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走らざる者勝つべからず ~ドルトムント×Rマドリー~

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<走らざる者勝つべからず ~ドルトムント×Rマドリー~

ロイスが止まらない~♪ 踊るレバンド止まらない~♪

動き出すよ♪ 前プレが♪ 走れ!走れ!走れ~♪


試合を見ながら思わずももクロの名曲『走れ!』が頭に流れてきたドルトムント×Rマドリーの一戦。

勝敗を分けたのは文字通り「走る」事の大切さでした。


そこで今日は今夜の2ndレグを前にこの試合を検証していきたいと思います。



<カウンターパンチャー同士の戦い>

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ドルトムントは今季も怪我人の無い順調なシーズンを送っており、この試合も不動のベストメンバーが顔を揃えた。


対するRマドリーはディマリアとアルベロアの右サイドコンビがコンディション不良と累積で使えない。

よってディマリアの代わりにエジルを右に回し、SBはSラモスを回す事で応急処置。


いつもは「静のロナウド、動のディマリア」で左の守備がウィークポイントのマドリーなのだが、
この試合は左右どちらのサイドにも守備で一抹の不安が残る布陣となってしまった。



さて、この両者の戦いだが、お互いに一撃必殺のカウンターパンチを備えており、カウンターの破壊力は欧州でも屈指。

従来であれば「引いた状態から相手を誘き出しておいてのロウングカウンター」=マドリーと
「積極的な前プレから高い位置で奪い返してのショートカウンター」=ドルトムントという構図が描かれるはずなのだが、
クロップは昨季のCLでの反省を活かし今季は前プレであまり深い追いをしないスタイルを導入。


となるとお互いがカウンターを狙い合い、無駄なパンチが出せない緊迫感に包まれた展開が想定される。
いわばボクシングで言うところのカウンターパンチャー同士がリング中央で睨み合っている構図だ。

よって試合前の展開予想では長い膠着状態が続くロースコアの試合を予想していたのだが・・・?



<ドルトムントの保険>

改めて両軍の駒を比べてみると選手個々の質では明らかにマドリーに軍配が上がる。

ドルトムントはテクニック面でマドリーほど洗練されていないので、どうしてもミスが多く出てしまうのだ。


しかしドルトムントは質では劣っても走る「量」でマドリーを凌駕する。

そしてこの運動量こそがマドリーのカウンターに対する絶対的な保険になるのだ。

では実際の試合からマドリーのカウンター発動とドルトムントの迅速な攻守の切り替えによるせめぎ合いを検証してみよう。


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局面は中盤でドルトムントのパスをカットしたこぼれ球がモドリッチの前にこぼれる瞬間。

モドリッチがボールを拾う前のこの段階で既にドルトムントは3選手がボールに向かってプレッシングを開始。



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モドリッチはダイレクトでケディラへ展開するが、ここにもすぐさま第二の矢としてロイスが側面から迫っている。

すかさずケディラは前のエジルへボールを預ける。


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これだけボールを動かされてもドルトムントは一向に諦める気配が無い

すぐさま第三の矢がエジルを囲い込み・・・


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めげないプレスで遂にボールを奪取。


ドルトムントはボールを取られた瞬間にすぐさま強烈なプレッシングを立て続けに行い、
ボールが一度後ろに下げられた場合のみ、深追いはせずに自陣へ引く守備を使い分けていた。

つまりマドリーが前へカウンターを仕掛ける素振りを見せれば一気にボールを囲い込み、
後ろに下げれば最大の脅威であるカウンターを諦めさせる事が出来るというクロップのプランだろう。


これによりドルトムントは必要以上にマドリーのカウンターに脅威を感じる必要が無くなり
両者の関係には明白な白黒がついてしまった。


片や中盤に守備をしないロナウドがいて国内リーグでは常に相手を見下ろすサッカーが基本のマドリーは
量で質をカバーする必要性がそもそも無いのでドルトムントの真似が出来ない。

いつものようにロナウドのサイドで「打ち合い上等」の展開に持っていこうにも
そもそも打ち合う為のカウンターが出所で潰されてしまう為、前残りのロナウドまでボールが渡らず、
打ち合うつもりが一方的に殴られるだけの展開になってしまう。

(ドルトムントだけが相手のカウンターに対する保険があるという絶対的優位は揺るがない)


そしてこの素早いプレスの餌食になってしまった感があるのが司令塔のアロンソだ。

アロンソ自身の調子も芳しくないようで、前半から信じられないようなパスミスを連発。

前半10分に生まれたドルトムントの先制点はアロンソのイージーなミスパスを自陣でギュンドアンに拾われたところから始まっている。


この展開は先の「バイエルン×ユベントス」におけるピルロそのものなのだが、
ユーベのピルロやマドリーのアロンソのようにパスの出所が極端に集中しているショットガンサッカー
クウォーターバック役に前を向かせてパスを出す時間を作らせる事が大前提です。

ところがバイエルンやドルトムントのように攻守が入れ替わった瞬間にフィールド全体で激しいプレスを行うサッカーはその時間を作る事を許さないので
個人の展開力に依存しているスタイルは今後淘汰されていく可能性が強いように思われます。


これからはパスの出所を複数持つか、出所を決めずにチームとしてビルドアップを行う形が主流になっていくのではないでしょうか。


<総力戦×個人戦>


先制されたマドリーは不調のアロンソに加え、
マイボール時に全くビルドアップに関与出来ないケディラの存在が更に試合を苦しいものにしていた。

選手個々の質は高いのだが守備でロナウドが、攻撃でケディラの貢献が全く見込めないマドリーは
総力戦のドルトムントに比べると常にどこか稼働していない駒を抱える個人戦に見える。

(カウンターになればロナウドは個で違いを作り出せるし、ケディラは守備でロナウドの穴を補えるタレントだが
結局は個の力から逆算したイビツなサッカーと言えよう)


自陣からのビルドアップが一向に機能しないマドリーは
これに業を煮やしたモドリッチがボランチのエリアまで降りてきて加勢。

【ボランチまで降りてくるモドリッチ】
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すかさず中盤のバランスを整える為、ベンチのモウリーニョから布陣を4-3-2-1へ変更せよとの指示が飛びます。

【布陣を4-3-2-1へ】
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これでボールの出所が2つになり多少ビルドアップもマシになったのですが、今度は新たな問題が。

実際の試合から検証してみましょう。


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局面はマドリーが左サイドでコエントランとロナウドによるワンツーの仕掛けで打開を図るシーン。

(ポルトガル代表でもコンビを組む左サイドのコンビネーションは健在)


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このワンツーは成功するもコエントランに次のパスコースがありません。

トップ下のモドリッチを中盤に下げてしまった為、
せっかくドルトムントの両CBの間に絶好のスペースが生まれているのに受け手がいない状態になってしまいました。

↑の図をもう一度よく見ていただくと、マドリーの問題点がここに全て凝縮されています。

まずバイタルエリアで間受けを狙う選手がおらず、イグアインも気を利かせて中へ入ってくればよかったのですが、
あいにくこの選手は裏を狙う本能しか持ち合わせておりません(笑)

その上、中盤の3センターがアロンソを底に左モドリッチ、右ケディラとなった為
自然と展開が左(モドリッチ側)へと集中し、右のエジルが全く意味を成していないのです。


マドリーは攻守に機能しないまま時間だけが過ぎていき「これは苦しくなったな~」と思って見ていたところ、
まだ運(ツキ)が残っていたようです。

前半終了間際にフンメルス師匠がとんでもないバックパスをやらかすと
これをかっさらったイグアインから最後はロナウドが無人のゴールへボールを流し込んで1-1のタイスコアで前半を折り返す事に。

あの内容でタイスコアの折り返しとかこれはもう完全に
「1ー1のまま最低の内容でもアウェイゴールを持ち帰り、ホームのベルナベウで自分達の試合に」というモウリーニョプラン発動フラグがビンビンに臭ってきます(笑)


<機能しないモウリーニョの配置替え>

ハーフタイム―

モウリーニョは右のエジルが機能していないと見て、エジルをトップ下に戻し、代わりにモドリッチを右に入れた4-2-3-1へと再び布陣変更。

【マドリーは4-2-3-1へ戻す】
4231.jpg

前半45分経過の段階で既に2度の布陣変更とはモウリーニョにしてはかなりめずらしいのだが、
ここにマドリーの劣勢と試合前のプランが上手くいっていない苦しさが表れている。


しかもこの二度目の変更もさしたる効果は得られなかったとなれば尚更だ。

この布陣が機能していない事は例えば↓こんなシーンから読み取れる。


【機能しないマドリーの布陣】
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局面はSラモスが右サイドから仕掛けているシーンだが、
この時モドリッチもエジルもSラモスから戻しのパスを受けようというポジショニングでお互いの絵が完全にかぶってしまっている。

恐らくエジルとモドリッチは横に並べるのではなく、縦関係に置いた方がベターなのだろうが、
守備を考えるとアロンソとモドリッチを並べておけない事情があるのだろう。


となれば「はよディマリアを・・・!」(全マドリディスタの心の声)と思うのだが、
1-1のタイスコアなら御の字と考えているモウリーニョに動く気配は無かった。


<レバンド祭り開催!>

一方、ドルトムントのクロップはどのようなハーフタイムを過ごしていただろうか―

マドリー相手にアウェイゴールを奪われてのタイスコアでこの試合を終えれば自分達の負けは濃厚。

クロップとすれば最低でも1点のリードを持ってこの試合を終える事は至上命題だったろう。

よって後半のプランは明快。「攻めろ、そして追加点を奪え」だ。


では、どうやって?

その答えも明快。何故ならマドリーには攻めるべき明確な穴が存在するからだ。


そう・・・もちろん「ロナウドの裏」である。


【ドルトムントの追加点を検証】
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では後半5分に生まれたドルトムントの追加点を検証していきたい。

局面はドルトムントがコエントランとロナウドの間に出来るエアポケット(ファーガソンも狙った穴)を突く教科書通りの攻め。


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しかしマドリーの方もロナウドの裏を突かれた際の守りはある程度慣れている部分もあるのでこの局面でも上手くカバーが利いている。

ブラシチコフスキは無理をせず一旦後ろへ下げてやり直しを図る。


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下げられたボールがギュンドアンに渡ると、またしてもここでロナウドの裏にエアポケットが。

という訳で再びボールは右サイドへと展開される


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ここからドルトムントは一度右サイドを深くえぐるも、またもやコエントラン、アロンソ、ペペらの巧みなカバーリングで蓋をされるとボールを下げてまたまたやり直し。



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で、このボールが同じようにギュンドアンまで下げられると驚くべき事にみたびロナウドの裏にスペースが出現

もう「どうせ空くだろう」と端から狙っていたピシチェクとブラシチコフスキがスタンばっているが
今度はゲッツェをケアするコエントランとロイスへのパスコースをケアするアロンソの手が塞がっており
3度目の正直で右からのクロスに成功するとこぼれ球をシュート⇒レバンドが抜け出して押し込みに成功。


さすがにこのレベルの試合で3度立て続けにスペースを空けたらやられるわwww

(ちょっとマドリーは今一度左サイドの守備を根本から見つめ直した方がいいww)


では続いて間髪入れずに生まれた3点目も検証してみたい。


3ten1.jpg
 
局面はドルトムントの最終ラインからのビルドアップだがマドリーは「ドルトムントのアロンソ」とも言うべき攻撃の起点ギュンドアンをそのアロンソがマークしてまず出所を潰している。

・・・が、ドルトムントとマドリーの違いはここから中盤を一つ飛ばしたタテパスを前線に入れられる事。

無論、フンメルス師匠の出番である。



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ボランチを経由せずに最終ラインからゲッツェへ質の高いクサビが打ち込まれると
受けたゲッツェはこれをダイレクトで右のブラシチコフスキへ。



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更にブラシチから中へ絞ってきたロイスへ。

地味ながらも手前でゲッツェがボールを出した後の抜ける動きでDFを1枚引っ張っているのが利いている。

先程の検証でロナウドとコエントランの2枚でサイド攻撃をしていたマドリーに比べると
ドルトムントは「3人目の動き」まで織り交ぜた重厚なサイドアタックになっている。

(特にロイスとゲッツェの入れ替わり立ち変わりのコンビネーションは巧みだ)


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ロイスはドリブルでボールを運んだ後、ブラシチコフスキへ。

右サイドでトライアングルを作る教科書通りのえぐりからクロスが上がるシーンだが、
ここで逆サイドからSBのシュメルツァーが流れたボールを拾うべく上がってきているのも見逃せない。



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クロスは一度クリアされるもこの流れたボールを上がってきたシュメルツァーがシュート性のクロスを上げると
レバンドフスキが神トラップ⇒足の裏でボールを引いてDFを外し⇒ゴール右隅へズドン!


レバンドフスキはこの後4点目のPKも決めて完全に「レバンド祭り」と化したのだが、
こいつこんないい選手だったっけ・・・?(爆)


正直、普段ブンデスリーガを見ていないせいもあり
これまで「香川にパス出さないヤツ」ぐらいの認識しかなかったのですがwww



モウリーニョ『来季は是非ウチで!オニギリの本気はもう待ってられん!』

ペップ『ロッベン+ゴメスのセットとトレードで!』

アブラモビッチ『え・・・?去年だったら王子1人であいつ3人買えてたの!?(涙目)』



<マドリーに欠けていたもの>

確かに結果だけ見れば「レバンド祭り」なのだが、
その裏にはドルトムントが走る「量」とチームの完成度という「質」で攻守に上回ったという背景がある。

(まあ、単純にイグアインとレバンドを入れ替えれば逆のスコアになっていたような気も若干するが?ww)



そもそもマドリー(スペイン)は少々ブンデス勢を甘く見ていたフシはないだろうか?

スペイン国内では準決勝を前に既に決勝クラシコへ話題が集中していたようだが
ドルトムントは単なる「挑戦者」で片付けていいレベルの相手では無かった。


むしろマドリーは普段、クラシコでバルサとやるような「挑戦者」として臨む構えこそが必要だったはずなのだが・・・。

(仮にマドリーがロナウドも守備をしてロイスやゲッツェをメッシ、イニエスタを止める覚悟で守備をしていたら少なくとも同じスコアにはなっていなかったはず)



ともかく今夜の2ndレグがモウリーニョが「ビッグイヤー請負人」としてマドリーへ成果を残せるかどうかの最後のチャンスとなる―









【関連動画】


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レバンドもとうとう神の領域へ突入ですか…

あと、プレミアの年間ベストイレブンが発表されましたね。
個人的に前半戦守備がボロボロだったユナイテッドからリオが選ばれたのは?でした。
今年も店長の年間ベストイレブンお願いします。

P.S 私事ですけど、今日で部活引退しました。これから大学に向けて頑張ろうと思います。

3点目のレバンドフスキのゴールはちょっと次元違いましたね(^^;;

レバンドフスキ、ブラシチコフスキ、ピシュチェクの最強ポーランドトリオに対して守るのが実質コエントラン一人というのは無謀過ぎた(笑)
プロフィール

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