプレー解説シリーズ」もストックが結構溜まってきてるんでご期待下さい(笑)




<明日はコンフェデブラジル戦! リアルタイムツイッター解説やります!>

・・・という訳で4時キックオフという厳しい時間帯ですが、
幸運にも土曜の夜という事で「いつ見るの?」⇒「生でしょ!」は変態サッカーファンなら当然の話。

もちろん、ワタクシもCL決勝に続き、誰に頼まれた訳でもないのにリアルタイムツイッター解説、懲りずにやります!(笑)

3点差がついてきたあたりで今後の日本代表についてマッタリ語り合うのもいいでしょう(爆)

(いや、どっちが3点取るかは分かりませんよ…?)


物好きな方は観戦のお供にPCからでもスマホからでもバッチコーイ!

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輝けない香川と替えの効かない本田 ~そしてコンフェデへ~

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<ザックJAPANの安定感を証明する勝利>

強いぞザックJAPAN!

日本代表は昨夜、W杯アジア最終予選のとりを飾るイラク戦を1-0の勝利で締めくくった。

既にW杯出場を決めている日本にとって間近に迫ったコンフェデとの間に組まれたイラク戦は
この試合自体が「吸水タイム」みたいなものだったのだが、
それでも1・5軍のメンバーで最後はキッチリ勝ち切るところに貫禄を感じる。

これで勝ち点17(5勝2分1敗)の総得点16(1試合平均2得点)総失点5(1試合平均0.6)とまさにザックJAPANの安定感は異常!
(お隣韓国はロスタイム6分とってようやく引き分けに持ち込んでましたっけ…?)


それでも低調だった試合内容に批判が噴出しているというのだから時代も変わったものである。


あのドーハの地で昨夜は解説を努めていた中山がロスタイムに泣き崩れていた頃、

W杯初出場を目指し岡野がジョホールバルでゴールを決めるまでの間、

そして地元開催のW杯で悲願の初勝利に湧いたあの頃、


日本代表に「内容」を問う声はほとんど聞かれなかった事を思えば隔世の感がある。


同じ日に強豪イタリアは強化マッチでハイチ相手に2-2の失態を演じているが
所詮プレマッチにおけるイタリア人はいつもこんなものでイタリア国民も別段騒いでる様子はない。

そんなギャップにイタリア人であるザッケローニ監督は少々戸惑いを覚えているかもしれないが
取り敢えず今はまだ日本代表の試合に多くの目が注がれている事を喜ぶべき段階なのだろう。

(多分、彼らを満足させるには日本代表は毎試合、本田と香川が無双して、前田が決定機を全てものにし、川島がビッグセーブを連発させる必要があるww)


思えば"あの頃"、「いつの日かW杯予選をハラハラせずに余裕をもって日本代表を見られる時代が来るだろうか―」と夢想していたが、現実にそういう時代が訪れたという事なのだろう。

W杯予選におけるこの成績は世界のどの国の人が見ても「日本強し」を印象づけるものである事は間違い無い。


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<輝けない香川と替えの効かない本田>

それでも多くの日本人にとって心配の種になっているのが「本田がいない時にどうするのか?」
とりわけトップ下に香川を置いた時の低パフォーマンスについてであろう。


だが、そろそろ我々は気付くべきだ―


本田の代わりなどいないという事、

そして、香川にとって重要なのは彼自身の「トップ下」というポジションではなく
ドルトムントという「周囲の枠」だったという事を。


本田の替えが効かない事は何もそんなに悲観する事ではない。

フランスにとってのジダンだって、バルサにとってのメッシだって同じ話だ。

そもそも「飛び抜けた才能」がチームにいればどうしたってそうなるのがサッカーの道理なのだ。

そんな才能が現れない国やチームはそういう悩みも無いのだろうが、
本田が現れなかった日本代表より、いる事で贅沢な悩みがある今の方がずっといい事は間違い無いのだから。


香川については彼の良さはパス自体にあるのではなく、リターンを受けた時に初めて発揮されるもの。
返ってこないパスに両手を広げるシーンが多過ぎて次第に動き自体が減退していくのは悲しい光景だ。

周囲との関係で言えば1トップとの縦関係はとりわけ重要な問題だろう。


香川が輝くにはバリオスやレバンドフスキなど、絶対的な怖さがあるFWが相手のDFラインを引っ張れる存在である事がまず大前提。

チームの得点源となるエースFWがDFラインに怖さを見せている隙にサッと空いたバイタルエリアに現れる事で香川が活きるのである。


ところが現在のザックJAPANでは前田にしろマイクにしろ、相手のDFラインに対して全くイニシアチブを握れていない。

と言うより本田と香川の両エースに遠慮しているのか"本気で自分が点を取る"という気持ちも薄く
しまいにはサイドに流れて崩しの絡みから撤退している有り様だ。

もちろん前田らからは香川を必至に活かそうという気持ちは伝わってくるのだが
実はその為にはむしろ周囲に気を遣う事なくストライカーの仕事に専念する事が結果的に2列目の彼らに対するプレッシャーを緩める事になると気付いて欲しい。



<そしてコンフェデへ―>

・・・で、間近に迫ったコンフェデだが、全敗の可能性もあるとは言え、
意外な躍進を見せる可能性も存外あるのではないかと個人的にはやや楽観視もしている。

日本の入ったAグループは地元開催に燃えるブラジルの1位突破は堅いとは言え、
オフシーズンのバツゲームぐらいにしか考えていないイタリアはどうせ一刻も早い帰国⇒バカンスしか頭にないだろうから(笑)ズルズルと4位に沈むというのも見えてくる一つのシナリオだ。

こうなれば2位のイスをメキシコとの一騎打ち…となってそこそこ可能性あはるのでは?と見る。


だが、難しいのがここで予想以上の好成績を残す事が必ずしも1年後の本大会にプラスになるとは言い切れないところ。

岡田JAPANは直前のテストマッチで一度崩壊したのが結果的に良い方向に出ているし、
仮にコンフェデで手応えを掴んだ場合、それこそ残り1年は今の完全固定メンバーで戦い続ける事になろう。


そして何より絶望的な差を感じさせるのがコンフェデという大会を
「来年のW杯に向けた最後の真剣勝負の場」として位置づける我々日本代表と
「オフシーズンのバツゲーム」ぐらいにしか考えていないイタリアやスペインら列強国との差である。


選手個々が日常的にCLを戦い、欧州予選がある意味本大会より厳しかったりする彼らとの根本的な差をどう埋めていくかが本当の意味でW杯ベスト8を狙えるボーダーを超えるカギになるだろう―

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モウリーニョはRマドリーに何を持たらしたのか?

12/13シーズンの総括編もセリエ⇒プレミアときたら次はリーガの番なのだが、
今季のリーガに関しては振り返るにはあまりに低調なシーズンだったように思う。

いくらなんでも年が明ける前に優勝の行方が半ば決し
(12月の段階で首位バルサとマドリーの勝ち点差13は論外)
クラシコも消化試合と化すようではコンペティブなリーグ戦として正常に機能していたとは言い難い。

無論、それでもチーム個々のサッカーに目を向けるという視点もあるのだが
こちらの方も合格点をあげられるのはかろうじてシメオネのアトレティコとCL圏に滑り込んだソシエダまでで
バレンシアとセビージャはとんだ期待外れの前半戦だったし(後半は多少持ち直す)
頑張ったラージョやベティスにしてもあまりに上位との戦力差が離れていて某有料放送が流す強豪クラブとのカードでは本来の持ち味がほとんど発揮出来ていない。

トドメが肝心のビエルサ辞任では・・・・。(どうしてこうなった…。)


そこで今日はちょっと視点を変えて、モウリーニョの3年間を振り返ってみたい。

昨年のペップバルサ終焉に続きモウリーニョマドリーも終わりを迎えた事で
否応なく来季のリーガは新しいサイクルを迎える事になろう。

となれば今、このタイミングでモウリーニョがスペインサッカーに持たらしたものを総括する事でリーガのまとめとしよう。



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<モウリーニョはRマドリーに何を持たらしたのか>

まずモウリーニョが就任中の3シーズンでマドリーにもたらしたタイトルをおさらいしてみよう。

リーガとコパデルレイが1回づつ、これにオマケとしてスペインスーパーCUPを入れても獲得したタイトルは合計3つ。

これを「多い」と見るか「少ない」と見るか、それとも「たまたまバルサの黄金期とかぶって時期が悪かった」と見るかは人それぞれであろう。


しかし、少なくともペレス会長がこの「優勝請負人」を招聘した最大の理由は欧州制覇、
つまりビッグイヤーの奪還にあった訳でその意味でノルマを達成したとは言えないし、
故に今季の解任につながっている訳だ。


ただ、今回はまず戦術面にフォーカスする事で彼がマドリーにもたらしたサッカースタイルを再検証し、
そこからモウリーニョの「功績」と「功罪」両面をあぶり出してきたいと思う。


<モウリーニョマドリーの戦術分析>
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↑がモウリーニョマドリーの最終形となる布陣ですね。

まず4-2-3-1は絶対的な布陣で、対バルサシフトなどよほどの事がない限りモウリーニョはフォーメーションをいじる事はしませんでした。

この【メンバーと布陣の固定】は個々のパーツを緻密に組み上げていって最終的には一つの完成形を目指す彼の基本的なチーム構築術。

過去、インテル、チェルシー、ポルトでも同じ手法を用いて成功を積み重ねてきました。


個々のフェーズを見ていくとDFラインは両SBがロナウドのおもりで2人分の守備が課せられたコエントランと
バランス重視のアルベロアという極めて慎重な顔ぶれになっているのがまずモウリーニョのチームだな…という感じ。

攻撃力を考えれば左サイドはマルセロとロナウドを縦に並べて【リーガ最強の左】という選択肢もあるのだが
結局対戦相手に応じた使い分けでCLではコエントランがファーストチョイスになっていた。


ボランチはアロンソを軸に相棒をケディラが務める並びが基本だったが、今季はモドリッチを加えてこちらも選択肢を増やしてはいた。
だが、やはり大一番では守備で2人分の働きが期待出来るケディラを重用しており、
モドリッチはシーズンも終わり近くになってようやくチームにフィットしてきた出遅れが響いたか。

そしてチーム最大の強みである2列目には左からロナウド、エジル、ディマリアが不動のトリオで
最前線をベンゼマ&イグアインで使い分ける…というのがチームの骨格である。

改めて見てモウリーニョマドリーの辞書に「ターンオーバー」という文字はなく、
徹底した「少数精鋭」のマシーンがフル稼働していたイメージだろうか。


では続いてモウリーニョがチームにもたらした戦術的な「功績」と「功罪」を具体的に検証してみよう。


【モウリーニョの功績:皇帝Sラモス】
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就任当初からモウリーニョが「Sラモスは欧州でも5本の指に入るCBになる素質を持っている」と公言していた通り
CBへのコンバートと共にメキメキと力をつけてリーガ最強のCBへと成長した。
(現地ではベッケンバウアーのようなプレーぶりから皇帝の異名も)

SBとしても欧州屈指の実力者をわざわざCBにコンバートした理由は、
やはり絶対的な1対1の強さとスピード、そしてボールを運べる攻撃力をチームの軸としてセンターラインに据えたかったからではないか。

マドリーはバルサのように随時高いラインをキープするスタイルではないが、Sラモスのスピードという担保がある為
試合展開に応じて自分達の都合でDFラインを好きな高さに調節出来る強みは非常に大きい。

後にクラシコでは0トップで中盤に降りるメッシを捕まえるCBとしてSラモスの存在が光っていた。


だが、結局モウリーニョ政権の中で最も成長したこの選手との軋轢がキッカケで最後はチーム崩壊に至ったというのは何とも皮肉なものである…。



【モウリーニョの功績:エジルの守備意識】
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マドリー加入当初、エジルはいつもクラスで担任に怒られる役目のいわば「目をつけられた生徒」だった。

試合ではだいたい70分前後でベンチに下げられるのが恒例でモウリーニョは彼に「もっとチームの為に走るべきだ」と守備面での貢献を要求していたものだ。

と言うのもチームの王様でいれらたブレーメン時代と違い、マドリーにはもう1人の王様ロナウドがいる為、
中盤で攻守のバランスを取るためにはエジルの貢献が欠かせなかったからだ。

エジルはこの要望に見事に応える形で徐々に出場時間を増やしていき、
今では攻守に輝ける世界屈指のMFへと変貌を遂げた。

これにはきっとドイツ代表のレーブ監督も内心「モウリーニョGJwww」とほくそ笑んでいる事だろう(笑)



【モウリーニョの功績:進化する伝家の宝刀カウンター】

シャビアロンソのショットガンパスを起点とするカウンターは当初、システマチックに組み立てるため、それぞれのポジションは固定化されていたが
対戦相手の研究が進んでくるに合わせて次第に2列目のトリオには流動性を解禁。

【2列目が流動的に入れ替わるマドリー】
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前後のポジションチェンジは守備時のリスクが高いと嫌っていた様子のモウリーニョも
左右のポジションチェンジならリスクは小さいと見たのかこちらには寛容な姿勢を見せるようになっていった。

これによりロナウドが間受けからラストパスorシュートといったこれまであまり見せる事が無かったプレーバリエーションが増え、ゴール前での脅威は確実に増した感がある。

(返す返すもここにカカを組み込めなかったのが惜しい・・・。)



【モウリーニョの功績:打倒バルセロナ】
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3シーズンで通算17回(多すぎ!!ww)を数えたクラシコの成績は5勝6分7敗と何とか食い下がって五分に近い数字を残している。

だが、注目すべきは0-5のマニータからスタートした1年目から徐々に勝率を上げているという点。

次第にチームから「バルサコンプレックス」は払拭され、ペップ離脱後にバルサが弱体化した影響もあるとは言え、3年目には完全に抜き去りかけるところまで来ていた。

何より後にCLの舞台でバルサと対戦するチームに対し、「バルサ対策」のモデルを提示し続けてきたのは常にモウリーニョだったのだ。

ペペのボランチ起用=俗に言う「トリボーテ」によるバイタル封鎖、サイドの完全放置、
0トップのメッシに対しDFラインという概念を捨てたマンツーマンの復権…etc。

逆説的に言えばモウリーニョの存在なくしてバルサ側の進化も無かったと言えるかもしれない。


以上がザッと思いつく限りの主だった功績といったところ。
(もちろん他にも細かく挙げていったらキリはないけどネ…(^^;)

続いては功罪の方を取り上げてみたいと思います。



【モウリーニョの功罪:最後までエース不在】
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結局のところ「マドリーの1トップはベンゼマ、イグアインのどちらがベストなのか?」

この答えは最後まで見つけ出す事が出来なかった。

恐らくモウリーニョにとってはどちらも【帯に短し襷に長し】だったのではないだろうか?

次第にリーガではマドリー対策の研究が進んでくると自陣で守りを固める格下相手に苦しむ事になるのだが
モウリーニョが最後まで切望していた理想の1トップ像は苦しい時にロングボール1本をチャンスに、ゴールに変えてくれる強靭なCFだったように思うのだが・・・?

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結局、モウリーニョのマドリーではロナウドが【ドログバ+ロッベン】【エトー+Dミリート】の役割を1人で担っていたような構図が相手チームに守りやすくさせてしまっていた一因ではないだろうか?



【モウリーニョの功罪:カウンター誘発の為の攻守分断スタイル】

マドリーの高精度カウンターはモウリーニョが作り上げた功績であると同時に功罪でもあった。

ロナウドを守備時にも前残りにする事で相手のSBの攻撃参加を誘い、お互いの陣形を縦に間延びさせた状態でカウンター合戦に持ち込む事が彼らの必勝パターンだったのだ。

【マドリーが得意とするカウンターの打ち合い】
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両チームが縦に間延びした↑の状態だと組織対組織ではなく局面局面に関わる選手の単位が小さくなって個対個の様相が強くなってくる。

元々リーガでは個々の質で絶対的優位な立場にある上、ロナウド、ディマリアにスペースを与えてしまっては
CLレベルのチームでも守るのは難しいだろう。

守備面で考えても4バック+2ボランチの6枚ブロックでリーガの相手はほとんど守れてしまうので
前線を4枚残しにしているメリットの方が大きかったと見る。
(それ故、リーガでは度々6枚で守って4枚で攻めるという前後分断の構図をわざと作り出していた感もある)

これがモウリーニョが見出した勝利の方程式だったのだが、CLでファーガソンにしてやられたように
次第に「ボールを持たされた時に何も出来ない」という実態が浮かび上がっていく。

【マドリーの望まない展開】
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相手に引かれた時の「プランB」を用意できなかった要因は前述の1トップ問題とも密接に関わってくるが、
それにしてもチェルシー⇒インテル時代を通じても引いた相手を遅攻で崩しきるメカニズムはほとんどお目にかかった事が無いので、そもそもモウリーニョがそのカードを持っているのかどうかが疑問になってくる。

思うに4バック+2ボランチの後方固定は縦のポジションチェンジが無いので
相手のマークを混乱させる「食いつかせ」がそもそも難しいのだが、攻守に計算出来る精密機械を組み上げようとするあまり
ややチームが硬直化していた感は否めないのではないか。



【モウリーニョの功罪:ケディラの重用】
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個人的には今季モウリーニョの限界を感じる最大の戦術的欠陥がケディラの重用だったかな…と(^^;

確かにビッグマッチになればなる程、守備で3人分働くケディラの貢献は大きいのですが
中盤のあの位置にビルドアップと攻撃での貢献が0に近い駒がいるようでは欧州制覇は難しい時代。

他のCLベスト4に残ったチームと比較してもブスケス、シャビイニのバルサは言うまでもなく
今や欧州屈指のレジスタに成長したギュンドアンとベンダーのドルトムント
そしてバイエルンは今季このポジションを最大の補強ポイントとしてそれまでレギュラー格だった守備職人のグスタボをベンチに下げてまで、最高額の移籍金で取ってきたハビマルとシュバインシュタイガーを並べてる訳ですからね…。

いくらケディラには3列目からの飛び出しを許していると言っても
(何故なら取られても猛スピードで戻れるからww)
彼がゴール前で得た決定機を年間何ゴールに変えてくれているかはマドリディスタならご存知の通り(涙目)



【モウリーニョの功罪:対バルサ用決戦兵器へ?】

こちらも功績と功罪は表裏一体という事で、バルサに対して優位性を高めていく内に
今季は「対バルサ」に特化し過ぎたチーム体質の隙を突かれたという面はないだろうか?

例えばポゼッション原理主義のバルサはロングボールをいきなりDFラインの裏に蹴ってくる事はなく
そもそもCFが不在という戦術なので、DFラインという概念を放棄するのは理にかなっていた。

しかし、ドルトムントやバイエルンの縦に速い攻撃はあまりにポゼッションを前提とした守り方に特化してると
1本のパスで裏を取られたり競り合った後のこぼれ球に数的不利で対応せざるを得なかったりとチグハグな場面が出てきてしまう。

いくらあの日のレバンドが神懸かっていたとは言え、メッシとは正反対の「正統派CF」にあれだけ無策な様を曝け出してしまったのは潜在意識の中でDFラインが「バルサ用」にカスタマイズされていたというのは大袈裟だろうか。(^^;




<クラシコという贅沢な贈り物>
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それでも私はモウリーニョがこのタイミングでスペインに、マドリーに来てくれた事に心から感謝している。

彼が来てくれたお陰でただでさえビッグマッチだったクラシコは極上のエンターテイメントへと化した。


「カタルーニャ×マドリード」という歴史的な対立に

「ペップ×モウリーニョ」という人間ドラマ、

そして「ポゼッション原理主義×勝利至上主義」という哲学の対立まで上乗せされたクラシコは
サッカーファンにとって単なる一試合という以上の大きな意味を持つものになった。


この試合は見る者に否応なく一つの命題を問いかけてくる。


それはつまり「貴方のフットボール哲学とは何なのか?」という問いだ。


その証拠にここ数年のクラシコは試合後に結果だけでなく内容や自身が崇拝する哲学にまで及んだサッカー議論を世界中で巻き起こしていたものだ。

それは傍から見たら不毛な議論に見えるかもしれないが、サッカー談義とはそもそも不毛だからこそ最高に有意義なのである。


そう、『フットボールとは生きるか死ぬかの問題ではない。それ以上の問題』なのだから―


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12/13シーズン総括 【プレミアリーグ編】

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<12/13シーズン総括 【プレミアリーグ編】>

名将ファーガソが有終の美を飾った12/13プレミアリーグ。

リーグの名物だった伯楽が引退し、モウリーニョが帰ってくる来季は確実に新しいサイクルを迎える事になりそうだが
その前に今日は今季を振り返って総括してみたい。


まず、戦力的に考えて現在のプレミアリーグは以下の3つの層で構成されていると考えていいだろう。



【Aグループ (優勝争い)】

マンチェスターU
マンチェスターC
チェルシー


【Bグループ (CL圏争い)】

アーセナル
トッテナム
リバプール
エバートン


【Cグループ (残留争い)】

その他13チーム


それぞれのグループから飛び出して上に上がるのは容易な事ではない。
(新戦力の大当たり、名監督の招集、若手の成長など全てが噛み合わなければ難しい)


実際ここ数シーズンはだいたいこの顔ぶれで推移している。
もちろん今季とて例外ではない。

今季について言うとAグループとBグループの差は僅かだったが(その分ユナイテッドが独走)
BとCの間には実に勝ち点で12ポイントの差が存在している。(4ゲーム差)


そして昨季は最終節のロスタイムまで優勝チームが分からないドラマチックなシーズンだったが
それに比べると今季は随分アッサリと決まってしまった感は否めない。

それと言うのも優勝を争うべき昨季プレミア王者とCL王者が首位から2ケタもポイントも離される体たらくを演じてしまったからだ。

今季に関してはユナイテッドが強かったというより、
ライバル達が勝手に自滅していったという印象が拭えない。


各クラブは夏休み中に個別の通信簿を見ながら大いに反省していただきたい。



<12/13 各クラブ別 通信簿>


マンチェスター・ユナイテッド エンブレム11

【マンチェスターU (1位)】
[評価:よく出来ました]

シーズン序盤は香川の適合に手間取っていたものの、彼の負傷と共に
従来のプレミアスタイルに戻す決断が功を奏して持ち前の強さを取り戻した。

昨季の反省を活かし、消化試合やカップ戦で中盤ダイヤモンド型等のテストを行うも
「失敗」と判断したらスパッと諦める割り切りの良さも◎。
(ここがマンチーニとは好対照)

Vペルシーの爆発、キャリックの貫禄、ラファエル+デヘアの成長と
新戦力と既存の駒を120%活用し切る手腕は今季も健在だった。

香川の1年目は及第点と言ったところだが来季にこそ期待したい。



マンチェスター・シティ エンブレム1

【マンチェスターC (2位)】
[評価:もう少し頑張りましょう]

2位フィニッシュとは言え、今季のプレミアを盛り下げたA級戦犯としてその罪は重い。

昨季の優勝で何を勘違いしたのか、いきなりの3バック導入とモウリーニョばりの選手批判で
最後までチームに混沌をもたらしたマン○ーニではこの戦力をもってしても無冠は当然だ。

モチベーション管理にも失敗し、コンパニ、アグエロ、シルバ、ナスリは昨季とは別人のような低パフォーマンス。

総合的に見てリーグと欧州における存在感は「え・・・?いたの?」レベルだったと言っていいだろう(爆)

(相変わらずマン○ーニ先生には厳しいこのブログでありましたww)






チェルシー エンブレム12

【チェルシー (3位)】
[評価:普通です]

もちろんこの評価はシーズン通してのものなので、
ベニテスの任期だけに限れば「大変よく出来ました」でもおかしくはない。

結局ディマテオ暫定監督を引っ張ったまま始まった今シーズンは
昨年CLを制したチームとは真逆のチームコンセプトが求められていた。

しかしオスカル、アザールらの新戦力を要したポゼッションサッカーへの変換はあえなく3度目の失敗を迎える。

1度目はデコらを中心にしたフェリポン時代(2月解任⇒ヒディンクにつないでCLベスト4)
2度目はポルトに違約金18億を払ってまで取ってきたビラスボアス時代(3月解任⇒ディマテオにつないでCL優勝)

そして3度目となる今回はそのディマテオ(11月解任)からベニテスにつないでEL優勝。


うん・・・




いい加減気付こうwwww


何故このチームが攻撃的なサッカーに着手すると失敗するのかと言えば
Aコール、テリーらを中心としたDFラインが高い位置取りに耐えられず失点を重ねるからである。

そう、マタ+アザール+オスカルのコンビネーションは美しく機能しているのだが
実は問題は守る方のDFにある事に気付いていない。

そして1トップに60億のハリボテを置いて逆の意味で0トップになっているのも問題ww


要するにDF、中盤、前線とそれぞれやりたいサッカーのコンセプトがバラバラのつぎはぎ戦力になっちゃってるんだわ、このチームは。

さて・・・・モウリーニョのお手並み拝見ですな(笑)






アーセナル エンブレム1
【アーセナル (4位)】
[評価:よく出来ました]

このチームにとっての優勝は=4位(CL出場権)みたいなものなので、
実質は望める内の最高の結果を出したとも言えるシーズン。

チーム唯一の希望ウィルシャーの長期離脱もSカソルラのブレイクで何とか補った。

DFライン+GKは相変わらずアマチュアレベルだが(計算出来るのは新加入のモンレアルのみ)
それにしてもSカソルラにモンレアルとマラガが財政難に陥っていなかったら今季のアーセナルは一体どうなっていた事やら?
ガナーズサポは考えるのも恐ろしい事だろう(笑)

来季に向けては・・・とりあえずバルサで涙目のソングは帰って来い。ww

(ジルー師匠とポドルスキ、ウォルコットについてはもう見限ったww)



トッテナム エンブレム1
【トッテナム (5位)】
[評価:普通です]

今季、最も評価が難しいのがこのビラスボアスのトッテナムで、
実はこのチームの事を書く為に今回の通信簿はあったようなものです(笑)

実際のところ、凄く評価が分かれるチームだと思うんですが、皆さんはどう見ましたか?


もちろん目標としていたCL圏内は逃してしまったというのはあるんですが、
それ以上のサッカーの質とビラスボアスが発揮した手腕についての評価が難しいかなと。


まずチェルシー時代の反省は凄く生かされていたと思います。

いきなり世代交代を図った事からテリー、ランパードらのベテラン勢と対立してしまった経験は
トッテナムで昨季の正GKフリーデルから徐々に新戦力ロリスへと正GKを移していった過程に見る事が出来ます。

ビラスボアスのキャリアから「戦略家」というイメージがどうしても強いのですが、
今季に限ってはあまり昨季のチーム構造をいじらずに
むしろそれまで苦手だった(?)選手達との関係性に重きを置いてチームに最高の雰囲気をもたらしていました。


(ゴールシーンの度に選手が真っ先にビラスボアスと抱擁を交わすシーンは昨年のチェルシーではまず見られなかった光景。)


サッカーの内容ではCBにヴェルトンゲン、組み立てに司令塔デンベレ(+パーカー)、仕上げ屋ベイルと
タテのラインが揃うと強いのですがCFが今ひとつ定まらないのとベイルへの依存があまりに大きく
完全に今季のスパーズは「戦術ベイル」と言われても仕方ないかなと。

まあ、ベイル個人に関してはセンターでも大暴れと益々プレイヤーとしてのグレードを上げており、もはや手がつけられません(笑)


ただビラスボアスという観点から見るとこれまで長所とされてきたチーム構築、戦略家という良さはあまり発揮されなかった反面、
これまで苦手としていたチームの雰囲気作りで新たな一面を見せてくれたシーズンだったという意味でプラマイ0の「普通です」評価としてみました。

これで来季は本来の戦略家としての武器を活かして「脱・戦術ベイル」に成功すればCL圏内は自ずと見えてくるでしょう。






リバプール エンブレム1
【リバプール (7位)】
[評価:もう少し頑張りましょう]

いや・・・分かってた。うん、今年も薄々こうなるんだろうって事は分かってたんだけどね。

確かに去年のスウォンジーは凄くいいサッカーしてたもんね。
でもほら・・・監督だけぶっこ抜いてきてもポルトにはなれなかったのはビラスボアスとチェルシーで分かってたじゃんか?

CBにシュクルテルがいて、CHがルーカス、ジェラードじゃスウォンセロナの再現は無理だって・・・。(爆)

GKから丁寧に繋ごうとすればする程リスクだけが増大していく様は相手にとってボーナスステージだろうに。
(いっそGKレイナにパントキック蹴らしてた方がよっぽどチャンスになるし・・・(涙目))


ただ、唯一評価するのは冬の補強ね。

スターリッジ、コウチーニョの加入で「戦術スアレス」からは脱却成功。

これまで組み立てから仕上げまで1人でこなさなければならなかったスアレスが
仕上げをスターリッジに崩しをコウチーニョに分担出来る事により
1列下がった位置でスアレス無双状態なのはいい兆候です。

来季は後ろに新戦力を与えて我慢強くロジャースを見守っていけば欧州は狙える位置まで行ける・・・かも?





スウォンジー・シティ エンブレム1

【スウォンジー (9位)】
[評価:大変よく出来ました]

もちろんリーグCUP優勝と個人的な好みを加味しての評価だけど、
とにかく今季もプレミアで一番楽しいサッカーをありがとう!

チームの礎を築いたロジャースは持って行かれちゃったけど、ラウドルップはいい仕事するネ!

スカウトの仕事も◎で、トーレス1人でミチュが20人以上買えてしまうというバーゲン価格。

さすがに早々と残留を決めた後はリーグCUP1本に絞って、
そこで優勝すると世界一早いバカンスモードへ突入してしまった事で終盤は勝ち点も落としたけどそれでも9位は上出来でしょ。

とにかく戦力だけいても見るに耐えない試合も多い上位陣に代わって
来季もプレンミアに吹く一陣の風のようなサッカーをオナシャス!

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本田と香川の共鳴 ザックJAPANが勝てない理由 ~日本×オーストラリア~

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本田と香川の共鳴 ザックJAPANが勝てない理由 ~日本×オーストラリア~

祝☆ブラジルW杯出場決定!

事実上、既に99%出場を確保していた日本ですが、それでもこの豪州戦はホームで初のW杯出場を決めるチャンス。

当日は渋谷のスクランブル交差点まで封鎖して日本中が「その瞬間」を待つ中、
ザックJAPANに求められたノルマはキッチリ「引き分け以上」で決めてしまう事。

一部、僕の中の天邪鬼がいっそ負けてしまって日本中のリア充共が肩透かしを食らう中、
夜中に他会場の結果によってヒッソリと出場を決めてしまうのも面白いな…などとよからぬ事を妄想していましたが
どうやらただの非リアによる嫉妬で終わってホッとしました。ああ、本当に良かったね!

という事で今日はこの豪州戦から見えた収穫とW杯本大会に向けた課題、
そして議論の的になっている【ザックの采配ミス(?)】についても検証していきたいと思います。


<オーストラリアは引き分け上等!?>
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回を重ねる度にオーストラリアが日本をリスペクトしてくれる度合いが増していったこのシリーズだが
この試合前には国内で行った世論調査に6割以上の国民が自国(豪州)の負けを予想していただけあって
すっかり腰が引けていたオーストラリア。

戦前はケネディとケーヒルの2トップが予想されていたが
オジェック監督は中盤で日本相手に数的不利になる事を恐れたのか蓋を開けてみれば日本と布陣を噛み合わせる形の4-2-3-1を採用。

試合後の会見で監督本人の口から語っていたように
『正直に言えば引き分けでも御の字だと試合前は考えていた』というのだから両国の力関係も変わったものである。


実際に試合が始まるとオーストラリアはリスクを侵さず1トップのケーヒル目がけて蹴り出すロングボールが攻撃の柱。

さすがにこれは吉田と今野に難なく処理されるのだが、ロングボールを蹴っている間に陣形を押し上げて
こぼれ球を分厚い中盤のサポートで拾い、そこからブレシアーノのゲームメイクで再びサイド攻撃を仕掛けていくという形が目立った。

ただ日本からするとこれならば前線にケネディと2枚並べられた方が遥かに怖さがあっただけに
選手もサポーターも時間の推移と共に「オーストラリアもこんなもんか」という肩透かし感が強かったのではないだろうか。


一方、直前の強化試合(対ブルガリア)では3-4-3を試してみたりと"お遊び"が目立ったザックも
本番となれば当然のベストメンバーを用意してきた。

一番の違いは何と言ってもピッチに"あの男"がいる事だ。


<本田という存在感>

これまで何度も言ってきているようにザックJAPANはあくまで「本田のチーム」なんです。

何故そうなのかと言われれば、ます本田がいる事でパスの経路が変わるから。

具体的に言うと球出しの起点遠藤からのパス経路という事になるんだけども…

【遠藤⇒本田の縦のラインが日本の攻撃の起点】
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↑のようにピッチ中央に本田という絶対的な基準点がいる事で遠藤は躊躇なく中盤でタテパスが出せる訳ですね。

そうすると相手の守備ブロックは一旦、中に絞らざるを得ない為
必然的に両サイドのスペースが空き、日本の強みであるSBの機動力が機能し始めるという好循環。

これが現在のザックJAPANにおける攻撃の生命線になっている事は明らかであろう。


一方、本田がいない場合はなかなか中盤でリスクを負ったタテパスが入らず、
遠藤からのパス経路が両サイドへ直接散らすコースになってしまう。

【本田がいないと遠藤からのパス経路はサイドに】
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これだと相手の守備ブロックを食いつかせていないので陣形に乱れが無く両SBの機動力も死んだまま。

ザックJAPANが苦戦するパターンがこれで、
遠藤のパス経路を見ればその試合の状態が一目で分かると言ってもいいだろう。


もちろんこの試合では本田がいる為、序盤から攻撃で好循環が見られた。

実際の試合から検証してみよう。


【遠藤⇒本田を起点にした日本の崩し】
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局面は中盤で遠藤がボールを持った瞬間。

この時の本田とブレシアーノの位置関係にご注目。

遠藤がボールを持って顔を上げた瞬間はどうしてもブレシアーノも一度ボールの方を確認しなければならない。
この隙を突いて絶妙のタイミングで本田は動き出しを図るのである。


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遠藤がパスを出せる状態になった瞬間に"スッ"とブレシアーノの前に入る本田。

遠藤も本田が得意とするこの動きを予め分かっているので何の迷いもなく中盤でタテパスが入れられるのだ。


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本田がピッチ中央でタテパスを受ける事でオーストラリアの守備ブロックが一度中に絞る。

その事で空いたサイドのスペースに長友が侵攻し、本田からのパスを受けるという一連の流れ。


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で、本田はここからもう一度ボールをもらいに行くとオーストラリアのボランチ、ミリガンがこれを抑えにかかる。

無論、これは本田が仕掛けた罠でボランチを釣り出す為の誘い出しだ。


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本田はミリガンを釣り出しておいてから長友へパスを返す。

この一見意味のないパス受け⇒リターンに込められた本田の意図とは?

無論、オーストラリアのボランチをサイドに引っ張ってく狙いは
日本が誇る「間受けの天才」にバイタルエリアでスペースを与える為である。


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長友から遠藤に再びパスが渡るとボランチのミリガンがサイドに釣り出された事で
バイタルエリアで間受けを狙う香川へのパスコースが空いた!


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遠藤がしっかり注文通りのタテパスを入れると香川は得意の態勢からファーストタッチで前を向くターン!


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香川無双発動!!!

こうなったら日本の形で、あとはもう何でも出来ちゃうやりたい放題の局面。

(このシーンでは岡崎へのスルーパスを狙うが惜しくも届かず)


余談ですが、ユナイテッドでは遠藤(キャリック)、本田(ルーニー)でこの形を頼んます。モイーズさん。


遠藤に限らず、日本の選手はボールを持ったらまず本田を探しているのですが
何故これ程までに本田に対する信頼が厚いのか。

それは少々出し手のパスに難があろうが、敵のマークを背負っていようが
本田に出しておけばマイボールを失う心配は無いという安心感ですよね。

よくフィジカルの一言で片付けられてしまう本田のキープ力ですが
それを支えているのはボールを受ける際の確かな技術なんです。

ちょっと他の日本人選手とは違う、本田の「ボールを受ける技術」を検証してみましょう。


【本田のボールを受ける技術】
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局面は今まさに本田が中盤でタテパスを受ける瞬間です。

ただ、出し手のパスは完璧とは言えず少し浮いてしまっていてコントロールに時間がかかる類のもの。


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ここでミリガンからのタックルを受けますが、この時発揮されているのが本田の技術です。

ちょっと分かりずらいので画像に強引に書いちゃいますと・・・


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ハイ!この背中-尻-立ち足で作った鉄の壁!!

分かります?

ボールを奪いに来るミリガンの方の側面で、本田が背中-尻-曲げた立ち足で壁を作って
ボールに近付けないようブロックしているんですね。

右の立ち足+右手のハンドオフでブロックしつつ、相手から遠い方の左足でボールをコントロールする同時作業ですが
これがボールを受ける技術で決してフィジカルではありません。

もちろん立ち足の踏ん張りやブレない身体の軸などフィジカルの強さもあれば理想ですが
身長の低いアグエロやメッシらもこの壁の作り方が本当に巧みです。


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本田はボールをミリガンから遠い方へノーリスクで持ち出し・・・


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ハイ、ここで完全にマイボールにしてしまいました。

気付けばミリガンとの距離は人1人分空いてしまっています。
(強引に空けたと言ってもいいですが)


これなら本田へのタテパスはリスクを感じる事なく(つまりストレスなく)出し手も出せるというものです。

ザックJAPANを「本田のチーム」と呼ぶのはこの為ですね。


<香川のトラップ&ターン>

一方で、本田とは違った持ち味を発揮してボールを受ける選手がいます。

「バイタルエリアの王様」こと香川真司ですね。

彼がボールを受ける際に発揮する技術は背負った敵をブロックする壁ではなく
トラップと同時にすり抜けるターンの巧さにあります。

では実際の試合から検証してみましょう。(本田との比較で見ても面白いかもしれません)


【香川の受ける技術】
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局面はPA内で敵を背負いながらボールを受ける香川。

この時の彼の身体の使い方に注目しながら見ていきましょう。


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ファーストタッチの瞬間にもう立ち足を軸に180度ターンをする態勢に入っています。

なので先程の本田は立ち足をドッシリ地につけていたのに対し、香川はつま先立ちになっているんですね。

これはその後に描いている展開の違いで、ちょっと皆さんもその場で立って実際にやりながらイメージして欲しいんですが
立ち足を曲げて踏ん張りを利かす時と立ち足をつま先立ちにしてクルッとターンする身軽さの違いですね。


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ハイ、ファーストタッチのボールの置き所でもう背負っているDFと横並びにしてしまいました。

PA内という事もありフィジカルではさほど強さの無い香川ですが守るDFからすると迂闊に当りに行けない怖さがあります。


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ここから迫ってくるDFの股抜きを狙って入れ替わろうとした香川ですが、
このボールは惜しくもDFの足に当たってカットされてしまいました。

しかし、この様に受ける際に必ず次のビジョンが頭にあってトラップと同時に前を向こうとターンを挟む香川の受け方は守る側に怖さを与えるに充分なものです。

本田や香川の受け方に比べると他の日本選手はまだまだ"ただ何となく"ボールを受けているシーンも多く
これが攻撃にヴィジョンが無い=得点力不足の一因になっていると見ます。


加えて香川の次の次まで狙った動き出しを今ひとつ周りが活かしきれていないシーンも目立ちました。

【香川の意図を活かせないジレンマ】
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局面は長谷部から岡崎へクサビのパスが出るシーンですが、この瞬間に既に香川はターンで裏をとっています。

その意図は・・・・


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勿論、ザキオカさんからダイレクトで落としを受ける「第3の動き」ですよね。

アジアレベルではパスの出し手と受け手にまではマークが付いても、3つ目までの動きに付いてくる事はほぼ無いので
実はこれで簡単に崩せるんですけど・・・


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ああ~っとザキオカは普通にトラップ!!

見えてません!次の次が描けていません!ww


続いてもう一つ・・・


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局面は左サイドでボールを持った香川が長友へボールを預けてパス&ゴー!

一度ボールをはたいて次でリターンを受ける香川の得意な形ですね。


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香川に付いていたDFも完全にボールの方を追ってしまっているのでこれでリターンが出ればフリーで抜け出せるのですが・・・


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ああ~っとインテルは苦しい態勢からシュートを狙ってしまった~!

まあ、別に香川をオトリに使ってシュートを狙うという選択肢もあるからいいんですが、
この局面で言えばオーストラリアが完全にボールに釣られていたのと
受けた長友の態勢がシュートを狙うには不十分だったのでスマートに香川に返しておけば…という気もするんですけどね(^^;


このように試合をつぶさに見ていくと誰が次の展開まで描けているのか、誰がそうでないのかが如実に分かってきてしまうんですね。

…で、まだまだ日本の攻撃を見ていると「ああ、そこ見えていなかったか…」というモヤモヤが募るんですが
描けている者同士が絡むと↓こういう理想形が現れるという例を一つ。

【3人が同じ画を描いた理想形の崩し】
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局面は先程と同じように香川が遠藤にボールを預けたパス&ゴーから。

本田がゴール前でこのやり取りを見てピキーン!と共鳴し始めます。


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トップから降りてくる本田と裏へ抜ける香川のコントラスト。

これが2人からボールを持った遠藤に贈ったメッセージです。

この瞬間、遠藤、本田、香川は同じヴィジョンを描く事に成功しました。


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遠藤からのタテパスを本田経由でダイレクトに香川へ。

う・・・美しいハーモニーだ

香川⇒遠藤⇒本田⇒香川と淀みなく流れるボール。

これ、遠藤が本田を経由せずに直接香川に出しちゃうと台無しなんですよねー。


この様にザックJAPANの攻撃ヴィジョンっていうのは現状この3人が描いていると言っても過言ではありません。

ハーフタイムに本田が『真司と話して2人で攻撃をリードしようって・・・』と言うのも頷けます(笑)

岡崎はまだ別ベクトルの動きが最後の抜け出しやこぼれ球への反応に繋がって面白い化学変化を起こす時があるので
ザックも敢えて異分子として置いてるのかもしれませんが前田に関しては全く絡めていない所在無さが気になります。

(どこかマタ、アザール、オスカルの3人に絡めないトーレスを思い出すよね…ww)


つまり日本の得点力不足とは、実はヴィジョンの共有不足であり
今後攻撃に関してはこの3人にいかに絡んでいける選手を発掘するか、もしくは既存の戦力を鍛えていくしか道は無いと見ます。


<ザックの采配ミス(?)を検証する>
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試合は腰が引けたオーストラリアと日本の攻撃の迫力不足もあり0-0で前半を折り返すと
後半は足が止まり始めた豪州が完全に引き分け狙いに移った事もあり試合は膠着状態へ。

引き分けでも出場が決まる日本はこれはこれで一向に構わないのだが
問題はピッチ上の選手にどのタイミングで引き分け狙いを伝えるかだ。

ザックの母国イタリアならば残り30分を守りに入って逃げ切るのも容易いのだろうが
日本の選手はあまり早い段階で守りに入ってしまうと返って守れない事の方が多い。

そこでザックは残り10分を目処に前田に代えて栗原を投入。
ピッチ上の選手達へ引き分け御の字のメッセージを伝えるタイミングとしては理にかなっている。

一瞬、栗原投入という事で「3-4-3かっ!?」とも思ったが
やはりザックは大事な試合で博打は打たない。

布陣は4-2-3-1のまま選手の並びをイジってきた。

【後半34分 栗原投入】
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今野を左に出して長友を一列上げて、本田の1トップへ。

布陣を変えずにメンバーをイジって攻守のバランスに手を加える采配はイタリア人監督の十八番。

同じ4-2-3-1でもより守備力を上げた布陣になっている。
(それにこの布陣はアジア杯決勝でオーストラリアを破ったイメージからも縁起がいい)


・・・で、この直後に問題の失点シーンが訪れる訳だが、
このシーンの流れを見ていくと日本の右サイドで岡崎が振り切られ、内田と競り合いながら入れられた苦し紛れのクロスが不運にも直接ゴールに吸い込まれた失点となっている。

布陣変更で並びをイジった左サイド(長友+今野)を破られての失点ならばまだ議論の余地もあるが、
並びの変わっていない右サイドを破られて川島の判断ミスも加わっての失点となればそもそもザック采配を問う以前の問題ではなかろうか?

ともかく予想外の失点で0-1となれば状況は一変してくる。
日本は引き分けでも御の字だが負けでは駄目なのだ。

となれば再び1点を取る為の布陣に迅速へ移行しなければならない。

すぐさまのマイク、清武の投入は当然でここも議論の余地は無いだろう。

【マイク、清武の投入で攻撃重視の4-2-3-1へ】
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「采配が後手に回っている」「逆なんだよな・・・マイク投入が先だ」というのは単なる結果論に過ぎないだろう。

引き分け御の字の展開で先にマイクを投入する意図はどこにあるのか…?

わざわざ日本までロングボールの蹴り合いに付き合ってみすみすマイボールの時間を削るマイク投入に
0-0の段階で何のメリットがあるのか理解しかねる。

「采配が後手」に回っているのではなく、試合状況に応じて迅速に最善手を打ち続ける棋士ザックの姿を私はそこに見るのである。


確かに監督の中には試合の展開を先読みした閃きの一手、いわゆる「神の一手」を指せる者もごく僅かではあるが存在する。

試合が実際に動く前にこちらが一瞬「?」を浮かべるような一手で未然に蓋をしてしまうような天才監督が。


勿論ザックはそういうタイプの監督でない事はこの3年だけを見ても明らかだろう。
(ウディネ⇒ミラン時代を見ているファンなら尚の事)

だが、モウリーニョら一部天才監督を日本代表に招くのが不可能ならば、
今求められるのは目の前に起きている状況に合わせて最善手を打ち続けられる監督ではないのか?

その意味でザックの評価に未だ揺らぎは無い。


<ザックJAPANが本大会で勝てない理由>
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終わってみればかつてない程順調に突破を決めたW杯予選だった。

それも本田や香川、長友と言った普段アジアとは一つレベルの違う環境で凌ぎを削る選手達と
的確な采配で答えを出し続ける指揮官がいれば順当な結果と言えるだろう。

このブログにも最終予選の組み分けを見た段階で
「どう間違えても2位以内は堅い」と書いたがその予想以上に楽な展開になってくれた。


巷では「持ってる本田」「ザックの手腕に対する疑問」「得点力不足」が議題に上がっているが果たして問題はそこだろうか…?

最後にこの試合で見えてきたもっと別の課題から、
当ブログでは「このままではザックJAPANは本大会で勝てない」と冷水をぶっかけて締めにしたいと思う。

(決して渋谷で盛り上がっているリア充達に対する嫉妬ではない)


私がザックJAPANで危惧しているのは得点力ではなく、むしろ守備力の方である。

オーストラリア戦で見られた問題となるシーンを提起してみよう。


【日本の守備の距離感】
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局面は日本がオーストラリアのカウンターを受けている場面。

DFラインを高い位置に上げて1トップのケーヒルをオフサイドポジションで殺しているのはいいとしても
ボール保持者のオアーに対して遠藤の寄せが甘過ぎはしないだろうか?

結果、この距離感ではオアーに自由にルックアップを許しており、中のクルーズの走り出しを確認されている。


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するとみすみす高い位置までDFラインを上げた事で生まれた裏のスペースへ楽にスルーパスを通され・・・


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ここはクルーズがトラップをミスしてくれたので大事には至らなかったのだが本大会ではどうだろう?


続いてもう一つ↓



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これもオーストラリアのカウンターを受ける場面だが、オアーに対する内田の距離感が問題。

現代サッカーでは「攻めている内から守備の準備」というのが当たり前になってきているが
日本が攻めている段階で内田はカウンターの受け手であるオアーに寄せている必要があったように思う。

つまり・・・


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この距離感で詰めろ!!

SB(ピシチェク)は相手のSH(リベリー)がボールを受ける際、絶対に前を向かせない!という距離まで詰めているのが世界だ。


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…ほら、内田の距離感だと簡単に前向かれちゃうでしょ?


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そのままオアーに中までドリブルされるも、ここでもまだ遠藤の寄せが緩い。

さっきと同じように裏へ抜けるクルーズを楽にルックアップで確認されちゃってます。


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当然、スパーン!と裏へスルーパス1本通されて・・・


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「川島ナイスセーブ!」言ってる場合ちゃうてwww


よろしい、これを間近に迫ったコンフェデに置き換えて考えてみましょうか。

仮にドリブルで持ち込まれたオアーをネイマールに、パスに抜け出たクルーズをカカと想定すると
確実に飛び出た川島の頭上を冷静に抜かれて失点してますよね?コレ(笑)

アジアでは川島のドヤ顔で済んでも本大会では確実にやられると僕は思うのです。


・・・で、守備で寄せが甘いのは先程攻撃で散々褒めた人達だったりするから困るんですよね~(^^;

【サイドの守備では香川も寄せが甘い】
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いや~、これは是非ユナイテッドでファギーに鍛えて欲しかった部分!

マンUのSHとしてレギュラーを争うならここはもうひと伸びが必要な香川か?(^^;


以上をまとめるとですね・・・

要するに守備では4年前と同じ問題にぶち当たるんですよ。

何故かってボランチが4年前と変わってないからです(笑)


岡田監督は4年前、当初は遠藤と長谷部のダブルボランチで本大会に臨むつもりだったんですが
直前のテストマッチで「この2枚じゃ世界相手には守れんわ」という結論に達し、
10番中村をベンチに下げてまで長谷部と遠藤の後ろに守備専門の阿部を置く決断をした訳ですよ。

翻って、現在のザックJAPANでも遠藤のプレーヴィジョンは攻撃では絶対に欠かせないピースになっています。

しかしながら守備は・・・残念ながら4年間をJリーグで過ごしたツケを感じずにはいられません。


もはや世界の最前線ではCFのマンジュキッチがあれだけ守備をする時代です。


ザックはボランチをこの2枚でいくなら、チーム全体でそれなりの整備が必要になってくるはず。

コンフェデがそこら辺のさじ加減を見極める最後のチャンスだろうと思うので
これはまた本大会中のマッチレビューでも検証していきたいと思います。


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