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ヨルダン戦のザック采配を斬る!【吉田 麻也という希望】

*2011-01-11更新 (アーカイブ記事)




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<アジアのレベル向上を証明する今大会>



ご存知の通り、1-1のドロー発進となったアジアCUP2011の日本代表。


今日はこの試合から見えてきた日本代表の収穫と課題、

そしてアジアのサッカーシーンを探っていこうと思います。



まずはヨルダンが披露したサッカーの充実ぶりに触れないわけにはいかないだろう。


TV放送では試合前、盛んに7年前の試合映像を流していたが、

当時のヨルダンと比べて明らかにレベルの向上が見られたのは

試合をご覧になった皆さんも率直に感じたのではないでしょうか。



これまでのアジア中位~下位チームに見られた

自陣にひきこもって守備を固めるものの、連動性の欠如から度々穴が空いてしまう、

せっかく奪ったボールも速攻の精度が低く すぐに相手に渡してしまう。


そんなお決まりの欠点はこの日のヨルダンには見られなかった。



守備では昨年のW杯本大会で見られたようなしっかりとしたブロックを自陣に構築し、

奪ったボールもただ前に蹴り返すというシーンは激減。


前線の2~3枚のユニットが連動した鋭いカウンターを繰り出しシーンが見られるようになっていた。



巷ではこの引き分けを受け、

「日本代表のコンディション不良」が主だった要因として取り上げられているが、

これまでの対アジア中位~下位チームにおける試合では

いくら日本のコンディションが悪かろうが、内容はともかく勝ち点3は問題なく計算できるものであった。



ところがこのアジアカップ初戦を見る限り、

いよいよ日本も「ならし運転」の気分ではそう簡単に勝ち点が計算出来ない時代に突入している事を告げている。


そんな警笛のような試合だったのかもしれない。




この日本戦の後に行われた「サウジ×シリア」戦も続けてチェックしたが

こちらはシリアが2-1の番狂わせを起こすなど、

アジア大陸全体のレベルが向上している事が伺える。


(日本の次戦の相手シリアは決して油断出来ないチームだった)




<「エゴイストとナルシストの集団」>



さりとて、この引き分けは日本側にも大きくその責任がある。


いくらヨルダンが強くなっていると言っても、

日本がそのポテンシャルを充分に発揮出来れば問題なく快勝できるはずの相手だった事もまた事実なのだ。



「日本停滞」の細かい戦術的な分析はまた次の機会に改めるとして、

まずはそんなディティール部分の前の大きな要因として

日本代表選手達のメンタル面における「焦り」があった事は指摘しておきたい。



これはサッカーの試合、とりわけ「格上 対 格下」の対戦ではよく見られる一つの現象だ。



自分達の勝ちを信じて疑わなかった格上チームを相手に

格下チームが先制したり、0-0のまま長い時間試合が推移した場合、

格上チームが「おかしい、こんなはずではなかった。そろそろ決めないとヤバイかも・・・」と焦り出す。



結果、選手個々が「自分が決めねば」という意識が強くなり、

普段通り シンプルに味方を使って崩せば簡単に崩れるところを

強引に1人で行っては格下チームを助けてしまう悪循環。



ヨルダン戦の後半、日本代表はまさにこの負の連鎖にハマってしまった。




もし、あのオシムがこの試合を見ていたら



「これではエゴイストとナルシストの集団だ」



「今日の日本代表からはインテリジェンスが感じられない。

皆が仲間の事を忘れている」



きっとそんな風に指摘したに違いない。





<ザック采配を斬る>


続いては、前回の記事でも触れた「ザックの采配」について検証していきたいと思います。


注目されたスターティングメンバーは吉田の抜擢以外は順当な4-4-1-1でしたね。



しかし、試合は前半ロスタイムにヨルダンが先制した事でザックは決断を迫られる展開に。



【後半0分 前田⇒李】


ハーフタイムでの交代は事前に想定していなかった緊急の打ち手だったはず。


それでも前半ロスタイムの失点を受け、

すぐにカードを切れる決断力はまず評価してもよいのではないでしょうか。


(日本人監督だと、なかなか事前に想定していなかった交代をすぐには打てないものです)



この交代の狙いは、CFの位置から一度引いてきてボールを受ける前田とトップ下の本田、

それに加えて中に入ってくる香川によって渋滞気味だった前線のエリアを

裏へ抜ける動きが得意な李の投入で渋滞を解消し、攻撃に奥行きを出そうとする思惑。


(結果としては本田と香川が李にラストパスを出すより自ら打つプレーを選択した為、奏功せず)




【後半13分 松井⇒岡崎】



どうしても攻撃が香川のいる左サイド寄りになった事もあり、

前半から攻撃に絡めず消えている時間帯の多かった松井を代えて岡崎に。


と同時にザックは2列目の配置をいじくってきた。


中に入りたがっていた香川をトップ下に入れ、本田を右へ回し、

岡崎はそれまで香川がいた左に投入。


岡崎のエネルギッシュな動きで左サイドが活性化され、

香川はドルトムントでプレーし慣れている中央で蘇った。



機能していない駒の交換と選手の配置変えを同時に行う一手は

セオリー通りとは言え、非常に有効な一手。




結局、終盤にも3-4-3の実戦投入は無く、

ザック自身が語っているように最後まで「バランスをとる」事を貫いた90分。



特にこれまで1点が欲しい時の常套手段であった「CBを上げるパワープレー」を

ザックは最後まで指示せず。


これはもちろん闘莉王が不在だったという前提もあるだろうが、

どちらかと言うとイチかバチかを狙う手段である「パワープレーで前線に放り込む」という選択はせず、

あくまでロジカルに布陣の変更で逆転を狙っていくという 実にイタリア人監督らしい判断だったように思う。


(事実、後半残り10分の猛攻はパワープレーでは無い形から生まれていた)





<吉田 麻也という希望>

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最後にこの試合の最大の収穫である「吉田 麻也」に触れない訳にはいかないだろう。


正直に申し上げると、実は店長、この吉田麻也のプレーを実戦でチェックするのは

このヨルダン戦が初めての事。



しかしそのプレーぶりは今後に期待を抱かずにはいられない素晴らしいものであった。


何より特筆すべきはその正確なキックから繰り出されるフィードである。


(イメージとしては「和製ピケ?」ww)




店長はCBのフィードを評価する時、次のような指標で見る事にしている。






プレッシャーを受けるとGKにバックパスを返すのは"3流のCB"





とにかく奪ったボールは前線にドカンと蹴り返すのは"2流のCB"





プレスの厳しい中央を避け、横のSBに渡すのは"並のCB"







厳しいプレスをかいくぐり、

ど真ん中を通してボランチに預けられるのが"一流のCB"




そして、ボランチを飛ばして、

FWやウイングに崩しのパスを展開出来るのは"超一流のCB"





ヨルダン戦の吉田はこの”超一流のフィード"を幾度となく試みていた。


しかもグラウンダーのパスによって。



ボランチを超えて前線にフィードを送る時、相手選手の頭上を超える浮き球を使えば

確かにインターセプトされるリスクは少ないが、

パスを受けた選手の次の展開を考えるとグラウンダーのパスとは雲泥の差がある。



浮き球はボール到達までに相手DFにプレスに向かう時間的猶予を与えるだけでなく

受け手に胸トラップや足を高く上げてのコントロールを強いるのに対し、

速いグラウンダーのパスはそれだけで受け手にアドバンテージを与える事が出来る。



もちろん、CBの位置でグラウンダーのパスをカットされれば

高確率で失点につながる非常に危険な局面になってしまうリスクはある。



故に、このフィードを選択出来るのは自分の足元の技術に絶対の自信を持った選手だけなのだ。



とにかく試合翌日のスポーツ新聞が

「1ゴール、1オウンゴール」だけで吉田を報じてしまうのが勿体無い素材だ。




確かに「最後の局面で身体を張って跳ね返す」という点では

まだまだ前任の中澤や闘莉王には及ばないものの、

かつて日本代表でこれ程までに優れたフィードを持つCBは存在しなかった。



現代サッカーにおいて優れたフィードを持つCBがいるチームは

それだけでゲームのイニシアチブを握れる事を意味する。



何故ならCBに展開力があれば、

最後尾からのビルドアップを大きく両サイドに開いたCB2枚に任せ、

SBが同時に高い位置を取る事で中盤以降で確実に数的優位を作れるからだ。



大きく開いたCBの間にアンカーの遠藤が降りてきて、

闘莉王+遠藤+吉田の3バックで攻撃をビルドアップしてく布陣も面白いだろう。


(これはもちろん、今季のバルサが導入している両SBを上げ、

ピケとプジョルの間にブスケスが降りてきて攻撃を構築する形の亜流)





とにかく店長的には早くもCBは吉田を軸に固めて欲しいという思いで固まってきた次第。


今後、多少のミスがあったとしても、

これから3年をかけて厳しい国際舞台で経験を積ませる事で

協会の方針としても「吉田をワールドクラスのCBへ」成長させる事にチャレンジしてみてもいいのではないだろうか。



彼が"本物"に成長した時、日本代表は世界の舞台で「跳ね返すだけ」だった守備から

「攻撃の第一歩」となる守備へ変わっているはずなのだから。



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