スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カルチョの真髄 ~ウディネーゼの守備を分析~

*2012-01-17更新 (アーカイブ記事)











2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0384031811740273093.jpg
<カルチョの真髄 ~ウディネーゼの守備を分析~>



今日はセリエAで取り上げておかねばなるまいとずっと思ってきたチームをピックアップしたいと思います。




それは・・・ウディネーゼ



アクセス数に若干不安の残るネタですが(爆)、
こういうチームこそ変態ブログで取り上げていかなくてどうする!とww





というのもこれまで本ブログでは何度かマンチェスターCの守備について
問題点を検証してきましたが、

そのアンチテーゼとしてこのウディネーゼは格好のモデルとなってくれるからです。




現在、ウディネーゼはセリエAで3位、

特に失点数はユベントスの12に僅かに1点及ばないものの、

18試合13失点、リーグ2位の堅守を誇っています。



ネスタやチアゴシウバと比べれば

世界的にはあまりに無名な選手だけで構成されたチームがこのように堅固な守備を築く一方、

大金を使いスターをかき集めながら守備に甘さの残るチームもあるという

この対比の構図で読んでいただければ幸いです。




<守備力を支える両輪>


ではまず、サッカーにおける守備についてちょっと考えてみましょう。



あるチームにおける「守備力」を求めるにあたって

大雑把に可視化するとそれは

【選手個々の能力】【チームの組織力(完成度)】の総和で成り立っていると言えるでしょう。



この二つが両輪となってチームの守備力を支えている訳です。




ただ、【選手個々の能力】については

能力の高い選手には当然その分移籍金も高く設定されており、

極一部のビッグクラブを除いてはおいそれと高められる類の要素ではありません。




一方で【チームの組織力(完成度)】については

努力と創意工夫次第ではいかようにもなる腕の見せ所とも言えるポイント。




そして…ここが肝心なのですが、

【チームの組織力】が高まり、選手個々の役割がハッキリと見えてくると

"チームに活かされた選手個々の能力も自然と上がってくる"という事です。



反対に【能力の高い選手】を集めたからと言って

自然と【チームの組織力】が上がるという事は決してあり得ませんが…。(^^;







つまり、この守備における基本概念を最もよく体現しているチームが

今季のウディネーゼという話になる訳ですね。





<カメレオンシステム>



今季のウディネーゼは"プロビンチャ一筋20年"

セリエAの生き字引グイドリン監督が

手塩にかけて磨き上げた「カルチョの芸術品」とも言える作品です。



フォーメーションは変則的な3-6-1(3-5-1-1)。


2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0580032011740273094.jpg



守備の時は1トップのディナターレを1枚前線に残し、

残りの9枚で堅牢な城壁を築きます。





近年、バルサに代表される「前からアグレッシブに奪いに行く守備」が

もてはやされる傾向がありますが、サッカーに正解はありません。



ウディネーゼの守備戦術は自分達の戦力から導き出されたベストな回答であり、

「一旦引いてからの守備」というのも依然、サッカーでは有効な守備戦術の一つなのです。




又、この変則フォーメーションには個々の戦力では劣るとの前提から

試合で「がっぷり四つに組み合う」という図式を避け、

中盤の6枚でどこのチーム相手にも数的優位を築こうという狙いがまず一点。





そして状況により中盤の6枚がそれぞれ自由に最後尾へ下がったり
前線に上がったりする独特の戦術をこのシステムが支えています。





ですのでウディネーゼは試合の局面ごとに

フォーメーションが5-4-1になったり3-5-2や3-4-3にまで変幻自在。

一部の「戦術マニア」にも非常にオススメしたいチームだったりします(笑)



(ちなみに店長はこのシステムを「カメレオンシステム」と命名しましたw)





又、ウディネーゼは活躍した選手の「売り時」を逃さないチームとしても有名です。



今季もエースのAサンチェス(バルサへ)、司令塔のインレル(ナポリへ)、
守備の要サパタ(ビジャレアルへ)と主力中の主力を惜し気もなく放出。




普通のチームなら今季は涙目になっていてもおかしくないのですが、

このチームはすぐさま新たに無名で安く、それでいて有望な選手を採ってくるスカウト網を持っています。





今季で言うならば3バックの中央で抜群のラインコントロールを見せるDFリーダーのダニーロや
1・5列目の嫌らしいポジショニングでディナターレをサポートするトルジェ(ディナモブカレストより加入)
などが「大当たり」でしょうか。





されどもこの「変則フォーメーション」や「有能なスカウト網」が活きるのも

全て練りに練り上げられたベースとなる「組織力」があってこそ。





それでは次の章から「カルチョの真髄」とも言えるウディネーゼの守備を

実際の試合から検証していきたいと思います。





<ウディネーゼの巧みな守備組織>

2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600034911740288633.jpg



局面は「ウディネーゼ×インテル」の試合から。


中盤でボールを持ったアルバレスから

中に絞ってボールを受けに来た右SHのファラオーニにパスが送られようという場面です。



ポイントはファラオーニの後方から

大外をオーバーラップで狙うサネッティの動き出しにご注目。



この時、もしアルメロがそのままファラオーニに付いて行ってしまうと

ウディネーゼから見て自陣左サイドにオープンスペースが出来てしまい、

ここをサネッティに突かれる危険性があります。



(もちろんサネッティはそれを察知して狙っているからこその動き出し)




そこでウディネーゼの守備の鍵を握るのが手前のアサモアの動きになってきます。




2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600037311740288631.jpg


パスがファラオーニに送られると

アサモアがアルメロに対し左手で奥のスペースを指しながら

「ボール(ファラオーニ)には自分が当たるから、スペース(サネッティ)を埋めてくれ」と指示。



一見、何気ないただのコーチングですが、

刻々と状況が変わり続けるピッチ上で自分のポジションを修正しながら、

自軍の守備陣形、敵のポジショニング、
そして次に生まれる危険なスペースの予測を同時にこなしていないと出来ない 隠れた"好プレー"です。



そしてここを徹底出来ていないとシティの右サイド(シルバのサイド)のように

常にオープンスペースと数的不利に晒される事になってしまいます。





2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600038011740288632.jpg


アサモアとアルメロの巧みな連携でスペースが埋められたのを見たファラオーニは
一旦ボールを下げて左サイドの攻略を諦めざるを得ません。




2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600039611740288634.jpg


ボールは再びアルバレスに戻され、今度は中央からの突破を狙うインテル。





2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600037211740296111.jpg


ここで最前線からクサビを受ける為に鋭い動き出して引いてきたDミリート。



しかし、この動きには3バックのセンター(リベロ)ダニーロが

しっかりとマンツーマンで捕まえてクサビを入れさせません。




ですが、ここで実は画面には映りきれていないウディネーゼの最終ラインに一つ問題が発生しています。



クサビを阻止したのはいいものの、

3バックの中央に位置するダニーロがDFラインから飛び出した事で

必然的に最終ラインのど真ん中にスペースがポッカリと空いてしまう事になります。




2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600037911740296112.jpg


インテルの2トップはもちろんこのスペースを狙っていました。



下がるDミリートの動きに合わせて、相棒のパッツィーニは裏抜けを開始。


これを見たアルバレスが裏のスペースへ浮き玉のパスを送ります。




ところがウディネーゼの3バックは3人の内、

誰かが欠けた場合は残りの2枚がポジションを修正してカバーするという連携が完璧に組み上げられています。



ここではセンターのダニーロが抜けたので

両脇のベナティアとフェロネッティが中に絞って中央のスペースをケア。



裏に抜けるパッツィーニに対し、

ベナティアとフェロネッティが2対1の数的優位を形成しながら落ち着いてこの難局に対処。



まあ、ここまでならしっかり訓練されたトップチームであれば徹底されている約束事かもしれませんが、
ウディネーゼのメカニズムはここで終わりません。





2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600035811740296113.jpg


この浮き球を難なくヘディングで処理出来るフェロネッティの状況を見て

右WBのバスタがすでに速攻の為のポジショニングをとっていました。



よく、サイドから攻められた時に5バック状態になるのが3バックの弱点と言われますが、

ウディネーゼは左から攻められた場合のクリアボールは右に、

右から攻められたボールのクリアは左にという約束が徹底されていて、

攻められたサイドの逆サイドに位置するWBが守備の状況を見ながら常にカウンターに備えています。





更にこの局面では、バスタがフリーでボールを受けられそうなのを見た最前線の

ディナターレが既にカウンターの最終局面に向けて走り出しているはずです。




このように全てのポジションの選手が連動しながら

「意味のあるポジショニング」を取り続ける事で

ウディネーゼには局面局面で「死んでいる選手」がいません。


(シティのシルバやバロテッリは守備の局面で度々"死に体"です。ww)





続いて、もう一つだけウディネーゼの守備を見ていきましょう。






2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600047011740302386.jpg


局面は同じくインテル戦から(笑)



ウディネーゼの最終ラインにご注目下さい。



ボールとは無関係のところでDミリートとの激しい駆け引きが展開されています。

これがどうなっていくか、続けて見ていきましょう。





2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600035411740302389.jpg


局面はボールを持ったモッタが展開を図っている場面。



先ほどと同じようにDミリートが鋭い動き出しで

クサビを受けるべく中盤に降りてきています。



この動きに対してウディネーゼ側は、

今度は左のCBフェロネッティがそのまま付いていきます。




2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600037711740302388.jpg


・・・と、ここでフェロネッティの動きを察知したDミリートが素早い反転で一気に裏を取ります。



(店長は未だにこの反転の鋭さと抜け目ない裏のとり方では

Dミリートが世界ナンバー1だと思っているんですけど、どうでしょうか…?(^^;))




2012-01-17_19-23-36_entry-11138464098_o0600038211740302387.jpg

しかし、今度はフェロネッティの裏のスペースを

リベロのダニーロがしっかりとカバーしており、このボールを難なくクリア。



先程のシーンとは変わり、この局面ではダニーロがカバー役に回ったという事ですね。



一つ一つを見ていくと実に「守備の基本」に忠実な動きで

特別驚くような事はないように思われがちですが、

攻撃と違い、守備では「当たり前の事をどこまで徹底出来るか」がその成否を分けるのです。




トップレベルのチームでもこの当たり前の事が徹底出来ていないチームがどれだけある事か・・・。



(ラニ○リとかマンチー○とか・・・?www)





<守備専ブログ?>




・・・・と、予想以上に地味になってしまった今日の記事ですが、

最近あまりに守備ばかり取り上げるので

一部ではすっかり「守備専ブログかよwww」なんて言われかねませんね(笑)


しかし、これは決して店長が「受け」であるとか「ドM気質」であるとかは全く関係なくてですね・・・・





単に

『サッカーにおいては攻撃と守備は等価値である』

という事が言いたいだけなんですよ!




にも関わらず、どこの雑誌もTVも

メッシのドリブルやシティのファンタスティック4みたいな派手な攻撃ばかり取り上げるので

せめてこのブログはそのバランスを取っていこう!と意識してみた結果だったんですがいかがだったでしょうか・・?(^^;





確かにシティやバルサの派手なサッカーは見ていて爽快感があります。





それは間違いありません。




でも・・・何て言うかな、



こう、子供の時はただ苦いだけだったブラックのコーヒーやビールを


「この渋みがたまんないんだよな~」とか言える

違いの分かる大人になりたいじゃないですか(笑)




少なくとも本ブログの読者の皆様は

そんな"違いの分かる変態 読者"しかいないと
勝手に確信を持っておりますので、そこんとこ・・・ヨロシク。(爆)




関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

soccertentyou

Author:soccertentyou
年間300試合観戦のサッカー馬鹿によるサッカー馬鹿の為の戦術分析ブログ

【メールアドレス】
wowow_2000(あっとまーく)yahoo.co.jp

サッカー店長のつぶやき
最新記事
最新コメント
カテゴリ
読んだ記事が面白かったら1クリックをお願いします↓
サッカーブログランキング
更新カレンダー
03 | 2017/04 | 05
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 - - - - - -
マイベストサッカー本10選
広告リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
リンク
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。