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ボアスの英断 【チェルシー×バレンシア】

*2011-12-08更新 (アーカイブ記事)









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<ボアスの英断 【チェルシー×バレンシア】>

夢と理想と野心を携えて、サッカー母国イングランドにやってきた男が
今、最大の危機を迎えていた。


プレミアリーグでは早々に首位マンチェスターCと勝ち点差で10ポイント離され、
CLでも最終節となるこの試合を落とせばグループリーグ敗退。



プレミアとCLというチェルシーにとって最も優先順位の高いコンペティションから年内で脱落となれば
さすがに「解任」の二文字も現実味を帯びてくる。


間違いなくボアスにとってこの大一番は
早くも最大の正念場が訪れたと言ってもいいだろう。



<ボアスチェルシーの課題>


そもそも何故、

これほどまでにボアスのチェルシーは苦しいスタートを切る事になってしまったのか?



一言でまとめてしまえば【手持ちの駒と志向するサッカーとのミスマッチ】が要因となります。


以下、パーツごとを具体的に見ていきましょう。



【ミケルのアンカー起用】


ボアス用兵の最大の失敗がコレと言って、まず間違い無いでしょう(笑)


まあ、ボアスとしても本心では「エッシェンがいれば・・・」なのかもしれませんが、
それにしたって代わりに使った選手がBADチョイス過ぎました。ww


ボアスチェルシーの攻撃は最後尾からキッチリとパスでつないでいく形が持ち味。


CBを両サイドに開かせると同時にSBを押し上げ、
真ん中に下りてきたアンカーのミケルを攻撃の起点とするわけですが、
結果的にこれは敵に格好の狩場を与えるだけでしかありません。


先日のリバプール戦ではGKのフィードを受けたミケルが狙われ、
そのままボールを狩られて失点するなど直接の敗因にもなっています。


(これに付随して【両SBの同時攻撃参加】
攻撃面のメリットが薄い割に守備面でのリスクばかりが大きい現状です。)



それでもどうしてもバルサ型のポゼッションサッカーをやりたいのであれば、
バルサから獲得したカンテラ上がりの若手ロメウを
アンカーで起用するぐらいの思い切りが必要かもしれません。



【輝かないメイレレス】


昨季リバプールで輝いていたメイレレスが全く活かされていないのも
チームにとっては大きなマイナスとなっています。


ユナイテッド戦のようにアンカーの位置で潰し屋として使うのは論外としても
本来の位置で使ったところで
そもそもチェルシーの攻撃スタイルでは彼の持ち味は充分に発揮されません。


ポゼッションを主体とするチェルシーの遅攻は
どうしても相手チームを自陣深くまで押し込んでしまい、
メイレレスが飛び出すスペースが無いというジレンマが痛手となっています。




【マタの自由なポジショニング】


ほぼ全ての選手が持ち味を発揮出来ない中、
唯一の希望といっていいのが新加入のマタです。

現状ほぼ全てのチャンスに彼が絡んでいると言ってもいいでしょう(笑)


ボアスはマタをウイングとして起用し続けていますが
マタのポジションに縛られない自由な動きは
相手ディフェンスに的を絞らせないというメリットがある反面、
守備の際には持ち場に大きな穴を空けるというリスクを抱えています。


・・・とまあ、以上つらつらと挙げてきましたが、
ボアスとしてはこれらの課題の内、
なるべく多くを解決した回答をこの試合に用意する必要がある訳です。



<ボアスの回答>


では注目の両布陣を見ていきましょう。


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まずはバレンシアから。


布陣はいつも通りの4-2-3-1です。


このチームの売りは何と言っても左サイド。
マテューとジョルディ・アルバの快速コンビです。

このコンビにはあのバルサも痛い目を見ていますからねぇ。
(3バックバルサの右。マスケラーノをチンチンにしたった実績アリ。)


速攻でサイドをえぐって裏に抜け出したソルダードで決めるのが
バレンシアの必勝パターンです。


ただ、エメリにとって痛かったのは
チームの絶対的な司令塔であるバネガがいない事。(怪我で戦線離脱中)


彼がいるのといないのとでは中盤の構成力が全く変わってきてしまいますので
エメリとしては構成力が問われる遅攻ではなく
スピード勝負のカウンターに活路を見出したいところ。



続いてはチェルシー。

ボアスはいかなる回答を用意してきたのか見ていきましょう。


布陣はいつも通りの4-3-3ですが、
注目すべきは泣き所のアンカーの位置に遂にロメウを起用。

そしてランパードをスタメンから外してきました。


実際の試合を見てみなければまだ何とも言えない段階ではありますが、
ビラスボアスのただならぬ決意が感じ取れるオーダーと言えるでしょう。



<実利をとったボアス>


試合は驚きと共に幕を開けます。


前日の記者会見では『これまでの戦い方を変えるはずがない』と語っていたビラスボアス監督。


ところがキックオフからチェルシーは
ドログバ1枚を前線に残し、残りの全員で自陣ベタ引き・・!!


早々にマイボールを放棄して、ポゼッションをバレンシアに譲ってきました。

(しかもここはスタンフォードブリッジですよ!?)



これまであのマンチェスターUに正面からぶつかり、
アーセナルと壮絶な打ち合いに応じたボアスが
遂に自身の理想を捨て実利をとってきたのです。


これにはさすがの知将エメリも少なからず驚かされたはず。


試合前のプランとあまりに違うピッチの光景に
バレンシアの選手達がまだ戸惑っていた前半3分、早くも試合が動きます。



クロスを上げたスターリッジ、流れたボールを拾ったマタ、
折り返しを中で受けたドログバ。


そのいずれに対しても余りに寄せが甘かったバレンシア守備陣は痛い代償を払わされる事に。


何でもない攻撃からチェルシーが幸先良く先制。


あっけなく入ってしまった割にこの先制点の持つ意味は重大です。



これでチェルシーは確信を持ってあとは守備を固めるだけ。


バレンシアはベスト16入りに向けて少なくとも1点を返す必要がありますから
待ち受けるチェルシーへ向かって出て行かざるを得ません。



<元鞘に戻ったチェルシー>


それにしてもポゼッションを放棄して自陣にベタ引きとなったチェルシーの守備網は

これまでのザル守備が嘘のように強固そのものでした。


つまり、ボアスはこれまでの課題に対し、
【理想を一旦捨てる】という回答を出してきた訳です。

(これならランパードのベンチスタートも納得がいきますね。)



この日のチェルシーは両SBが一切上がらない事で
【両SBの同時攻撃参加によるリスク】も解消。



更にあのマタがキックオフから
ちゃ~んと持ち場を守って守備に当たっている姿が・・・!!


【持ち場を守るマタ】
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今日のボアスはなりふり構っていられません!


サイドに完全に蓋をしたSB、


制空権を掌握し、クロスを余裕で跳ね返し続けるテリーとルイス、
(この展開ではソルダードは完全に空気や・・・!!)


パスがさばけるのでカウンターの起点になれるアンカーのロメウ、


持ち前の機動力を活かし守備に攻撃に走り回るラミレスとメイレレス、


自陣におびき出した後の広大なスペースを活用するスターリッジとマタ、


そして「難しい事はいいから、とにかく1人で行けるとこまで持ち込んでくれ!」
シンプルな作戦で完全に蘇ったドログバ(笑)


もはや1対4のカウンターでもバレンシアはドログバの突進を止められず、
チェルシーのロングパス1本で完全に独り舞台と化す。

(やっぱりコレだけやらせとけば、この人は世界最凶だろ・・・www)




あれ・・・何だろう?



この懐かしい感じ。



まるでちょっと背伸びして いいとこのお嬢さんと付き合った後に


結局 地元の幼馴染と元鞘に戻ったみたいなこの安定感・・・(笑)



やっぱりチェルシーはこの戦い方だと活き活きするよね~!



<ボアスのスカウティング>


困ったのはバレンシア。


ただでさえ頼みの綱バネガがいないというのに、
不慣れなポゼッションサッカーで自分達から攻めて行く事を強いられたものだからとにかく居心地が悪い。


ボールを明け渡してここまで活き活きするチームもめずらしいですが、
ボールを持たされてここまで窮屈そうなチームもめずらしい(笑)

(チェルシーはまるで、普段の自分達と戦っているような錯覚さえあったのでは?)


バレンシアの攻撃に一向にリズムが出ないのは
実はボアスの「スカウティングセンス」が細かなところで効いていました。


実際の試合から見てみましょう。



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局面はバレンシアがGKのフィードからCBにボールが渡ったところ。


チェルシーは前線に1枚残したドログバが
バレンシアの両CBレミ&Vルイスと1対2の関係になる訳ですが
注目すべきはドログバのポジショニング。


ボールを持ったレミを完全スルーしてVルイスにベッタリと付いています。


普通、これは逆ですよね?


ボールを持って攻撃を組み立てるレミの方に当たりに行かなければ通常おかしい局面なんですよ。



となれば、これは当然ボアスのスカウティングと見るべきでしょう!


確かにレミと比較するとVルイスは足元のテクニックに長けており、
ビルドアップの質も高いので単純にそちらをケアしていると見る事も出来ますが、

それ以上にこれは最終ラインの段階で
バレンシア自慢の左サイドへの展開を遮断しているという狙いが大きいはずです。


ドログバが常にこの位置取りをとり続ける事で
バレンシアの攻撃を右へ右へと誘導する事に成功。


試合はこの後、面白いようにカウンターを繰り出すチェルシーと
攻撃のリズムの悪さが守備に伝播して失点を重ねていくバレンシアという図式が最後まで変わる事はありませんでした。


(結果は3-0でチェルシー勝利)




とりあえず土壇場の英断によってボアスチェルシーは
何とかクビの皮をつなぐ事に成功しましたが、

今季のベストゲームが唯一「理想を捨てた試合」とあっては
ボアスの心境も複雑だったのではないでしょうか・・・?


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