『モウリーニョ二世』にはなれなかったビラスボアス 【電撃の解任劇を問う】

*2012-03-05更新 (アーカイブ記事)









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<『モウリーニョ二世』にはなれなかったビラスボアス>


昨夜、チェルシーのビラスボアス監督の解任が正式に発表されました。



店長ブログでは今季開幕前から注目の監督としてピックアップしてきただけに
非常~に残念であります。


解任の理由はもちろん成績不振ですが、
それにしたってまだ勝ち抜けの可能性が充分に残されているホームでのCL2ndレグを控えたこのタイミング。

やはり直前のリーグ戦(対WBA)を落とした事で
オーナーを始めとする上層部の我慢も限界に達してしまったという事だろう。


そこで今日はボアスチェルシーの9ケ月を振り返ると共に
この解任の是非について今一度考えてみたい。




<ボアスが残したもの>


まずはボアスが実際にチェルシーにもたらした変化と
その結果を個別に検証していこう。



【理想の追求】⇒【ゲームプランの欠如】


そもそもの全ての不幸の始まりはここからだったと言ってもいいだろう。

『モウリーニョの右腕』『ボアスレポート』
そして今や有名となった『少年時代のロブソンとの逸話』。


その全てが彼に対し【分析のスペシャリスト】との先入観を植えつけるには充分過ぎるものだった。


しかし、監督としてのビラスボアスは
決して相手に合わせるタイプでは無かったし
ましてや【分析のスペシャリスト】の顔は結局その片鱗も伺う事が出来なかったのである。


監督には色々なタイプがいるので
別に相手の事はあまり気にせず、自分達のサッカーを貫く方向性が悪い訳ではない。

現にそういう監督はたくさんいる。


だが、どうしても多くの人が彼に抱いた先入観とのズレから
『無策』『失策』『ゲームプランの欠如』と捉えられてしまうし、
そして試合結果を見れば実際にそういう試合は多かった。


そんなボアスチェルシーをどう評価するかにあたって
象徴的な2つの試合を挙げたい。


一つは就任以来初のビッグマッチを真っ向勝負で挑み華々しく散った『ユナイテッド』戦。

もう一つは崖っぷちに追い込まれた末、
遂に理想を捨て「モウリーニョサッカー」で快勝を飾った
『CLグループステージ第6節 対バレンシア』戦。


どちらの試合をボアスチェルシーのベストゲームと観るかで
きっとその人のボアス評は大きく変わってくるだろう。


あくまで結果を優先して見るのであれば
もちろんバレンシア戦が現在のチームにとって最も現実的なベストプランとなるだろうし、

ボアス就任によって変化と継続を望んだ人ならば
結果こそ1-3の敗戦とは言え、あのチェルシー戦の心意気と試合内容に胸を躍らせたはずだ。


ただ、どうやら少なくともチェルシーの上層部は前者寄りのタイプだったようで・・・(^^;



【高く押し上げたDFライン】⇒【失点倍増】

アンチェロッティからボアスに代わって、まず目に見えて大きく変化した事と言えば
DFラインの高さとアグレッシブな両SBの攻撃参加だろう。

ラインの高さはおよそ10~15Mは高くなったのではないだろうか。
攻撃時はCB2枚だけがハーフライン付近に残っているバルサ状態の時も。

ところがロートル・・・ならぬ鈍足・・・もといベテランを揃えたDFラインは
明らかにスピード不足で裏のスペースを持て余してしまった。

結果、今季27試合で32失点の惨状である。


そう言えば一足先にドロップアウトしてインテルのガスペリーニも同じ過ちで
ルシオ、サムエルらを涙目にしていたが、
同じくベテランを揃えたミランのアッレグリは実に上手く彼らの経験を活かした堅守を築いていますね。



【エッシェンの長期離脱】⇒【日替わりのアンカー】


エッシェンの長期離脱は結局アンカーのポジションに適任者不在という自体を招き、
その結果が日替わりで顔ぶれが代わるアンカーとなってしまった。

シーズン開幕からはまず『亀仙人の甲羅』を背負うがごとく
ミケルをアンカーに置くという重いハンデを自らに課し早々に炎上。

その後もメイレレス⇒ロメウ⇒メイレレス+ラミレスと移り変わってゆき
ようやくエッシェンが復帰したらベンチというオチまで着いた。




【遅れた選手適正の見極め】⇒【ウイイレフォーメーション化】

ミケルのアンカー配置もさる事ながら、
ウイングで使われたマタとスターリッジ、
結局便利屋で穴埋めをこなすだけだったメイレレス、
一列配置が低いラミレス、
右なのか左なのかどっちつかずのボジングワ、

・・・などなど、とにかく選手の適正から見てベストとは言いがたい配置が目立った。

まあ、これは新チームで選手の適正を見極めるのに時間を要したとも言えるが
それにしてもまるでサッカー素人がウイイレで再現するかのような
ひどいフォーメーションもいくつかあったなぁ・・・(笑)





【トーレスへの信頼】⇒【エース不発】



「それでも・・・・それでも王子ならなんとかしてくれる…!!」



結果、何もせず…!!www



何だろう・・・この脱力感は(笑)


普通、どんなドラマだろうがアニメだろうが
ここまで信じて使われたら、だいたい物語のクライマックスで「覚醒スイッチ」入りますよね?ww 

そういうフラグじゃなかったの・・・??




<解任は是か非か?>


以上、確かにボアスに落ち度があった事は間違いないですが、
では果たしてこのタイミングでの解任は是か非か?という問題です。


そもそもチームの首脳陣はこの若き青年監督と3年契約を結んだ段階で
『3年かけてジックリと新しいチームを作ってくれる若きシンボル』として
ボアスを迎え入れたのではなかったのか・・・?



ボアスは間違いなく理想を持った男であったし、
頑なに・・・そう、頑ななまでにその理想を真っ直ぐ追い続けたという点で
彼の側には一切ブレが無かった。


しかも自身が望んだ新戦力はロクに補強されず
手元に与えられたのは師モウリーニョの元ですっかりオイシイところは絞りつくされた
乾き切りの果実。



この資材でアブラモビッチを始めとする上層部が夢見たのは
一度その味を知ってしまったが故に甘美すぎるモウリーニョ時代の夢。




結局・・・・



『モウリーニョシンドローム』にかかってしまったのはボアスではなく



彼らの方なのかもしれない―


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