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極上のサイドチェンジ

*2010-08-19更新 (アーカイブ記事)



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『サイドチェンジ』




1本のサイドチェンジがフィールドを横切る。




その軌道が描く美しいアーチを見るのが好きだ。





敵味方が密集し、窮屈になったエリアから無人の荒野へボールが飛んでいく。



サイドチェンジに覚える開放感は、
サッカーという競技が持つ”自由への渇望”という本質をダイレクトに連想させる。





僕が辿り着いた一つの持論なのだが、

”チームのバロメーターはサイドチェンジに現れる”



そのチームが今、どういう状態なのか―



まとまっているのか、バラバラなのか



好調なのか、不調なのか




チームのボール回しの過程で自然とサイドチェンジが行き交うようならば
そのチームは恐らくとてもいい状態にある。






何故か―




それはサッカーにおいて、サイドチェンジほど
味方同士の信頼を拠り所にするプレーはないからだ。




パスを出す側は、逆サイドの味方選手にまで心を配る余裕と信頼が必要である。



パスを受ける側は、ボールが自分より最も遠い位置にあるにも関わらず
”今走れば必ず出てくる”という確信無しに40Mも50Mも全力で走るのは無理だ。



何よりサイドチェンジを受けようと走り出したものの、
万が一、呼吸が合わず相手にボールを奪われようものなら、
自陣に広大なスペースを開けているのだから即、致命傷となる。




だからサッカーチームとしての一つの理想形は
サイドチェンジが無理なく自然と行き交うような状態だ。







又、何よりサイドチェンジというのは非常に技術力とセンスを問われるプレーでもある。




よく実際の試合で見かけるのが、パスが出た瞬間は



「あ、いいとこ見てたな。逆サイがオープンスペースになってるや」



と思ったものの、
受け手がボールをトラップする頃には既に相手の守備陣形が整っていたり、
マーカーからプレッシャーを受けて非常に窮屈なコントロールを迫らているシーンだ。






これは出し手に問題がある。




現代サッカーの原則からいって、例えば右サイドにボールがある時、
相手チームの守備陣形はボールサイドの人口密度を上げる為、
著しく右サイドに寄っているはずだ。



従って逆サイドは必然的にオープンスペースになっているから、
パスが出された瞬間は「お、イイ感じ」と思えるのだが
何しろフィールドの端から端までは距離が長い。



これでパスの質が”ふんわり”とした滞空時間の長いアーチを描いてしまうと
当然、受け手に届くまでに相手チームがいくらでも対応出来てしまう。






だから大きな弧を描くアーチは美しくないし、開放感もない。



ややもすると出し手の自己満で終わってしまう。






真に受け手にやさしいサイドチェンジとは、
受け手の胸に思い切りぶつけるような"低い弧"を描かなければならない。



もちろん、受ける方もライナー性の強いボールを
胸トラップによって勢いを殺さなければならないので非常に高度な技術が要求される。



銀河系時代のRマドリードにおける
フィーゴ(orベッカム)からRカルロスへのサイドチェンジがこのイメージに近い。




ブラジルをはじめとする南米系の選手は

腰から上を使ってのボールの扱い方、吸い付き度が尋常ではない。



Rカルロスは、この手の強いボールが逆サイドから飛んでくると
むしろちょっと嬉しそうな表情を浮かべて巧みなボールコントロールを見せていた。



時にはわざとヒールを使ったりしていたから
そういう難易度の高いボールコントロールを実戦で楽しむ余裕があったのだろう。





更に言えば、この胸へぶつけるサイドチェンジを超える
”極上のサイドチェンジ”というものもある。



それは走っている逆サイドの選手の足元で"ピタッ"とファーストバウンドさせるようなパスだ。




相手がロベカルならいいが、
普通、腰から上へパスは受け手に高い技術を要求する。


浮き球によるパスで最もコントロールがしやすい時というのは
ボールがファーストバウンドする瞬間だ。


地面に跳ね返る瞬間、やさしく上から足を被せてやるのが
最も確実にコントールが利く。




だが、高めのパスを蹴る際は目標も高め(腰から上)になるのが自然だ。


かといって足元に"落とす"事を狙いすぎて、ふんわり浮いたパスになれば本末転倒。




低く鋭いアーチを描きつつも、足元にふわっと落ちるようなボール。




これを全速力で走ってきた受け手が、
ごく自然なアクションの流れで足元に"スッ"と納めた時―






この瞬間(とき)ばかりは、背中に戦慄が走る。





<サイドチェンジの名手達>


ここでは、過去そんな"極上のサイドチェンジ"を共有した稀有な選手達を振り返ってみよう。




【マンチェスターU  ベッカム⇒ギグス】




受け手がギグスだと、思い切った強いパスが遅れるベッカム。

出し手がベッカムだと、確信を持ってスタートを切れるギグスの幸福な関係。


ベッカムが右サイドでボールをコントロールしルックアップ、

瞬間背後をオーバーラップしたGネビルをおとりに使い、

ゴール前へクロスを送るのと同じフォームで逆サイドのギグスへ美しいアーチを描くサイドチェンジ。

オープンスペースでボールを受けたギグスがキレキレドリブルを加速。


この一連の流れはフットボールのおける「連動の美学」の極みでした。




【インテル  ベロン⇒フィーゴ】



南米選手には多いが、中でもベロンは非常にクセっ気のあるミドルパスを蹴る事で知られる選手。


この男、サイドチェンジにアウトサイドキックを用いる その道の名手。


アウトで長いパスを蹴らせたら世界一なんじゃなかろうか。



又、受け手のフィーゴも胸トラしつつ、ドリブルの流れに自然に持っていくテクニックに関して

世界トップクラスの選手であった。







【ACミラン ピルロ⇒カフー】




溜めて溜めて逆サイへ スパッ! というのがピルロのサイドチェンジの特徴。


パスにバックスピンをかける心遣いもニクイ。


蹴る瞬間、重心がグッと沈むピルロのキックフォームは当時よく真似したものです。



こっそり後ろから上がってくるカフーの狡猾さも特筆もの。



【シャビ・アロンソ】




現在、世界最高のサイドチェンジの名手といえば、やはりシャビアロンソだろう。


フォームが美しい タイミングが素晴らしい アーチも美しい


と三拍子揃ったサイドチェンジは絶品。


個人的には彼のサイドチェンジを見る為だけにチケット代を払ってもいいぐらいだ(笑)



彼のセンスが、チームに何をもたらすかは、

中盤から彼が抜けてしまった昨季のリバプールを見てもよく分か・・・(ry


現在、所属するRマドリーでは彼のサイドチェンジが活きているとは言い難く、

非常に勿体ない気がする。


(彼より前にいる選手が全員「オレが、オレが」でゴール前に殺到してしまい、

サイドのスペースに開く選手が皆無の状態)




是非、これからは試合を見る時、サイドチェンジの「質」にも注目して、
それがどのレベルのサイドチェンジなのかを”貴方の目”で判定していただきたい。




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