誰の為のブラジル戦だったのか?アギーレJAPANの未来を探る ~日本×ブラジル~

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<誰の為のブラジル戦だったのか? ~日本×ブラジル~>

ブラジルW杯での惨敗劇から早4ケ月。
前技術委員長のイチオシで招聘されたアギーレJAPANは船出から3戦目でブラジルと戦うチャンスに恵まれました。
そこで今日は先日のブラジル戦を振り返りながらアギーレJAPANの未来像を検証してみたいと思います。

まずこれまでの2試合で召集されたメンバーからアギーレが目指すサッカーの方向性を探っていくと
ザックJAPANではポゼッションの主役を担った中盤から遠藤、長谷部らが外れ
代わりに森重、細貝、田中順也という、彼が言うところの「ボールを持っていない88分」を基準に選ばれたメンバーが名を連ねています。

ザックが【自分達がボールを持つ事】を基準にチーム作りを考え、それに見合った人材に世界基準のインテンシティを上乗せしようとしたのに対し、
アギーレは最初から【ボールを持てない】事を前提にチームを作り始めたと言ってもいいかもしれません。

まあ、リーガで彼が率いたチームを見てきたリーガ厨ならば、
そもそも彼が端からポゼッションになど興味無い事は重々承知だったので「あ、やっぱりね…」という感じなんでしょうが(^^;

あれだけJリーグを視察しておきながら目下絶好調の宇佐美を召集しない徹底振りは
呼んだ選手以上に呼ばない選手を使って自身のサッカー哲学を日本中のサッカーファンに示す一種のパフォーマンスのようにも感じられます。
(次あたりアッサリ召集も有り得るww)


で・・・このブラジル戦である。

ファンは当然、今、日本が持てるベストメンバーを結集しブラジル相手にどこまでやれるか?を楽しみにしていた事だろう。
しかしアギーレはこれまで9つのチームを渡り歩いてきた、ある意味プロフェッショナルな監督。

その彼にすれば2年契約の日本代表においてまずどこで自身の査定が行われ次の契約延長に繋がるかをカレンダーから探り、そこへ向けたチーム作りを進めていくのは当然ではないでしょうか。

となればいくら「特にノルマは設定しない」と言われているといっても、まずは年明けのアジアCUPに照準を絞り、
それまでの強化試合を使ってチームを固めようと考えるのがアギーレにとっては当たり前で、ここにファンとアギーレとの乖離が生まれてしまった訳ですね。

まあ、穿った見方をすれば討ち死に確定のブラジル戦でテスト色を強調し、あらかじめ予防線を張っておいたと見えなくもないですが・・・(^^;

さて、注目のスタメンやいかに?


<テストに徹したプロ監督アギーレ>
日本ブラジルースタメン

ドゥンガセレソンは安定の4-4-2で地味だけど確実に計算の立つ選手を集めた感じ。
国内から召集したFWのジエゴタルデリはW杯でレギュラーだったフレッジなんかより全然いい選手で
機動力がありながら最前線でボールが収まるのでネイマールもやり易そうでしたね。

まあ、攻撃に関しては結局最後は「戦術ネイマール」になってしまうのは相変わらずでしたが・・・。


一方のアギーレはTBSも真っ青のスタメンを組んできました。
ジャマイカ戦から6人を入れ替えて中盤の3枚を初代表のJリーガーで組ませるという暴挙。

マジでこの人、相手がジャマイカだろうがブラジルだろうがそんな事は知った事じゃなく、
あくまで持ち駒の見極めの一環としてこのブラジル戦を消費してきました。
(ある意味プロフェッショナルに徹してるなぁ…)

結果、日本×ブラジルなのにどっちも知らない選手がたくさんいるっていうめずらしい状況に(笑)


<ブラジルの緩⇒急>
20141015NeymarvsJp.jpg

日本は序盤、若い代表選手達を中心にあからさまに動きの硬さが見えて
タテパスを早く入れようという意識はあるものの、結局孤立したマインツに焦ってロングボールを入れては
ブラジルの強力CB2枚にガッツリ潰されてボールを回収される流れ。

一方のブラジルもこの試合を迎えるにあたって3日前に宿敵アルゼンチンとガチな喧嘩をしてきた後なだけに露骨に動きが鈍い事(笑)

結果、硬い日本と鈍いブラジルとでギクシャクした流れが前半10分あたりまで続きました。

そんな中、それまで右から左、左から右へとのらりくらりボールを回していたブラジルのスイッチが初めて入ったのが前半10分過ぎのこのプレー↓

【ブラジルのスイッチが入ったワンプレー】
ネイマワンツー1
↑局面は日本の3センターの前でボールを持ったネイマール。対面の柴崎をワンフェイントで軽く外してしまいます。


ネイマワンツー22
パス&ゴーでタルデリへ預けてリターンを受けに走るネイマール


ネイマワンツー3
で、ボールを受けたCFタルデリに対する日本のCB塩谷のこの中途半端な寄せ。
寄せというか、全然寄せれてないのでこれだけ距離が開いてしまっている訳なんですけど。
(タルデリが攻撃方向に背を向けているだけに「ここでチャレンジ行かんのかい!」っていうね・・・)

本来、この場面でCBに求めたい寄せはこう↓


ネイマワンツー4
塩谷がDFラインから飛び出してチャレンジし、残ったDFラインの3枚が中に絞ってカバーリング。

クラシコで中盤に降りるメッシを捕まえるSラモスと残ったペペ、アルベロア、コエントランの絞りをイメージしていただくと分かりやすいかも(笑)

いずれにせよ、この中途半端なCB(塩谷)の寄せはいかにもな「Jリーグ・スタンダード」

これだとタルデリは余裕でボールをキープ出来るのでタップリとネイマールが上がってくる時間を稼いでから・・・


ネイマワンツー52
結局リターンを受けたネイマールに塩谷もアンカーの田口も置き去り。

このワンプレーでネイマールを始めとするブラジルの攻撃陣は「あ・・・余裕で崩せるわコレ」ってなスイッチが入った感があり、一連の流れを見ながら本日の大量失点を覚悟した次第でありました(笑)


そして案の定というかこの7分後に生まれたブラジルの先制点ですね。
ちょっと流れを追って検証していきましょう。


【ブラジルの先制点を検証】
1点目1
↑左から右へ攻めるブラジルの攻撃で、アンカー田口の前にタルデリが降りてきた流れから。
当然ここへのタテパスは田口も警戒しているので距離を詰めるべくアプローチの姿勢を見せます。


1点目2
ところがボランチのエリアスが田口の背後をとってバイタルに陣取っていたので
一瞬、田口がタルデリへの寄せとエリアスへのカバーとどっちへ行こうか迷いが生じています


1点目4
この一瞬の迷いを見逃さないのがブラジルのシビアさ。
遅れてタルデリに寄せてきた田口をあざ笑うかのようにワンタッチパスで田口を外してアッサリとバイタル侵入成功。

じゃあ、この時日本の中盤はどう守ればよかったのか?と言うと・・・・↓


1点目3
3センターが一個づつ中にスライドして絞ればマークもハッキリしていたはずなんです。

要するにこれは戦前予想されていた通り柴崎、森岡、田口の3センターじゃ守備をリードする選手が不在で3人が全く連携を取れていない状況ですね。


1点目5
・・・で、実際にはタルデリが田口を外してバイタルでリターンを受けた時、森岡と田口のこの距離間ですよ・・・。

これじゃあただ何となくボランチを3枚中央に並べただけってのと変わりません。個々が単体のパーツとして動いているに過ぎないのです。

頼むからもう少し自陣のバイタルエリアを使われる事に危機感を憶えてもらって、とにかく中は閉めてくれと。

何故なら今更ここでCLなどを持ち出すまでもなく現代サッカーとは「バイタルエリアを巡る攻防」なのだから・・・。

この1点目のシーンで何やら「ネイマールのオフサイドにかからないように動き直したコース取りが凄い」とか言われてますが、ハッキリ言ってブラジルレベルの相手にここまで簡単にバイタルで前を向かせたらその時点で詰んでますって。

何故かと言うと・・・・↓

【ネイマールの視野】1点目ネイマ視野
まずこの時、ネイマールが見ている視野で局面を考えてみましょう。
彼の視野からは当然ボールを持ったタルデリが見えています。その上で日本のDFライン全員をボールと同一視野に納められた訳です。

なのでパサーがボールを出せるタイミングで悠々とDFラインを見ながらオフサイドにかからないよう裏に抜けるなんて朝飯前の事。

じゃあ次はラストパスを出したタルデリの側に立って考えてみましょうか。


【タルデリの視野】
1点目タルデリ視野
タルデリはこの状況だと日本のDFラインと、今まさに裏に抜けようとするネイマールを同一視野に入れられますね。

なのであとはオフサイドにかからないようタイミングを見計らった上でスルーパス出すぐらい、極端な事言ってしまえば
そこら辺のちょっと腕(足?)に覚えのある草サッカープレイヤーでも出来ます。
だってこの状況でボールの出し手が守備者からの邪魔すら無いんですよ?何のシュート練習だよっていう(笑)

一方、これを防ぐ側の日本DFがどれだけ厳しい状況かも考えてみましょう。

まずはネイマールに前へ入られたSBの酒井↓

【酒井の視野】
1点目酒井視野
酒井はネイマールに気を取られたらボールがいつ出てくるかタイミングが分からないし、
ボールを気にしていればネイマールが視野から外れてしまいます。

結局、ボールホルダーがフリーの↑のような状況ではボールの方を見ざるを得ない訳で
あのスピードで背後(視野の外)から前を通られたら酒井に対応しろって言ってもかなりの無理ゲーです。

それは他のDFも同じで・・・・↓

1点目DFライン視野
要するにこの場面では日本のDFラインは一瞬ボールウォッチャーにならざるを得ない状況なんですよ。
まあ、中盤のセンターをあれだけ簡単にバックリ割られたらそりゃーこうなりますって。

故に「いかにバイタルエリアを使わせないか、ここで前を向かせないか」が現代サッカーの守備におけるメインテーマになるのは必然であり、攻撃はその逆って事です。


<機能しなかった日本の3センター>
o0620043013099077990.jpg

ブラジルは試合開始10分弱で日本の弱点を見抜いていました。
つまり急造の3センターがバイタルエリアをケアしきれていない事を。

そもそも4-1-4-1気味の3センターは本来中央を厚くしバイタルエリアを閉める為の布陣なのですが、何故日本はこうも簡単に明け渡してしまったのでしょうか。

【中を閉められない3センター】
3センター1
↑要するにこういう場面ですよね。


3センター2
これ本来は3センター同士が一つの鎖で繋がっているような機能を果たさないといけないんですけどね。
例えばボールサイドの柴崎がアタックしたら田口と森岡がスライドして中を閉めるカバーの役割を果たすという相互関係ですね。


3センター3
ここで全体がボールサイドへ一つずつスライドしてれば↑こういうポジションバランスでバイタルは閉められたはず。

結局この場面では間受けをするネイマールにCBの塩谷が後ろから倒してファウルで事なきを得るんですが
ここへ簡単にCBが釣り出される守備対応はフリックでスカされたり一発で入れ替われたりしたら即失点のピンチと紙一重なんですよね。(これをブラジル相手に90分続けてたらそりゃー大量失点は免れませんて)

CLでバルサと対戦した際のアッレグリミランとかシメオネアトレチコの4-5-1を見ていただくと、こういう中を閉めるスライドの見事さに気付くはずなんですが・・・。

【参考画像:対バルサ戦におけるバイエルンの3センター】
myura5.jpg


途中からは露骨にブラジルもこのスペースを狙い打ちにしてきていたので、その中から一つ、
アンカー田口の両脇に出来るスペースを狙ったブラジルの見事な崩しをご覧いただきましょう。

【バイタルを狙い撃ちしたブラジルの崩し】
田口両脇1
↑は左から右へ攻めるブラジルの攻撃で、狙っているのはアンカー田口の両脇に出来るスペースですね。
(4-1-4-1の泣き所)


田口両脇2
ブラジルはこのスペースに早速FWタルデリが降りてくるのとネイマールが森岡の背後をとって侵入を開始。


田口両脇3
で、ここから次にパスを受けるグスタボがアンカー田口との距離間を予め見ておく事で次に崩しへ入れると確信。


田口両脇4
田口が遅れて食いついた瞬間にワンタッチパスでこのアプローチを外すと・・・・
(事前に田口の位置を確認していたグスタボの狙い通り)


田口両脇5
巧みだったのがこの瞬間のネイマールの駆け引きです。
これまで散々裏への飛び出しで日本のDFラインに恐怖を植えつけたところで、ここでも一瞬フルスピードで裏に抜けるような素振りを入れて・・・・


田口両脇6
森重が反応した瞬間に急停止。進行方向を逆にして今度は引いてボールを受ける体勢へ。
僅か2~3歩の動き出しで森重との距離をこれだけ作り出したネイマールの予備動作が凄すぎる。


田口両脇8
で、バイタルで狙い通りネイマールがボールを受けると、日本の守備陣は一気に中へ絞らざるを得ず、結果としてフリーになった大外へ展開される見事な崩しがハマります。

ただこの崩しを支えているのもボールを受ける前に首を振って「見る」というグスタボの地味な準備やネイマールのほんの2~3歩の動き出しだったりするので、本当にベーシックなところこそブラジルとJリーガーとの差を痛感させられる試合でした。


<日本の拙攻とギアを落としたブラジル>

1点を先制したブラジルは早々にギアを2ndに落とした省エネサッカーに。
前線の4枚は攻め残りのまま守備は4バック+2ボランチの6枚で行う露骨な攻守分断へ。

ブラジルからすれば前から追わずとも自陣で待っていれば日本が入れてきたタテパスをカット⇒前残りの4枚を使ってカウンターでOKというゲームプランか。
そして実際にこんなプランで次々とカウンターからチャンスを作れるのだから楽なものである。

ではブラジルを楽にさせた日本の拙攻の原因を検証してみましょう。

【要因① 入れるべきタイミングでタテパスが入らない】
ブラジルバイタル1
局面は日本のCBから持ち出すビルドアップで、実はブラジルの守備も相当緩かったのでバイタルエリアとかスカッスカだったんですけどねー。

タッチライン沿いに立ってるドゥンガなんかは思い切り指差して「おい、そこちゃんと閉めんかい!」って叫んでる様子ww

ここにCB塩谷からタテパスを打ち込めば日本もブラジル同様、バイタル攻略からの崩しが狙えるという場面だったのですが・・・


ブラジルバイタル2
何故かボランチに預けちゃったー!入れるべきタイミングで入れておかないとさすがのブラジル守備陣も整ってしまう訳で。
目の前の門をグランダーのパスでビシッ!と通す自信が無かったのかも?

ここで思い出されるのがザックJAPANで、守備には多少目を瞑っても「日本で一番タテパスが出せるCB」を基準にチーム作りを進めていたなー…と。


次にタテパスの受け手の方にも問題はあります。

【要因②受け手がターンで前を向けない】
TJ1
局面はアンカーの田口が前を向いてボールを運んでいるタイミングでSHの田中順也が中に降りてきての間受け。

ここにタテパスが入れば・・・・


TJ2
うしっ!入った!これでターンしながら受ければKAGAWA無双ならぬTJ無双やー!


TJ3
って足元に止めちゃったーーーー!!

これがドルトムントのあの人やったら・・・OTL

やっぱりパスは出し手と受け手で成り立つものなので、そこらへんザックは香川とか本田とか遠藤を中盤で起用していた意味は大きかったんだなぁと改めて思っちゃいますよね。

それは日本がボールを持った時のポジションバランスを見れば一目瞭然で、分かりやすいシーンを出しますけど・・・↓


【アギーレJAPAN マイボール時のポジションバランス】
選手距離間1
う~ん・・・これじゃボールは繋がらんのだよねー(^^;

だってパス回しで言ったら中で受けようっていうフリーマンが柴崎1人しかいない訳でしょ?(汗)


もうね・・・






cc124cab.jpg
どこのモイテッドだとwwww


これ例えば、ザックJAPANだったら多分こういうポジションバランスになってます↓


【ザックJAPAN マイボール時のポジションバランス】
選手距離間2
遠藤×香川×本田に大外から長友が絡む左の黄金カルテットが懐かしいわい・・・(しみじみ)

まあ、総じて言えるのは森岡、柴崎、田口っていうJリーグ屈指のボールプレイヤーが
ブラジル相手だと全然ボール受けれないし回せないって事で。
(結果、守備面での荒しか見えてこない中盤トリオになってもうたな・・・(^^;)

ブラジルの2点目に繋がった柴崎のミスも、あの位置でのミスがタテパス2本でいきなり失点に直結ですからね。
あのミスも少し遡ってみれば、ブラジルの2ボランチと比べると柴崎のボールを受ける前の首振り確認、要は事前準備が不十分でしたよね。

まあJリーグだとあそこで失ったボールもバックパス挟んでキープしてくれたり、カウンターにしてもサイド迂回して最後はクロスならぬワロスで事なきを得る・・・って「あるある」でしょうから。
それでボールを受ける前の事前準備がいつまで経っても習慣化されない…と。

でも世界のトップはあのレベルのミスを許してはくれないのだよ柴崎君。
まあ、これで一刻も早くJを出ようという決心を固めてくれたのなら、いい経験になったと言えるんじゃないでしょうか。


<ブラジルのしたたかさ>

結局ブラジルは90分間、ギアをローに入れた省エネ運転だったのに日本がわざわざカウンターのチャンスを与えてくれるもんだから気付いたら4-0になってました・・・みたいなこの試合(笑)

でもそうは言っても省エネのブラジルもしたたかに守ってくるんですよねー。そこら辺はさすがの一言。

例えばこんなシーン↓

【ブラジルのしたたかな守備】
6対61
日本がSB太田の攻め上がりでブラジル陣内に入ると、ブラジルの前線は全く戻ってくる気配も見せないので
4バック+2ボランチによる完全6枚守備状態。

これに対し、日本は6対6の数的同数でチャンスなんですけど。


6対6-2
ここで数的同数でもしたたかに守れるのがブラジル。
ボールを持った太田に対し敢えて目の前のスペースを空けてやる事で大外を行く滑走路をブラジルが作ってくれました。

勿論、これはブラジルが仕掛けた誘いなんですけどね


6対6-3
で、気が付いたら太田はダニーロとサイドで1対1にさせられていると。
6対6の複雑な状況から1対1の局地戦に持ち込んだブラジル。

日本がラジルと戦った場合、なるべく局面に関わる人数の単位を多くして状況を複雑化させたい訳ですが
このように最小単位の1対1という局面になってしまった場合・・・・


6対6-4
アッサリと奪われちゃいます。

で、ブラジルからするとここでボール奪えば前線には4枚残してますから。
対する日本はSB太田が上がった状態でボールを取られてるので必然的にカウンターのスペースを与えてしまうんですよね。
しかもブラジルは日本と違って数的同数の攻撃をキッチリシュートまで持っていくんだから、この状況でカウンターを打ち合えば最終スコアは自明の理です。

これがブラジルの攻守分断省エネサッカーがハマってしまった理由ではないでしょうか。


<チャレンジを忘れた90分 失うものがないのはどちらだったのか?>
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結局0-4というスコアはザックJAPANの時と同じですし順当なものなので別段驚いちゃいないんですけど。

ただ、この試合を楽しみにしていた日本のファンは全力でぶつかれなかった消化不良は否めないだろうし
アギーレからしても新チーム立ち上げで戦力を見極めたい時期としては明らかにミスマッチでした。

となると結局、誰の為のブラジル戦だったのか・・・?という思いだけが残ってしまうんですけども。


ただ、メンバーがどうだろうとチームの完成度がどうだろうと外野が何を言ってようと
ピッチに立った選手達は全力でブラジルにぶつかるだけじゃないですか。

にも関わらず、サムライブルーの11人がカナリア色のユニフォームを前に終始怯えたようにプレーしていたので
この貴重な90分を無駄にした感が強いのが個人的には何より残念です。

そもそも誰もブラジルに勝つとは思ってないし、それどころかお茶の間の一般人からしたら「あんた誰?」って選手もたくさんいた訳だからむしろ自分をアピールする絶好のチャンスでしょうよ。


何故、誰もがボールを持ったら安全第一とばかりに逃げのパスしか考えていないのか…?


Jでは致命傷にならない小さなミスで失点の責任を負うのがそんなに怖いのか…?


僕の尊敬する先輩がかつてこんな事を言っていましたよ。
「ボールを持ったら行けるとこまで行け!観客全てが自分を見てると思え!1歩でもゴールに近付けろ!」

これって実は草の根レベルからブラジル代表にまで通じるサッカーの本質で
ネイマールは少なくともボールを持った時、毎回この気概でプレーしてましたし。

多分、データを出したらブラジルの中で一番ボールロスト数が多いのってネイマールだと思うんですけど(少なくとも上位3人には入ってるはず)、でもあの試合で誰が一番輝いたかってところにフットボールの答えがあるんじゃないかと。

要はボールをもらう事、ミスを冒す事、仕掛ける事を怖がり始めたら、それはもうフットボールじゃないだろう…と。

そんなモヤモヤを抱えながら試合を見ていた僕の目に突如衝撃的なシーンが目に飛び込んできました↓

【お・・・お前は一体!?】
武藤1
試合はもう後半、日本の負けは決定的になる中、何気なく出されたロングボールに身体を入れてフェルナンデスと競り合う男が1人。
決して質の高いボールじゃなかったけれど、力でマイボールにしようという意欲がみなぎっています。


武藤2
フェルナンデスに身体を入れられてボールを処理されそうになっても最後まで諦めずに競り合うサムライ


武藤3
結局粘り勝ちで強引にマイボールにすると最後のフェルナンデスのファウルすら振り払って1歩でもゴールに近付けようというこの推進力!!


kubo2.jpg
あ・・・貴方は一体・・・!?



武藤4
カバーに来たブラジルのCB相手にお構いなしで仕掛けていくこの勇気!!


kubo.jpg
マジでコイツはプレゼンス(存在感)がケタ違いだわ・・・。

*注 ところどころ個人の主観(妄想)を織り交ぜてお送りしています)


むしろブラジル相手に失うものが無い我々にとって、求められていたのってこういうプレーじゃないんですか?

そんな事を考えながら、まだJリーグに染まりきっていない若者にJの光を見た夜だったのでしたー


<アギーレJAPANの行く先は->
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最後にアギーレJAPANの今後の展望にも触れておきましょう。

協会がアギーレという人選に際し、どれだけ意図的だったのかどうかは定かではないですが、、
奇しくもザックJAPANのW杯惨敗に対する反動が見事なまでに反映された方向へ舵を切っているように思われます。

かつて「10番大国」「FW不足と中盤の人員過多」と言われてきたこの国のA代表で
中盤が森重、細貝、田中順也というサッカーが見られようとは夢にも思わなんだ(笑)

サッカーは個々で見れば確かに「ボールを持っている2分間と持っていない88分間」かもしれないが
試合総体で見れば「相手がボールを持っている時間と自分達がボールを持っている時間の総和」である。

ザックは決してボールを持っていない88分を疎かにしていた訳ではなく
あくまで自分達がボールを持っている時間を限りなく長くする方向でメンバーを選び
その上で繰り返し強調していたように「インテンシティ」をチームに課した4年間でした。

ザックJAPANと比べると縦への推進力が増したアギーレJAPANですが
このサッカーでは結局ボールが両チームを目まぐるしく移動するカウンターの打ち合いにならないだろうか?
(日本のカウンター耐性の低さは監督を代えたぐらいじゃーどうにもならんぞ?ww)

無論、現代のトレンドで言えば失ったボールを「88分間の強度(つまりインテンシティ)」でもって奪い返すのがアギーレの狙いなのだろうが、こと近年の日本サッカーの大きな忘れ物が「ボールを奪う」という能力である事を考えると4年間でどこまで世界と戦えるチームになるかは未知数である―



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