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『10人の戦士』と『1人の芸術家』 【ユベントス×インテル】

*2011-11-02更新 (アーカイブ記事)








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<『10人の戦士』と『1人の芸術家』>

さて、今日は注目のイタリアデルビーのマッチレビューをお届けしたいと思います。


なんせユーベは今季店長のイチオシ!ですし、

インテルはまだ1回も取り上げてなかった(!)もんですから・・・(^^;



では、両チームのスタメンから~。




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インテルは3-4-3の野望に燃えたガスペリーニが去り、
「継続」「安定」路線の大御所ラニエリが後任に。


奇抜なシステムを引っさげた大改革の為の指揮官から一転、最も「改革」という言葉から遠い「保守派」の招聘。


何とも極端な監督人事だが、「これぞ往年のインテル」「モラッティの本領発揮!」という気がしないでもない・・・。(^^;



ラニエリが行ったのは一度更地にして「3-4-3」という豪邸を建てるはずだった土地に

モウリーニョ工務店が使い古した資材を集めてプレハブ小屋を間に合わせで作った事。


スナイデルをトップ下に置いた4-3-1-2という変わり映えのしない布陣が
「ああ・・・安心のラニエリ・クオリティだな・・・」という感じ。



マイコンのオーバーラップ、カンビアッソとサネッティの献身、
そしてスナイデルの一撃必殺スルーパス頼みという原点回帰。


しかしラニエリが本家モウリーニョを超える事は絶対になく、
しかも主力選手達は当時から確実に歳を重ねています。


確かに更地の上で右往左往しているよるはとりあえずマシとも言えますが、
同時に素敵な家を建てるという夢とロマンは消し飛びました。



ユベントスはミラン戦で見せた4-1-4-1に更に磨きがかかってきました。


今や「ピルロシステム」からの「ショットガンオフェンス」はセリエAで猛威を振るっています。


ミラン戦からはメンバーが若干入れ替わっていますが
そこからコンテが目指すチーム作りの一端が伺えるのではないでしょうか。


シーズンを戦う内にコンテのふるいにかけられて生き残った選手達の顔触れは
成る程、まさに監督の現役時代を彷彿とさせる「攻守に渡って戦える戦士達」


これなら縦のドリブル一本槍で守備の貢献に甘さが残りクラシッチがベンチへ降格したのも頷けますね。



コンテの狙いはピルロの負担をなるべく減らす事で彼を再生させ、
その世界でも指折りの展開力をチームに還元する事。


周囲の選手がピルロの分の運動量を肩代わりする事で彼を助け、
ピルロは彼らのフリーランニングを一本の鮮やかなパスで輝かせるという

理想的な「相互補完関係」が成り立っています。



この2チームの対戦で興味深いのがお互い「スナイデル」「ピルロ」という
戦術の肝となるべき選手を中心に作られた布陣同士のぶつかり合いになる点ですね。


4-3-1-2の「1」に陣取るスナイデルと4-1-4-1の「1」に入るピルロ。


こうして見るとそれぞれのシステムはこの「1」のポジションを作り出す為に
周りの並びを調整したオーダーメイドシステムと見る事も出来るのではないでしょうか。


この「1」が機能しない限り、前後の並びは全て意味を成さなくなってしまうのも共通しています。


しかもこの両布陣が相対した時、ちょうどピルロとスナイデルが直接マッチアップする関係にあるのは見逃せません。



果たしてどちらの「1」がチームを勝利に導けるのか―



<カミカゼ特攻プレス>


試合は開始早々から、もうこれ以上負けられないインテルが仕掛ける。


インテルは引いて守るのではなく前からプレスをかけて

高い位置でのボール奪取を目指した攻撃的なプランで臨んで来た。


だがこの特攻策も練りに練られたプランではなく、
気合だけの付け焼刃である事がすぐに露となるのである。



【インテル 付け焼刃の前プレ】
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局面はインテルの攻撃を断ち切ったユーベがピルロからのビルドアップ。


ここですかさずピルロにはカンビアッソ、手前のパスコースになるビダルには長友がいい出足で寄せて高い位置でのボール奪回を狙う。




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ところがピルロ⇒ビダルとつながれたボールをダイレクトで裏に流されると

何とそこには広大なスペースが・・・!


これでは結局カンビアッソと長友のランニングが「無駄走り」に終わったどころか、
むしろブチニッチにスペースを与えるだけの結果に。


(これを「カミカゼ特攻プレス」と名付けよう。ww)




この1シーンを見てもインテルは「前から取りに行きたい」前衛と
「一旦、引いて守りたい」DFラインとでお互い意図がバラバラ。


結果、中盤に広大なスペースが出来てしまうのである。


(*ルシオ、キブは引いて守らせたら世界一流だが、スピードに難がある為、
DFラインを上げる守り方を得意としていない)



どちらの守り方にも一長一短あるが、肝心なのは「チームとして意思統一が出来ている事」。


ラニエリの工事はここからが本番だ。




<インテルのザル守備>


ここ1~2年のインテルでもう一点気になるのは「誰もボールに行かない守備」だ。


人数だけ揃っているのに誰もボールに当たりにいかなかった事で
あまりにも簡単に突破されたりするシーンが目立つ。


懸念していた通り、ユベントスの先制点もこの「誰もボールに行かない守備」の連続から生まれた。



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局面はユベントスの左SBキエッリーニがボールを持って攻めあがるところ。


とりあえずボールにはサネッティが当たりに向かうが手前のマルキージオには誰もマークが付いていない。

本来であれば、この局面はスナイデルがスライドして守備に当たりたいところ。


モウリーニョ時代にはあれだけ守備に攻撃にと走り回っていたスナイデルが今や完全に中盤の王様と化している。


FWにエトーのように献身的に守備にも戻れる選手を配置していればまた別だが現在のインテルにそんなFWはおらず、
これだとスナイデルも含めて前線は3枚残りで守備の枚数がそもそも足りない。



この1シーンを見てもインテルの指揮官が成功するには

まず"ロッカールームの大将"スナイデルを操縦出来るかどうかが重要になってくるのではないだろうか。



キエッリーニはフリーのマルキージオへ横パス。


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受けたマルキージオは最前線から降りてきたマトリへパス。


カンビアッソとオビの間のスペースは3センターの泣き所だが
そもそも1トップのマトリの動きにはCBのどちらかが付いて行くのがセオリーだろう。


結局マルキージオに続きマトリもどフリーだ。


(それにしてもスナイデルの兄貴は見事な棒立ちっすねwww)



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フリーでパスを受けたマトリはアッサリとターンする事に成功し、
これでオープンスペースとなっている無人の右サイドを行くリヒトシュタイナーへいとも簡単に展開している。


それにつけてもインテルの守備陣である。


ボールサイドにここまで寄せたならば、オープンスペースとなっている逆サイドだけは
「絶対に向かせない!」という意識で守備をしなければ
みすみす相手にオープンスペースを提供しているようなものである。


ここからサイドをえぐられてあっさりとユベントスが先制。



インテルはこの後、マイコンの個人突破からの信じられないシュートによって

一度は同点に追いつくものの所詮は個の力による単発な攻撃。


予想通りユーベの逆転弾がその後すぐに生まれるのだが、
この2点目も結局誰もボールに当たりに行けない流れの中、

最後はペナルティエリア内で綺麗にワンツーを決めらるという「守備の国カルチョ」の名が泣くようなザル守備が原因となった。



結局インテルはモウリーニョが去って以降・・・


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<ピルロを捕まえろ!>


前からの守備が裏目に出たインテルは途中から守備ラインを下げてプランを修正。


すると今度はミランが陥ったのと同じように『ピルロを捕まえられない』というジレンマに悩まされる。



【ピルロを捕まえられないインテル】
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ユーベの試合を研究すれば誰だって「まずはピルロを抑えるのが鍵」という結論は明白なのにも関わらず

何故ピルロが空いてしまうのか?―



それはピルロの周囲から飛び出す"ショットガンの弾"が非常に優秀だからに他ならない。


ミラン戦ではマルキージオの飛び出しが生んだ先制点を検証したので、
今回はビダルの「異常な攻守の切り替え」を見ていただこう。


今季のユーベを語る時、どうしてもピルロ加入の成功が真っ先に挙げられるが、
実はそれ以上に地味ながらもこのビダルを獲った事こそが最大の要因だったのではないか?



【ビダルの異常な攻守の切り替え】

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局面はインテルのクロスをGKブッフォンがキャッチし、
そこからスローで投げられたボールがマルキージオに渡り、ユベントスの速攻が始まるところ。


好機と見たビダルが真っ先に先陣を切る。


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そのままボールは縦に運ばれ、ビダルは自陣からハーフラインまでノンストップで爆進中。



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ここでサネッティがボールをカット。

すぐさまビダルは「攻⇒守」に切り替えて、ボールを奪回すべくファーストプレスに向かう。


サネッティはオビへパス


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プレスをパスでかわされてもビダルの仕事は終わらない。すぐさまターンしてパスの出先へ急行。

さりげに逆サイドのウイングにいたペペも守備に切り替えて急行中。


まさにコンテが選び抜いた「攻守に戦える戦士達」。


オビはプレスを感じ、前方のスナイデルへパスをつなぐ



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ボールが渡ったスナイデルに対しビダルは休まずプレスバックでこれを追う。

守備でピルロを1対1にしない為にペペも急行してスナイデルに対し1対3を形成した。


囲まれる前にスナイデルは右のオープンスペースへ展開。



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ボールが右サイドに展開された事でユーベのCBバルザーリが応対に出る。


展開が変わった事でビダルは「ボールへのプレス」から
バルザーリが吊り出された事で空いた「スペースへのカバー」へ判断を切り替える。



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一度CBのカバーの為にDFラインに入ったビダルだが、

DFラインが整ったと見るや今度はボールサイドへフォローに入り、サラテに対し、キエッリーニと2人で数的優位を作るために向かう。



このビダルの驚異的なプレーがお分かりいただけただろうか?


一連の流れを今一度振り返ってみたい。



まずはユーベのカウンターに自陣ペナルティエリアから先陣を切って飛び出し





ボールを奪われるとすぐさま攻守を切り替え、ボールに対しファーストプレッシャーをかける





インテルがサネッティ⇒オビ⇒スナイデルとパスをつなぐも
そのままランニングを止めずにボールを追い続け





インテルの攻撃がサイドに展開されると再び自陣に戻ってきて
今度はDFラインのカバーへ





DFラインが整ったと見るや一転して、今度はボールを奪う為にボールサイドへ急行



自陣からおよそ片道60Mを全力ダッシュしてのターンを走り続け、
なおかつ走りながら状況に合わせて判断を変えている。

(某監督ではないがこれぞ「走りながら考え続けるプレー」)


「マンデーフット」で取り上げろとまでは言わないが(笑)、
個人的にはロナウドやメッシの60Mドリブルにも負けない驚異的なプレーの一つだと思います。



ユーベはこのビダルだけでなく、マルキージオ、ペペらの「ショットガンの弾」が常に攻守で走り続けている為、
相手チームとするとここを抑えるのに手一杯でピルロまで手が回らないというのが実情ではなかろうか。



故に「ピルロが空いてしまう」という現象が起こるのだろう。




<長友レビュー>



さて、我らが長友のプレーはどうだったのか?


結果的には2つの失点に直接絡んでしまっている。


1失点目は長友の左サイドをえぐられているし、

2失点目は今度はサイドに張りすぎて中央のカバーに間に合わなかった。



・・・が、果たしてこれは長友個人の責任だろうか?



確かに得意の上下動に比べるとまだまだ左右の動き⇒つまり中への絞りには改善の余地はある。


しかし、それ以上に現在のインテルには「守備の約束事とプラン」「ボールの取りどころ」が不明瞭過ぎる。

もはやチームの体を成していないと言ってもいいだろう。


反対に得意の上下動、つまり攻め上がりでは
「いつ上がるかというタイミング」と「攻め上がった際の個の突破力」では
さすがに逆サイドのマイコンに大きく劣るものの、
「攻め上がる回数」と「一試合の走行距離」では長友が遥かに凌駕している。


ラニエリには「長友の献身」がチームに還元される為のシステム構築を強く望みたい。


それこそビダルのような素晴らしいランニングすらただの「無駄走り」に終わりかねないチームなんて悲し過ぎるではないか。




<スクデットが見えてきた(?)ユベントス>


結局試合は2-1のままユベントスの順当な勝利に終わった。


試合前の注目ポイントであった「ピルロ対スナイデル」の対決は
スナイデルの存在がそのまま「守備の穴」となるインテルに対し、
ユベントスは「ピルロを活かし、活かされるシステム」が確立されていた。


チーム構成も「10人の戦士」と「1人の芸術家(ピルロ)」というバランスが素晴らしい。



それでもこのユーベを抑えようと思ったらやはり「ピルロ封じ」が鍵になってくるだろう。


この試合でも一瞬インテルの流れになる時間帯にはピルロに上手くプレスがかかっていて、

ボールが渡らないようになっていた時間帯と一致する。



そうなると是非見てみたいのがマンU,チェルシー、レアルらと
このユーベが戦う試合なのだが・・・あいにく今季は実現しない。


(例えばファーガソンであれば、ピルロに対し再びパクチソンあたりをこのスナイデルの

位置に置いてきそうなのだが・・・?)



インテルはこのままでも個の力である程度強引に点を取る事は可能だろうが、
いかんせんこのザル守備ではプロビンチア相手にも度々不覚を取りな気配。


かと言ってラニエリにどこまで期待出来るかと言われれば・・・・??




めずらしく今季店長が推すユーベにスクデットがじわじわと見えてきた?


(ここからの逆噴射とか本当やめて下さいね?ww)


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