「スペインの時代」は終わらせない ~U21欧州選手権に見る"大人"のゲーム運び~

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<「スペインの時代」は終わらせない ~U21欧州選手権に見る"大人"のゲーム運び~

日本中の注目がコンフェデ杯に集まっている裏でヒッソリと開催されていたU-21欧州選手権。

文字通りアンダー世代におけるEURO(欧州選手権)となるこの大会(五輪予選も兼ねる)は
バカンスモードで日本代表に3点もブチ込まれた某ザルナチオのモチベーションとは違い、
欧州各国が本気で挑む大会で恐らくコンフェデ参加中のイタリア、スペイン本国でもこちらの結果の方が大きく取り上げられているはずである。

そこで今日は変態ブログらしくコンフェデに沸く今、敢えてこちらの大会について取り上げてみたい(笑)

(決してイタリア戦のマッチレビューに手間取っているからではないぞ…!!www)


まず大会の結果についてはご存知の通り、優勝候補筆頭と言われていたスペインの圧勝で終わっている。

ロシア、ドイツ、オランダと組まれた「死のグループリーグ」を全勝で突破し、
準決勝では今大会の伏兵ノルウェーを3-0と一蹴。

決勝でもイタリア相手に4点をブチ込むなど圧倒的な強さを見せた。


それもそのはず、スペインU-21のメンバーはいずれも世界トップレベルのリーガエスパニョーラで既にレギュラーないしはチームの主軸を担っているメンバーで構成されており、
チアゴ・アルカンタラ、イスコ、デヘア、イジャラメンディ、テージョ…etcら完全にチート仕様である(笑)


今年のCL決勝の結果を受けて「スペイン黄金時代の終焉」と「ドイツの時代到来」が盛んに叫ばれていたが、
「4年後の欧州情勢の縮図」とも言われるアンダー世代の大会でスペインが再び結果を出した事は
「まだまだスペインの時代は終わらなせない!」と彼らが声高に宣言したようでもある。


大会が某有料クソチャンネル(笑)の独占放送だった為、見れなかったという人も大勢いるかと思いますが、
そういった方達に今大会のスペイン代表がどんなチームだったかを説明するのは至極簡単です。

貴方が知っている"いつものスペイン代表"、もしくはコンフェデでタヒチを無慈悲なまでに叩きのめしたあのA代表の
そのままユース版をイメージしてもらえれば差し支えない。

選手の顔ぶれと年齢が違うだけで、着ているユニフォームもピッチ上で展開されているサッカーも全く同じである。


そしてこれこそがスペインという国の底力とも言えるだろうか。

同じようにイタリアのU-21代表も「カテナチオからの脱却」を志向しながらも
彼らの強みである「縦1本のダイレクトな展開」は健在で
ポゼッションをしながらも1本のパスで相手の裏を取りしたたかに得点を奪っていく様はどこから見てもアズーリだったし、
オランダの個の力を全面に押し出した攻撃サッカーのイケイケ具合もやっぱりオレンジ軍団だった。

(一方、某「サッカーの母国」珍グランドU-21ご一行様はグループリーグ3戦全敗で帰国した模様(爆)やっぱりこの国の育成は何とかしないとヤヴァイwww)


<成熟した大人のサッカーが展開された大会>
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とりわけ今大会で印象的だったのはどの試合でも非常に洗練された大人のサッカーが展開されていたという事だ。

一昔前までアンダー世代の代表と言えばだいたい個の力で突出したプレイヤーを中心に作られていたり、
(U20だけど日本代表をチンチンにしたオランダのクインシーを覚えている方は多いだろうww)

ドリブルの持ちすぎによるボールロストやDFの無謀なチャレンジによる失点など
いい意味でも悪い意味でも「若さ」を感じさせる試合が多かったものだが
今大会では誰か特定の選手の個人能力に頼ったり、試合運びに甘さを見せるチームは皆無であった。


少なくとも「前半・後半の開始直後と終了間際」といった"取られてはいけない時間帯"の認識は某極東のA代表より熟知されていたし、
せっかく2点をリードしながらDFの有り得ないミスで自滅するようなチームもいなかった(爆)


中でも優勝したスペイン代表の試合運びは群を抜いており、
どの試合でも主導権を握ったまま簡単には渡さないという共通認識が徹底されていた。

これが欧州の そしてスペインの厳しさでありサッカー力なのであろう。


スペインの若者達の一体何が凄いのか?と大会を見ながらずっと考えていたのだが
ひとことで言うならば彼らは"サッカーが上手い"のである。

何を当たり前の事を…と言われるかもしれないが重要なのは
「ボールタッチが柔らかい」でも「抜群のドリブルテクニックがある」でもなく
選手全員がまず"サッカーが上手い"という事なのだ。

単純な足元の技術であれば日本のこの世代も決して引けを取るものではない。

では何が日本とスペインの差を生んでいるか…?と言えば
彼らは自分達が持っている技術(カード)の出しどころを決して間違わない。

例えばボールを持った時に派手なフェイントは必要ない、
それよりファーストタッチで正しい位置にボールを置いてやる事の方が100倍重要である…といった事を彼らは身体で覚えている。

よってスペインの試合はボールの出し入れ、置き所、適切なサポート、パスコースの選択ととにかく「間違い」が無い。だから自然とボールが気持ち良く回るのである。


…と同時にスペインの技術を見ているとその全てが「試合で培ったもの」である事がハッキリと分かる。

その下地となっているのが彼らの育成環境なのは間違い無いだろう。

スペインの21歳と日本の21歳のサッカープレイヤーを比較した時、
まず一番の違いは「積み重ねてきた試合数の差」だと思う。

スペインでは全ての年代に置いて「今、自分のレベルに最も見合ったカテゴリーで年間リーグを戦う」という
多重ピラミッド構造が既に完成されている。

各レベルにおけるチーム間の人材流動も盛んで「自分に合ったチーム」「試合に出られるチーム」を自らの意思で選ぶ事が出来るのだ。

そこでスペインの若者達は練習で培った技術を実践で磨き、己のスキルに昇華させるという過程を日々繰り返しているのだろう。


翻って、14~18歳という重要な時期を「ひたすらグランドの外周を走る事」や「先輩のボール拾い」や
5軍もある人員過多のチームで「スタンド応援」に日々を費やしていては日本は永遠にスペインに追いつけないのでは…?とすら思ってしまう。


この世代の若者達にとってはどんなに優秀な指導者の一声よりも
『試合こそが最良のコーチである』とは誰の言葉だっただろうか-


ふとそんな事を考えたU-21欧州選手権でしたとさ。

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確かに確かに…

お笑い芸人ではないけど、部活最後の試合ラスト五分で…と、いう話を聞くと勿体ないですよね。

って、そんな店長は部活に入ってなかったでしょ~~

多感な時期に店長は何してたんだか(笑)

「翻って、14~18歳という重要な時期を「ひたすらグランドの外周を走る事」や「先輩のボール拾い」や
5軍もある人員過多のチームで「スタンド応援」に日々を費やしていては日本は永遠にスペインに追いつけないのでは…?とすら思ってしまう。」

あはは、耳が痛いですねぇ。
育成が変わっていくにも、時間がかかりそうですねぇ。

自分はサッカー経験ありませんが・・・・
確かにサッカー部の練習見ていると、意味あるのかな?と思う練習をしていることがありますね。

そういうことが、外国で活躍する指導者がほとんどいないことにも関係しているのかな?とおもいます。


あと、店長。
本田のミランに移籍の可能性はどれくらいでしょう??笑

部活を競技力向上の場所ととるか、教育の場所ととるか…ですよねー

ただその部活で日本のナンバーワンプレーヤー本田や、期待の若手宮市が生まれたのは皮肉なのか何かのヒントなのか…

むしろユース組織から有望株が現れてないのはそういった土壌に日本人が合わないのではないでしょうか?

無理して欧州型にするのは日本のよくないところなきがします
例えば南米にトリッキーなスタイルがあるように「日本ブランド」を作っていってほしいですね!

個の育成とはなにか

日本では個の育成がうたわれているようですが、真の個の育成とは、店長のおっしゃるように"サッカーがうまくなる"ことだと思います。

解説ではブラジルの個人技と日本を比較して、セルジ◯なんかは個が負けているみたいな発言していましたが、取り上げる視点がおかしい気がします。

全体は部分の総和以上のなにかである。アリストテレスの言うように、強い(またはうまい、またはすごい)個の集団でもサッカーとして機能しなければ、全く意味がありません。

代表選手のブラジル戦後のコメントからも、日本が考える個はなにかボタンの掛け違いが起きているような…(日本得意のガラパゴス化?笑)

日本にも宇佐美選手や宮市選手など、素晴らしい能力を持つ若手選手はたくさんいると思いますが、それがサッカーのゲームで機能するプレイができているかどうかはまだまだ疑問です。

解決策はスペインのように、どのカテゴリでも毎週真剣勝負ができる公式戦を設けることなのでしょうか。

フットボールはフットボールとして捉えて、本質は何なのかをもっと探求する環境が日本にもできてくるといいですね。

いやはや。
裏でやっているこっちに試合ごとに狂喜乱舞してしまいました。
イングランドは…あれはヤバイでしょ。
死のグループにいたドイツがGL敗退はともかく、なんで別グループの君らが!!と、壁ドン連打でした(~_~;
ドイツは、ホルトビーが2試合目以降は若干消えてましたが、でも、やってるサッカー自体は、イタリア同様にA代表と方向性は同じだから、やはり育成からの徹底でしょうかね。
恐ろしいチート集団スペインは、U-21のサブですらベンチ充すぎて涙目(笑)。
準決勝のノルウェー戦でのイスコたんのあのゴラッソでどんぶり飯三杯はいけますね私ww
とりあえず、某有料チャンネル解説陣揃っての基地外イジャラメンディ推しっぷりが、私のこの大会の印象かと(爆)

店長、こんばんは。

U21欧州選手権は、店長の予想通りスペインがぶっちぎりで優勝しましたね。去年の五輪のこともあり、日本人の中にはスペインのアンダー世代はどうなん?と思っている方ももしかしたらいるのかもしれないけど、はっきりとあの試合はスペインが日本を舐めきっていたことが明らかになりました(笑)

チアゴやイスコなんかは片手間でやってね?ってくらい余裕でしたね。

イスコのノルウェー戦のゴール・・・。あのファーストトラップは店長の仰るボールの置き所の巧さですね。ただ、あれってゴール前で普通にできますかね・・・。いくらアンダー世代のDFとはいえ。

部活は将来のプロフットボーラーを育てる場ではないですからね。そういう意味では、日本ももっとプロクラブの下部組織に力を入れていく必要があるんですかね。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

メキシコなんかはユース世代の代表の遠征試合をガンガンに組んで、海外コンプレックスを克服したなんて話も聞きますしね~。
Jリーガーよりも大学生が起用される現実を考えると、この国も育成部分にメスを入れる必要があるのかな~と思います。

今回のコンフェデで出た課題も、考えると結局は“育成”に行き着くんですよね。
もっと広義な意味で言うと、“サッカー文化”と言い換えても良いかな。
ブラジルやイタリアやメキシコの壁は、スコア差以上にまだまだ高いですよ。

スペインは下部組織のチーム(バルサBやマドリーカスティーリャ)がプロ2部リーグにいたりして、他のリーグとは少々違って不思議ですよね。なぜスペインだけあの形をとっているのでしょうか?また、スペインのやり方は効率的に見えるのですが他の国はなぜやらないのでしょうか?

コメント御礼

>青葉のインテリスタさん

強いて言うなら自主的にアイドル研究部を立ち上げ・・・ry



>onelove2pacさん

JFAと文部省が連携をとって部活動にも切り込めれればいいんですけどねー。


>住所不定無職さん

まあ、部活の監督はただの「顧問の先生」ですからねー(^^;

本田の移籍については公式の決定報が出るまで僕は信じませんww



>よこちんさん

仰る通り、未だにユース勢よりも高校勢の方が代表の主力を務めている現状です。

部活動のシステムは使い方によっては日本の強みにもなるはずなので、ユースと連携ととってお互いの良い部分を活かせる関係になるのが理想でしょうね



> シェイクスピアさん

>>全体は部分の総和以上のなにかである。

いい言葉ですね。心のメモに留めておきます。

公式戦の少なさは致命的で、JFAもそれを認識はしているんですが、なかなか根本的なシステムにメスを入れるまでには至っていない…という感じでしょうかね。


>さやことさん

イジャラの時代が来たか!(ガタッ!)という感じで徐々に世間に"見つかって"きてしまっていますねww

イングランドに関してはトップ下にヘンダー○ンを使っているようでは・・・ry



>F9Tさん

イスコは完全に変態認定レベルなので、もうピッチで遊べる領域ですww
ちょっとあのカテゴリーのサッカーには不釣合いな気すらしましたよ(笑)


>rage30さん

まあ、逆の見方をすると大学サッカーが受け皿として機能しているのは有難い…とも受け取れる訳ですが、それはそれでJFAとJリーグは何をやっとるんだ?という話で。(^^;



>ササミカレーさん

各国の育成システムはその国のサッカーの歴史と共に積み上げられてきたものでなかなか変える動きは労力がいるものです。

例えばフランスは94W杯に予選敗退というショックもあり、育成アカデミーへ一気に注力して98~2000年の黄金世代を生み、ドイツもEURO2000のグループリーグ敗退をキッカケに根本的な育成改革が行われエジル、ゲッツェらの今に繋がっています。

要するに大きなショックが無いと本気では動けない…という事の証かもしれませんね。

Re: マートンさん

ザックJAPAN×スペインU21ですか・・・やってみないと分からないですが面白い試合になりそうですね(笑)個人的にも見てみたいです。

映画は最近コレ!っていうのがないんですよねー(^^;
ガリレオには若干期待してるんですが…。

メディア

最近のザック解任論に腹がたちます。
今回のコンフェデ杯は残念でしたが、歴代の監督の中では1番可能性を感じます。
オシムの走るサッカーを見習えという人が言いますが、今の日本代表はザックがメディアに言っていないだけで、実はすごい賢く走るサッカーをしてると思います。
岡田監督と比べている人とかもいますが、岡田監督のサッカーにはビジョンが全く見えませんでした。
結局、勝てなくなるとすぐ根性論に持って行き、思考停止してしまうこの国の悪い体質なんでしょうね笑

Re: れみぜらぶるさん

> 最近のザック解任論に腹がたちます。
> 今回のコンフェデ杯は残念でしたが、歴代の監督の中では1番可能性を感じます。
> オシムの走るサッカーを見習えという人が言いますが、今の日本代表はザックがメディアに言っていないだけで、実はすごい賢く走るサッカーをしてると思います。
> 岡田監督と比べている人とかもいますが、岡田監督のサッカーにはビジョンが全く見えませんでした。
> 結局、勝てなくなるとすぐ根性論に持って行き、思考停止してしまうこの国の悪い体質なんでしょうね笑



>>歴代の監督の中では1番可能性を感じます。

これは同意ですね。岡田監督の場合は途中でビジョンを諦めたと自身で語っている通りです。

あと1年あると考えるかもう1年しかないと考えるかですが、ザックはどこまで自身の理想を追い続けられるか最後まで見守りたい気もします。
プロフィール

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Author:soccertentyou
年間300試合観戦のサッカー馬鹿によるサッカー馬鹿の為の戦術分析ブログ

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