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『3-4-3』を巡る冒険 ~後編~ 【オランダ、アヤックス、バルセロナ】

*2011-06-22更新 (アーカイブ記事)



本日は「3-4-3を巡る冒険」の【後編】と題しまして、

もう一つの3-4-3、「オランダ」「アヤックス」「バルサ」をキーワードに掘り下げていきたいと思います。


(まだ【前編】を読んでないという方は一つ前の記事からどうぞ。)



今日もディーープにいきまっせ~♪




2011-06-22_16-31-51_entry-10931211711_o0398021911306140440.jpg
<最強アヤックスとの出会い>



自他共に認める「3-4-3フェチ」の僕にとって

そのキッカケとなる出会いが94/95シーズンにおける伝説のチーム「最強アヤックス」でした。



当時はまだインターネットはおろか、TVでも海外サッカーの試合放送は皆無という時代。



まだ中学生だった僕は海外サッカー誌に掲載されていた

僅か2ページのカラー特集「最強アヤックス」に目を奪われました。



目新しい「3-4-3」のフォーメーション、


「超攻撃的サッカー」の文字、


1年半に渡る「58試合無敗記録」など


初めて見た赤×白のカッコイイユニフォームと相まって

それはそれは強烈な印象を残したものです。




一度気になりだしたら、その目で確かめずにはいられない性分の少年。



すぐに某海外サッカーSHOPに足を運び、

そこで流されていたアヤックスのビデオを日がな一日眺めるという愚考に走ります。


(中学1年のお小遣いではサッカービデオはそう何本も買えるものではありませんが、

よい子は真似しないように・・・(^^; )




そこで僕の目に飛び込んできたのは衝撃的な映像でした。


デ~ンと両サイド一杯に  さも偉そうに構えたウイング、


次々と選手が湧き出てくるような躍動感溢れる攻撃、


それまでの「トップ下」の概念を覆す 新時代の「トップ下」リトマネンの輝き、


ベンチで何やら気難しそうな顔をして、ひたすらメモを取るファンハール監督、




こ・・・・・・





コレだ!!




何がコレなのか説明しろと言われればサッパリなんですが、(笑)


とにかく、当時の僕は何故かそう確信するものがあったんですね。



この伝説のアヤックスの布陣がコチラ↓


2011-06-22_16-31-51_entry-10931211711_o0455020811306140441.jpg



どうです?


どこも「10年に1人」というレベルの逸材が偶然にも揃った

まさに”奇跡”と呼ぶに相応しいチームですよね!




余談ですが、その年のトヨタカップに来日したとあって

国立競技場に駆けつけたものの、

何故かお目当てのアヤックスが絶不調で0-0のPKというショッパイ試合・・・。


そんな青春の苦い思い出(遠い目)




改めて言いますと僕が愛して止まない「3-4-3」は【前編】で紹介したものではなくて、

あくまでコチラ↓の3-4-3なんですよ。



2011-06-22_16-31-51_entry-10931211711_o0352032111306174105.gif



・・・・え?



中盤の並びが「フラッ」トか「ダイヤ」かだけで、大して変わらないじゃんって?




こっ・・・・













このバカもんがーー!!!!


(バチコーーーン!!)






一見、似ているようでも大きく違う・・・!!






そうだな、例えて言うなら・・・・





















AKBとアイドリングぐらい別物だ!!


(・・・あれ? 大して違わなくね?)







<オランダ生まれの3-4-3>



【前編】で紹介しましたカルチョで生み出されし3-4-3。



注目していただきたいのは、ある偶然からザックが

「後ろが3枚でも守れる」という確信を経て

前線に駒を割き、誕生した布陣という事です。



つまり、あくまで最終ラインの安定から逆算して布陣を考えるのが

イタリア=カルチョの考え方なんですね。



これに対し、全く逆の観点、


前線から逆算して布陣を考える国があります。

それがオランダです。




オランダではフォーメーションを考える時、

まず最前線の3トップは絶対に曲げられないポイントです。



オランダのリーグ戦では、2トップなんかで戦おうものなら

スタンドから相手チームのサポはもちろんの事、

自分達のサポーターからも


「この臆病もの!!」


と野次が飛ぶそうです。




(つい最近もオランダ代表を率いたファンバステンが2トップ&1トップの導入に際し、

国中から非難を受けていたのは記憶に新しいところ、)



となると残りの7枚をどうDFとMFに振り掛けるかという話ですが、

普通に考えればDF4枚の中盤3枚が最もバランスが良く、

ここが無難な落ち着きどころになる訳ですね。



故に、「4-3-3」といえばオランダ 


オランダと言えば「4-3-3」




つまり、オランダ人にとってのフットボールとは

両サイド一杯にピッチを使ったワイド攻撃が前提で

ウイングがガンガン縦に仕掛ける様に興奮し、

勝っても負けても「面白いサッカーが見れたら、それでええやん・・・」


そんな感じなんですよね~。



これは「内容はともかく勝てばいい」というイタリアのサッカー観とは間逆に位置するもので、

実際EUROを現地観戦なんかすると

両国のサポーターが見せる対照的な国民性が面白かったり。(笑)



この両極端なサッカー観は、もちろん各ポジションに対する概念にも当てはまります。


ザッケローニが守備に長けたDFを3枚置いて

ひたすら相手の攻撃を跳ね返す事でディフェンスの安定感を得たように、


イタリアにおけるCBの概念は文字通り「最終防衛壁」です。


(まあ、これに関してはここまで極端ではなくとも、サッカーの一般的な概念に近いかもしれませんね)




しかし、オランダ人は全く逆の発想。


CBこそが「攻撃の起点」と考えたのです。



「CBから攻撃が始まり、CFから守備が開始される」


さすが”トータルフットボール”を生み出したお国柄。



この一点だけを見ても、オランダにおけるフットボールが

最終ラインから丁寧にパスを繋いでいく”あのスタイル”を連想させるというものです。




故に、イタリアではCBを選ぶ際、

とにかく屈強で相手の攻撃を跳ね返す能力に長けた選手を重点的に選ぶのですが、

オランダでは守備と同等に攻撃の能力、とりわけ中長距離の展開力が重要視されます。


古くはクーマン、Fデブール、

最近ではオランダの流れを汲んだ育成で生まれた近年最高傑作のCBピケなど。



その為、オランダの4-3-3では

展開力に長けたCBが2枚並んだりする事もしばしば。



しかし、せっかく展開力に長けたCBが2枚いても

彼らが横並びにいては、パスは横につながるばかりで

いつまで経っても攻撃が前に進んでいきません。



そこで攻撃の際は、

CBのどちらか1枚が中盤のボランチの位置に上がって縦並びの関係をとる事で解消。


この動きで、ボランチの選手は一列押し上げられてトップ下へ。


(このCBの縦並びの関係は、ちょうど今のバルサでいうピケとブスケスの関係に似てますね。)



【オランダの4-3-3  CBの1枚が中盤に上がる】
2011-06-22_16-31-51_entry-10931211711_o0450048711306245060.jpg




【CBが上がって3-4-3テイストに】
2011-06-22_16-31-51_entry-10931211711_o0450048911306263071.jpg



この布陣変更におけるポイントは、3バックの左右を勤めるDFが

CBではなくSBの選手という点。


イタリア生まれの3-4-3では3バックは、その生い立ちからとにかく守備専業でしたが、

こちらの3-4-3では当然、両脇のDFは攻撃の際、SBのごとき上がりも許されています。



同じ【3-4-3】で表記されるフォーメーションでも

「バランス重視」のカルチョ版と

とにかく「攻撃重視」のオランダ版。



ここが両者の大きな違いですね。




そして、攻撃だけでなく、守備の時にも

引いて待ち受けるだけではなく、積極的にCBが中盤に出てきてインターセプトを狙う動きも併せて、

サッカー界に初めて【3-4-3】を持ち込んだのが74年のクライフを中心としたオランダ代表と言われています。



クライフは攻撃でも守備でもシステムに縛られる事なく、

局面ごとに選手個々の判断で変化する、より柔軟なサッカーを頭に描いていたんでしょう。


これは当時まだマンツーマンディフェンスとシステム固定が全盛の時代において

時代を20年先取りする画期的な発想でした。




そのクライフが現役を引退後、監督としてFCバルセロナを率いる為に現場に戻って来た時、

長年思い描いていた理想のサッカーへ着手したのもごく自然な流れだったと言えるでしょう。




時は90年代中盤―



【前編】でも触れた通り、当時ヨーロッパサッカーは

サッキが編み出した「ゾーンプレス」に支配されていました。


どこのチームも「ディフェンス」を基準にしたチーム作りと

「質より量」の選手起用が主流の時代。



そんな時代にクライフは1人、真っ向から立ち向かって生きます。


それは「オフェンス」を基準にしたチーム作りと「量より質」の選手起用でした。




当時のクライフの哲学が伺える有名なコメントが残っています。




クライフ『プレッシングなど優れたテクニックの前では無力だ』



これに続く言葉が

『いつも攻撃していれば、これより楽しいことはないし、試合に敗れることもない』

『選手がうまくプレーできないのは、ポジションが適正じゃないからか、才能がないかのどちらかだ。』




イタリアだったら 張っ倒されそうな発言ですが・・・(^^; 




当時、「ゾーンプレス」全盛の時代にあって、

どの試合でも「ゾープレス」対「ゾーンプレス」の様相を呈するのが常でした。


ピッチ上では両チームの選手が密集した状態が続き、

こうなるとプレッシングでボールを奪ったまではいいものの、

すぐさま相手チームからのプレスを受けるというジレンマ。



結果、試合は密集した人だかりの中で

ボールが行ったり来たりするザマで

これを観たクライフが「まるで、子供のサッカーだな・・・」と鼻で笑ったとか。



そんなクライフが考え出した「ゾーンプレス打破」への秘策が【3-4-3】システムでした。


自身が現役時代、4-3-3の派生系として現れる

この「3-4-3」の布陣に手応えを感じでいた事も導入の裏付けになったのでしょう。


バルセロナで、この布陣を本格的に導入した初のチーム作りに着手。

【クライフバルサの3-4-3】
2011-06-22_16-31-51_entry-10931211711_o0250018711306341527.png




この布陣のポイントは、ゾーンプレスの基本「ボールに向かって人を集める」の間逆を取る

「人は動かず、ボールを動かす」という基本理念の元に作られた点です。



ボールの周辺に人が密集するから、せっかくマイボールになってもすぐ奪われる


であれば、最初から各選手をピッチに広く分散させ、

この布陣を元にボールを動かしてプレッシングを無効化させようという寸法です。



基本的に各選手は自分が与えられたポジションを守り、

そこから大きく崩す事はしない。


(但し、一旦攻撃の展開に成功すれば後ろからの上がりはアリ。)




この発想で布陣を考えた時、この【3-4-3】は実に理に適ったものです。


何故ならピッチ全体の各エリアにまんべんなく選手が配置されており、

尚且つフォーメーションが静止された状態で多くのパスコースを生み出す為に

あらゆるフォーメーションの中でも最も多くのトライアングルが出来る仕組みになっているからです。



【3-4-3が生み出す12のトライアングル】
2011-06-22_16-31-51_entry-10931211711_o0352032111306140442.jpg



この白いラインに従ってパスが繋がれていく訳ですね。



それぞれの選手があらかじめどこにいるのか決まっているので、

バルサの選手達は改めてアイコンタクトをしなくても

どこに誰がいるのか分かっているというアドバンテージは大きなものでした。




更に、

この布陣をよく見ていくと【オランダの4-3-3】の進化形である事もよく分かります。


最終ラインの「2番」と「5番」はあくまでSBなので攻撃にも加わるし、

この布陣で最も重要な「4番」の位置に入る選手の背番号が

元々はCBから一列上がったことの名残りである事も納得がいくはず。



同時に、クライフは「4番」の選手(グアルディオラ)に対し、

「お前は試合中、絶対にセンターサークルから出るな!」と

口酸っぱく指示していたそうです。



これは全てのパスの基準点となる4番の位置が崩れてしまうと

チームが総崩れになる事をクライフが危惧したのでしょう。




それにしても、何と思い切った布陣でしょうか。



ウイングは常にド~ンと両サイド目一杯に開いているし、


ボールを持った味方選手が複数の敵に囲まれていてもフォローに行くなというのですから。


(「フォローに向かう事で逆に密集を作り出すから、それは逆効果」という考え方)




この布陣にはピッチで戦うバルサの選手達に

常にクライフがこう囁いているようにも思えます。



「お前のテクニックがあれば、そんなチンケなプレッシング。

当然、打開出来るだろう・・・?」 





自分達のテクニックに絶対の自信が無ければ、とても採用できない代物です。


ですが、一度これがハマると

相手のプレッシングを面白いようにパスでいなしていく様は痛快そのもの。


この快感は病み付きになりますよ(笑)



元々オランダで生まれた概念をクライフがバルセロナに持ち込んだ事で

オランダではアヤックスが、スペインではバルサがこの流れを脈々と受け継ぎ、

今日の最強バルサに繋がっていく・・・

そんな一つの壮大な冒険ストーリーと見る事も出来るのではないでしょうか。






・・・・どうです?



これでもまだカルチョ発の「3-4-3」と

「中盤の並びがちょっと違うだけ」なんて仰いますか?



どこのTVを見ても雑誌を見ても

「3-4-3は攻撃的」なんていう我が国の現状を

思わず憂いてしまった店長の気持ち、ちょっとは分かっていただけたでしょうか・・・?




・・・え?

長くてちゃんと読んでなかった?




カーッ・・・!もーっ!



じゃあ、しょうがない。



次回は【番外編】として、

店長が敬愛する「変人ビエルサ」ネタ行っちゃうよ・・・!!www




(「こうなってしまったら内部電源が切れるまで暴走モードは解除出来ないわ・・・!!」)


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