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フットボールを新たな次元へ押し上げたペップのビジョン ~CL第2節 マンチェスターC×バイエルン~

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<フットボールを新たな次元へ押し上げたペップのビジョン>

どうやら最近だとグアルディオラの現役時代のプレーを見た事の無い若い世代が
バルサやバイエルンの試合を見たり語ったりしているのがもう当たり前の時代だったという事を知って己の年齢を感じずにはいられない今日この頃、いかがお過ごしですか?

ちょっとワタクシの昔話を一つさせていただきますと過去に一度だけ、
ペップ・グアルディオラのプレーを生でお目にかかれる幸運に恵まれた経験があるんですよ。

…そう、あれは忘れもしない13年前の初夏-
EURO2000の為に初めて海外サッカー観戦に出かけたオランダでの事。

アムステルダムの空港に降り立った僕はバス停や街のいたるところに掲げられているEUROの大会ポスターにまず目を奪われました。

それは出場各国をそれぞれイメージしたポスターが国別にデザインされていたんですがスペインはグアルディオラが描かれていたんですね。
(このチョイスがまずいいと思いません?これがもし2002の日韓W杯だったら絶対ラウールを前面に押し出したデザインになってたと思うんですよww)

で、そのポスターのデザインというのがグアルディオラのインサイドキックの背中とサッカーのフィールドが重なり合うような構図でそこに一言・・・「VISION」(ヴィジョン)って書かれてたんですよ。

当時20歳の僕はこれを見て(やべー!カッコよ過ぎー!)って内心ガッツポーズ。

なんでかって言うと、これさり気ないようですけど物凄い高いレベルのフットボールリテラシーが無いとそもそもポスターデザインの意味が汲み取れないじゃないですか。

サッカーのフィールドにグアルディオラのインサイドキック、そして「VISION」の一文字。

これだけで分かる人にはスペインというチームのサッカーを全て完璧に表現出来ている訳ですよ。

もう若造だった僕は空港で見かけたポスター1つで「ああ・・・自分は今、サッカーの本場ヨーロッパに来てるんだ…」なんてやけに感動したのを今でもよく覚えています。
(我ながら痛い若造ですねーwww)


…で、そんな昔話まで持ち出して結局、何が言いたかったかと言いますと
現役時代のグアルディオラって明確な「ヴィジョン」を持ったプレイヤーだったよな…という話で。

そしてそれは監督になった今でも全く変わらず今度は己のヴィジョンをピッチの中からではなく、
ピッチの脇から投影するようになった彼の姿がそこにあります。

そのバイエルンですが、先日のCLで物凄い試合を我々に見せてくれましたよ。

一言でいうならばあのシティ相手に・・・







images.jpg
ペップ『圧倒的じゃないか・・・我が軍は』
という完璧な試合運び。

そこで今日は先日のCL「マンチェスターC×バイエルン」の一戦から新たなる伝説のチーム誕生の予感を検証していきたいと思います。


<0トップへの第一歩>
sutamenn.jpg

まずはそのバイエルンからですが、注目ポイントは二つ。

一つはペップ流フットボール(バルササッカー)のヘソとも呼ばれる重要なポジション「4番」(アンカー)に
シュバインシュタイガーでもクロースでもなくラームが定着しかけている事。

これはチアゴとハビマルティネスの合流が遅れている事情もありますが、
それ以上にチームで一番インテリジェンスが必要とされるポジションにペップが一番そのセンスを高く買っているラームを置いているという事でしょうね。

(その期待に応えて水準以上のプレーを見せているラームもお見事)

もう一つはCFのポジション。
開幕前のプレシーズンこそペップはこの1トップのポジションにリベリーやらロッベンやらシャキリやらを置いて0トップの方向性を探っていましたが、どうやら性急過ぎた方向展開はチームに混沌をもたらすだけでこれが時期尚早と判断し、一旦従来のマンジュキッチ1トップ体制に戻してシーズンインさせてきました。

しかしこの試合ではそのマンジュキッチをベンチに下げてMFが本職のミュラーをCFに抜擢。
これは開幕から2ケ月を経てチームのベースもだいぶ固まり出し0トップへ向けて再びその一歩を踏み出す頃合と見たのか。


一方のシティでは両SBの人選に注目しましょう。
これまでのサバレタ&コラロフというレギュラーコンビから一転、リチャーズ&クリシーへと変更されています。

リチャーズに至っては見る人によっては「あ・・・まだいたんだ(笑)」ぐらい久しぶりの先発な気もしますが、
という事はここにペジェグリーニの戦術意図があるという事でしょう。

そうですね・・・どう考えてもこれはロッベリー対策ですハイ。

左はコラロフだと守備に不安があるし、右はリベリーの屈強なフィジカルに対抗する為にこちらもフィジカルモンスターをぶつけたと見るべきでしょう。


コンパニ兵長『やれやれ・・・今度の巨人狩りは骨が折れそうだぜ…』



<ペップのボール狩り 守備こそ最も攻撃的になる瞬間>

ところがぺジェグリーニのロベリー対策は開始僅か5分足らずで瓦解してしまいます。

前半6分、リベリーが右からのサイドチェンジを左サイドで受けるとその大外をアラバがオーバーラップ。
これでシティの右サイドはリチャーズがアラバにナバスがリベリーにマークへ付くというミスマッチを作られてしまい、リベリーが得意のカットインから強烈な一撃。

GKハートの手をはじき飛ばしてネットに吸い込まれた日向君ばりのタイガーショットは今年のバロンドールを僕の中で確定させるに充分なものでした。

(それにしても今季のハートは完全にBADモード突入したな…(^^; イングランド大丈夫か?ww)


とは言え試合はまだ85分近く残っています。
あのマクレスターユナイテッド相手に4点をぶち込んだチームであれば勝負はここからでしょう。

が・・・しかし、結局この後の85分間、シティが試合のペースを握る事は一度もありませんでした。


何故ならば相手のバイエルンはプレミアでは決してお目にかかれない、異質のサッカーを展開してきたからです。

プレミアでは守備時、4-4-2のコンパクトな3ラインを形成してあとは持ち前のハードワークで守るというのが基本戦術となっていますがペップのバイエルンが行う守備はもう3ラインとか4-4-2とかそういう次元を超越しています。


【バイエルンのボール狩り】
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これがかの有名なペップのボール狩りですね。
もはや「3ラインとか何それ…?」ってレベルですがゾーンを守るのではなくボールそのものを狩り取る守備です。

この極めて攻撃的なディフェンスこそが現代の最先端であり、守備はもはや受動的なものではなくなりました。
↑この場面を見て「どちらが攻めている?」かと問われればそれはもう明らかだと思うのです。

まあ、シティからしたら奇行種の大群に襲われている感覚でしょうね(笑)


コンパニ兵長「奇行種の群れだ! 一旦退け…!!」
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このボール狩りに面食らったシティの選手達は普段ではお目にかかれないパスミスを連発。

プレミアではどこが相手でもひとまずポゼッションでは主導権を握れるはずのシティが
めずらしく中盤での戦いを避けてDFラインの裏めがけた縦一本の長いボールが増えていましたがバイエルンボールを増やすだけの結果となっていました。

と言うのもバイエルンのDFラインが巧みなライン操作でシティの攻撃スペースをほとんど消してしまうからですね。

【バイエルンのライン操作】
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局面は左から右へと攻めるシティのビルドアップですがボールを受けたナバスにはアラバがここまで高い位置を取ってプレーを制限しています。

シティの前線にはナスリとアグエロが待っていますがナバスが持っているボールにプレッシャーがかかったと見るやバイエルンのDFラインはただでさえ高い位置取りから更にラインを上げてシティが使える裏のスペースを消しにかかります。


ofusai1008-2.jpg

ラインを上げた事で前にいるアグエロとナスリをオフサイドポジションに置きました。
これでナバスには縦パスという選択肢が削られ、ボールを中心とした2対1のバイエルン数的優位という局面だけが切り取られている状態です。
もはやナバスには独力でこの1対2を何とかするしかない状況へ追い込まれてしまいました。

もう一つのポイントがアラバの位置取りです。
ご覧の通り、敢えて縦のスペースを空けて中のジェコへのパスコースを切るポジショニングをとりました。

この場面でバイエルンにとって最も避けたいのが横のオンサイドポジションにいるジェコにつながれて
そこから高いDFラインの裏を狙われたスルーパスを出される事です。

従って通常SBが相手のSHに対し敢えて縦のコースを空けるという有り得ない守備がここでは正解となります。
ナバスに縦へ行かれる分にはここからいくらでも対応が利きますしね。

実際の試合では追い込まれたナバスがアグエロへタテパスを出してバイエルンの策にハマる形でオフサイドを取られてしまいました。


<トライアングルの意識>

一方、攻撃でもバイエルンは目に見えてペップイズムが浸透してきたな…という場面が増えていました。

ペップイズムのアタッキングとは要約すれば「トライアングル」「間受け」です。
では実際の試合からバイエルンの成長ぶりを確認してみましょう。


【ペップイズムが浸透し始めたバイエルン】
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局面は右から左へと攻めるバイエルンのビルドアップの場面。

右サイドでトライアングルを作ったバイエルンはこの三角形をなぞるようにしてロッベン⇒シュバイニー⇒ラフィーニャとパスをつないでいきます。


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ポイントはパスを出した足を止めないという事です。

ここでもパスを出したシュバインシュタイガーがそのまま縦に抜けて反対にロッベンはバックステップで後ろに下がってくるというそれぞれが反対のベクトルでポジションチェンジを敢行。


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裏に抜けるシュバイニーがシティのDFを引っ張るので降りてくるロッベンがフリーになるというメカニズムですね。

動いた後に再びシュバイニーを頂点とした新しいトライアングルが描かれているのもポイントです。


torai1008-4.jpg

フリーになったロッベンが前を向いて起点となると最前線ではリベリーが裏へ抜ける動きでシティのDFラインを後ろへ引っ張っています。

これでシティのバイタルエリアが確保されクロースの間受けが活きる状況が生まれました。


torai1008-5.jpg

サイドでのトライアングル形成⇒フリーの起点作り⇒クロースの間受けと完璧な流れでボールを動かすバイエルンの姿があります。

これをされるとシティの通常ゾーンディフェンスでは手玉に取られるだけで
ヤヤトゥーレやフェルナンジーニョのフィジカルの強みを活かそうにもボールホルダーの身体にさえ触る事が出来ない状況。

こういうサッカーに対する振る舞いならアトレティコやマドリー等のリーガ勢はもっと上手くやれるもんですが、
よくよく考えてみればシティはほとんどバルサと対戦経験が無かったのですね…。


前半30分の段階でバイエルンはシティの3倍以上、300本を越すパスをつなぐ独演状態で
こうなると次第にシティの選手達からボールを奪おうという能動的なアクションが消えていくのでした。


何故あのシティがバイエルンの三分の一しかボールを繋げなかったのかと言えば、
それはポゼッションのメカニズムがバイエルンの三分の一レベルでしかなかったからです。

例えばこういう場面↓

【シティのポゼッション】
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局面は左から右へ攻めるシティの攻撃の場面。

左サイドでナスリがボールを持ったこの局面でまずシティには間受けを狙うスペースに選手がいませんし、
ボールサイドにも2枚しか駒が無いのでトライアングルも作れていません。


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そうこうしている内にナスリはすぐにシュバインシュタイガーに寄せられて中へのパスコースも消されてしまったのでフォローに上がってきたクリシーへボールを下げます。


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ボールは更にクリシーからアグエロと渡りますがサイドで局面が狭くなり過ぎてしまっているのでここまでくると一旦フェルナンジーニョまでボールを下げざるを得なくなります。


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…で、そのフェルナンジーニョへもプレスがかかるのでボールは更にCBのコンパニまで下げられて・・・


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コンパニから今度はナスタシッチへ。これ以上後ろにシティの選手はいないので・・・


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ナスタシッチは大外のクリシーへ窮屈な浮き球のパス。

パスを出したというより追い込まれて蹴らされた格好の浮き球は精度を欠き、そのままタッチラインを割ってしまいました。


シティは前線とアグエロとジェコがバイエルンの巧みなラインコントロールによって存在を消され、サイドではナバスが孤立。
司令塔になるべきナスリもボール狩りのターゲットにされ、ヤヤとフェルナンジーニョは守備に追われて攻撃どころではありません。

つい一週間前、プレミア王者相手にサッカーのレッスンを施したチームがペップのヴィジョンを前にフットボールをさせてもらえない現実がそこにありました。

(こうなるともしモイーズとペップが今ぶつかったら一体何点差つくんだよ・・・(ガクブル))


<シティの前プレとペップのいなし>

それでもシティはコンパニ兵長を中心に最後の一線で凌ぎ切って前半をなんとか0-1で持ちこたえていました。

迎えた後半、ペジェグリーニはゾーンの網を張って待っていたところで好き勝手に回されるだけだと悟り、一転して前プレへ舵を切ってきます。

これで後半はお互いの前プレとボール狩りのアグレッシブな応酬となり、CLのあるべき姿、昨季決勝の対ドルトムント戦に近い状態へ。


しかしペップにはバルサ時代に散々相手の前プレ対策は積んできているのでバイエルンでも同じ事をするまでです。
後半、シティの前プレを受けたバイエルンのDFラインはGKノイアーを使ったボール回しで難なくいなしにかかります。

「こりゃあプレシーズンに相当ペップに鍛えたれたな…」と確信するノイアーの見事なボールテクニックは
バックパスからの展開をしっかりビルドアップとして攻撃に繋げられるレベルに達していました。

GKを使った前プレのいなしが有効なのは所詮「全員守備」と言ったところでサッカーでは10人での守備が限界なのに対し、ボール保持側のチームがGKを使ったボール回しを可能にすると10対11の数的優位になれるという事ですね。

ノイアーの見事なビルドアップ参加に比べるとハートのキックはそのほとんどが相手ボールになるかタッチラインを割るお粗末なものでした。

そもそもGKをビルドアップに参加させるという発想がまだないイングランドフットボールでは、そういったGK育成法も確立されていないのでしょうか?

これではせっかく前プレ合戦になった後半も結局10対11の数的優位でバイエルンが戦っているようなものです。


となればその必然としてバイエルンの追加点が生まれるのは時間の問題でした。

後半55分、それまであれだけ見事なパス回しを中盤で見せていたバイエルンがシティが前プレに出たと見るや
いきなりCBからシティのDFライン裏目掛けた縦一本のロングパス。

これに「裏抜けの名手」ミュラーが絶妙のタイミングで飛び出したかと思うと落ち着いてGKとの1対1を沈めてしまいます。

それまで0トップとしてずっとMF的な振る舞いを見せていたミュラーの一転した裏抜けにシティは完全に虚を突かれてDFラインは棒立ち状態。

しかしこれは予めマンジュキッチではなくミュラーをこの日の1トップに指名したペップの明確なヴィジョン(狙い)だったとすると空恐ろしい男であります。

一方、前プレの出鼻を挫かれたシティはすっかり意気消沈。
そこに追い討ちをかけたのが「空気の読めない男」ロッベンです(笑)

ミュラーのゴールから僅か4分後の後半59分、
ロッベン無双から対面のDFをきりきり舞いにさせてゴール右隅に流し込む得意の形。

バイエルンが後半60分までに0-3とした事でここで勝負アリです。

(試合はその後、ペースを緩めたバイエルン相手にシルバを投入したシティが1点を返しますが何の慰めにもならない悲しいゴールでした…。)


一見、無秩序(カオス)にも見えるペップバイエルンの攻撃形ですが、
実はその目的は明確なヴィジョンの元緻密に計算されている事が試合後のデータからも明らかになっています。

ではちょっとここでこの試合における両チームのプレーゾーンをUEFAの公式データから拾ってきましょう。

【バイエルン×シティ 両チームのプレーゾーン】
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がバイエルン、水色がシティで、色のエリアが大きければ大きいほどプレー頻度が高かったという事を示しています。

近代サッカーでは最もゴール攻略の確率が高いと言われているペナルティエリアの四角、
その両角をニアゾーンと言ったりしますが、あれだけ無秩序に見えたバイエルンの攻撃がこの2つのニアゾーンに集約されている事がこのマップから確認出来ます。
(サッカーではこのエリアを抑える事が「王手飛車取り」なのです)

そこに至るまでの過程は自由でもあり、幾つもの緻密なパターンがあったりしても目的地だけはハッキリと共通のビジョンとして持っている。

これがペップバイエルンの強みなのでしょう。



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<ペップが再びフットボールを新たなる次元へ押し上げるのか?>

ここ数年、近代サッカーにおける最高到達点と言えば2011/12シーズンのCL決勝、
対マンチェスターU戦で見せたペップバルサの最高傑作とも言えるあの試合です。

あの試合を基準にその上を行くチームが出てくるかどうかを見守ってきた訳ですが、
その意味で昨年のバイエルンと当時のバルサが試合をしたらどんな事になるのか?はサッカーファンなら誰しも一度は妄想した事があるのではないでしょうか。

まあこれはあくまで妄想なので現実的には立証不可能な問いなんですけど、
この問いに対する明確な答えがこの日のピッチで見つかったような気がします。

なんと言ってもあの最強バイエルンにペップがバルサイズムを持ち込んでいるんですからこれが完成したら問答無用で
あのペップバルサも昨年のバイエルンをも上回る新次元のフットボールがそこに現れるはずです。

実際にその息吹は確かにこの試合でも感じる事が出来ました。

ペップバルサではメッシの両脇に配置された両ウイングはあくまでオトリ、もしくはメッシのワンツー専用の"かかし"でしかなかったものが
ここバイエルンではあのリベリーとロッベンがそこに配置されているのです。

リベリーのカットインから生まれた1点目、0トップ・ミュラーの裏抜けで2点目、そしてロッベン無双でとどめの3点目とそのバリエーション豊かな得点パターンはかつてのバルサには明らかに無かった物。


一方のシティは、厳しい見方をすればまだバイエルンへの挑戦権すら手にしていない現状と言えるものでした。
要するにバイエルンとシティとでは違う次元でサッカーが展開されていたと言ってもいいでしょう。

例えばこのブログでは何度か紹介している現代サッカーの一つのトレンド。↓

【時代のトレンド⇒両サイドを絞らせてバイタルの密度を上げる(例:ドルトムント)】
doru-42321.jpg

例の2列目の両サイドを中に絞らせて大外はSBを香車として使うという形ですね。

シティも基本的にはこれに近い形を採用しているんですが、ペップはもうその一歩先を行っています。

勿論サイド攻撃の際は先制点の場面のように大外をSBが香車として使う基本形はペップも持っているんですが・・・

【バイエルンの先制点 (SB香車の陣)】
araba1008-2.jpg

ハイ、リベリーの大外をSBのアラバが駆け抜ける事でシティにミスマッチを誘った場面ですね。

ところがペップのバイエルンではこの形に加えてもう一つ、
ポゼッション時にSBをボランチに加えて中盤の厚みを増すというオプションを今季から取り入れているんです。


【SBをボランチに加えるオプション】
araba1008-1.jpg

局面は右から左へと攻めるバイエルンのビルドアップの場面なんですけど。

ここで攻撃サイド(右)のSBラフィーニャは通常通りの位置取りなんですが、
ポイントになるのが攻撃サイドとは逆サイドのSBアラバのポジショニングですね。

これまで逆サイドSBの位置取りはDFラインに残って3バックを形勢するか
もしくは両SBを同時に高い位置へ上げてボランチが真ん中に下りてくるかのどっちかだったんですがペップはそこに新たなエッセンスを持ち込もうとしているのでしょう。

確かにこれだと中盤の厚みは確実に増して間受け要員に避ける人員にも余裕が生まれるはず。


要するにドルトムントを例に紹介した現代サッカーのトレンド系が
従来の香車だった両ウイングを飛車や銀・金としての動きにまで進化させ、代わりに後ろのSBを香車化するものだったとすれば、
ペップが今行っているのは両ウイングに加えSBにも金へ成れという進化のプロセスです。

攻撃の起点となるべく大きく両サイドに開くCBに中盤や間受け要員としての進化を見せつつあるSB,
そしてビルドアップを有利にする為の切り札となったGK。

そこにもはや香車や歩といった専門職は無く、盤上全ての駒が金や飛車で埋め尽くされたハイブリットサッカーの未来が見えてこよう。

(未だに両サイドが香車で埋め尽くされている某チームについてはまた別の機会に・・・www)


この新次元のサッカーに現状挑戦権を持っているのはスペインが誇る二強と宿敵ドルトムントの3チームまでが限界か。

思えばファギーもCL決勝で実際にペップのフットボールに触れて、プレミアの限界を感じサッカースタイルの変換へと動いた経緯がありましたね。

だとするとCLのグループステージを未だ突破した事のないシティの現在の位置は自ずと見えてくるし、
その挑戦権を手にする事こそが今季の使命になってくるかもしれません-





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非公開コメント

すごい

もうね、ペップよりも北別府よりも誰が凄いって店長さんがすごいですよ。
面白すぎますよ。
ちゃんと仕事してます?

ホントご馳走様でした。
「マクレスターユナイテッド」に笑ってしまいました。ってそこかよ!みたいな。

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記事upお疲れさまです。

バイエルンが強かったってのもありますが、シティはちょっとひどかったですね(^^;
もうちょっと健闘してくれるかなと思ってました

プレミアはリーグとしては面白いんですがCLではスペイン、ドイツの2強に置いていかれてますよね…

サッカーの内容的には好調アーセナルとかがいいとこいけそうな感じもしますがプレミア勢はベスト8止まりがいいとこですかね(^^;

対バルサみたいなボールを支配されて亀になる試合に関しては何故かチェルシーは強いので期待はしてます(笑)
あの例の金髪の男が‘いつも通り,何故かGKと1対1になって決めて勝利なんていうのがあるかもしれません(笑)

バイエルンファンです

ブログ復旧後二度目の書き込みになります。
いつも店長のブログを楽しませていただいております。

思えばペップがバルセロナの監督を辞任した時から、ファン・ハールによって整備されハインケスによって守備も整えられた今のチームをペップが率いてくれたらなあと思っていましたので、それからの事の連続には興奮しっぱなしです。

レヴァークーゼンを初めブンデス内の引いた相手を崩すのには苦労していてまだまだチームは完成とは程遠いですが、けが人特にゲッツェとチアゴの2人が復帰して持ち味を還元してくれれば今以上にアイデアのあるチームにレベルアップすると確信しています。

No title

すごいですね。バイエルンはどこへ行っちゃうのやら……。
生まれも育ちもドルトムントの生粋のサポが、「ドルの今季の目標にブンデス優勝は含まれてない」って言ってました。「戦力差を考えて現実的じゃない」と。

マンUの記事、楽しみです。F1もトップ争いも面白いけどクラッシュ集も華じゃないですか。

No title

店長が仰っていた0-10-0もすぐそこまで来てるのかも知れませんね。
(GKも加われば0-11-0になりますが、そういう発想はあるのでしょうか?)
(例えばCBが上がるとGKがCBの位置にくるとか)

DFを中を絞らせてSBを上げるやり方とDFを外に間延びさせて中を突破するやり方のリスクを考えてみたときグアルディオラという人物の凄さというか変態さ(笑)を改めて実感しました。(それで勝てると踏める思考が凄いと思います)

ただこういう緻密に作り上げたものを一人でぶっ壊してしまう選手が(例・ドログバ)出てくるとも思っています。

モウリーニョが言ったことばなのですが
「人(ニュアンスから世間)は勝った事しか覚えない。負けたことは忘れ去られる。だから勝つんだ」と
だからグアルディオラが世間に賞賛されるのは「勝ったこと」だけだと思うと世の中は無常というか寂しい気もします。

No title

なんかペップはサッカーをまた進化させたみたいですね。
店長も見てた現役の頃は自分の印象では代表では監督がクレメンテやカマーチョとかであまり輝けなかった感じです。
いつか代表も率いて見てみたい感じですよ。ペップのスペインとモウリーニョのポルトガルを。



No title

いやー、この試合を取り上げてもらって本当嬉しいです。
僕もバイエルンが新次元へ突入する序章に感じました。

この一戦、イングランドで見ていました。
現地の友人は生粋のプレミアっ子。
バルセロナが近年生み出したポゼッション、ドルトムントのハイテンポサッカーにもうとくこの試合でもシティの個人個人のプレーがふがいないのにイラついていました。
正直、個人のレベルではないのにまだ気づかないのが悲しかったです。
サッカーの母国ともあろう人たちが時代の流れ・変化・トレンドに気づいていないなんて。

ちなみに2011年のCL決勝でマンUが完敗した翌日、新聞やメディアはなんて書いてたの?それに君の考えは?と聞くと
「バルセロナにはメッシ、イニエスタ、シャビという異次元の選手がいた。そして彼らが最高のパフォーマンスをした。っていうのが専門家の一般的な意見だった。」
に失望しました。
もうそんなレベルの話じゃないだろ?
先日、店長が「周回遅れになりつつあるユナイテッド」と表現していて、ユナイテッドに限らずイングランド全体(レッズなど一部除く)が周回遅れになっていると痛感されました。
プレミアは金がありますから、毎年大金でスター選手が加入するので気づきにくいんですかね・・・・・
とにかく悲しかったです。

No title

またそんなにdisって、逆フラグですよ?(笑)

エジルがフットボリスタのインタビューでプレミアは「強さ」はNo.1です、っていってるんだけど一方で個人スキルとチーム戦術はリーガがNo.1っていってましたね。

プレミアの解説等聞いてると精神論が多くて、戦術的な話って非常に単純化されてると言うか、見えるところしか見ていないと言うか。

プレミア低迷は続く気がしました。

No title

いつもブログ楽しみに拝見させていただいています。
忙しくて見ていない試合でも店長の理論的考察を楽しみにブログをのぞいています。

なにかとお忙しいとは思いますが、もし出来たら復旧以前のブログの過去記事の方も再度アップしていただけないでしょうか? CLや戦術的に見どころのある記事、試合などを中心に再び現在の視点から眺めてみたいです。

ありがとうございます。

ペップバイエルンの記事お疲れ様です。SBを攻撃時に絞らせたり奪われた後に最終ラインをハーフラインまであげさせたり相変わらずペップは変態ですねw店長のおっしゃるキーパーを組み込んだポゼッションですが、シティこそバルデス獲得にのりだしてほしいですね。ベギリスタインがフロントなのもあって可能性はありそうです。監督もペジェグリーニですし。次はセルビア戦ですか? まあ今月の遠征は1記事でまとめてもいいレベルになりそうですけれどw

No title

今シーズン見た試合の中で一番驚いた試合だったので
丁寧に解説してもらえて良かった
ペップのアンカーポジションに対するこだわりにも言及されていて良かった

No title

ユナイテッド対バルサのCL決勝は11-12じゃなくて10-11年じゃなかったですか?

No title

ドン引きチェルシーをスコアで下してようやくバルサ時代より一歩先に進んだと言えると思うので両者の対決期待してます!

チェルシーはグループリーグで躓いている場合じゃないですね

今回も面白かったです。お疲れ様です。
こんどは、いつかバイエルンが負けた試合のプレビューしてほしいです!
そして、なぜ負けたのか徹底検証見てみたいです。

No title

ビエルサのビルバオとペップのバルサが見せてくれたアノ試合は現代サッカーと次元が違うのでしょうか?w

地味ながら、ラームがいいですねぇ。
ノイアーは、神の域。
ペップイズムも徐々に浸透してきて、これはとんでもないチームになるかもしれませんね。
もうレバンドフスキは獲らなくていいよww

No title

サイドバックの中ポジショニングはもちろんへススナバスのカウンター封じにもなっていて攻守は切れない関係だとペップは熟知してのやり方でしたね。やはりフットボールを進化させるのはペップかと。また更新楽しみにしてます。

コメント御礼

>nobuo@サッカー語り人さん

マクレスターネタを拾ってくれる人が1人でもいて本望ですwww



>子供と観戦さん

そんな通な見方をしているお子様が将来どんな逸材になるか楽しみなんですが・・・(爆)



>ブルーズさん

確かに変に真っ向勝負しちゃう好調アーセナルより、開き直ってクソサッカーに徹するチェルシーの方がCLでは不気味な存在ですよねww

決勝トーレスは怖すぎる・・・・ガクブル




>von Braunさん

ゲッツェとチアゴ・・・そして僕のハビマルもお忘れなく!ww

このへんが揃えばもう一つ上の段階が見られそうです。




>ナムルさん

傍からするとドルサポには諦めて欲しくないのですが・・・(^^;

野球でも珍プレー好プレーが面白いようにモイーズには今季そっちへ徹してもらいますか?(笑)




>わさび唐辛子さん

0-11-0はさすがにリスクが高すぎますwww

まあ「勝つ」事で初めてその内容にも目が向けられるというのは否めないですよねぇ…。
なるべくこのブログでは勝ててはいないけれど注目に値する「内容」のサッカーには目を向けていきたいと思っております。




>オカメのピーちゃん

当時の予選だけ無敵艦隊だったスペインは監督がガチムチ志向でペップもデラペーニャも宝の持ち腐れでしたよねー。ああ、恨めしい。

モウリーニョのポルトガルはすぐにでも実現してもらいたいのがポルトガル国民の本音のはずwww



>照り焼きボーイ さん

イングランドのサッカーファンはフットボールをアカデミックというか、そういう風に小難しく考えるんじゃなくて純粋にエンターテイメントとして捉える傾向が強いと言われていますね。
それはそれであのゴール裏の熱さを生むすばらしい気質かな…と。

まあ、ファンはそれでもいいですが、監督、育成、協会もそれだとイングランド代表の将来は・・・ry


コメント御礼②

>てるにーにょさん

香川を応援する日本人にとっては、僕が逆フラグになる事で彼が活躍出来ればむしろ本望です・・・!!ww



>トータルリコールさん

まあ、それがイングランドの強さでもあり弱みでもありますよね・・・。
ユナイテッドが今のままだとCLでのプレミア勢苦戦は免れないかもしれません。




>masaさん

コメントありがとうございます。
実はずっと以前から過去記事の再UPもやろうやろう…と思ってはいたのですが
どうしても更新の方に時間がかかってしまい、なかなか進んでいない現状です(^^;
データ自体は全部保管してあるので気長にお待ちいだければ幸いです。



>のーべんさん

シティは実際にバルデス獲得に手を挙げているようです。
監督は信頼出来るので時間さえかければシティは大丈夫なような気はしますが…。



>名無しさん

コメントありがとうございます。
ペップの4番に対する熱い思いはバルサ時代のブスケス大抜擢から感じていたもので。



>名無しさん

本当だ!スイマセン完全に間違えてました。10/11です・・・(^^;




>チェルシーファンさん

確かにどん引きチェルシー対ペップの戦いってのはサッカー界の大きな命題の一つとして依然残っていますよね。

今季見てみたいし、是非マッチレビューしてみたい試合です。




>りばぽーさん

CLでバイエルンが負けたらそれはもう確実に記事にするとお約束します!




> e-hero44さん

ありましたねーそんな神試合がww

あれも僕の中ではCL決勝に劣らない試合ですが、一般的な認識度という点でね・・・(^^;




>onelove2pacさん

レバンドとマンジュキッチがベンチで並んでる画が想像出来る・・・www




>ジャウミーニャさん

ペップは攻撃と守備を分けずに戦術とプランを考える第一人者ですもんね。

関係ないですが、デポル時代のジャウミーニャは僕が好きな選手歴代トップ10に入りますww





No title

マクレスター(笑)

この試合、見てないのですが、臨場感伝わりました。
バイエルンの試合だけ全試合放送で、月1000円くらいの契約、出来ないものかなあ、、、

グアルディオラも、いよいよ指導者として油が乗ってきましたかね。
しかし、こうなると、ベップ包囲網というか、バイエルンとやる時は特別にみたいな、、、まあそれでも、バルサ時代敵無しだったわけだから、、、初年度、三冠ですかね、、、

エジルを獲って好調のベンゲルに、一度ビッグイヤーを取らせてあげたかったけど、何年か前の決勝、あそこで取れなかったってのが全てなのかな、、、

いや、面白かったです。読んでよかった^^
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