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今季のマンUから垣間見る未来像とファーガソンの決断

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<名騎手の手綱さばきがユナイテッドを優勝に導いた>

12/13シーズンのプレミアリーグはマンチェスターUの優勝で幕を閉じた。

思いもかけぬ引退宣言でファーガソン監督のラストシーズンとなった今季だったが
終わってみれば稀代の名将の見事な手綱さばきがチームを優勝に導いたと見る。

開幕から常に好位置につけ第二コーナーを曲がったあたりで先頭に立つと
マンチーニやベニテスが直線で馬群に沈んでいくのを尻目に4馬身以上の差を保ったままゴール。

(尚、リバ○ールに至っては第一コーナーで落馬した模様www)

競走馬の能力にそれほど差は無くても騎手の差は歴然としていたシーズンと言えよう。


確かに個々の試合を振り返れば、目を見張るようなサッカーも時代をリードするような戦術も無かった今季のユナイテッドだったが
どんな内容でもしっかり勝ち点だけは取るという安定感は他の追随を許さなかった。


<ファーガソンの決断>

ここで時計の針をシーズン開幕まで巻き戻すと、
そもそも今季は「打倒バルセロナ」で始まったシーズンだった。

既にファギーが20年以上の歳月をかけて作り上げてきたいわゆる"ユナイテッドのサッカー"
プレミアリーグを制する事が出来るのは誰でも知っている。

だが欧州の覇権を握るには、絶対王者バルセロナを倒すには
このままのサッカーでは無理な事も分かってきた。


そこで今季補強されたのが香川とファンペルシーである。

時代のトレンドがバイタルエリアを巡る攻防に流れているのを感じたファーガソンは
ブンデスリーガでバイタル攻略の名手として躍進する香川と単なるストライカーという枠に留まらず中盤に引いてきても仕事の出来るVペルシーを指名したのだった。


しかし実際に蓋を開けてみるとファンペルシーがすんなりフィットしたのに対し
プレミア初挑戦の香川には時間が必要で、しかも早々に怪我による離脱を強いられてしまう。


名将の決断は早かった。

すぐさま従来のユナイテッドサッカーに舵を戻すと間もなくしてプレミアリーグでの独走が始まった。


監督の中には「理想と心中」する者も多く、
それはそれで一つの美しい生き様だとは思うが、それでは20年以上の長期政権は務まらないだろう。

結果的に見てファーガソンの判断が正しかった事は優勝という結果で証明されている。

まあ、そもそも昨季の戦力でさえあのシティと最終節まで優勝を争ったのだから
Vペルシーが訪れるチャンスを確実に得点へと変えてくれればこれも順当な結果なのだろう。

(ルーニーも自分と同じレベルの画を見てくれる選手がチーム内にいる事で明らかに負担が減った)


個人的にはプレミアで独走するユナイテッドを見ながら「香川の融合」「新しいユナイテッドへの挑戦」
来季以降に持ち越されたと見ていたのだが、今となってはそれも叶わぬ夢となってしまった。


だからこそ今、ファーガソンが本当に目指していた「新たなるスタイル」を
今季前半戦の試合から検証し、少しでも垣間見る作業が必要なのではないか?

この作業なくして、今季のユナイテッドの本当の姿は見えてこないし、
「ありがとうファーガソン」と「モイーズとは何者か?」に染まる報道を見ながらその想いは強くなるばかりである。


kagaruni.jpg
<ユナイテッドの未来像>

今季のユナイテッドを振り返る上で外せない試合が第6節のトッテナム戦だろう。

個人的にはシーズンベストゲームだと確信しているのだが、
特に後半の45分間で見せたサッカーはここ数年のユナイテッドの中でも最高の部類に入る。
(但し、スコアは2-3の負け試合)

この試合が貴重なのは後半にVペルシー、ルーニー、香川、スコールズが同時起用された数少ないサンプルになったからだ。

僕はこの試合にファーガソンが目指していた"新たなユナイテッドの未来像"を垣間見たのである。


それではこの試合の後半に的を絞って検証を進めていきましょう。

まず後半開始時点で2点のビハインドを追うユナイテッドはこのような布陣になっていました。↓

【第6節 トッテナム戦 後半の布陣】
mansupakouhan.jpg


まあユナイテッドが前半を終えて2点を追う展開というのはシーズンでもそうそう起こる事ではないのですが、
それが故にこのようなめずらしい超攻撃的布陣が組めたとも言えるでしょう。

基本的には右のナニと上がりっぱなしにした左のエヴラで相手のDFラインを横に引っ張って
空けたバイタルエリアをVペルシー、ルーニー、香川、スコールズと間受けの出来る名手達が
入れ替わり立ち変わりに突くというサッカーになっていました。

もちろん、バイタルへ向けて鋭いタテパスを通せるキャリック&スコールズという出し手が2人いる事も重要です。

(どことなくトップから降りてくるメッシを筆頭にシャビ、イニエスタ、セスクらが同じようにポジションレスで
バイタルエリアを制圧したペップのカオスバルサを彷彿とさせるものがありますね。)


では実際の試合からユナイテッドの多彩な攻めとバイタル攻略の道筋を検証していきましょう。


【ダブル間受け】
wmauke.jpg

まず単純に考えて常に間受けを狙っていて尚且つそれを実行に移せる駒が2人以上いるのはそれだけで大きな利点になります。

↑のシーンではVペルシーとルーニーがDFラインを引っ張り、スコールズと香川が間受けを狙っていますが
他にも香川&ルーニー、Vペルシー&香川など組み合わせも多彩です。

守る側のアンカー(サンドロ)はどちらを潰してもどちらかが空いてしまうので非常に難しい判断を迫られています。



【間受けのローテーションから時間差攻撃】
mans1-1.jpg

続いては間受けのローテーションから時間差攻撃へと発展した形です。

まず中盤の浮き球を処理するスコールズから得意のエリアで待つ香川へ。


mans1-2.jpg

受けた香川には背後からマークが付いた為、無理せずボールを一度下げながら
自身も流れる事でマークを引っ張り、空けたバイタルエリアを次の選手へ使わせようという意図が伺えます。

これは試合中、香川がよく見せるプレーでもありますが
この次への展開を踏まえた意図を誰かが感じていないとただのバックパスで終わってしまうのが難点で
実際にユナイテッドの試合ではそういう事がよくあります。


mans1-3.jpg

しかし、これだけバイタル攻略への意図を持った選手をピッチに揃えていればその心配はありません。

空けたバイタルにルーニーが前線から降りてきているのと同時に
バックパスを受けたキャリックも香川の意図を充分に理解したタテパスを通せる事が重要です。


mans1-4.jpg

ハイ、見事な時間差による間受けが成功しました。

スコールズ⇒香川⇒キャリック⇒ルーニーと誰1人欠けても実現しない連携は非常に貴重な形を生み出しています。



【香川の裏抜け】
mans2.jpg

今度はVペルシーとルーニーが中盤に降りて、代わりに香川が最前線に飛び出すパターンですね。

この流れからVペルシーのスルーパス⇒香川の見事なターンでゴールが決まったので
このシーンを覚えている人は多いかと思います。

中盤まで引いてもアシストで高いレベルの仕事が出来るVペルシーというタレントと
裏抜けからの得点感覚も併せ持つ香川の良さが活きたシーンと言えるでしょう。



【サイドに起点を作って中を開ける】
mans3-1.jpg

最後にサイドでも起点を作れるパターン。

左に流れた香川がボールを受けると同時に最前線のVペルシーも同サイドへ流れる事でCBを引き出します。


mans3-2.jpg

香川から真ん中へ抜けるルーニーへパスが通って決定機へ。

俯瞰の視点から見ると単純な連携のようにも見えますが、
香川、Vペルシー、ルーニーが同じ画を描いていないと実現しないプレーなのです。



いかがでしょうか?

両サイドへポーンと素早く展開して、それをウイングがぶっち切って中へのクロス⇒CFがズドン!という
従来のユナイテッドとは明らかに一線を画す"バイタル攻略色"が強いサッカーが展開されているとは言えないでしょうか?

僕はこれこそが香川とVペルシー獲得の意味であり、ファーガソンが本来目指していた形だったのではないかと今でも思っています。


しかし重要なのは結果的にこの試合は2点を取りながらもカウンターから追加点を許した負け試合だったという事。
(今季5敗しかしていない内の一つ)

元々スピードに乏しいDFラインを果敢に上げて、ベイルがいる相手にここまでスペースを与えてしまうと
やはりカウンターからの失点は必然だったと言えるかもしれません…。(^^;

バイタル攻略に枚数をかけて両サイドを上がりっ放しにしたまま、
尚且つDFラインまで上げて相手を押し込むサッカーを実現するにはある程度1対1でカウンターを跳ね返せるスピードを持ったDFが不可欠という結論に達するのかなと。


故にこの試合がターニングポイントとなって以降のユナイテッドはDFラインを下げて
バイタル攻略に特化しない従来のサッカーへ徐々に舵を戻していく事になります。


・・・では来季以降はどうなるのか?



ご存知の通り、ファーガソンに加えてスコールズも引退し、ルーニーにまで移籍の噂がある以上、
このサッカーの続きを見る事は叶わなくなってしまいました。

来季以降、ユナイテッドは新しいサイクルに入ると見るべきで
我々日本のファンとしては果たしてどこまで香川を活かせるサッカーをしてくれるのか?というのも気になるところ。


しかし返す返すも「戦術的には古臭いタイプ」とも見られる事もあるファーガソンの先見性と挑戦する心意気、
そしてRマドリー戦で見せた神の一手まで含めてこのじーさんは本当に最後まで底が知れなかったな・・・と(笑)

今まで長い間お疲れ様でした・・・と言いたいところですが、

どうせ来季以降もユナイテッドがちょっと連敗でもしようものなら
もうあの真っ赤な顔で上からガンガン激が飛んでくるんでしょう?(笑)


"生涯現役"の貴方を期待していますよ。



追伸・もちろん来季以降のモイーズユナイテッドについての検証もご期待下さい。


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ルーニーがいなくなったら、香川はますますプレーの幅を広げていかなくてはいけないわけですが、フェライニなりベインズなりを取ろうとしてる監督の下で果たして香川がどれだけ動けるのか、ちょっと心配です。
ここ最近(優勝が決まるちょっと前くらいから)、香川のプレーが安定してたのを考えると、今ここでサッカーが変わるのは少し残念です(._.)

この試合はユナイテッドらしからぬ面白い試合内容してますね(笑)

モイーズ監督は、イングランド人を育てるみたいな発言をしていたので香川よりウェルベック、ヤングらが優先されそうな気がします・・・

スコールズやルーニーがいなくても香川が輝くためには、やはり個の突破力が必要になるのでしょうか??

マンUファンの僕からしたらやっぱりファギー、スコールズの引退、
ルーニーの移籍報道は悲しいです・・・

ルーニーのセントラル起用は前店長がおっしゃっていたとおり
それなりに機能していたと思うんですが、もう少し年取ってからでもいいのでは・・?と思ってました。

ルーニーの現段階でのセントラル起用については店長はどう思われますか?
まあ残留してたらの話ですが(笑)

Re: マンチェスター香川さん

> ルーニーがいなくなったら、香川はますますプレーの幅を広げていかなくてはいけないわけですが、フェライニなりベインズなりを取ろうとしてる監督の下で果たして香川がどれだけ動けるのか、ちょっと心配です。
> ここ最近(優勝が決まるちょっと前くらいから)、香川のプレーが安定してたのを考えると、今ここでサッカーが変わるのは少し残念です(._.)



モイーズはチャンスは間違い無く与えてくれると思いますが、それを香川がつかめるかどうかですよね。
>
> ちょっと来季の陣容がまだ見えてこないので何とも言えませんが、普通に考えれば香川は来季の主軸として期待されてはいるはず。

Re: 住所不定無職さん

> この試合はユナイテッドらしからぬ面白い試合内容してますね(笑)
>
> モイーズ監督は、イングランド人を育てるみたいな発言をしていたので香川よりウェルベック、ヤングらが優先されそうな気がします・・・
>
> スコールズやルーニーがいなくても香川が輝くためには、やはり個の突破力が必要になるのでしょうか??



ユナイテッドの主力としてポジションを掴むには、やはり個の力で何かを生み出せないと厳しいというのがこれまでの慣例なんですよね。

香川がこの伝統を打ち破れるか否かが重要だと思います。




Re: dynaさん

> マンUファンの僕からしたらやっぱりファギー、スコールズの引退、
> ルーニーの移籍報道は悲しいです・・・
>
> ルーニーのセントラル起用は前店長がおっしゃっていたとおり
> それなりに機能していたと思うんですが、もう少し年取ってからでもいいのでは・・?と思ってました。
>
> ルーニーの現段階でのセントラル起用については店長はどう思われますか?
> まあ残留してたらの話ですが(笑)



いっきに別のチームになってしまうような感覚は否めないですよねぇ・・・(^^;

ただ、これって実はユナイテッド以外のそれこそチェルシーとかミランのファンは
ここ数年で何度も経験してきている事でもあるので
ユナイテッドというチームがこれまでかなり恵まれた環境だったのも事実かと。


ルーニーのCH起用は、現在のチーム事情から出てきたあくまで苦肉の策なので
ベストなのはもちろんスコールズの後釜をとってくる事ですね。

店長復活してる!嬉しい!
店長のブログほどサッカーの分かるブログは他にありません
香川のあの得点シーン、こんなに崩しきった得点だったんですね
キャプチャで見せてもらえるとすごく分かりやすいです
ファンペルシルーニー香川が中央でスコールズとキャリックがボランチなんて、45分で終わってしまうには勿体無さすぎます
来期はもうスコールズがいないので、モイーズには是非スコールズのような足元のしっかりしたボランチを補強してもらいたいです

Re: ナッツさん

> 店長復活してる!嬉しい!
> 店長のブログほどサッカーの分かるブログは他にありません
> 香川のあの得点シーン、こんなに崩しきった得点だったんですね
> キャプチャで見せてもらえるとすごく分かりやすいです
> ファンペルシルーニー香川が中央でスコールズとキャリックがボランチなんて、45分で終わってしまうには勿体無さすぎます
> 来期はもうスコールズがいないので、モイーズには是非スコールズのような足元のしっかりしたボランチを補強してもらいたいです



その節はご迷惑をおかけしました(^^;

昨季のマンUは僕の中でのベストメンバーが揃った試合がほとんどなくて残念でした(笑)

来季はルーニーの去就も気になりますね。


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Author:soccertentyou
年間300試合観戦のサッカー馬鹿によるサッカー馬鹿の為の戦術分析ブログ

【メールアドレス】
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