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ユベントスの美しき無敗優勝 ~4つの要因を検証~

*2012-05-27更新 (アーカイブ記事)



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<ユベントスの美しき無敗優勝>

今更言うまでもなく今季のユベントスは無敗優勝というそれはそれは素晴らしいシーズンを送ってきた訳ですが、
結果以上に僕が興味を惹かれたのがその試合「内容」の方でして。


あくまで個人的な意見ですが、
"僕が見てきた過去15シーズンのユベントスの中で最も良いサッカーをしていた"
と思います。


中でも過去のチームと決定的に違うのは、その”ボールを大事にする姿勢”です。

これまで、どちらかと言うと後ろでゴチャゴチャとボールを回すリスクは避けて
シンプルに縦にボールを蹴る力強いサッカーのイメージが強かったユーベにあって、
今季のチームが見せたGKブッフォンを使って最終ラインからの丁寧なビルドアップにこだわったサッカーは
目新しい光景でした。


とにかく「ボールと人がよく動く」ユーベの試合は見ていて楽しかったし、
そんなスタイルに引っ張られてかマルキージオなんて
「え…?コイツってこんな上手い選手だったっけ…?」(失礼すぎるだろww)
なんていう新たな発見もあり…。(笑)


「結果が全て」というカルチョの国にあって、
ここまで「結果と内容がリンクしたチーム」のしかも"無敗優勝"というのは特筆すべき事例だと思います。

(これまでは「カルチョ」「無敗優勝」なんて言えば、それこそカペッロでしたからねぇ・・・ww)



そこで、続いてはユーベの無敗優勝達成の要因を4つに分けて探っていきたいと思います。






【要因その1 ~新戦力が軒並み大ヒット!~】
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今季のカルチョメルカートの勝者は何と言ってもユーベでした。

欧州全体で見ても新たに獲得した選手達がここまで”大当たり”続出だったチームは他にありません。


ピルロは言わずもがなですが、1シーズンでセリエAでも5本の指に入るMFである事を証明した鬼の運動量ビダルや、
ピルロとのラインはもはやカフーの領域まであと一歩まで迫った右SBのリヒトシュタイナー、
チームの攻撃にその独特なリズムによってアクセントを加えた天才ヴチニッチ、
「特定の選手に頼る事なくチーム全体で点を取る」を体現した献身的で稼働範囲の広いCFマトリなどなど。


彼らの存在を抜きにしては今季のユーベは語れません。




【要因その2 ~試合数~】

冒頭にも書いた通り、今季のユーベは欧州CUP戦に参加していません。

したがってミランやインテルと比較すると試合数も少なく
例えばミッドウィークにバルサ戦を控えた状態で週末にレッチェと試合をする…なんて事も有り得るチームに比べ、
精神的にも肉体的にもセリエAに集中して臨めていたのは間違いありません。

そしてこれが”故障者ほぼゼロ”でシーズンを乗り切れた要因でもあるはずです。

はっきり言って今季のユーベの選手層はスカスカで
特に中盤のピルロ、マルキージオ、ビダルの3枚には代えがおらず、ほぼシーズンフル稼働です。

その他のポジションも似たり寄ったりで、
ピルロに至っては不在の際には別のチームと言ってもいいぐらい重要なピースでした。

もし主力の2~3人に長期離脱が発生していたら・・・無敗優勝は危うかったのではないでしょうか。


そしてこの”週1試合”というペースは
(厳密にはコッパがあるから毎週という訳ではないが)
チーム戦術の熟成にも大きなアドバンテージがありました。

現代サッカーにおけるトップクラブはほぼ”週2試合”、
試合が詰まっている時期には”週2.5試合”なんていう過密日程は当たり前の時代です。

しかし、このスケジュールでは試合と試合の間のチーム練習を
コンディションの回復とその維持を最優先させた軽めの調整にせざるを得ません。

その点、1週間をキッチリとチーム練習にあてられるユベントスは
シーズンを追うごとに着実に完成度が増しているのを目にする事が出来ました。


(「じゃあ、欧州戦線に参加してない某リバ○ールは何だったんだ・・・」というのは禁句ww)




【要因その3 ~走って走って走れ!~】


要因その3は、何より今季のセリエAでユベントスが一番よく走ったチームという事です。

プレシーズンのキャンプからとにかくハードな走り込みを徹底させたというコンテ監督でしたが、
現代サッカーのトレンドを外さない”走れるチーム”というのは
モダンなサッカーを実現する上で、もはや外せないファクターになってきました。


コンテの「走れない選手は使わない」という姿勢は終始一貫しており、
ピルロにも彼が出来る最大限の走りは求めていたし、
デルピエロをスーパーサブに固定し、クラシッチは戦力外へ。

確かに「走らない」「守備は期待出来ない」クラシッチですが、
時折試合で見せる”クラシッチ無双”の甘い誘惑があると
普通の監督はついつい頼ってしまいがち。

しかし、チームにこういった特別扱いのパーツがあると
結局は全体の士気低下と歪んだ攻守のチーム編成から
徐々にモダンなサッカーからレールが外れて行ってしまうもの。


その点でもチームの世代交代に失敗し、最も献身的に走っている長友が戦犯扱いされるようなチームは論外として、
イブラを組み込んだモダンなサッカーへ転換を図っているアッレグリのミランと比較しても
コンテのユベントスが最もモダンで走れるチームであった事は間違いありません。




【要因その4 ~コンテの柔軟性~】
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今季がセリエA初采配となったコンテ監督の見事な手綱さばきにも触れない訳にはいかないでしょう。

開幕前はセリエBのシエナで旋風を巻き起こした4-2-4の斬新なシステムに期待がかけられていたコンテでしたが、
開幕数試合で「あ・・・これはやっぱAでは無謀だわ」と気付いたのでしょう(笑)

これが機能しないと見るやすぐに4-1-4-1の現実的な路線へチームをシフトさせました。


これ、一見簡単なようですけど、
自分の過去の実績やコダワリの戦術に絶対の自信を持っている監督っていう人種は、
えてして自信がいつしか固執に変わり、一つの戦術と心中するパターンだって
今季の青いチームと若き指揮官で僕らは目の当たりにしてきた訳で・・・(^^;


結果的にこのシフトチェンジは大正解でした。

普通に2ボランチでは死んでしまうピルロも
両脇をマルキージオ、ビダルという3人分走れる選手でガードさせると
チームのバランスは一気に向上。

ここに「クォーターバック・ピルロ」とショットガンオフェンスという
今季の軸となる戦術が固まりました。


更にコンテは当初、対戦相手が4バックなら4-1-4-1、
3バックなら3-5-2と相手のシステムに合わせて2つのシステムを使い分けていました。

最初は守備面での噛み合わせを考えて、相手にフリーな選手を作らせない為の要素が強かったこの使い分けも
シーズン後半を迎える頃にはそれぞれに強みを持った独自のシステムとして
試合状況や得点経過に合わせて自分達の都合で能動的に動かせるようになってきます。


特に3バックでは次第に攻撃面にも大きなメリットを見つけ出しました。

ちょっと検証してみましょう。


通常、ユベントスが4バックでビルドアップを始める際は
両SBを高い位置に押し上げて2枚のCBと司令塔のピルロによる3枚が組み立ての始点を担います。

これに対し、相手チームは2トップならば1枚が最終ラインに、もう1枚がピルロに付く縦関係に、
3トップ、1トップ系の布陣であればCF+トップ下が同じく縦関係になって前プレにあたるので
どちらにしろ同じ3対2の関係が築かれます。




【4バックのユーベに対し3対2の関係になる始点】
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こうなると基本的には空いた方のCBに展開して縦につなぐパターンが多く、
対戦相手の研究も進んでくるとなかなかピルロを使えないシーンも増えてきました。


更に、相手の2トップが機を見てユーベのCBに2枚で前プレをかけてくると
苦し紛れのボールを大きく蹴り出すようなシーンも。


【2トップの前プレを受けるユーベの2CB】
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こうなるとピルロへのパスコースは完全に死んでしまいます。

(ユーベのCBボヌッチ、バルザーリはピケやフンメルスのタイプと違い、
ドリブルでのボール持ち出しにはリスクが大き過ぎる。)


そこで布陣を3バックにすると後ろの関係が4対2になって
抜群にビルドアップが安定するという強みが分かってきました。



【3バックで4対2の関係に】
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さすがに3対1だとDFラインではボール回し放題です(笑)


これで例え2トップが前プレにきたとしても・・・・



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3バックでのパス回しに相手が食いつけば容易にピルロへ展開出来るという強みが。


はたまた、相手の2トップが「その誘いには乗らないぞ」と我慢してピルロに付き続ければ・・・



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今度は主にドリブルでの持ち出しも得意なキエッリーニを使って、
2トップの守備を難なく突破出来るという要領です。


これはあくまで一例ですが、この他にもチームとして「ピルロを使わないビルドアップ」を熟成させた事、
そしてピルロ自身がミラン時代からこのスタイルでもう何年もプレーしてきた経験があるので
マンマークされても絶妙なターンとステップワーク、
そして相手の目を盗むポジショニングで巧みにマークを外す個の力があった事。

それぞれが上手く機能し合って、
どこのチームも一度は考える「ピルロさえ潰せば・・・」のピルロ潰しは終ぞどこも成し得る事は出来ませんでした。

(その意味では、それが予め分かっていたのか全く「ピルロ対策」を講じずに
正面からぶつかってきたアッレグリはさすがだなぁ・・・)


一見、現役自体のプレースタイルと頑固親父の風貌から
お堅いタイプをイメージしてしまいがちなコンテですが
(正直、店長もそう思ってたww)、
その実、非常に柔軟性を持った采配が活きていたコンテ監督。

(勝負どころでのデルピエロの使い方とかね…!)



当然+aでの補強は絶対条件としても
来季のCLでは主役を張る力は充分あるだけにこのチーム・・・要注意ですぞ?


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